カンナギシティに立ち寄ったわたしは、偶然壁画を破壊しようとするギンガ団ボスアカ  
ギと遭遇し、彼をポケモンバトルで打ち破ることに成功した。  
 アカギが、大人の腕力で強行していたら、ただの子供でしかないわたしとシロナさんの  
お婆ちゃんの2人ではどうしようもなかっただろう。  
 だが、今のわたしには心強い仲間がいる。  
 ナナカマド博士からもらった、頭の葉っぱがかわいいナエトルのアーサーも。今ではハ  
ヤシガメに進化して、わたしを乗せて歩くことができるくらい大きく逞しくなったし。  
 わたしが初めて自力でゲットしたコリンクのガウェインも、レントラーまで進化し、パ  
ーティのエースだ。  
 進化するまでは少し頼りなかった、ムクホークのランスも他の二匹だと倒し難い岩や鋼  
を、インファイトで倒す活躍をみせるようになっていた。  
 結構色々ポケモンを捕まえてきたはずなのに、なぜかわたしのパーティはこの三匹で固  
定されている。  
 愛着、っていえばいいんだろうか?  
 この子たちといると、わたしはどんな敵にも負けないって気持ちになれる。  
 だから、アカギにも打ち勝つことができた。  
 そう思っている。  
 この三匹といたら、わたしは無敵だ、って。  
 だから、だから……だから、今わたしはとてもピンチだ。  
 わたしを守ってくれるアーサーも、わたしの代わりに戦ってくれるガウェインも、わた  
しを乗せて飛んでくれるランスもいない。  
 頼りになる三匹から切り離され。  
 その上、わたしは、いま、衣服すら脱ぎ去っていた。  
 身を守るものがひとつとしてない状況、わたしはごくりと唾を呑んだ。  
 なんだろう?  
 なんでこんなことになってしまったんだろう?  
 いや、別にわたしはギンガ団に捕まったとかそういうわけじゃない、わたしを今現在追  
い込んでいるのは敵じゃなく、味方。  
 それも困らせようとしてその人は誘ってくれたわけではなくて、あくまで善意。  
 だから困る。っていうか、困ってる自分に困惑している。  
 女同士で一緒にお風呂にはいるっていうだけの話。  
 こんなテンパってる自分がおかしいのは分かってる。  
 でも、でも、一緒にはいる相手が問題なのだ。  
 その相手とは、  
「んー? さくやちゃん。どうしたのー?」  
 ガラっと横開きの扉を開け、その人はいつまで経ってもはいってこないわたしを不思議  
そうに見つめてきた。  
「服脱ぐのに手間取ってたわけじゃないのね」  
「え、ええと……」  
 わたしがどう答えようか迷っていると、シロナさんはわたしの手を掴み、おいでと招く  
ように腕を引いた。  
「あ……」  
 突然のことにわたしはバランスを崩してしまった。  
 だが、  
「おっと、だいじょうぶ?」  
 シロナさんは当然のようにわたしのことを抱きとめてくれた。  
 そのことが嬉しくて、申し訳なくて、お礼を言おうとし。ふと、わたしは、自分の顔が  
どこにあるか気付いてしまった。  
 やわらかな白い肌のぬくもり。  
 わたしよりは大きいけれど、一目で大きいって分かるほどではないが、程よい大きさと  
形をしたシロナさんの胸に、わたしは顔を埋めていた。  
 
