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…  
ゴールド、シルバー、クリス。目的は違うが、ジョウトを旅していた3人だ。  
ある事件の解決と共に、3人は一時共にしていた行動を止めた。  
それから、ゴールドは、もっと強くなるために修行に。  
シルバーは、しばらくの休息を。クリスは、旅に出る前の穏やかな生活をとりもどした。  
数ヶ月後。クリスの提案により、3人はもう一度再会することにした。  
お互いポケナビで連絡をとっていたので事はスムーズに進んだ。  
「手持ちが変わっただとか、別れてからあったこととか話しましょうよ?  
バトルしたりしてもいいわね。…場所はコガネシティで…日時は…‥」  
 
そして、その当日。コガネシティはなんだか騒がしかった。  
「うわあぁ!」「きゃぁああ〜!!」人々の悲鳴が響く。  
「一体何だ!?」「だっ誰か、警察に電話を!」「あれは…オドシシ!?」  
野生のポケモンが人を襲っていたのだ。そんなあわただしい中、見覚えのある姿が。。  
「お〜いおい、こりゃやばいンじゃねーの?ま。オレに任せとけって!」  
ゴールドだ。彼は人並みをかき分け、ポケモンの前に立つ。  
「君!危ないぞ!近寄るんじゃない!」「もうすぐ警察がくるから!!」  
周りの人の制止も聞かず、ゴールドはモンスターボールをキューではじく。  
「大丈夫だって!」  
ポン!バババババ!  
そして手持ち全部を出し、指示を出す。  
「お、結構、効いているぞ!もしかしたらいけるんじゃないか?」  
「…いや…オドシシの数が多すぎるんだ。彼、苦戦してるよ。」  
周りの人は不安の色を見せている。  
 
「…相変わらず、考え無しだな。」そんなゴールドの行動に、冷静な言葉がかかる。  
「なっ、なんだとぉ!?誰だ!?……ってぇ、シルバー!久しぶりだなー!」  
「ああ。それより、…オドシシ、全然相手になってないぞ。どうにかしろ」  
「はぁ!?ンな事言ったってオレの手持ちじゃ数が足りねぇんだよ、仕方ねぇじゃねーか!」  
「だから、考えろと言ってるんだ。ヤミカラス。」  
ボン!  
シルバーはヤミカラスにモンスターボールを持たせると、上空へ上がり、ボールを放つように指示する。  
上空へ上がったヤミカラスは指示通りボールを放った。  
ボン!そのボールからは、ニューラが現れた。  
「…?…ニューラ?赤毛の彼はどうするつもりだ…?」  
「ニューラ、凍える風!!」  
キィイイン…カキン!  
「やった!」「みんな凍ったぞ!!」  
「…しかし、この後どうするんだ?きっとこのオドシシはエンジュから来たんだろうが…どうやって運ぶんだ?それに早くしないと氷もとけるだろう」  
「そういえば…氷がとけたらまた暴れ出すだろうな…」  
そんな人々を分け入り、ポケモンの近くに寄る少女がいた。  
「き、君…どうするつもりだ?ここからエンジュまで運ばないと…君じゃ無理だろう」  
「いいえ、任せてください!捕獲します!!」  
ザザ、とモンスターボールを地面に置く少女。捕獲の専門者、クリスだ。  
「オドシシね…、でもレベルが低いみたい。レベルボールでOKかしら。…はっ!」  
ポポポポポ! …クリスは見事に全部をモンスターボールに収めた。  
「ふぅ。…えっと、警察の方は…?」「はっ、はい、何でしょうか!?」  
クリスのあまりの見事なモンスターボールさばきに、警察も見とれていたようだ。  
「このオドシシ、エンジュへ帰しておいてくださいますか?」「え、ええ。」  
「そうですか、ではお任せしますね」「…あ、ありがとうございました!」  
 
事が片づき、人も散らばりかけたとき、クリスはゴールドとシルバーの元へ駆け寄る。  
「流石クリス様ですねェ〜。」  
ゴールドがクリスを茶化す。  
「こいつはいつまでたってもバカらしいな」  
「相変わらずね、二人とも。…それにしてもオドシシ、びっくりしちゃったわ。それに二人が戦ってるんですもの」  
クス、と笑いながらクリスが言う。  
「そうだよなー!オレが居なかったらどうなってたことやら」  
「…お前、修行が足りないようだが?あそこで凍らしたり眠らせたりするのは常識だろう」  
「何だと〜!?オレはな、お前みたいに遠くから見て、よく考えてから行動した訳じゃないんだぞ!?  
おびえる市民を助ける為に勇気を出して、颯爽とだなぁ…‥」「そんなこと、少し考えれば分かるだろう」  
「まぁまぁ、二人とも仲良くして。…ね、今日泊まる旅館、結構良いところなのよ。  
二人とも結構遠くから来たんでしょ?早めに行って荷物だけでも置いておかない?買い物とかはその後で、ね。」  
シルバーがゴールドの行動を指摘し、ゴールドが怒る。それをクリスがなだめる。  
そんな様子も数ヶ月前と何らかわりはない。  
「オレはそれでいいぜ。シルバーもいいだろ?」  
「…そうだな。」  
 
