前回までのあらすじ  
 
サトシに告白したハルカに対し、  
態度は保留するものの想いは受け取ってくれたサトシ。  
念願のサトシのファーストキスを奪い、  
そのままひそかな願いだったセックスまですることができた。  
 
そしてつながったまま一夜を過ごし、  
朝起きると同時に、部屋のドアの向こう側には何とタケシが立っていた。  
そしてタケシはそのままドアノブをひねり…  
 
 
「…なあっ!?」  
タケシの仰天の声。  
「こ、これは…これは…」  
タケシのあいた口が、ふさがらなくなっている。顎をがくがくさせ、金縛りにあったように動けない。  
 
…当然であろう、こんな事になったら。  
 
「……シ…」  
サトシと言おうとして、声が出ずに『シ』としか口から出なかったのだろうか。  
…いや、違う。  
 
「…シ、シビレビレ〜……」  
体がしびれ、倒れこむ。  
「…ケッ!」  
(な、なんでだ、グレッグル…)  
ズボンごとタケシを引きずるグレッグル。  
ドアが開く直前で、毒突きを一発。  
 
「…た、助かったかも…」  
「ナイスだ、グレッグル…」  
体中の力が抜ける。  
しかし、よく考えると、2人が何をしていたかグレッグルは勘付いていたという事になる。  
…ただ、そんな事を考える余裕もなく、とりあえずお互い服を着用した。  
 
「へえ、ミクリカップに乗っかっていろんな催し物をやってるな。」  
朝食を済ませ街に出ると、いろんな催し物をやっていた。  
「サトシたちはどうする?」  
「ああ、ヒカリとハルカと3人で、いろんな所を見て回ったりしたいなって。」  
予定していることをそのまま発言。  
しかし、普通に考えれば4人で行動したって何も変わらない。事実上のタケシ仲間外れ宣言。  
ヒカリが怪訝な顔をする。  
「あれ?なんでタケシだけ仲間外れ?」  
「え?えっと…」  
「ほら、タケシのお気に入りのお姉さんが、たくさんいるかも!」  
タケシがその言葉に反応する。  
みると、選り取り見取りのお姉さんたちがいる。  
 
「…ぐあっ、し、しびれびれ…」  
「…ケッケケケケケケケ…」  
「…グレッグル、ちょっとタイミング早過ぎない?」  
それでも、タケシは1日中お姉さんたちをナンパしまくるのだろう。  
タケシはサトシたちの事を忘れて、お姉さんの海に飛び込んで行った。  
「でも、なんでタケシだけを?」  
「ああ、ちょっとヒカリに話しておかなければならないことがあって。」  
「…。」  
ハルカは心配そうな顔をする。  
裏切らないと信じても、それでも不安なのである。  
 
「…あそこにポケモンだけが入場可能な広場があるな。  
 ヒカリ、ミミロルを出してくれ。」  
「…ピカ!?」  
「うん、わかった、出ておいで、ミミロル!」  
ミミロルは出てくるや否や、さっそくピカチュウにアタックを仕掛ける。  
「ちょ、ミミロル、重い…」  
サトシの肩にミミロルとピカチュウ、合計11,5kgが乗っかっているので、当然である。  
6kgあるピカチュウをいつも肩に乗せているサトシも、  
5,2kgのポッチャマをよく頭に載せたり腕に抱いたりしているヒカリも、  
実は相当の重労働をこなしているかなりの体力の持ち主である。  
 
「ピカチュウ、ミミロルと一緒に、あそこで遊んできな。」  
「ピカ!?」  
「ミミ!」  
 
ミミロルは相当うれしそうだが、やはりピカチュウは戸惑っている。  
ピカチュウも  
ミミロルの事は嫌いではない、むしろ好き…なようのにも見えるが、  
アタックが激しいのでいつも戸惑っている。  
そんなミミロルと数時間2人きりで一緒に過ごすのは…  
 
「悪い、ピカチュウ、俺たち、ちょっと大事な話があるから、席を外してくれないか?」  
「…ピーカ。」  
かなり不機嫌そうになるが、ミミロルが隣にいるのでそれを顔に出すこともできない。  
「お願い、ピカチュウ。  
 今日でサヨナラだから、サトシとお別れの前に、…かも。」  
言うのがつらくなり、最後が適当になる。  
だが、ピカチュウはハルカがサトシの事を想っているのはホウエン、カントーのころから知っているので、  
その想いを汲んで男…というより♂としてぐっとこらえた。  
 
とりあえず2体を広場に預ける。  
この広場はとある会社が経営しており、各地のイベントに訪問し場所を借りてやっているらしい。  
そしてごくまれにタマゴを持っているポケモンが、見つかるらしいが…  
「ピーカ!?」  
「ミーミ!!」  
2匹は手を振って、3人を見送った。  
この後、ミミロルの激しいアタックにたじたじになり続けたピカチュウであった。  
 
3人のデートは楽しさそのものであった。  
いろいろ甘いものを買い食いしたり、大道芸を見たり。  
大道芸を見て、ハルカはマナフィの事を思い出していたりもした。  
今は昼食のために喫茶店にいる。さすがにここでバイキングに行くわけにはいかない。  
 
「もぐもぐもぐ…」  
ハルカはサンドイッチを口に運んでいる。  
「ハルカ、今日はなんというか…生き生きしてるね。」  
「え?…ふふ、そうかも。」  
「昨日はあれだけ悲しい顔してたのに、  
 なのになんかその笑顔、全然無理している笑顔じゃない、心の底から笑ってる感じがする。  
 昨日の夜、何かあったの?」  
「あ、えーっと、…かも。」  
サトシは2人のやり取りをオムライスを食べながら聞いている。  
ハルカが照れ笑いしているのを見ながら、ストロベリーパフェを食べるヒカリ。  
…いや、ヒカリ、だから昼食なのにデザートを頼んでるんじゃねえよてめえは!  
 
「あやしいなあ〜?」  
「や、ちょ、ちょっとヒカリ!」  
にやつきながら小突くヒカリ。  
流石にサトシとの情事をさらっと話すような事はしない。  
…だが、サトシはこのことについて、なぜか1度も触れなかった。  
(なんでだろ、サトシ。  
 このことをヒカリに言うと思ってたのに…違うのかも?)  
 
「ここがサトシとピカチュウが不思議なポケモンに出会った場所?」  
「ああ、湖から突然出てきて…すぐに消えた。」  
「なんか…不思議かも。」  
周りにはだれもいない。  
そろそろ話してもいいころだろう。サトシが体を2人に向ける。  
「…さて、そろそろ話してもいいころかな。  
 ハルカ…言ってもいいな?というか、今後のために絶対に言った方がいいと思う。」  
「うん、いいよ。…本当にすべて、話しちゃっていいから…」  
情事の事もすべて、という意味である。サトシはその意味をきっちりとくみ取っていた。  
サトシも少しは人の心が分かるようになってきたのかもしれない。  
 
「…ハルカ、来てくれ。」  
「え?うん…!!?」  
「ちょ、サ、サトシ!?」  
ハルカが近付くや否や、肩をグイッと腕で引き寄せて、そのまま唇を奪う。  
その長い長いキスを、ヒカリはただじっと見てるしかなかった。  
「…ふう。」  
「サ、サトシ、何やってるの!?」  
「あ、あのね、ハルカ…  
 わたし、こうなることをずっと望んでたの。」  
「え…じゃ、じゃあサトシの事をハルカは…」  
「うん、一緒に旅をしていたころから好きだった。  
 それを言えないままサトシとの旅が終わってしまって、  
 今回また少しだけ一緒に過ごせることになったけど、言えなくって…」  
「でも、最後は勇気を振り絞って言えたんだ。  
 …それが、ハルカのやりたかった事。」  
ヒカリはどんな風に言うのだろう。  
心のどこかでヒカリはサトシを想っているはず、  
それを考えれば、心のどこかでヒカリはショックを受けてしまうだろう、そう思っていた。  
 