 わたしは身体を離そう、今すぐ飛びのこうとしたが。腰に回され、ぎゅっと抱きしめて  
くるシロナさんの腕のせいで抜けられず。  
「あ、ありがとうございます」  
 というのが精一杯だった。  
「ふふ、だいじょうぶ?」  
「あ、はい」  
 胸に顔があたっているせいで、シロナさんの鼓動が聞こえた。  
 とくんとくんとリズム良く流れるシロナさんの音。それに反してわたしの心臓はバクバ  
クと脈打ってしまってしょうがない。  
「一人で立てる?」  
「は、はいっ」  
 わたしはシロナさんの腕から抜け出ると、タオルをもった腕で胸を抑え、軽く首を振った。  
 なんとかして、どきどきを抑えようとしたのだが。  
 シロナさんはわたしの下のほうを見て、僅かに目を細めると、小さく微笑んだ。  
 シロナさんはなにを見て笑ったんだろうと、視線を追ってみて、直ぐに気がついた。身  
体の下部、下腹部、わたしはもう14にもなるのに、産毛くらいしか生えていない。  
 それを見て笑ったんだと気付くと顔が、いや体全体が熱くなるのが分かった。  
 わたしは慌てて手で下腹部を隠すと、俯いた。  
 真っ赤になってしまった顔をみられたくなかった。  
 こんな恥ずかしい想いをするなら来なければよかった、わたしは泣きたくなりながらそ  
んなことを思った。  
   
   
 わたしがシロナさんのお婆ちゃんの家に、一緒に泊まることになったのは、シロナさん  
の気まぐれにすぎない。  
 ミオシティにある図書館へ行ったらいいと、シロナさんは最初そう言ったのだけれど。  
もう直ぐ夜だということと。  
「さくやちゃんて、もしかして旅の間は野宿なの?」  
「え、そうですけど……?」  
 寒い夜でもランスの羽の中で休めば、家のベッドより温かいし。寝ている間はアーサー  
が見張ってくれている。  
「女の子の一人旅で野宿って!?」  
 シロナさんは驚いたように声をあげた。  
「なにかあったらどうするのよ」  
「ポケモンたちが、みんながいるから大丈夫です」  
「……そうかもしれないけど」  
 シロナさんはむうと唸ると。  
「でも、野宿ってなあ……そうだ! なら今日くらい屋根の下で寝ましょ。私のお婆ちゃ  
んの家が直ぐ近くにあるのよ。それがいいわ、決まりね」  
 なんとも強引な誘い方だったけど。  
 シロナさんと一緒の時間を過ごせる、そう思うと少し心が躍った。  
   
 それから、わたしは手持ちのポケモンたちを、ポケモンセンターの一日リフレッシュコ  
ースに預け。トリミングとか健康診断とかもお願いした。  
 ずうっと、簡単な機械治療しかさせてやれなかったから、これはちょっと良かった。  
   
 だけど、いまわたしはアーサーでもガウェインでも、最近はいったブースターのトリス  
タンでもいいから、誰かにそばにいてほしかった。  
 シロナさんと2人きりの裸の付き合いが、これほど緊張するだなんて。  
 途中にある湖や川とかで水浴びするくらいで、ちゃんとしたお風呂にはいるのが久々だ  
ったせいか。ちょっとシャワーを浴びるだけで、土埃が落ちて茶色くなった水が流れ落ちた。  
 自分でもこんな汚くなってるとは思わなかったが、暖かいお湯のシャワーは身体の汚れ  
以上に、心の疲れを解きほぐしてくれるようだった。  
 それに  
「たとえ、火の中水の中草の中、もっりのなか〜♪」  
 と陽気に鼻歌を歌ってくれていたから、ちょっとだけ恥ずかしさは紛れた。  
 にしても、スカートの中にポケモンはいないよなあって思いながら。  
「それなんの歌ですか?」  
 ってわたしが笑っていうと、シロナさんは少し悲しそうな顔で言った。  
「そう、ジェネレーショギャップかしら」  
「へ?」  
「いいえ、気にしないで」  
 と明らかに落ち込みながらいった。  
   
