「ん……。ちゅぷ……。ふぁ……」  
俺たちゴーゴー団が拠点としている、シクラ山脈に存在するアジトの、とある一室。  
照明を落とした薄暗い室内に、粘膜の絡み合う秘めやかな音が響いていた。  
音の発信源は、眼前のベッドで絡み合う2つの人影。  
手前にある人影の正体は、俺の妹――ミライ。  
街へ繰り出すたびにショッピングにいそしむため、燃費の悪さが玉にキズだが、  
それでも俺の愛すべき兄妹の1人だ。  
そのミライが、もう1つの人影に向かって盛んに口付けをしている。  
先ほどから抵抗する素振りを見せている人影だが、ミライはそれを意に介すこともなく、  
両手で肩を掴みながら強引に唇を貪り続けていた。  
 
「ぢゅる……。ん……。ぷはぁっ!」  
しばらくして、ミライが唐突に人影から唇を離した。  
口の端から溢れた唾液が雫となり、そのままポタリと落ちて、ベッドにシミを作る。  
2人の口元に残った唾液は、妖しく糸を引いていた。  
 
「ふぅ……。――ごちそうさま……」  
ミライは満足げな口調でそう言うと、ゆっくりと上体を離す。  
窓から差し込む月明かりに照らされ、もう1つの人影が鮮明になった。  
ルビーのように映える、赤い瞳を持つ少女――。  
ミライに長時間、口内を弄ばれたためか、呼吸を乱している。  
 
「さすがのレンジャーも、スタイラーを奪われては赤子同然だな」  
俺は机の上にある、壊れたキャプチャ・スタイラーを横目で見ながら、  
満足げにほくそ笑んだ。  
そう――。この少女はレンジャーユニオンに所属し、  
幾度と無く俺たちの妨害をしてきたポケモンレンジャーの1人。  
今日行われたサマランドの戦いで、俺たちは、この女を捕らえることに成功したのだ。  
残念ながら、この女と行動を共にしていた男のほうのレンジャーは、  
取り逃がしてしまったが。  
 
「このレンジャーさんには随分と手こずらされて来ましたが、  
それも今日までということですね」  
俺の隣で、ユウキがクスリと忍び笑いを漏らした。  
 
「あ、あなたたち……。こんなことをして、本当に何かが得られるとでも思っているの?」  
後ろ手に縛られ抵抗できぬ身でありながらも、瞳に宿った闘志を絶やさず、  
俺たちに向かって睨みを利かせてくるレンジャー。  
訓練を受けているだけのことはある。だが、余裕を見せていられるのも今のうちだ。  
 
「愚問だな、レンジャー。  
すべては親父――俺たちのボス、ラゴウが決めたこと。  
幹部である俺たちはボスの意志に従順であればいい」  
「だけど――。ひゃッ!?」  
反論しかけた刹那、突然ミライに胸を掴まれため、レンジャーは間の抜けた声を上げる。  
ミライの五指は、そのまま撫でるように首筋を這い上がり、顎のところで動きを停めた。  
 
「そんなに怖い顔しなくてもいいでしょ。ヒナタ――だったかしら?  
大人しく人質になってくれれば乱暴なことはしないわよ。  
ただ――、気持ちよくなることはするけどね。フフ」  
そう言ってミライは、レンジャーの首筋に舌を這わせる。  
レンジャーは身をよじって逃れようとするものの、  
先ほどと同じく強引に身体を引き寄せられ、ミライの責めを受け続けるしかすべはない。  
 
「な、なぁ、ミライ」  
しばらくのあいだ、ミライとレンジャーの行為を静観していた俺たちだったが、  
ふいにヨウジが、そわそわと落ち着きの無い様子でミライに声をかけた。  
 
「なぁに? ヨウジ兄さん」  
「おまえばっか楽しんでないで、オレにも少しは――」  
「えー! 今いいところなのにぃ!」  
速攻で不満げな態度をあらわにするミライ。だが、ヨウジのほうも引くことはない。  
 
「んだよ、その態度! そいつのスタイラーをブッ壊したのはオレだろ!」  
いきり立って1歩進み出るヨウジ。  
たしかに、このレンジャーを捕らえることができたのは、  
ヨウジと、そのポケモンのおかげだ。ヨウジが文句を言う気持ちも判る。  
だが、愛する兄妹たちがケンカをしているサマを見るのも忍びないな。  
 