「よかったじゃない、ハルカ!  
 最後の最後になって、心が通じ合ったじゃないの!」  
「え…?」  
ヒカリの反応は、ハルカにとっては意外であった。  
純粋に、ハルカの想いが通じたことを喜んでいる顔。  
とはいえ、恋愛に疎いヒカリがサトシの事を気にするはずもなく、ある意味当然の結果でもある。  
 
(よ、よかった…ヒカリは、サトシの事を気にしては…)  
サトシにだけ聞こえるようにそう呟いた。  
だが、サトシはハルカにこんなことを言った。  
(俺が3人きりにしてくれるようタケシに頼んだ意味、分かってないな。)  
(え?)  
(ヒカリに、言ってやってほしい。  
 …ヒカリが、俺の事をいずれ好きになるって言ってたよな、そのことを。)  
(な、なんで…?  
 それはそうだけど、言わなきゃサトシは、わたしの…)  
(本当にそうかな?  
 …もしここで何もせずに俺がハルカだけのものになったら、…きっとハルカは苦しむことになる。)  
(…?)  
(俺は絶対に裏切らない。  
 …ヒカリに、その口から言ってくれ。)  
「ちょっとお二人さん?ラブラブなのはわかるけど、いい加減あたしのことも思い出してよ!」  
ハルカはサトシが何を考えているのか分からなかった。  
だが、それでもサトシを信じ、ヒカリに向かって口を開いた。  
 
「あのね、ヒカリ…  
 …あなたに言ってたよね、サトシと旅をしていれば、気付くことがあるって。」  
「え?うん。  
 だからそれは、ハルカがサトシの事を好きになったことに気付いたってことでしょ?」  
「そうよ。でもね…こうも言ったわ。  
 それは、サトシと一緒に旅をする女の子みんなに言えること、だって。」  
「えっと、つまりどう言う事?」  
ヒカリもハルカ並みに鈍感。ハルカは単刀直入にヒカリに言った。  
 
「あなたも、サトシの事を好きになるって事。」  
「…へ?」  
ヒカリがあっけらかんとした表情をする。  
サトシを恋愛の対象として全く見ていなかったからである。  
「…あはははは!ちょっと、何言ってるの!  
 確かにサトシにはいつも世話になってるし、頼りがいのある最高の仲間だけど、  
 そんな風に見たことなんて一度もないよ〜。」  
「…誰だって、最初はそう考えてる。  
 でも、サトシのそばにいることで、あなたは生き生きしてる。今のあなた自身がその証拠。  
 そして必ず、いずれサトシの事を好きになる。」  
「…あたしがその過程を踏んでいるって事?  
 でもね、仮にそうなったとして、あたしは人の彼氏を取ろうとはしないよ!」  
「ああ、その通りだ。…半分、な。」  
突然サトシが横から割って入る。  
 
「え、半分って、なによ。」  
「確かに、仮にヒカリが俺の事を好きになったところで、ハルカの存在からそれを押し留める。  
 …そしたら、繊細なヒカリの事だ。  
 コンテストで勝てなかった時期のヒカリと同じように、いつも落ち込んでしまう。  
 そんなことになったら、またコンテストでも大スランプ起こすぞ。」  
「だ、大丈夫よ、サトシはハルカのもの、と割り切ればいいんだから…」  
「コンテストの負けを、仕方ない、次頑張ろうと割り切れずに、  
 ずっと尾を引いていたヒカリにそんな事が出来るのか?」  
「う…」  
サトシの言う通りである。  
前向きな反面、ヒカリは、ハルカより、サトシより、傷つきやすいハートを持っている。  
 
「で、でも、そんなのもうどうしようもない事じゃない!  
 ハルカはサトシのもの!それはもう、動かない事実じゃないの!」  
「…えらく悔しそうだな?」  
「な、そ、そんなことないもん!  
 サトシが期待してそうな反応を、してあげてるだけなんだからね!」  
(うん、やっぱりね…  
 気づいてないだけで、少しづつ、サトシの事を好きになっているかも、ヒカリも。)  
「…でもな、  
 さっきのヒカリの言葉、半分違うんだよ。」  
「え…どこが違うのよ、私が人の彼氏をとるとでも言うの?」  
サトシが首を横に振る。  
 
「ヒカリはそんな事はしない。  
 …だが、そもそもの大前提がまったく違うんだ。」  
「…前提?」  
「俺は、ハルカの彼氏じゃない。」  
(…あ…)  
思い出した。  
そうだ、サトシはまだ、わたしの事を好きにはなっていない。  
…逆に、サトシは私なんかより、ヒカリの事が好きなのかな…  
 
「ちょ、どう言う事よ!さっきキスしたじゃない!あれは嘘だったの?」  
「ハルカと俺の関係は、片思い。  
 でも、ハルカが俺の事を好きだ、って言ってくれたとき、俺はとっても嬉しかった。」  
「え?それって、どう言う事?なにかいろいろ間違ってない?」  
「いいや。俺は、ハルカの俺への愛を、喜んで受け取っている、それだけの事。  
 キスがハルカの愛の形だから、俺は今、喜んでハルカとキスをした。  
 エッチがハルカの愛の形だから、俺は喜んでハルカとセックスをしていた。」  
 
…サ、サトシ?  
や…ほ、ホントに言っちゃったかも〜…  
 
「え…さ、サトシ、ハルカと、そ、そんな事を…」  
「ああ。」  
「ああ、じゃなくってえ!  
 エッチするくらいなんだから、サトシはハルカの事が好きってことでしょ?  
 それとも、体しか興味がなくって、飽きたら捨てるって事!?」  
「…確かに、俺はハルカの事が好きだからエッチしたんだと思う。  
 でも、俺はまだ、ハルカの事が好きかどうか、まだ分からないんだ…」  
ヒカリが混乱する。  
サトシが何を言っているか分からないからだ。  
 
「…でも、理由はそれだけじゃない。  
 最大の理由は、…他にある。」  
「「え?」」  
「…って、ハルカも知らないの?」  
「わ、わたしは、単にサトシが私の事をまだ好きじゃないと思ったから…」  
「ハルカ、黙っててごめん。今こそ言うべき時だ。  
 本当の理由は、…ハルカがジョウトに戻って、俺と離れるからだ。」  
ハルカがはっとなった。  
もうすぐサトシとお別れだという事が、頭の中から離れていたのである。  
 
「そ、それが、サトシがハルカの事を好きにならないのと、どう関係があるって言うのよ!」  
「ハルカに告白を受ける前、ヒカリが俺の事を好きになるかもしれないって事を言ってた。  
 そしてハルカの想いを聞いた時、俺ははっとなったんだ。」  
「な、なにが?サトシ…」  
「俺がハルカを好きになってしまったら、2人とも悲しむことになる、と。  
 幸い俺は、女の子を好きになるってのがどう言う事か分からなかったけどな。」  
「ど、どう言う事?」  
サトシが一呼吸ついて、話し始めた。  
 
「俺がハルカと恋人同士になったとして、ハルカはすぐ俺の元から離れる。  
 なかなか会えずに、ハルカは毎日寂しい思いをするだろう。  
 そうなれば、ジョウトに帰っても、コンテストに集中できない、悪い影響ばかりが残る。」  
「そ、それは…言えてるかも。」  
「だから、俺はハルカを好きにならない、という冷たい態度をとったんだ。  
 …でも、全てを跳ね返すことはできない。  
 だから、ハルカの想いだけでも、受け取ることにした。その想いが嬉しかったから。」  
ハルカがうつむく。  
そうだ、サトシが好きなのは、ポケモンとともに頂点を目指す自分の姿。  
恋にばかりうつつを抜かしてたら、それはきっとサトシをさびしくしてしまうだろう。  
「それだけじゃない、ヒカリの存在も大きく響いてしまう。」  
「え?」  
「ハルカ、言ってたよな。最初にヒカリを見た時、ショックを受けたって。  
 いずれ、ヒカリもサトシの事を好きになる、と。」  
「そ、そうだったの?ハルカ。」  
「…ごめん。」  
「あ、い、いいんだよ、仕方ないよね。」  
泣きそうになるのを、ヒカリが必死に慰めている。  
「もし俺を自分のものにしてしまったら、ハルカはヒカリに対する罪悪感に苛まれる。  
 そして、それでも俺とヒカリの事が気にかかる。  
 …自分の元を離れ、ヒカリの方に行ってしまうんじゃないか、という思いに。」  
「そ、そんな事…わたしは、サトシを信じる!」  
「それは分かってる。  
 ハルカは、俺の事を、ひたむきに信じてくれる。  
 それでも、心のどこかに、そういった不安は残るんじゃないか?」  
「…否定、出来ないかも…ごめん…」  
「謝るなよ、当たり前の事なんだからさ。」  
サトシの事をより深く思っているからこそ、不安も大きいのである。  
 