 身体の汚れを落すと、シロナさんと肩を並べて湯船に浸かろうとしたら、反対側に座っ  
てと笑顔で言われた。  
「さくやちゃんかわいいから見てたいのよ♪」  
 ニコニコ笑いながら言われると、反論もできない。  
 わたしは顔を俯かせて、シロナさんを覗くようにみた。  
 シロナさんはわたしをかわいいってよく言ってくれるけど、シロナさんのほうが素敵だ  
と思う。  
 涼やかな琥珀色の瞳、金色の長い髪、白く極め細やかな肌、均整の取れた体つき――ど  
こをとっても非の打ち所がない。  
 それにシロナさんはポケモンリーグチャンピオン。  
 今、シンオウ地方でもっとも強いポケモントレーナー。  
 わたしもシロナさんみたいになれたらいいなあって思う。  
 だからこそ、こうして直ぐそばにいると緊張しちゃうし、頭がピヨピヨパンチ食らった  
みたいになってしまう。  
 シロナさんがくすって微笑んでくれるだけで心が躍るし、シロナさんがわたしの名前を  
呼んでくれるだけで嬉しいのに、わたしはもっとシロナさんに近づきたいって思ってしま  
った。  
 こうして向かい合っているんじゃなく、隣に座りたい、肩を並べたい。だからお願いし  
ようと思っていると。  
「アイスとってくるけど、さくやちゃんも食べる?」  
「えっ、は、あ、いえ、いいです」  
「そっか。お風呂で食べるアイス美味しいのになぁ」  
 言いながら浴室を出て行くシロナさん。くそ、こういうときにランスがいたら『きりば  
らい』で邪魔な湯気を――ってわたしはなにを考えてるんだ。  
   
「アイス食べるならお風呂でてからのほうが……」  
「んー、お風呂の中で食べても美味しいわよ」  
 そういいながらバニラ味のソフトクリームを美味しそうに舐めるシロナさんは、まるで  
子供のようで、なんだかかわいらしい。  
「んんー、やっぱり食べたくなった、かな?」  
「え」  
 シロナさんは猫のように目を細めて笑うと。  
「はい、どうぞ♪」  
 ソフトクリームを差し出してきた。  
「え、ええと」  
「遠慮なく食べて、美味しいから」  
 これを断ることは、二重の意味でできなかった。  
 尊敬する、憧れているシロナさんから勧められたのに断れないし。それに、シロナさん  
が舐めたソフトクリームを舐めることができる。なんだかそれがとっても魅力的なことに  
思えてしまった。  
 いや、実際魅力的だ。  
 だって、シロナさんの舌が、唇が触れたものに、わたしも口をつけられる……つまり、  
間接キス。シロナさんと、間接キスできるなんて。  
 わたしはごくりと生唾を飲み込み、「はい」と差し出されたソフトクリームに顔を寄せ、  
シロナさん自身にキスするような気持ちでソフトクリームに舌を触れさせた。  
 火照った体にアイスの冷たさが心地よくて、わたしは求めるようにソフトクリームに舌  
を這わせた。  
 お風呂の熱気で零れ落ちる白濁した液体を、すくうように舌で舐めとる。  
 シロナさんはわたしが舐めやすいように動かしてくれる、その目には優しい色が宿って  
いた。  
 ソフトクリームの冷たさは、わたしの身体をわずかに冷やしてくれたけれど。心臓はさ  
きほどまで以上にばくばく、激しく脈打つ。  
 わたしは思わずシロナさんに抱きついてしまいそうになる直前で、ソフトクリームを愛  
撫するのを辞め。  
 お礼を言おうとしたら。  
「ついてる」  
「……へ」  
 シロナさんが一気に距離を詰めてきた。  
 夢中になって食べているうちにわたしの頬についたクリームを、ぺろっと舐めとると、  
舌を這わせ。頬や顎についたのを舐めていく。  
 シロナさんの熱い舌の感触が這い、そうして、わたしの唇についていたクリームを舐め、  
そのまま唇が重なっていた。  
「んっ……んぅ……」  
 シロナさんは口内のアイスも食べたいというように、わたしの口の中で舌を躍らせる。  
 アイスクリームになってしまったわたしは、シロナさんに舐められ溶かされ、喘ぎ声を  
あげ、浴槽の中へ沈んで消えてしまいそうになった。  
   
