リオルが仲間になって、マスターのポケモンはヒコザルを合わせて5体になった。  
ヒコザルよりも前にマスターの手持ちだったピカチュウとザングース、  
そしてヒコザルの次に加わったコリンク。  
今更言うまでもないけど、みんなオスばかりだ。  
それもこれも…マスターの、あのヘンタイ人間のどうしようもない性癖のせいだ。  
ほぼ毎日、夜になるとマスターは気に入ったポケモン(時には複数)を相手取り、性欲を満足させている。  
そしてその一方で、自分のポケモン同士がそういう行いをすることも黙認している。  
そんな中、リオルが仲間になったことからヒコザルの境遇に大きな変化があった。  
1つは純粋にマスターのポケモンが増えたことから、  
マスターの夜の相手をさせられる頻度がほんの少しだけど減ったこと。  
そしてもう1つは…  
 
「ねぇ…ヒコザル。今日も…しよ?」  
また来た。  
ほんとに、マスターの相手をしてる日以外はほとんど毎日だ。  
「ん…」  
寝ぼけたままちょっとだけ困ったような声をあげてみるが、それが聞き入れられた様子は全くない。  
「えへへ」  
青い腕が伸びてきて、ヒコザルの頬を撫で、首筋を伝い、胸のあたりの毛をくすぐる。  
手の先にある柔らかな肉球がピンポイントで毛皮の上から小さな乳首を探り当て、  
擦るようにしてそこをゆっくりと刺激していく。  
「んんっ…!」  
半分眠りかけていた意識がすぅっと浮き上がるように上昇してくる。快感を浮き輪にして。  
「リオル…」  
そっと横を向くと、大きな瞳を輝かせながらこっちを見ているリオルの顔があった。  
目と目が合って、無言のまま短い会話を交わす。  
それをこれから行われる行為への同意とでもとったのだろうか、  
胸に這わせた手をそのままに、リオルはすっと顔を寄せてきて、  
無抵抗なままのヒコザルの唇を奪い取り、一気に舌まで絡め始めた。  
くぅん、くぅんとリオルの鼻先から漏れ出る熱い吐息がヒコザルの耳に吹きかかった。  
 
抵抗…しようと思えばできるのかもしれない。  
「もうやめよう。こういうのイヤだから」  
体を押しのけ、そう言えばいい。  
でも、ヒコザルはそれだけのことができずに、リオルを受け入れ続けていた。  
「ヒコザル…気持ちいいよぉ。ヒコザルの柔らかい心も、体も、ボク大好きだよ」  
「あっ、ふぁぁっ!」  
快感を感じ、徐々に高まってくる性的興奮。  
ヒコザルの体の感触と、そして心から漏れ出る波紋を感じ取っているリオルはそれに酔いしれている。  
「ヒコザル…好きだよ、ヒコザル…!」  
そうなのだ。  
リオルは…本当に大好きなのだ。自分のことが。  
それが分かるから、こうして毎日のように体を求められても拒絶することができない。  
犯され慣れてしまい変調したのか、それとも元々ヒコザルが持っていた性格なのか、  
素直な心で強く求められると、どうしてもはねつけられず譲ってしまう。  
そして、流されるままに気持ちよさに酔ってしまう。  
 
性的興奮は麻薬のようなものだ。  
相手のことが好きでも、そうでなくても、興奮を高められてしまうとそれに酔い、共に溺れていく。  
 
口腔内をゆっくりと犯されながらそんなことを考えていると、  
あっという間にリオルの指が無遠慮にヒコザルの局所を摘みあげ、  
すっかり慣れ親しんだその小さなツボミを撫で、擦っていく。  
大事に、大事に、柔らかな肉球の間で扱きあげられると、  
そこはあっという間に真上を向いて立ちあがってしまった。  
 
「もうこんなに硬くなっちゃったよ」  
「んくっ!あっ…!」  
ぎゅっと根元を握りこまれると、早くも先っぽからねっとりとした淫猥な分泌液がにじみ出る。  
皮を押しのけてちょこんと突き出たピンク色の粘膜の先端に、透明な雫が垂れていくのが見えた。  
それを待っていたかのようにリオルの舌が伸びてきて、ぺろんっと舐めとる。  
ただそれだけの刺激で、ヒコザルの背筋にぞくぞくっと快感が走り抜けていった。  
「リオルぅ、気持ち…いいよぉ」  
「どんどん出るね」  
リオルの言葉通り、くちゅっくちゅっとリオルの手がヒコザルのオチンチンを根元から絞り上げるたびに、  
とぷっ、とぷっと先走り液が尿道口から雫を作り上げ、舐めとられる。  
「んっ!ああんっ!」  
このままあっという間に、白いミルクまで搾乳されてしまいそうな激しい刺激に、  
ヒコザルは大事なところを握りこまれたまま、身をよじって抵抗する。  
そんなヒコザルの様子を波紋で感じるのか、リオルはいつもヒコザルが「もう限界」と思う瞬間に愛撫をやめる。  
そして、突然止んだ愛撫に性器が空虚感を感じ始めた瞬間に、愛撫が再開される。  
その巧妙さだけなら、マスター以上だ。  
オチンチンを弄られ続け、陰嚢まで唾液が伝うほどに舐め続けられ、  
あまりの性欲の高まりに、頭の芯まで痺れていく。  
そんなヒコザルの頭に浮かぶのは、もうたった1つの欲求だけになっていった。  
 