「…ヒカリの場合はさっき言った通り。  
 もし俺の事を好きになってしまったら、ハルカの存在で苦しむことになる。  
 …だから俺は、ハルカと恋人になるのをためらった。」  
ヒカリもハルカも、何も言えなかった。  
サトシの言っていることは完全に的を射ているからである。  
 
「だから、ハルカの想いに応えられないのは非常につらいけど、  
 敢えてヒカリに、ハルカと俺の関係をすべて教えたのさ。  
 …ハルカにとって、そんな事、必要のない余計なことだったけど。」  
「…。」  
正直、ヒカリになんですべての事を話す必要があるのか、  
確かにハルカは余計な事だとは思っていた。  
でも、そんな一時の感情で、今後に影響が出ると自分にも相手にもポケモンにも迷惑がかかる。  
 
「あのさ、サトシ…  
 いくらなんでも、サトシの事を好きになってくれたハルカに失礼じゃない?  
 あたしは、不確定要素に過ぎないんだよ?」  
「ヒカリ、それはちがう。あなたは、サトシの事を、もう想い始めてる。」  
「そんな事は…!」  
「…まあ、今何を言ってもヒカリは否定しかしないか。ごめんね。」  
「ううう…」  
ハルカに謝れると、何も言えなくなる。  
ヒカリは、自分がサトシの事をどう思っているか、わからなくなってきた。  
 
「だからさ、ハルカ。  
 今はまだ無理だけど、俺がシンオウリーグで、ハルカがグランドフェスティバルで優勝してさ。  
 …その時に一度お互い故郷に帰るから、その時1度ホウエンで会おう、行くからさ。」  
「サトシ…」  
「その時は、ヒカリも一緒だ。…本人が望むならな。」  
「それまでにあたしがサトシを好きになってたら、あたしも一緒についていくってことね。」  
「絶対にヒカリは来るかも。」  
サトシが一呼吸を置く。そして、言い放った。  
 
「その時に俺はハルカに答えを出す。  
 …もちろん、俺はその答えをもう決めている。」  
「え?」  
「…俺は、ハルカの事が、大好きだ、ってね。」  
「!!」  
「…あれ、あたしは?」  
「ヒカリ次第。  
 ヒカリが好きになってくれる時、それが俺がヒカリの事を好きになる時だ。」  
「…ん?でも、ハルカへの答えが固定されててさ、  
 よーするに、あたしは好きになってもサトシをゲットできないってことでしょ!?」  
「い、いや、それは」  
「ひーどーいーでーすぅー!」  
(もう、間違いなく、ヒカリはサトシの事が好きかも。)  
ハルカがやれやれと思う。  
ヒカリのその気迫に押されながら、サトシはサトシらしく答えた。  
 
「…俺はさ、どっちにするかなんて、決められないや!  
 ヒカリも俺の事が好きになったら、俺は2人とも大好きだ!」  
笑いながら言う。  
ハルカもヒカリも、その言葉に唖然とし、そして、  
「あははははは!」  
「クスクス…サトシらしいかも!」  
普通なら、軟弱で優柔不断と言われて両方から怒られるだろう。  
でも、ハルカもヒカリも、おかしくって笑うしかなかった。  
…これも、素直で純粋なサトシの魅力、なのかもしれない。  
 
そんな事を話して笑っているうちに、ヒカリがふとポケッチを見ると、  
「…あれ、もう2時?」  
「ウソ?もう結構立ってたのかも。」  
「ヒカリ、何時だっけ、連絡船。」  
「6時だったかも。」  
「かもって…ちゃんと調べたんじゃないのか!?」  
「あと4時間、かも…」  
正直、断言をしたくないのが本音だろう。  
別れの時を、言いたくない、というわけである。しかも、6時と言えば  
「ハルカとの旅がすべて終わって、ハルカが船に乗ってサヨナラした時も、」  
「6時、だったかも…」  
「…ずっとシンオウにいてもいいのにな…」  
「あたしもそう思う。4人で旅をしたいよ。」  
「でも、ハーリーさんに負けたこの間のコンテストの借りも返さないといけないかも!  
 …サトシは、コンテストで頑張るわたしが、好きなんだから。」  
 
サトシへの想い、タケシの料理、よきライバル、ヒカリ。  
このシンオウで、わたしは3人から元気をチャージすることが出来た。  
さびしいけど、また、頑張れるかも。  
 
 
「…ねえ、サトシ。わがままかもしれないけどさ…  
 …もう一度だけ、その、して、欲しいかも。」  
「え?ハルカ、それって…」  
「ちょ、あ、あたしが恥ずかしいから、そんな事言いださないでよ!」  
ヒカリはまだ自分の気持ちに気付いてない。だからこそ驚く。  
ハルカのその発言に嫉妬、羞恥、混乱。気がついたら、こんなことを言い出していた。  
 
「あ、あたしも、参加する!」  
「まあ、でないとその間ヒカリは仲間外れになって暇になるしな…はああ!?」  
「ヒ、ヒカリ!?あなた何を言って…」  
「え?あ、あわわ、ちょっと、可愛い乙女に何言わせてるのよ、サトシ!?」  
「俺かよ!」  
大騒ぎしつつも、結局ヒカリは前言撤回しなかった。  
 
「サトシだって気持ち良くしたいだろうし、  
 ハルカだって自分だけじゃ、あたしにたいして気を使うだろうし、  
 し、仕方なくなんだから!そこのところちゃーんとわかってよね、サトシ!」  
「わわ、わかってるから、耳元で騒ぐな!」  
「いい!?今日だけだからね!?  
 今後のシンオウでの旅の途中で、いくら頼んでもやってあげないから!」  
「わかった、わかったから!」  
(クス…もう、ヒカリったら…)  
もはや完全にツンデレ状態。顔を真っ赤にしながら必死にサトシに叫んでいる。  
 
「そんなに怒るなよ、無理にしなくたっていいだろ!」  
「こーんなかわいい女の子にそんな事言うわけ!?  
 いい!?サトシの事が好きとかじゃなくて、サトシがスケベだからやってあげるんだから!」  
「なにぃー!?」  
(クスクス…もう、時間無くなっちゃうかも。)  
 
リッシ湖はリゾート地。当然、そのための建物も立ち並んでいる。  
ヒカリとハルカ(一応サトシも)はミクリカップで名が知れているので、  
周りに怪しまれないようにしてうまいことたどり着いた。  
 
受付は秘密厳守という事で受付から客の顔が見えないように仕切りが貼ってある。  
「…えっと、三名様、ですか?」  
それでも、2人ではなく3人というのは相当違和感を感じるだろう。  
ましてや女が2人である。どうなってるんだろうと受付の女性は感じていた。  
これでハルカ、ヒカリ、サトシという凄腕コーディネイターとばれたら何と思われるやら。  
とはいえ、結果的に大きなトラブルもなく部屋に入った。  
 
サトシがシャワーを浴びた後、ハルカとヒカリが一緒にシャワーを浴びる。  
その間、サトシは裸でウォーターベッドに横になっていた。  
「ハルカ…ヒカリ…ハルカ…ヒカリ…」  
2人の名前を独り言のように交互に連呼する。  
ハルカの時は気分が高揚しており勢いでやったが、今回はかなり緊張する。  
 
「おっまたせー!」  
「…。」  
明るく笑顔のハルカと、そっぽを向いてふくれているヒカリ。  
それでもヒカリは大事な部分を隠そうとせず、生まれたての体をサトシに見せる。  
「えへへ、明るい方が私の裸がよく見えるでしょ?」  
「そういや、昨日はハルカの体が暗くてよく見えなかったからな。」  
「ったく、あんまりジロジロ見ないで、このド変態!」  
何もそこまで怒る必要はないと思うのだが、ヒカリ君。  
 