 唇を離すと、少しだけ沈黙が訪れて。それがまるで、シロナさんが自らの行為へ後悔し  
ているように感じてしまったわたしは、冗談めかして言った。  
「さくや味のアイスは美味しかったですか?」  
 ここで本能に従っていたら、わたしはわたしからシロナさんの唇を求めていただろうけ  
れど。そんな勇気はわたしにはなかった。  
 シロナさんはくすっと笑うと。  
「ええ、とっても。さくやちゃんかわいいだけじゃなくて、おいしいとは思いもしなかっ  
たわ」  
「また、食べたかったらいつでも言ってくださいね」  
「ええ」  
   
 シロナさんはアイスを食べ終えると、ふうと一息つき。  
「でも、ほんと、さくやちゃんて身体傷だらけね」  
「え?」  
「ところどころに擦り傷かすり傷あるし、口の中に口内炎もあったわ」  
 キスだけでそんなことまで分かったのかと、わたしは驚いてしまった。  
「そうですか?」  
 たしかに町で暮らしていたころと比べると、傷は増えたけど。言われるほどでもないよ  
うな。  
「ちょっと立ってみて」  
「あ、はい」  
 わたしは言われるままに立ち上がった。  
 お湯は膝までしか隠してくれず、わたしの貧相な身体がシロナさんに丸見えだ。  
 恥ずかしかったけれど、隠したら意識しているようで、そういうことを考えてしまって  
いると認めてしまうようで、隠すことはしなかった。  
 旅に出る前は少しふっくらしていた体つきは、旅中の少ない食事と野宿のせいで、いつ  
のまにか痩せてしまっていた。  
 前はお腹を掴むと、ぷにっとしたのに。いまはくびれが少しできている。  
 胸の脂肪まで痩せなかったのは幸いだけど、シロナさんと比べると全然見劣りする。  
「ほら」  
 シロナさんはわたしの身体を指差していった。  
「ここにも、ここにも。それにこことそこにも」  
「え、え、どこですか?」  
 小さな傷ばかりでよくわからない。  
「ほら、ここよ」  
 シロナさんはいうと、わたしの肌に指をあてた。  
「ここと、ここにも、ね」  
 とん、  
 ちょっとだけ触れて、離れる。  
 傷の位置を教えてくれているだけなのに、触れられると電流が身体をはしった。  
「あら? 内股怪我するって、なにしたの?」  
 とん、とシロナさんの指が太ももの内側に触れ、傷口をぎゅっと押してきた。  
 そこを怪我したのはなんだっただろうか、たしか。  
「自転車乗ってて、転んだ時に擦りむいて……っ」  
 シロナさんの指が、ぐりぐりぐりぐり、傷口を押しながら上へ上へと登ってくる。  
 女の子の大事な部分に近づけば近づくほど、身体が素直に悲鳴をあげる。  
 どうしよう、このままシロナさんの指があそこに触れたら……。  
「気をつけないと、さくやちゃん綺麗な身体してるんだから」  
「そんなこと、ないです」  
 期待に反してシロナさんの指は離れ、わたしは少し安堵し、がっかりもした。  
「そうだ、マッサージしてあげる。座って座って」  
 立てと言ったり、座れと言ったり、シロナさんは忙しい。それに素直に従ってしまうわ  
たしは、まるでシロナさんのポケモンのようだ。  
「ほら、足伸ばして」  
「あ、はい」  
 おそるおそる脚を伸ばすと、シロナさんはわたしの足を掴んで、マッサージしはじめた。  
 シロナさんは流石に自分から言い出すだけあって、マッサージが上手で、凝り固まって  
いた脚の筋肉はほぐされていくのがわかった。  
 脚を両方ともし終えると、  
「じゃあ、今度は上半身ね」  
 と、わたしを手招きした。  
 