(……入れて、欲しい…!)  
早く、オチンチンを刺激されるだけじゃなくて、後ろから体を突き刺して刺激してほしい…。  
いくつもの男性器を受け入れ広げられた孔も、擦られるのに慣れた粘膜も、  
根元から突き上げられる感覚に悦びを覚えるようになった前立腺も、一刻も早い挿入を待ちわびている。  
そして、オスなのにそんな恥ずかしい感覚が湧き上がる己の体に羞恥して、  
ヒコザルの体がかぁっと燃え上がり、より熱い先走り液をリオルの口腔内へと送り出し始めた。  
それが分かってるんだろう。  
お互いが逆向きに向き合うようにくるりと体位を変えたリオルの腰が、目の前にやってくる。  
「こ、これ…!」  
思わず声が漏れ出た。  
「これ…ほしいよぉ」  
ピンときれいに反り上がったリオルのオチンチン。  
マスターやザングースのに比べるとちっちゃいけど、先っぽまですごく硬くって…気持ちいい。  
「ヒコザルってば、ヨダレでちゃってるよ」  
性器への愛撫を中断してこっちの顔を見たリオルが、少し笑い混じりの声を上げる。  
恥ずかしい。  
でも、自分を気持ちよくさせてくれるものを目の前にして、  
ヒコザルは夢中になってそれにむしゃぶりついていた…。  
ちゅっ、ちゅぶっ、くちゅっ…くちゅ…  
「ふぁっ!んっ!ヒコザル、気持ち…いいよぉ〜。大好きだよぉ…」  
慣れた調子で、後の挿入が楽になるようにたっぷりと唾液を絡ませながら口撫をするヒコザル。  
程なくそれに満足したリオルは、ヒコザルの欲求を満たしてあげるべく  
更に反り上がって唾液に光るその幼茎を引き抜くと、ヒコザルの股間へと体を滑らせるように移動した。  
 
「ねえ、ヒコザル、ボクのこと好き?ボクのこれ、入れてほしい?入れてイきたい?」  
「うん。うん…。ここ…早くぅ…」  
オシリを焦らしながらも、ゆっくりとオチンチンを責めてくるリオルの手つき。  
ヒコザルはただ体の欲求のままに腰を持ち上げ、自らの指でそこを左右に広げて、  
ヒクヒクとうごめく小さな粘膜のスボミをさらけ出した。  
淫乱なその姿。  
マスターにゲットされた、ほんの数か月前までには考えられなかった痴態だ。  
小さなオチンチンをいっぱいに興奮させ、霞みがかった目で頬を染めてオスを誘うその姿は、  
リオルを満足させ、より興奮させるのに十分だった。  
ちゅぷっ…ぐちゅうぅっ…  
「んっ!ふあぁぁん!」  
分け入ってくる。  
硬く、細くなった先端が容易に侵入し、すぐに深いところまで刺激を始める。  
「あっ、あっ、リオ、ル…!」  
「んくっ、あっ、ヒコザル…!」  
あまりの快感に許しを乞うようにリオルに腕を伸ばすと、  
リオルはそっとその腕の中に体をうずめ、ぴっとりと体を合わせて抱き合う。  
お互いの体温が余すところなく素肌越しに伝わっていき、性感が一気に高まっていく。  
「ああっ、リオルのオチンチン、気持ちいいっ!おっきくなってる!おいらも、いっちゃいそ…う…!」  
「うん、ヒコザルの気持ちいいの、ボクにもわかる…よぉ。いいよ、ボクのチンチンで、イっていいよ…!」  
「あっ、ふぁぁっ!んんっ!」  
ぎゅっとしっかりお互いを抱きしめあったまま、  
リオルの先端からはヒコザルの体内に、ヒコザルの先端からはリオルのおなかの上に、  
勢いよくオスの液が飛び出していった…。  
 