「…それじゃ、…何からはじめ…んっ!」  
ハルカがいきなり唇を奪う。  
その長いキスを、ヒカリはぼうぜんと見つめる。  
「ん…ヒカリもやってみてよ!」  
「あ、あたしも…?」  
恐る恐るサトシに近づく。  
そしてゆっくりを顔を近づけていく、サトシはヒカリの二の腕あたりを持って受け止める。  
 
「…ヒカリ?」  
だが、あともう少しというところで、ヒカリの動きが止まる。  
「…おい、大丈夫か?」  
持っている二の腕から、震えが来る。  
緊張にも見えたが、ヒカリの顔を見た瞬間、それが違うと気付いた。  
「…怖いのか?」  
「そ、そんなわけないじゃない!あ、あたしが、そんな、根性無し…な…わけ…」  
最初は強く言い張っていたが、段々と勢いがなくなってくる。  
そしてサトシから目線を離した。  
「ど、どうした?」  
「ヒカリ、大丈夫?」  
ハルカも心配する。  
 
「ううん、別に、エッチそのものが怖いというわけじゃないんだ。  
 …でも、キスだけは…出来ない。」  
「え?」  
「あたしの傾いた考え方だけどさ、  
 セックスとかは、『体』を求めあうものだと思うんだ。」  
「…よく言ってる意味が分からないけど…じゃあキスは何なんだ?」  
「キスはね…『心』を求めあうものだと思う。」  
「!」  
初恋のキスとか、慰めるときのキスとか、ヒカリはキスをそういうイメージに捕えているのだろう。  
セフレの様に体だけを求める仲ならセックスはありでも、キスは好きな人としかできない、そう言う事である。  
まだ、サトシに、自分の『心』を奪われる覚悟はできていなかった。  
「…ごめん」  
「しょうがないさ、無理やりやったって、いいわけがない。」  
「…滅茶苦茶にしていいから、他の場所は。」  
「それじゃ、お言葉に甘えて。」  
 
サトシがヒカリの乳首に吸いつく。  
とはいえ、サトシにはもちろん技術はない。たいしてヒカリは刺激を受けない。  
「まったくもう、変態ね。」  
「なんとでも言え。」  
乳首を加えながら、ベッドにヒカリを押し倒す。  
ヒカリの胸は膨らみかけで、ハルカと比べて相当小さい。(ハルカが相当大きいだけだが)  
「…そんなにおっぱいがおいしい?」  
(コクリ)  
「ハルカと比べてもぜんぜんおっきくないんだけどな。まあ、いいけど。」  
少しくすぐったい程度。ほとんど感じていない様子。  
 
「…!?ハ、ハルカ!?」  
「えへへ、私も参加!」  
…そんなヒカリのもう片方の乳首に、ハルカも吸いついてきた。  
サトシがそれに気付くと、思い切り乳首を吸い上げ始めた。  
ハルカもそれに負けじと思い切り吸い上げる。ヒカリに少しずつ異変が出てきた。  
 
「ちょ、ちょっと、強く、吸いすぎ…  
 お、おかしくなっちゃいそう…」  
「へー、そうなの?  
 よーし、もっと意地悪しちゃえ!」  
「え?ちょ、ちょっと!」  
ハルカの手がヒカリの陰部にまわる。陰唇をなでまわし、中をかき混ぜる。  
「んあ!ハルカまで…エッチ!  
 やあ…なんなの、これ、や、やああっ!」  
そして慣れた手つきで包皮を向いて、クリトリスを積んだ瞬間、  
「ああああああっ!」  
ヒカリもサトシと同じく、オナニーをしたことがない。  
よって陰部に受ける初めての感覚に、長く持たなかった。すぐに絶頂を迎える。  
 
「はあ…はあ…2人とも、やりすぎだよ…ハルカの、エッチぃ…」  
半分涙目である。  
「うふふ、ヒカリ、かわいいかも。」  
「…ふん!ハルカまで、こーんなに意地悪だったなんて!」  
「あれれー?でも、すっごく息あがってるよ?  
 こんなぐったりするまで感じちゃうなんて、ヒカリ、エッチかも!」  
「ううう、うるさい!」  
(こりゃ、間違いなくハルカが一番エッチだな。)  
サトシがやれやれと思っているが、  
ヒカリが怒っている姿をみて、ハルカはにやける。  
 
「…あれえ?そんな抵抗する体力も残ってない体で、そんなこといっていいのかな〜?」  
「え?ちょっと、なによその言い方…あん!」  
「大事な場所も準備万端かも!サトシ、一緒にヒカリをいじめちゃお!」  
「やれやれ…ま、いいか。」  
「ちょっと、サトシ!?…ああん!」  
抵抗しようとするが、すかさずハルカが陰部に手を入れる。  
脱力し、ベッドに仰向けにへたり込むヒカリ。  
 
「それじゃ、サトシ。ヒカリのあそこを、きれいに舐めてあげて♪」  
「あ、ああ。」  
「ちょっと、今そんなとこいじられたら、あたし…んあああっ!」  
「そうそう、サトシも上手になったじゃない♪」  
サトシがヒカリの陰部を丁寧に舐めまわす。  
夜にハルカに教えてもらったときと同じように。  
まだ慣れてないので上手ではないが、ハルカがヒカリを感じやすくしてくれたおかげで、  
「いやあ…サ、サトシ!…え、エッチぃ!…ああん!」  
完全に力が抜け、抵抗できない。  
快楽にただただ身を任せている。  
「今度は指で思いっきり掻きまわして♪」  
「あ、ああ。」  
ハルカがサトシを使って楽しんでいる。  
サトシが指を中に入れ、掻きまわす。  
「いや、や、やめ…ああん!」  
掻きまわしていくと、感じやすい部分にあたり喘ぐヒカリ。  
そこだとわかった瞬間、サトシはそこを激しく集中攻撃する。  
「サ、サトシ!激し…へ、変態!」  
ヒカリが大声で反発するが、その快楽から逃れるすべはない。  
そして、  
「あん、また、もう我慢、でき…ああああああっ!」  
 
大量の潮が吹いた。サトシの顔に大量にかかる。  
「あん、ヒカリったら、いけないコかも♪  
 サトシにいやらしい液たーっぷりかけちゃって♪」  
「ふ、ふざけないでよぉ…ちょっと、ハルカ!?」  
「サトシー、手伝って?」  
「え?何をするつもりだ…その縄は何だ?」  
ハルカが手に縄を持っている。  
そして椅子を持ってきて、体の力の抜けたヒカリを底に座らせる。そして、  
「ちょっと、なにするの、ハルカ!手首を縛らないで!」  
ヒカリの両手首を後ろに持っていき、椅子ともども縛る。  
そして、少し上半身を傾け、脚を開いて足首を縄で縛り、縄のもう片端を持って別の場所にピンと張ってくくりつける。  
大事な部分が丸見えになった状態のヒカリ。  
「や、やめてよぉ…恥ずかしいよお…」  
完全に目に涙がたまっている。いつ泣いてもおかしくない。  
「ねえ、サトシ。…あたしも体が疼いてるんだけどぉ…」  
「…言いたいことはなんとなくわかった。」  
 
サトシとハルカが、ヒカリの前に立ってキスをする。  
「ふ、二人とも!?」  
深い深いキス。舌を絡めて、お互いを求めあう。  
「や、やめて!恥ずかしい!」  
「…ぷはあっ…もう、うるさいなあ、ヒカリ。  
 せっかくのフレンチキスが、台無しじゃないの。」  
「や、やめてよお、もう、恥ずかしいよお…」  
「うふ、じゃあ、もっと恥ずかしくしてあげる。確かここに…あった!」  
「…な、なにそれ、何する気!?  
 それ、男の子のあれじゃないの!それをどうする…!!  
 や、やめて!あたしのおちんちんに入れる気!?」  
「ピーンポーン♪  
 わかってるじゃないの、ヒカリ!」  
ハルカが手にしたのは、部屋の中に置いてあったバイブレイダー。  
先ほど指を突っ込まれたおかげで、  
その先端部分をヒカリの陰部に接触させたことでハルカが何をたくらんだか分かったが、  
もはや抵抗できる状態にはない。  
「もう、自分のをおちんちん、って言うなんて、サトシみたい。  
 さあて、入れちゃうね!」  
 