 ――どうしよう、顔真っ赤だ。  
 わたしはシロナさんの上に座って、抱っこされるような形で腕や肩をマッサージしても  
らった。  
 マッサージしてもらっている最中、ずっとシロナさんのおっぱいが背中にあたっていた  
し、なによりシロナさんが耳元で喋るせいで吐息がわたしの耳をくすぐってきた。  
 だが、腕肩脚が終わり、これでこの時間も終わりだと思っていたら。  
「じゃあ、こっちもやってあげる」  
「へ?」  
 いうや、シロナさんの手がわたしの下腹部に伸び、閉じられた内股の間にはいってきた。  
 シロナさんの指先は、正確にわたしの割れ目にたどり着くと、ゆっくりと撫で始めた。  
「旅の間、自慰する暇もなかったでしょう? だから、ね」  
「え、シロナ……さん……?」  
「それとも、野宿してる時にもしてたのかな? まさかコウキくんとかに手伝ってもらっ  
てたりしたの?」  
「そんなことないです」  
 わたしはふるふると首を横に振った。  
 こうしている間にも、シロナさんの指はわたしの弱い部分を暴きだそうとマッサージし  
てくる。  
「ふうん。じゃあ、してなかったの? ――それにしては、反応が素直。してなかったら、  
こんなに反応よくないと思うんだけど?」  
 シロナさんの指先に痺れるように、わたしの姫唇はひくひくと反応してしまう。  
 身悶える体、逃げようとしてもシロナさんはわたしの身体を抱き抑え、話してくれない。  
「教えて、どうやって、してたの?」  
 シロナさんの吐息は、まるで魔法のようにわたしの耳から溶け込み、口が自然と開いて  
いた。  
「し、してました……」  
「うん」  
 ゆるくなってきた割れ目、でもシロナさんはまだ撫でるだけ。指入れて欲しい、シロナ  
さんの指。だから、シロナさんの期待に応えるよう、わたしは旅の最中でのことを答えた。  
「最初は、がまんできなくて、フレンドリィショップのトイレで」  
「がまんできないって、さくやちゃんいがいとえっちなんだ」  
「ち、違うんですっ」  
 わたしは一生懸命首を横に振った。  
「コウキくんと会ったとき、偶然ぶつかって、コウキくんの手がわたしの胸にあたって。  
それで、そのあと見たら、コウキくんの……ズボンに、テントできてて」  
「ふうん、なんで? なんで、コウキくんのズボンがテントになっちゃったの? ちゃん  
と言って、ね?」  
 なんでこんなこと言わせるんだろう。  
 シロナさんの前でこんなこと言いたくない。  
 でも、シロナさんが言えって言ってるんだ、だから。  
「コウキくん、わたしのおっぱいさわって、それでおちんちんおおきくしちゃって。だか  
らテントが」  
「へー、コウキくんもかわいいなあ」  
 クスクス笑いながら、シロナさんの手はわたしの身体を愛撫するだけ。  
 早く、早く、もっと強い快感が欲しい。シロナさんにもっとしてほしい。  
 なのに、シロナさんは撫でるだけ。  
「それでコウキくんのおちんちん想像しながら、したんだ。ふうん」  
「は、はい。……コウキくんが、……ナニーしてるの想像しながら、しました」  
「そっかそっか、じゃあ、次は」  
「次、ですか?」  
 