「まぁ、2人とも落ち着け。1つの玩具に我先にと群がるのは見苦しいぞ?  
ここは2人で仲良く、な?」  
俺の言葉が効いたのか、ミライはわずかに考える素振りを見せたあと、  
ため息をつきながら、レンジャーを立ち膝になるよう動かす。  
 
「仕方ないわね……。じゃあ、ヨウジ兄さんは後ろから責めてあげて」  
「おうよ! 任せとけ!」  
ミライに促され、ヨウジは喜び勇んでベッドに飛び乗った。  
 
「へへへ。このエロいケツ、初めて会ったときから気になってたんだよなぁ」  
立ち膝で正面から抱き合う体勢になっているミライとレンジャー。  
ラインがしっかりと浮き出た、レンジャーの悩ましいヒップに、  
背後から近づいたヨウジが手を伸ばした。  
 
「きゃッ! ちょっと! やだ……!」  
ヨウジにヒップを鷲づかみにされたレンジャーは、当然のごとく嫌悪感をあらわにする。  
だが、それに構うことなく、ヨウジは乱暴にヒップを揉み始めた。  
 
「つ! ちょ……、イタっ!」  
ほとんど間を空けずに痛みを訴え出すレンジャー。  
ゴツゴツとしたヨウジの手でこねくり回されては無理もあるまい。  
おまけに力の加減を知らないときたもんだ。  
 
「ダメよ、ヨウジ兄さん! 女の子は優しく扱わなきゃ!」  
独りよがりなヨウジをミライが咎める。  
 
「んなこと言われたって――」  
「いいから、ちょっとのあいだ我慢して!」  
「チッ……」  
レンジャーのヒップから、ヨウジが渋々手を放した。  
 
「あたしが脱がせてあげるわね。ヒナタ」  
言って、立ち膝のまま、ミライはレンジャーのスパッツを下ろしてゆく。  
やがて、モチモチとした肉感的なヒップを覆う水色のショーツがあらわになった。  
恥ずかしそうに俯き、ジッと耐え忍ぶレンジャー。  
両手を縛られていては反撃することもできまい。  
続けざま、ショーツの盛り上がり――果肉の部分を隠している布地をゆっくりとずらす。  
そこはすでに、ランプの灯りをうっすらと反射して妖艶な輝きを放つ蜜で湿っていた。  
 
「おおお……。すげぇエロい……」  
レンジャーのヒップに顔を近づけていたヨウジが感嘆の声を漏らす。  
ヨウジの鼻息は荒く、レンジャーの陰部も、それを敏感に感じ取っているに違いない。  
 
「フフ……。ヒナタのココ、もう濡れてる……」  
ミライは恥辱を与えるように耳元で囁き、  
自分の人差し指をレンジャーの陰部に沿ってゆっくりと動かす。  
その瞬間、ぴくん、と、レンジャーの身体が跳ねた。  
 
「あたしとキスして感じちゃった? 女の子同士なのに。ヒナタってエッチだね。フフフ」  
その瞬間、レンジャーの頬がさらに赤みを帯びる。図星かよ。  
 
「も、もう……、これ以上は……」  
ついに耐え切れなくなったのか、レンジャーは目に涙を溜めながら懇願を始めた。  
先ほどまでの威勢はどこへやら。すでにレンジャーとしての威厳も無いな。  
この調子で――  
 
「うおォォッ! もう限界だッ!」  
突如としてヨウジが咆哮し、レンジャーのヒップにむしゃぶりついた。  
 
「きゃッ!?」  
バランスを崩したレンジャーは前のめりに転倒し、  
無論、正面からレンジャーの身体を支えていたミライは、その下敷きとなる。  
 
「つぅ……。――ヨ、ヨウジ兄さぁん?」  
ベッドの上なので、ほとんどノーダメージのハズだが、  
ミライは怒気のこもった口調でヨウジの名を声に出す。  
しかしヨウジは、それを気にも留めず、レンジャーの陰部を獣のように貪り続ける。  
 