少しずつ入れていく。そのたびに喘ぎ、そして、  
「えいっ!」  
「ひあああああっ!」  
最後は一気に挿入させる。一気に達するヒカリ、また陰部から液が垂れてくる。  
「や、やめて…」  
「ふふ、お楽しみはこれからよ、ヒカリ。  
 スイッチ、オン!」  
バイブレイダーのスイッチを入れる。音とともに、ヒカリの様子がますますおかしくなる。  
「いやあああ、あん、んああっ、あああああっ!」  
「もっと強くするわよ!」  
「いやああああっ!もう、もう無理、あたし、んあああああっ!」  
ハルカの暴走はとどまることを知らない。  
サトシはそれを呆然と見ることしかできなかった。  
「よーし、とどめ、最強モード!」  
「や、やめて、ハルカっ!やああああああっ!」  
これで4度目の絶頂。  
だが、ハルカはスイッチを切ろうとせず、踵をかえす。  
「ちょっと、ハルカ!止めて!お願い!」  
ヒカリの真正面にはサトシの乗るウォーターベッドが見える。  
ハルカはそのサトシの元にすり寄る。  
「…いいのか?」  
「うふふ、ヒカリに、いいものを見せてあげたくってさ。  
 ほーら見て、ハルカ!」  
「!!…んああっ!」  
 
ハルカが股を開き、陰部を指でパカッと開く。  
中がどうなってるか、鮮明にわかる。  
「今のヒカリ、こーんなカッコしてるのよ!」  
「や、やめて、言わないで…やああああっ!」  
視覚効果とバイブレイダーにまた絶頂までイかされる。  
 
「それじゃ、舐めて、サトシ…」  
「あ、ああ。」  
サトシが、ハルカの大事な部分がヒカリに見えるように、横から陰唇を舐める。  
「み、見せないで、サトシ…」  
眼を閉じようとしても、バイブレイダーのせいで力が抜けて目を閉じることすらできない。  
背もたれの高い椅子なので、頭を天井に向けることもできない。  
「ちゅく…ちゅく…」  
「あん…ヒカリ、見てぇ…あなたも、こーんな感じで、すごくイヤらしい姿なのよ…」  
「い、言わないで…ひああん!」  
どれだけ絶頂に達しても、バイブレイダーは止まらない。  
目には、自分を鏡にうつしたようないやらしい状況が見える。  
どれほど力を抜いても、バイブレイダーに反応してまた力が入る。  
 
「ん…」  
「あん、サトシったら、何も言ってないのにおっぱい吸っちゃって…  
 そんなにおいしい?」  
「…。」  
一心不乱に飲んでいる。  
ハルカの胸は相当大きいので、両手に持って音を立てながら吸っている。  
「サ、サトシったら、ハ、ハルカに、すごく、甘えん坊…んああっ!」  
嫌がらせを言ったつもりだが、もはや複数の単語を文章としてうまくつなげられない。  
 
「…ねえ、サトシ。…おっぱい、好き?」  
サトシが恥ずかしそうにうなずく。それを見て、  
「うん、素直でよろしい、かも。  
 それじゃあ素直に答えたご褒美に、いいことしてあげるね♪」  
そういうと、体を90度回転させ、サトシの左半身がヒカリに見えるようにする。  
そして膝立ちをするように指示。サトシのペニスが胴体からピンと立っている。  
「やあ…サトシ、変態!  
 なによ、そのおっきなのは…はあん!」  
「じゃあ、サトシ、ここにサトシの大好きなおっぱいがあります。」  
「う、うん。」  
その10歳としては異常なほどの豊満な巨乳を、両手で持ち上げてそう言った。  
「そして、この敏感なサトシのおちんちんに…」  
「…?」  
サトシはまだ何をされるか分からなかった。  
 
「えいっ!」  
「!?」  
ハルカはその自慢の巨乳でサトシの陰茎を挟む。  
そして扱くように上下させる。  
「うああっ…な、なんだこれ、気持ちいいよ、ハルカ…」  
「えへっ、よかった。」  
「な、へ、変態!ド変態!…ああん!」  
視覚的にも、感触的にも、極上のご褒美。  
大好きな性的魅力に、自分の大事なものが包まれる快感。  
「う、うああっ!」  
「気持ちいい?いつでも出していいからね。」  
「あ、ああ…もう、出そうだ…」  
「え、もう!?」  
「ハルカのおっぱいが…気持ち良すぎて…可愛いから…」  
「ああん、エッチなサトシ。  
 いつでも、思いっきりわたしにかけていいからね。」  
「う、もう、俺…うああっ!」  
「ひっ!?何、あれ!?」  
 
白濁液が胸に挟まれた陰茎から大量に打ちあがる。  
ヒカリから見ると、胸から白い液の噴水があがるように見えた。  
「サ、サトシ、変態!やああああっ!」  
それを見せられ、直後にヒカリはまた絶頂に達する。  
「…サ、サトシ…ハルカ…ひどいよお…ひどいよお…」  
目から涙をぼろぼろこぼす。  
そして、文句ばっかり言ってたその口に、徐々に変化が見られ始めた。  
 
「…なんで、あたしだけ、仲間外れ…?」  
「(!…そろそろ、いいかも。)ヒカリが素直じゃないからかも。」  
「ハ、ハルカ…?」  
「ヒカリが素直じゃないから、お仕置きしてたの。」  
「う、うるさい!」  
「…へえ、じゃあ、ずっとそのまま、1人でエッチな姿さらし続ける?」  
「うう…」  
ヒカリの涙が止まらない。ハルカはそれを楽しんでいる。  
…そして、ついにヒカリも折れた。  
 
「お、お願い、ハルカ!あたしも、サトシと、エッチな事、したいよお!」  
「…やっと言えたかも。  
 それじゃ、ちょっと見ててね。実技の前に、予習は必要かも!」  
「うええん、まだなの?ハルカぁ…」  
「もうちょっとの、我慢かも。何も分かってなかったら、サトシも気持ち良くならないかも。  
 サトシを気持ちよくさせたいなら、ちゃんとわたしのやることを見てて。」  
泣きながらうなずくヒカリ。  
ハルカの意地悪もようやくおさまったようで、手足に縛ってあった紐をすべて解き放ち、  
バイブレイターもスイッチを切って抜いた後、ハルカは再びサトシの元へ行く。  
「…それじゃ、サトシ。お願いね。」  
「ああ。ん…」  
お互いが上下さかさまに横になり、サトシがハルカの陰唇を舐める間にハルカは陰茎を舐める。  
お互いがお互いを求めあうように、いたわるように愛撫し続ける。  
 
(ゴクリ…)  
ヒカリが唾を飲み込む。自分も早く輪の中に入りたい、そんなところだろう。  
「そろそろいいか?」  
「うん…」  
お互いの性器がとろとろになる。  
サトシはハルカを脇から抱えあげ、上から照準を合わせ、ゆっくりハルカの体を下す。  
そして先ほどの射精から再び固くなったその陰茎を、ハルカの陰部にあてがい、  
 
…脇を抱えていた手を、一気に離した。  
「んああっ!」  
ハルカを貫くサトシ。  
貫いた瞬間互いが抱き合い、腰を激しく動かす。  
「い、いいかも…サトシぃ!」  
「ハルカ…うああっ!」  
ヒカリはその輪に入れず、半生殺し状態。  
彼らの情事が終わるのを、我慢しながら必死に待っている。  
「ヒ、ヒカリ、気持ちいいかも、これが、セックス、だよ!」  
「…これが、セックス…」  
ヒカリはサトシと違って一応単語とその意味は知っていた。  
だがもちろん、見るのは初めてである。それも始めてみるのが生。  
オナニーをしたことがないので、なおさら強烈である。  
「そ、そろそろだすぜ、ハルカ!」  
「う、うん!出して!たくさん、わたしの中に…」  
 