「うん。まさか、旅の最中一回だけじゃないよねえ? さくやちゃんえっちだもん」  
 わたしは目尻に涙が浮かぶのを感じながら、答えた。  
「トイレで、公園のトイレで、男の人用のほうでしました」  
「トイレ好きなんだ」  
「だって、外でする勇気とかそのころなくて、だから」  
「その頃、ね。じゃあ、今、は?」  
 言われてわたしはもうどうにでもなれと思っていった。  
「この前シロナさんと会ったあと、茂みの中でしましたぁっ。シロナさんから預かったお  
守り握って、ぎゅってしながら、シロナさんにしてもらうの想像しながら。だから」  
 ぐすっと鼻をすすった。  
「だから、シロナさんお願いです。撫でるだけじゃなくって、もっと……もっと」  
「分かったわ」  
 言うや、シロナさんの指がわたしの割れ目を押し破り、ぐいっと入ってきた。  
「さくやちゃんのおマンコ、さくやちゃんらしくていいわね」  
 シロナさんの指がわたしのなかにはいってくる。  
 はじめて入ってきたはずなのに、シロナさんは当然のようにわたしのなかを突き進んで  
いく。  
「入り口はかためだけど、奥にいくとやわらかくて、入ってきたひとを歓迎するみたいに  
よく動いてくれる。ふふ」  
 シロナさんが言ってるのが一瞬なんのことか分からなかったが、理解すると、ほんと顔  
から火が出るようだった。  
「へ、変じゃないですか? わたしの……」  
「全然っ!」  
 シロナさんはくすっと笑うと。  
「むしろ、これに入れる男がいたとしたら、多分さくやちゃんはもうそいつに離してもら  
えなくなるわね」  
「そんな……」  
「さくやちゃん、男の子が好きな身体つきだもの。コウキくんとか、あのせっかちな子と  
か、きっとさくやちゃんでオナニーしてるわね。絶対」  
「え、ええ……」  
「さくやちゃんのお口におちんちん突っ込んで舐めさせたり、おっぱい痛くなるくらい揉  
んだり、さくやちゃんのおマンコが壊れちゃうくらいズタボロになるまでおちんちん入れ  
る妄想してる」  
「そんなぁ……」  
「ふふっ。嫌そうにしながら、ほんと正直」  
 シロナさんはわたしの口端からこぼれていた涎を舐めとり、唇を重ねた。  
「んっ、んふぅ……おちんちん入れられるとこ想像したでしょ。おまんこきゅーってして  
たわよ、指が飲み込まれるかと思ったわ」  
「……んっ……っ……」  
「ねえ? さくやちゃんはどっちの男の子のおちんちんが欲しいの? それとも両方?」  
 わたしはその問いに素直に答えた。  
「わたしは、わたしは……」  
「んー? どっち?」  
「シロナさんに、シロナさんに気持ちよくして欲しいんですっ! シロナさんにわたしの  
恥ずかしいところ、ぜんぶぜんぶみてもらいたいんです」  
「……そう」  
 すると、シロナさんの手が離れてしまった。  
「じゃあ、最後は自分でしなさい。見ててあげるから」  
「え……あ……はぃ……」  
 
 わたしは浴槽から出ると、マットの上に仰向けで犬のようにお腹をだして寝転がり、股  
をシロナさんによく見えるようにして、自分で自分を慰めた。  
 シロナさんは唇に指をあて、薄く微笑んでいる。  
 わたしはシロナさんに恥ずかしいところを、シロナさん以外には見せたくない、見せな  
い恥ずかしいところをみせようと必死になって。身体をよじらせ、喘ぎ声をもらし、ただ  
シロナさんのことだけを考え続けた。  
 そして――  
「あっ、ああっ、あ、く、もう、も、だめえぇぇぇぇっ!!?」  
 今まで我慢していたものが決壊するように、膣が激しく痙攣し、それにあわせて体が脈  
打った。  
 大きな波はなかなかひいてくれず、しかし、ゆっくりと収まった。そう思い、気が弛ん  
だ瞬間、ぴゅーっという音を立てそうな勢いで尿道から黄金色の液体が噴出してしまった。  
 おしっこをするところまでシロナさんに見られるのはいやで、わたしは隠そうとしたが、  
手で押さえてもおしっこは止まらず。尿道口が少し痛みを覚えるまでおしっこは出続けた。  
「かわいかったわ、さくやちゃん」  
 シロナさんのその言葉は、まるで天使の祝詞のようだった。  
   
   
***  
   
   
「それじゃあ、気をつけてね」  
「はい」  
 翌朝、わたしもシロナさんも何事もなかったかのように旅立った。  
 それぞれがそれぞれの道へと。  
 ――再びいつか、路が重なることを信じて。  
 
 
 
 

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