「着いたわ、ここよ!」  
「おっ、けっこーいいじゃねぇか。」  
「…悪くはないな。」  
その旅館は町の中心部から歩いて15分程の近い場所にあった。  
歩いている途中も3人の話はいつもどおりだったが楽しいひとときだった。  
旅館は、アイドルのクルミの叔父と叔母がやっているもので、  
クリスが旅館を予約する際、自分と2人の名前を挙げると  
『もしや、あの『仮面の男事件』を解決した方々ですか?お代はいりませんので是非お泊まり下さい。  
あの場所に姪(クルミ)が居て、助かったのはあなた達のおかげです。』  
とタダで泊めさせてくれることになった。  
「こんにちは、いらっしゃいませ!長旅ご苦労様です。ささ、お手荷物をこちらへ」  
「いらっしゃいませ。お嬢様もお荷物をのせてくださいませ」  
旅館へはいるとたくさんの従業員の人が待っていて、ぺこりとお辞儀をした。  
そこに、一人着物の違う美人な女の人がやってきた。  
「ようこそ、『黄金亭』へ。長旅、さぞお疲れのことでしょう。ごゆっくりしていって下さいませ。」  
「おっ、女将さんか?美人じゃねーか。さっすがクルミちゃんの親戚」  
そんな美人な女の人に、ゴールドは反応する。確かに髪の色た目元など、クルミにそっくりだ。  
「うふふ。未熟ですが、女将勤めさせてもらっております、ヒメミです。」  
「ゴールド!言葉遣いが悪いわよ!女将さん、すみません。  
…でも本当にありがとうございます。タダにしていただいて…」  
「いえいえ、いいんですのよ…。それより私こそ光栄です。あの事件を解決なさったトレーナーさんに出会えて。  
…さて、お疲れでしょうし、お部屋、案内させていただきますわね。」  
 
部屋はとても綺麗だった。  
窓から見える景色も--まぁ、都会の中なので大自然とはいかないものの--とても綺麗だった。  
「おぉーーー!マジいいんじゃねぇの?」「落ち着けるな」「街がよく見えるわ。とっても素敵!」  
3人は口々に感想を述べた。全員好感のようだ。  
「では、ごゆっくり…」  
女将さんが出ていくと、3人はそれぞれこれからを話し合った。  
「お買い物に行かない?百貨店最近行ってないのよ」  
「俺は、風呂でも入ってゆっくりしたいがな」  
「オレもシルバーに賛成だなぁ!買い物やらなんやらは明日でいんじゃね?」  
「…そ、そう。二人がそう言うなら…。まぁいいわ、そうしましょう」  
「じゃ、オレ、大浴場いってくるわ!」ダダダダダダ!!ドン!バタン!  
「な、気が早いわね?お茶でも飲んでゆっくりしてから…って…もう出ていっちゃった…  
じゃあ私もお風呂いこうかしら。シルバーは?」  
「あぁ、俺もあの単純バカについていくよ」  
「そう、じゃあまたね」「ああ」  
 
男湯にて  
「ひゃっほーーー!風呂ーーーー!!しかも誰もいねぇ!貸・し・切・り!!」  
「まぁ、真っ昼間だからな…とりあえず落ち着け…」  
「落ち着いてられっかよ!オレはなぁ、今から壮大な計画を実行するんだ!だから風呂はじっくりはいらねぇと」  
「‥…はぁ?」「だからな〜、シルバー…‥  …」  
「なんなんだよ…」「オレ、今回みんなで集まるって決まったとき、あることを考えたんだ」  
「‥…だからなんなんだよ」  
「…‥…… だよ!」  
「肝心の部分が聞こえないが」  
「ったくもー、…あのなー、…‥クリスを… …   ・ ‥  …犯す」  
 
…‥・ ・  
バシャーーーーーーーーン!!!  
 
「なっ、なにを…!?」  
シルバーはおもいっきりゴールドに湯をかけて立ち上がる。  
湯気で顔が見えないが、きっと真っ赤なのだろう、とゴールドは思った。  
「お、その反応なら意味知ってるんだな?そんなら都合いいよ。  
あいつ泣かせてみたいんだよなー…それに、オレとお前であいつを『メロメロ』状態にしてやりたいし  
『まじめな私がこの中で一番エライ!』って思ってそうだもんな〜それけちょんけちょんにしてやりてぇ。」  
「泣かせるのにも倒すのにも他の方法があるだろう!!」  
シルバーはすごく慌てている。ゴールドの言葉が、思いも寄らないものだったからだろう。しかし、  
「‥…弱虫。女をヤることも出来ねぇのか?」  
ゴールドのこの台詞にシルバーはついにキレた。  
「何を言っている。…少なくともお前より上手くやれると思うがな」  
「なら勝負しようぜ。あいつに「イイ」って言わせた方の勝ち」  
「上等だ」  
 

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