解き放った。  
ハルカの中に、サトシがたくさん入っていった。  
「あああああっ!」  
(ハ、ハルカ!)  
ヒカリも手に汗を握った。  
そのあと、ハルカはサトシの腕の中でぐったりとしながら、ヒカリに向かってほほ笑んだ。  
「…さ、やろ?ヒカリ。  
 3人で、一緒にさ。」  
「…うん!」  
涙目ながら、笑顔でうなずいた。  
 
「ん…」  
ヒカリとハルカが、サトシに口づけしている。  
と言っても、ハルカはフレンチキスである一方、ヒカリは陰茎にキスをしている。  
ハルカのアドバイスで舌を短く出してチロチロ舐めながら、先端にキスをしている。  
その仕草がなんともたまらない。  
 
「ヒ、ヒカリ、気持ちいい…」  
「…ありがと、嬉しい、サトシ…」  
(ヒカリもやっぱり、サトシの事を好きになる運命だったのね。  
 …一緒に旅することになった日に、決まった運命。  
 サトシと旅する女の子は、誰だって、サトシに惹かれちゃう。)  
ハルカは口を離し、サトシをあおむけに押し倒す。  
ヒカリはそれに気付かぬまま一心不乱に陰茎を舐め続ける。  
 
「ハルカ?…んんっ!」  
ハルカはサトシの顔の上に膝立ちするや否や、軽くサトシの顔面に腰かけた。  
「さ、好きなだけしゃぶって…」  
「んぷう…んっ…」  
「んあっ!」  
ハルカはサトシを潰さないよう、その上でサトシが離れてしまうので腰を上げないよう、  
太股をガクガクさせ、股間の愛撫による快感と戦いながら、かなりしんどい体勢を維持する。  
 
だが、いつまでも耐えきれない。  
(も、もうだめ!)  
力尽きる寸前に前方に倒れこみ、四つん這い状態で何とかサトシの顔面に腰かけずに済んだ。  
同時に絶頂に達して、サトシに尻を向けた状態で潮を噴射した。  
 
サトシも同時に、ヒカリの愛撫に耐えきれなくなっていた。  
あれほど出しても、彼の精液はまだまだ尽きない。この2人がいかに魅力的か、という事でもあろう。  
そして、サトシの絶頂は、ちょうどヒカリがハルカのアドバイスで  
尿道を唇の先で吸っている時に来た。  
 
「うあっ!」  
「!!!??」  
いきなり尿道から出てくる液体。  
吸っていたせいで、残らず口内に入っていく精液。  
だが、ヒカリは精液の事を知らないので、  
(ちょっとサトシ!いくら気持ち良くても、おしっこを出さないでよ!  
 …でも、おしっこって、こんなべとべとだったっけ…?と、とにかく吐き出そう!)  
全部吐き出した。  
だが、口から出てきたのは、白い、間違いなく尿ではない液体だった。  
青いゴム製のウォーターベッドに、白い水たまりができる。  
 
「え…何これ…」  
「あー、ヒカリ、いけないかもー!」  
「え?ハルカ!?」  
「せっかくサトシが出してくれたのに、これはね、愛の液なんだよ。  
 ほら、こうやって…」  
唇を尖らせて半分ほど吸い込み、ゴクンと飲みこんだ。  
「男の人はね、可愛い女の子に、自分の愛の液を飲んでほしいものなんだよ。  
 …おいしい。」  
口をぬぐいながらそう言う。  
半信半疑で残りの半分の精液を飲んでみる。  
「どう?」  
「う…にがあ…気持ち悪い…  
 …でも、…不思議な味…」  
「でしょ?さ、…本番いこうか。」  
「え?ハ、ハルカ、本番って…」  
もう何を指すかは分かるだろう。  
とはいえ、ヒカリはサトシと同じ人間だと思った方がいい。ちゃんと説明は欠かさない。  
 
「さっき口で飲んだ愛の液を、今度はヒカリのおちんちんで飲むのよ。」  
「え、どうやって…  
 ま、まさか、さっき言ってた、えっと確か!セックス!」  
「…な、なんか、そのまんまその言葉を言われると恥ずかしいかも…」  
モノ覚えは幾分かサトシよりいいのかもしれない。  
ハルカの言葉をきちんと理解し、それに応じて記憶をフィードバックさせた。  
そしてみごとにサトシとハルカの陰部がつながるシーンを思い出したのである。  
 
ヒカリがサトシの前で仰向けになる。  
もうすべてを好きにして、という感じで、腕は体を隠そうとせず、  
とろんとした目でサトシを見つめていた。  
「それじゃ、まずは準備運動かも。」  
ハルカに教えられながら、まずは乳首を舐めてあげる。  
吸ったりはせず、ゆっくりと舌で転がす。  
この程度でイクことはないが、程よい快感にヒカリは心地よさを感じていた。  
「ハルカよりちっちゃくって…ごめんね。おいしく…ないでしょ?」  
(フルフル)  
サトシが首を横に振る。  
ヒカリも当然ハルカと一緒で母乳は出ないがサトシは満足そうにしている。  
 
「…ひゃん、ハルカ!?」  
ハルカは陰唇をしゃぶっている。  
いやらしい音を立てながら、ヒカリの敏感なところをいじめている。  
「や、やあ…サ、サトシ、サトシに、あたしのところを…」  
(…サトシに舐めてもらいたいのね。やっぱ、わたしじゃ駄目かも。)  
サトシにヒカリの陰部を責めるように言った。  
サトシがヒカリの下半身の方に移動し、今度はハルカがヒカリの目の前に立つ。  
 
そして先ほどと同様に、  
「ねー、ヒカリ。  
 女の子のおちんちんって、こうなっているのよ!」  
「ハ、ハルカ!?  
 そ、そんな恥ずかしいとこ、み、見せ」  
「今からサトシにね、ヒカリのいやらしいこの部分を舐められるのかも!」  
「い、言わないで、恥ずか…ひゃんっ!」  
サトシがヒカリの陰部を舐めはじめた。  
同時に、ハルカがヒカリの目の前でオナニーを始める。  
 
「ほらあ…ヒカリ…こんな風に、サトシにめちゃくちゃにされてるのよ…」  
「は、恥ずかしいよお、やめてよお!  
 …ひあ!」  
ハルカの陰唇から、一滴ぽたりと落ちる液体。  
「ちょっと、おしっこ垂らさないでよ!」  
「これはね、気持ち良くなった時に出る、女の子の愛の液なの。  
 ヒカリだって、さっきから何度も出してたし、今も、ほら…」  
サトシの方からジュルジュルと音が聞こえる。  
「ヒカリの愛の液を、飲んでくれてるのかも。」  
「ひゃああん!や、ああん!サ、サトシ…ああん!」  
体全体が痙攣を起こす。  
本日何度目かの絶頂を迎えた。  
 
「はあ…はあ…ん!?」  
「ほーら、ヒカリも、わたしのおちんちん舐めて…」  
「んんー!」  
先ほどサトシにやったことと同じことをヒカリにしている。  
ヒカリは最初は拒絶の意思を示していた様だが、  
どの道ハルカに逆らえない事を悟るとハルカの陰部をしゃぶりはじめた。  
(な…なんか…変な味だよお…)  
「ヒカリは今、ハルカに、そんなことされてるんだよー?」  
(い、言わないで!恥ずかしいよお!)  
そう思いながら、強制的にしゃぶられ続ける。  
サトシに敏感なところをなめられ、だんだんおかしくなって行った。  
(あ、あたし、あたし…もう、おかしくなっちゃい…)  
そして、サトシがクリトリスを甘噛み。  
その強烈な衝撃をいきなり受け、突然限界は訪れた。  
 
「んんんんーっ!」  
大きな喘ぎ声とともに、大量の潮を噴射した。  
サトシに大量に降りかかる。  
「…けほっ…すごいな、ヒカリ…」  
「サ、サトシにオシッコ、かけちゃって…じゃなくって、愛の、液、だっけ?」  
「うふふ、分かってきたかも。」  
しばらくヒカリは動けず、とりあえず呼吸が整うのを待つ、そして、  
 