「ひぁっ! そ、そんなトコロ舐めたら……。ああッ!」  
「は、ぷぁ……! うめぇよコレ!」  
敏感な部分を舌でねぶられ、甲高い悲鳴を上げるレンジャー。  
そして、突き出されたヒップに向かって狂ったように纏わり付くヨウジ。  
それを見ていたミライがレンジャーの下から這い出しつつ、語気を荒げる。  
 
「もう! なんでヨウジ兄さんは、いっつも、いっつも――」  
「落ち着いてください。ミライ」  
いつの間にやらベッドの上へと移動していたユウキが、ミライの肩にポンと手を置く。  
 
「レンジャーさんの痴態を間近で見せられては、自制が利かなくなるのは当然です。  
その証拠に僕も……、ほら――」  
すでにコートを脱ぎ捨てていたユウキは、ズボンのジッパーを下ろし、  
収納されているモノをおもむろに取り出した。  
 
「――わぁ……。すごい……」  
ミライが自身の手を口元にやり、目を見開きながら呟いた。  
外気に触れたユウキの陰茎はすでに膨張しており、コータスのオーバーヒートといった趣。  
オレンジ色の照明に照らされ真っ赤に色づくソレは、先端から粘液を滲ませつつ、  
ぴくんぴくんと自己主張を繰り返していた。  
女顔で細身の体をしているクセに、俺やヨウジに比べると明らかにシンボルが大きい。  
正直、俺は自信を無くしそうだ。長男としての。  
 
「レンジャーさん。こっちを向いてください」  
ヒップを高い位置に掲げた状態でベッドに突っ伏し、ヨウジの責めに身悶えるレンジャー。  
そのレンジャーの口元に手を添え、自分のほうへと顔を動かすユウキ。  
目を硬く閉じて攻撃に耐えていたレンジャーは、何事かとまぶたを開く。  
 
「ひっ!?」  
途端に引きつった悲鳴を上げるレンジャー。  
当然だろう。視界の中に突然、男の怒張――  
それも人一倍大きなモノが飛び込んでくれば、平静を保っては居られまい。  
 
「レンジャーさんを見ていたら、こんなになっちゃったんですよ。  
責任取ってもらえますよね?」  
言いながら、ユウキは自身の昂りを、  
レンジャーの息が掛かるんじゃないかというほど近くまで持っていく。  
見開いた瞳を潤ませながら、ユウキの一点を見詰め続けるレンジャー。  
それを見ていたユウキが、何かに気付いたかのように顔を上げる。  
 
「――と、これでは舐めにくいですよね」  
そう言ってユウキは、レンジャーを後ろ手に縛っていた縄を解いた。  
ここまで来れば抵抗されることも無いと踏んだのだろう。  
続けざま、レンジャーの顎を掴み、上向きに力を込めた。  
――痛みから逃れるための条件反射だろう。  
レンジャーは嫌な顔をしながらも自分から両手を尽き、その場で四つん這いになった。  
それを見たユウキが満足そうに笑う。  
 
「いい子です。――それではコレを咥えてください」  
「つッ……」  
怒張を握り締め、真っ直ぐレンジャーの口元へと運んでいったユウキであったが、  
あと1歩のところで顔を背けられてしまった。  
 
「くッ……」  
「んん……」  
指が食い込むほどレンジャーの頬に力を込め、自身を押し込もうとするユウキ。  
だが、レンジャーは口を一文字に結び、頑なにそれを拒む。  
 
「ご、強情ですね……」  
口調は丁寧語のままだが、ユウキの額には汗が伝い、眉間にはシワが寄っている。  
苛立ちを抑えようとしていると見て間違いないな。  
 
「く……ううぅ……」  
ユウキの手を振りほどこうと、必死に顔を動かすレンジャー。  
しかし、ユウキのほうも諦めようとはしない。  
 
「ぐ……。あまり意固地になっていると、痛い目を見ることになりま――」  
「ふあぁッ!?」  
ユウキがそこまで言いかけたところで、  
突然、レンジャーが肢体を痙攣させ、口を大きく開け放った。  
咄嗟に視線を落とすと、いつの間に潜り込んだのか、レンジャーの下にミライの姿。  
口元に笑みを浮かべ、両手でレンジャーの胸を揉みしだいている。  
――ユウキは、それが原因で発生した一瞬の隙を見逃さなかった。  
 