 
ほんのちょっとだけど、眠ってたみたいだ。  
ヒコザルが目を覚ますと、いつものようにリオルの丹念な後戯が続いていた。  
そりっ、そりっと舌先でヒコザルの毛皮を撫でていく。  
下の方では、役目を終えて柔らかくなった幼いオチンチンを擦りつけてくる。  
「えへへ。ヒコザル、気持ちよかった?」  
ふっと目が合うと、リオルは本当に嬉しそうな光を目に浮かべ、にっこりとほほ笑んだ。  
その幸せそうな表情を見て、ヒコザルはうらやましいと感じていた。  
大好きと感じる相手と抱き合える。  
(ほんとに…嬉しいんだろうなぁ…)  
嫉妬、羨望。  
今までにない感覚だった。  
マスターはリオルの種族は元来オス同士の性行為に対する抵抗感が薄いと言っていた。  
リオルがこうして正直にヒコザルに好意をぶつけてくる下地として、確かにそれはあるんだろう。  
でも、オスに対してでもメスに対してでも…こんな風に自分以外の相手に対して  
正直に好意をぶつけることができ、性的興奮まで満足させることができるなんて。  
本当にうらやましい。  
 
マスターやザングース、ピカチュウから犯されながら、ここまで「好きだ」という純粋なメッセージを感じたことはない。  
そしてそれは、自分にも言えることだ。  
相手のことを、今のリオルのように強く、「好きだ」と思って肌を重ねたことはない。  
それが今、ヒコザルの心に新たなコンプレックスを生もうとしていた。  
これだけ複数の相手と、数え切れないほどの肉体的接触を重ねているけれど、  
自分が本当に好きだと感じる相手はいるだろうか。  
 
1日だけ交わりを持ったメス。ニューラのことは今でも心に深く残っている。  
初めて味わうメスの体の柔らかさ、優しい匂い、そしてねっとりと包みこむ女陰の感触。  
同時に、マスターと一緒にニューラを犯したときの、  
自分に向けられた、汚いようなものでも見るかのようなその目つきも浮かんでくる。  
あんな形で出会い、別れてしまったけど、自分はニューラのことを好きだと感じていただろうか?  
そしてオスで言えば…コリンクだろうか。  
初めてコリンクを見たとき、その可愛さに心を奪われた。  
そして、コリンクの初めての相手となったのも自分だ。  
あの瞬間、確かに自分の中には好きな相手と結ばれた歓びがあった…ような気もする。  
しかし、それは恒久的なものではなかった。  
今リオルが自分に抱いているような好意が、自分とコリンクの間にあるようには思えない。  
コリンクの態度は常に目上の先輩に対する態度であり、自分もコリンクに対しどこか遠慮している感覚がある。  
 
ここまで考えて、ふと、マスターの顔が浮かんだ。  
自分が性行為を行った相手としては、最も多い。  
そして今では“波紋の契り”で強固な主従関係を結んだ仲でもある。  
しかし、その一瞬後にヒコザルは激しく首を振ってその顔を打ち消した。  
ありえない。  
(マスターは…おいらを、こんなにした人間だ。マスターにさえ会わなければ、捕まらなければ、  
こんな生活を送っているはずじゃなかったんだ…!好きなわけ、ないじゃないか!)  
 
しかし、その一方で、昼間の優しくバトルを教えてくれたり、食事を作ってくれるマスターに  
ヒコザルが惹かれているのもまた事実であった。  
その葛藤が存在するが故に、かえって強くマスターに対する己の気持ちを否定しようとしていることに、  
ヒコザルはまだ自分でも気が付いていなかった。  
 
隣ではリオルがその手をヒコザルの胸の上にそっと重ねたまま、すやすやと寝息を立てはじめている。  
あどけないその表情を見ながら、ヒコザルの自問自答は続いていく。  
自分が好きだと心から感じることのできる相手に、果たして出会う日はくるのだろうか。  
もしかして、一生好きだという感覚を覚えないままに終わるのではないか…。  
それはとても悲しく、恐ろしいことのようにヒコザルには思えた。  
出口のない迷路でさまよい歩く子供のように、ふらふらと迷走を続けながら、  
ヒコザルの心はやがて眠りの中へと落ちていった。  
 
 
次の日の朝。  
その朝はなんだかいつもとは違う感覚がしていた。  
何が違うのかはわかんないけど…何かがおかしい。  
「マスター…?」  
不安に駆られ、近くで寝ているはずのマスターを呼んでみるが、全く返事がない。  
 
いないのかな…と思い、寝袋に近寄ってみると、ちゃんとそこにいるのがわかった。  
(なんだ、寝てるのかな)  
でも、胸騒ぎがおさまらない。  
ヒコザルはもう一度呼びかけながら、そっと頬を撫でてみた。  
「ねえ、マスター?」  
「う…ん…」  
苦しそうな顔を浮かべながら、ヒコザルの手を振り払うマスター。  
その体が、熱い。  
すごい熱だ。  
息遣いも荒い。  
(これは…まずい…)  
ヒコザルの頭の中で、警告音が鳴り響く。  
病気に違いない。  
「ポケモンセンターに…、いや、病院に連れてかないと…」  
 
マスターの病気。  
これが今からとんでもない事態へと発展していくことになるとは、ヒコザルには想像もできなかった…。  
 
 
続く  
 
 
 

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