ヒカリが体を起こすが、どうも様子がおかしい  
「あ、あのさ…」  
正座をして、陰部を手で隠し、脚をすり合わせてもじもじしている。  
「どうしたのかなー?なにかをして欲しいように見えるかも、ねー、サトシ。」  
(もう絶対にお前は何か分かってるよな、ハルカ。)  
「ほーら、言ってごらん?」  
「は、恥ずかしいよぉ…」  
また涙目になる。しかしこのままだと、一生やってもらえない。  
意を決して、ヒカリが下を向きながら叫んだ。  
「サトシ、あたしと、セックスしてよ!サトシと、したいよ!」  
 
一瞬、時が止まったようだった、一瞬だけしんと静まり返った。  
もちろんいずれはそうするつもりだったが、それでもサトシは驚いた。  
「わーっ、ヒカリったら、はっずかしー!」  
「ハ、ハルカ!やめてよ!」  
また意地悪なハルカに戻る。またヒカリが泣きかける。  
…それを、優しさが包み込む。  
「…サ、サトシ…」  
「セックスしよう、ヒカリ…」  
優しく、ヒカリの体を抱くサトシ。  
すべすべの柔らかい肌、華奢な体、そして、サトシを求める心、全てを一身に受けて抱く。  
「ありがと、サトシ…」  
「ああ、俺も、ヒカリとやりたい…」  
(…ラブラブかも。)  
流石にこの場に自分が割り込むのはまずいと感じ、  
この2人のセックスだけは何もせずに見守ろうとハルカは心に決めた。  
 
ゆっくりと体を持ち上げ、陰茎をあてがい、そして体を降ろしてゆっくりと入れる。  
ハルカの二の舞にならないよう、処女のヒカリをいたわるようにゆっくりと。  
(慎重に、ゆっくり…)  
少しずつ入っていく。  
あまりのスローペースにヒカリは疑問を持ったが、  
「つうっ!」  
とある場所まで到達した時、一気に痛みが襲う。やはりどれだけ注意しても、それを免れることはできない。  
痛みを訴えた瞬間、サトシがヒカリの体を下していた腕をとめる。  
「…大丈夫か?」  
「…痛いね、セックスって…」  
「…。や、やめる?」  
不安そうにヒカリに問う。  
ハルカと違い、ヒカリは最初は痛いものであるという事を知らないからである。  
 
「…サトシは気持ちいいの?」  
「え?…いや、そりゃ俺は気持ちいいけどでも…」  
「だったら、続けよ。」  
「え?」  
「サトシがスケベで、気持ち良くなりたいって言うんだからしょうがなく、って言ったでしょ?」  
「…さっき俺としたいって言ってなかった?」  
「も、文句言わない!男ならさっさとやる!」  
ヒカリに対する罪悪感がどこかに行ってしまった。  
苦笑いしながら、再びヒカリをゆっくりと降ろす。  
 
(いててて…こりゃ、半端じゃなく痛いよぉ…)  
ハルカの方を見る。  
ハルカはヒカリに笑ってみせる。  
(ハルカも、痛かったんだね。  
 …でも、あたしもハルカも、サトシとつながりたい、って言う想いが最優先、って事か。)  
そしてサトシの陰茎がすべて入り込んだ。  
同時にヒカリの一番奥に亀頭が到達したため、一層激しい痛みがヒカリを襲う。  
(こ、こりゃ痛い…  
 この状態でさっきハルカがやったように腰を動かすんだよね、そしたら痛みは…)  
ただでさえ激痛なのに、  
これで陰茎を出し入れしたら、奥を突いたり中で陰茎と肉壁が擦れるせいでさらに痛みは増す。  
ヒカリは覚悟を決めた…  
 
…が、サトシはヒカリの中に陰茎を差し込んだまま、全く動かない。  
「力、入ってる。これじゃあ痛みは増すばかりだ。  
 俺とセックスしたい気持ちは分かっているけど、そんなおびえたヒカリと、俺はできない。」  
「ちょ、ちょっと、ダイジョーブだって!」  
「…肩が震えてる。  
 今もただでさえ痛いのに、これで抜き入れしたらと考えると、」  
「いやだ、やめたくない!  
 サトシと、やりたい、今ここで痛みにおびえてやめたら、あたし一生サトシとできない!」  
ヒカリの必死の想いをサトシにぶつける。  
 
「…誰もやめるなんて言ってない。やめるわけないだろ、ヒカリ。」  
「え…」  
「今も相当の激痛に苦しんでるんだろ?」  
「う、うん…」  
貫いたままの状態でも、相当苦しい。  
ヒカリはそのことを正直に答える。  
 
「…だから、その痛みや怖さが消えるまで、ずっとこのままでいよう。」  
「!」  
サトシがヒカリを貫いた状態のまま、抱く。  
ヒカリはサトシの行動に驚くばかり。  
「サトシ…」  
「その痛みが消えるまで、俺がヒカリを守ってやる。」  
腕にそっと力を入れる。  
サトシのぬくもりを感じる。徐々に痛みに対する怖さが消えていき、震えもなくなっていく。  
 
(なに…この感覚…)  
まだ痛みは完全には収まってはいない。  
だがそれ以上に、サトシの抱擁に安心感を感じていた。  
ほんの数分だったが、ヒカリには数時間に感じた。  
(…本当にやさしいよね、サトシは。)  
ハルカは嬉しそうに2人の抱き合う姿を見ていた。  
 
「…お願い。」  
「もう、大丈夫か?」  
「うん。ダイジョウブダイジョーブ。」  
サトシが脇を持ってゆっくりとヒカリの体を浮かせ、そして降ろす。  
ゆっくりと浮かせ、また降ろす。陰茎が陰唇から出入りする。  
 
「はあん…ああん…やあん…」  
そのスローモーな情事に、ヒカリが静かにあえぐ。痛みは、まったく無くなっていた。  
「もっと、…激しくて、いいよ。」  
「ああ、わかった。」  
脇を持っていた手を離し、腰を激しく動かす。  
腰の動きの反動でヒカリの腰は少し宙に浮き、また落ちる。  
陰茎が出入りする動きが激しくなり、ヒカリはさらに強い快感を覚える。  
 
「あん…やあん!ああっ!はあん!あん…」  
「ヒ、ヒカリ、やべ、そろそろ、出そう…」  
「だ、だして…あたしの…やあん!」  
快楽で意識がもうろうとしてきた。ハルカより感じやすい体かもしれない。  
 
「サ、サトシ、い、いっちゃうよお!」  
「で、出るぞ!」  
「だ、出して!サトシ!大好きぃ!」  
 
…え?  
今、ヒカリ、俺に、大好きって…  
ハルカが聞いた時は、意識してないって笑って言ってたのに…?  
あれだけ、鈍感で、俺の事は恋愛対象として見るわけがないって言ってたのに…?  
 
…ヒカリ、俺の事、好きなのか…?  
 