「つッ!?」  
ミライに刺激を与えられ、口を開いたレンジャー。  
その口内に向かって、ユウキは怒涛のごとく肉棒を突撃させた。  
 
「んぶぅぅッ!!」  
突如として肉棒を口に押し込まれ、めったに拝聴することが出来なさそうな、  
濁音混じりの悲鳴を上げるレンジャー。  
ユウキは、してやったりという表情を見せ、そのまま腰をスライドさせ始める。  
 
「ああぁッ! 凄いです、レンジャーさん! く、くちのなか……、あった……かくて」  
昂りを喉の奥に押し込み、頬の内側に擦り付けて、  
嬌声を上げながら、余すところ無くレンジャーを堪能するユウキ。  
だらしなく口を開け放ち、普段の思慮深い態度はカケラも見せない。  
 
「ん……はぶ……! たまんねェよ! レンジャーのカラダ!」  
相変わらずレンジャーの花弁に顔をうずめ、舌を捻じ込み膣内を堪能するヨウジ。  
溢れ出る愛液に顔面を汚され、たいそう幸せそうだ。  
 
「ヒナタのおっぱい、柔らかぁい」  
服を脱がされ完全に露出した2つの果実を、  
下方から持ち上げるように弄び、悦に浸るミライ。  
目を細め、恍惚の表情でレンジャーを見上げる妹の姿が可愛くて仕方ない。  
 
「ひぁっ……! んっ! んっ! うぷっ!」  
苦しいのだろう。  
レンジャーはユウキに怒張を出し入れされながら、くぐもった喘ぎ声を放ち続ける。  
両手で強引に頭を押さえられ、異物を吐き出すことすら敵わない。  
身体中を隅から隅まで俺の兄妹たちに蹂躙され、弄ばれ、慰み者にされている。  
 
「そうだ。これでいい……」  
俺の背筋を、ゾクゾクッと快感が駆け抜けた。  
 
「んグっ! すげっ……! どんどん溢れてくるぜ!」  
「ハァ…、ハァ……。ヒ、ヒナタぁ……」  
「は、激しすぎます、レンジャーさんっ! このままじゃ、僕っ!」  
「あっ! んぶッ! ううぅッ!」  
4人の嬌声が1つに交わり、美しい音色となって俺の耳を貫く。  
茜色に輝く小さな照明だけが頼りの部屋に、歓喜のしらべが木霊する。  
今日の俺は客の側。俺のためだけの演奏会。  
 
「ああっ! ダメだッ! イクッ! もう出ちゃうッ! 口にッ!」  
すでに丁寧語の使用を忘れたユウキが、歯を食い縛りながら勢いよく腰を突き出す。  
 
「ひッ! あぶぅッ! んぐぐッ!」  
それに応えるかのように、レンジャーがユウキの肉棒を大きく飲み込んだ。  
次の瞬間――  
 
「うぶッ!」  
「ヒナタぁッ!」  
「イクッ! イッ――!!」  
「んぐうぅゥぅうぅぅッ!!」  
各々が自らの行いに沿った感嘆の声を上げ、同時にすべてを解き放った。  
 
「んんんンんッ!!」  
なかでもレンジャーの猛りは凄まじい。  
口内に注ぎ込まれつつあるユウキの白濁の勢いが衰えを知らないせいで、  
嘔吐時に出すような声を上げ、顔を歪めている。  
しばらくすると、収まりきらない分がレンジャーの口から溢れ出し、  
そのまま首筋を伝って、ミライの顔にポタポタと零れ落ちた。  
ミライはそれを指ですくい取ると、上質なミツハニーの蜜でも味わうように、  
自身の唇になすり付け、舌で舐め取ってゆく。  
――ああ……。何もかもが素晴らしい。  
たとえ、人生で1度しかお目に掛かることができぬ絶品の料理を前にしても、  
この幸福感は味わえないだろう。  
――乱れた呼吸も整えず、身体を重ねたまま後戯を始める4人を前にして、  
俺は静かに呟いた。  
 
「ありがとう。素晴らしきカルテット(4重奏)を……」  
 
 
 
END  
 

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