「うあああっ!」  
「ああああああああっ!」  
サトシが思い切り射精する。大量の精液が、ヒカリの中を蹂躙する。  
「あ、あふれ…そう…」  
「ああっ…ヒ、ヒカリ…」  
「たくさん…入ってくるぅ………。」  
「ヒ、ヒカリ?」  
直後に、ヒカリは気絶した。長い事快楽に溺れ、サトシの精子をもらって力尽きたのだろう。  
 
(多分、意識がもうろうとして思わず言ったんだろうけど、  
 …理性がなくなって、本当の気持ちをつい言っちゃったのかも。)  
ヒカリが大好き、と言った事は、しっかりハルカも聞いていた。  
 
「すう…すう…」  
「完全に寝ちゃったかも。」  
「船の時間、大丈夫か?」  
「うん、まだ3時間ある。」  
「まだこの部屋に入って1時間弱か、意外と経ってないな。」  
「うーん…サトシぃ…」  
ヒカリは寝言でサトシの名前を連呼している。  
 
「…ねえ、最後に、最後にもう1度だけしない?  
 サトシと、また、離れ離れになっちゃうから。」  
「ハルカ…」  
「これ以上やると、もっとセックスしたくなってもっとサトシと別れるのが名残惜しくなるのは分かってる。  
 でも、…どうしても。  
 さっきやったセックスが、最後って意識がなかったから、  
 …今のままじゃサトシと別れる覚悟が出来なくって。  
 だから…あと1回だけ。ちゃんとこれが最後のセックスって覚悟はしてるから。」  
「…ああ、わかった。  
 絶対に、あと1回だけ、な。」  
「うん!」  
2人が抱き合って、熱いキスを交わした。  
 
 
「…あれ?バテてる?」  
「どうしてだ?」  
「いや、動きが遅いから…わたし、もう痛みを感じない体になってるんだよ。」  
「まあ、そりゃあれだけ何度も動けば、無理はないだろ…」  
サトシの腰の動きがえらく遅い。  
とはいえ、2人の女の子を相手にすれば、いかに数々の冒険をしてきたサトシでも辛いものがある。  
「…しょうがないなあ。えいっ!」  
「わわっ!」  
ハルカがサトシを押し倒し、自分から腰を動かす。  
「サトシは動かなくていいから、私に任せて!」  
「あ、ああ…」  
ハルカがそう言うと、腰を懸命に動かす。  
…もうこれで、サトシとは当分セックスできない。だから、できるだけ、深く、味わって。  
「おいしい…サトシ。」  
「なんか、なんとも、言えないかな…」  
だいぶセックスにも慣れてきて、セックスしながら話す余裕も生まれてきた。  
とはいえ、だんだん腰の感覚がおかしくなってくる。  
 
「ハ…ハルカ、きつい…」  
「あ、そう?  
 うふふ、サトシ、…最後に、思い切り、お願い。」  
「ああ…ずっとハルカのハラの中に残るくらい、たくさん出してやる!」  
「うん!」  
サトシが、最後の射精をした。  
流石に量はそんなになかったが、ハルカは満足だった。  
ハルカはその精液を、膣の中で大事に味わっている。  
 
…これがサトシとの、最後のセックスだから。  
 
「…終わっちゃったね。」  
「ああ。」  
「サトシはさ、ヒカリとは…その、旅の途中で」  
「しねえよ。  
 …ハルカが俺を信じて、ヒカリにすべてを打ち明けさせてくれた。  
 俺には、ハルカとヒカリが、不公平のないようにする義務がある。」  
「…無理しなくてもいいかも。」  
「だーめだ、次セックスするときも、ハルカとヒカリの3人で、だ!」  
 
…どこからともなく声がしてきた。  
「あたしがいつ、サトシとやるって?」  
「へ?」  
「いつの間に起きてたのかも!?」  
「あのくらいのことで、あたしはヘバりませーんー!」  
いつの間にか、ヒカリが目を覚ましていた。  
どうやら、2人の会話を、途中からきいていたようで、  
 
「いい?サトシ。  
 今日の事で気をよくしたら、あたし怒るから!  
 もういくら頼んだってサトシとは旅の途中ではやらないからね!こっちからお断りよ!」  
「…いや、さっきハルカにそう言ったんだけど。」  
「サトシがそんな事言う資格ありませんー!  
 いい?サトシが気持ち良くなりたいから、ハルカの事もあるし仕方なくやってあげたんだからね!  
 言っとくけど、あたしがサトシを好きになるなんて思っているとしたら、大間違いよ!」  
 
…その言葉に、2人は静まり返る。  
別に悪い意味ではない。…ヒカリのその言葉に唖然とし、そして、  
「ははははははっ!」  
「あはははははは!」  
「な、…なによ、どうしたのよ、2人とも。」  
「だってヒカリ!  
 さっき、大声で思いきり『サトシ、大好きぃ!』って言ってたかも!」  
「かも、じゃねえよ、言ってたよ、大声で!」  
2人とも大笑い。  
ヒカリの顔は真っ赤になっている。  
「ちょっと、2人とも、嘘ついてからかわないで!  
 あたしが、そんな事サトシに言うはずない…じゃない…」  
ヒカリは割と記憶力がよく、頭もいい。  
…なんとなく、思い出してしまった。  
サトシとセックスして絶頂に達する直前に、そんな事を、思わず口にした記憶が…  
 
(あ…あたし…なんであんな事…)  
「思い出したか?ヒカリ!」  
「…ば、馬鹿!そんな事一言も言ってませんー!」  
「そ、そんなに怒らなくても…」  
「いーだ!サトシのエッチ!変態!…あれ?」  
ヒカリの体からすっと力が抜ける。  
「お、おい、どうした、ヒカリ…」  
「…すう…すう…」  
 
やはりヒカリの体力は限界に達していた。  
なぜ一時的に起きることが出来たのかは謎だが、この際どうでもいい。  
「やれやれ、素直じゃねえな、ヒカリは。」  
「そう言うサトシは、ヒカリの事どう思ってるの?」  
「言ったろ?今はまだ分からない。そもそも、人を好きになるってどう言う事かが分からない。」  
「サトシも人の事言えないかも。」  
「でも、こうも言った。  
 ヒカリが好きになってくれる時、それが俺がヒカリの事を好きになる時だ、ってね。」  
「…ふふ、そうだったね。」  
 
ぐったりとして完全に眠っているヒカリを連れて一通りシャワーで情事のあとを洗い流し、  
ハルカが慣れた手つきでヒカリに服を着せ、サトシもハルカも服を着た。  
…服を着る前に、お互いの裸を名残惜しそうに見ながら、最後のキスをしたのは、ヒカリには内緒。  
 
 
それから2時間、船の時間が来るまで、サトシとハルカはリッシ湖周辺の散策を楽しんだ。  
いろんな話をしながら。  
全てを打ち明け、サトシへの想いが通じたハルカは、最高の笑顔をしていた。  
ちなみに、ヒカリはサトシがずっと背負い続けていたが、結局港でハルカと別れる時まで起きなかった。  
 
「…ずっと忘れてたような気がする。  
 ファイナルの時の、ただもう夢中でポッチャマと1つになったような感じ。」  
「その気持ち、忘れないで。  
 次に会ったときは、絶対負けないかも!」  
「…それは、あたしのセリフでもあるよ。」  
港でのお別れの時。ちゃんとノゾミも港でハルカの見送りに来ていた。  
 
「ノゾミも、これからのコンテスト、頑張ってね。」  
「ああ、ハルカもね。」  
「もちろん!」  
 
タケシもたくさんのナンパとたくさんの毒突きを終え、ちゃんと港に帰っていた。  
「ジョウトにも、おいしい物がいっぱいあるけど、食べ過ぎるなよ。」  
「わかってまーすっ!えへっ♪  
 久しぶりのタケシのお料理、おいしかったわー!」  
食べ過ぎるなと言う忠告は、間違いなくジョウトに帰った時には頭から消えているであろう。  
 
そして、ピカチュウを肩に乗せたこの少年、サトシ。  
「ハルカ、ジョウトのコンテスト、しっかりな。  
(優勝したら、もう一度会おうぜ。…約束を果たすためにな!)」  
「ピカー!」  
「ええ、サトシもシンオウリーグ挑戦、頑張ってね!  
(優勝して、わたしを迎えに来てね。…待ってるから!)」  
「ああ!」  
「ピカピカ!」  
固く握手を交わし、…そう誓った。  
 
汽笛とともに、連絡船が出港する。ハルカもサトシもヒカリも、大きく手を振る。  
ハルカが大声でサトシたちに叫ぶ。…最高の笑顔で。  
「さよーならーーー!」  
 
ポケモンコンテスト、ミクリカップは、ヒカリの優勝で幕を閉じた。  
復活のリボンをゲットして、トップコーディネーターを目指すサトシたちとの旅は、まだまだ、続く。  
 
(サトシとのトネリコリボン、そして、…サトシのものが、わたしの中に入ってる。  
 いつも、サトシとつながってる、うん、ジョウトでも元気を出して、ガンバれるかも!)  
この物語は、そんなミクリカップで起こった、もう1つの物語であった。  
 
 

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