恋人というよりも、親のような存在に近かった。  
私がラルトスだった頃から、ずっとずっと面倒をみてくれていて。  
落ち込んだ時は、頭を撫でてくれながら、話を聞いてくれた。  
嬉しい事があったら、大人げないくらいに、一緒に喜んでくれた。  
私が好きだと言ったら…真剣に、受け止めてくれた。  
 
「自分は、君を傷つけてしまう事もあるかもしれない。それでも良いのかい?」  
 
彼は思い悩んだ末に、そう返してくれた。  
私の答えは、彼の返事を聞くまでもなく、決まっていた。  
身も心も、彼にささげたい、と。  
 
彼と付き合う日々は、夢のような毎日。  
それまでに見慣れていた風景でも、彼と一緒に見ることで、全てが新鮮に感じられる。  
それは小さなころから感じていた、彼の魅力。  
いつでも、彼と過ごしていたい。そう思わせる温かな魅力が、彼にはあった。  
彼を怖いという人も居るけれど、そんなことはない。とても優しくて、紳士的で。  
それはもちろん…情事の時も。  
 
「大丈夫、怖くないよ…深呼吸をして、力を抜くんだ」  
 
言われた通りに、力を抜く。彼の手が、私の肌を伝う。  
大きくて力強い、触れられていると安心する彼の手。  
その手が、私の首、肩、腕を通って、胸、お腹を撫でさする。  
甘く痺れるような感覚に、思わずため息が出てしまう。  
 
「綺麗だ、サーナイト…私が触れるには、勿体ないくらいに…」  
 
私はかぶりを振る。そんな事はない、と、彼を抱きしめる。  
そんな私を、彼はそっと抱きしめ返してくれた。  
 
私に触れる彼の手は、いつも以上に優しい。まるで割れ物を扱ってくれているみたい。  
その優しい感覚は、私の心の柔らかい場所を痺れさせていく。甘く、蕩けさせていく。  
 
「温かくなってきたね…肌も桃色になって…可愛いよ」  
 
彼の言葉に、恥ずかしさと喜びが同時に湧き上がる。  
体の奥底がじんわりと熱くなって、それは溢れる体液となって体外に表れる。  
そして、私の体中を優しく愛撫する彼の手が、熱くなった私のそこに触れた。  
ぴちゃり…響く、水音。  
 
「もう、こんなに…いつの間にかサーナイトも、すっかり大人になっていたんだな」  
 
そんな恥ずかしい事、口に出して言わなくてもいいのに。私の顔が、カっと熱くなる。  
そうやって目を伏せた瞬間。彼の指が、私の秘所につぷり、挿し込まれた。  
 
あまりの刺激に、私は、はしたなくも声高に鳴いてしまった。  
彼の指は、私の未発達な秘所を優しく、大胆に動き回る。  
その度に、くちゅん、くちゅんと、淫靡な水音が周囲に響き渡る。  
私の下半身から発されている音だと思うと、余計に恥ずかしく、刺激も強く思える。  
 
「声が大きくなってきたね…気持ち良さそうで何よりだが…私も、もうこんなになってしまった」  
 
彼の手に導かれるままに手を動かすと、そこには、熱く体積を増した彼の自身があった。  
初めて触れる男性のそれは、想像以上に大きかった。けれど、怖いとは感じない。  
それよりも、私を触るだけで、こんなになってくれた彼を愛しいと思った。  
精一杯の愛情をこめて、彼自身に刺激を与える。  
軽く握って、上下に動かして。先っぽを指でつついたりして。  
私の拙い行為にも、彼は敏感に感じてくれているようだった。  
 
「ん、っく、は…サーナイト、気持ち良いよ」  
 
彼の苦悶の表情を見ると、私の下腹部から流れる液体も、その量を増した。  
 
私が彼をすっかり高めると、彼は私を制して、そっと抱き寄せた。  
 
「もう…入っても、良いかい…君の、中に…」  
 
そんな風に耳元で囁かれては、私の激情も歯止めが利かなくなる。  
彼の胸元に思い切り顔を押し付けて、返事の代わりとすると、彼は私を抱きしめた。  
私を軽々と持ち上げると、彼は自分の上に、私をゆっくりと下ろしていく。  
彼の怒張は、私の秘所へと一点違わず挿入されていく。  
その時の速度も勿論、早すぎる遅すぎる事も無い。  
彼の腕は、私をしっかりと支えてくれていた。私に負担をかけないように。  
初めての痛みに耐えながら彼を感じていると、やがて、私の中に彼の物が納まる。  
時間にしてみればほんの数十秒だったのかもしれないけれど、とても長く感じた。  
 
「熱いよ、サーナイト…私たちは今、ひとつになっているんだ…わかるかい?」  
 
彼の言葉に、何度も何度もうなずいた。嬉しくて、涙が出てきた。  
憧れだった彼に貫かれている。一つになれている。  
そう思えば、感じる痛みも不思議と和らいでいく。  
彼は頃合いを見計らって、一つになった部分を動かし始めた。  
彼と私がこすれ合って、痛いような熱いような、痺れる刺激を感じる。  
その動きは、最初はごくゆっくりだったけれど、次第に大きく、大胆な動きになっていった。  
 
大きくグラインドされる度に、私の秘所がぐにゅりと広がる。  
体内が外気に触れると、自分がいかに熱いのかがよくわかって、少し恥ずかしい。  
けれど、そんな些細な事など気にならなくなってくるほど…彼との行為は、快楽に満ちていた。  
 
「ああっ、凄いよ、サーナイト…すぐに限界が来てしまいそうだっ…!」  
 
彼の怒張が、私の中で大暴れをする。ぐちゅぐちゅ、にちにち。  
入って、出て、鳴き声をあげて。私は段々と、獣と化していく。  
愛しい人と繋がれているこの時間だけは、私の理性など何の価値もなくなる。  
他には、何も要らない。彼の存在だけが、私の全てだと思える。  
この時間こそ、私がずっと追い求めてきた物なのかもしれない。  
誰かを包み込める優しさ…抱擁ポケモンとしての、私の、追い求めてきた物。  
 
「君の中に、出すよ…私の全てを、受け取ってほしい!」  
 
この人の子供ならば、喜んでこの身に宿そう。  
そう思った私は、彼自身を体内で締め付ける。  
そして彼は、私の奥の奥。子宮口付近へと、思い切り精を吐き出した。  
 
彼の精を受けて、私も絶頂へと押しやられる。  
体の芯が震え、心も体も、全てが満たされる。  
私の求めていた答え。それは、彼を愛すること。  
鉄仮面と恐れられる彼を、限り無い愛で包み、抱き寄せる。  
 
「サー、ナイト…本当に私で、良いのだろうか…?」  
 
「…あなたでなければ、いけません。私は、あなたを愛しているのですから…」  
 
私は彼に口づけをして、その身を抱きしめる。  
繋がったままの私と彼は、そのまま深い眠りへと落ちて行く。  
 
私は、ずっと彼を愛したかった。  
傷つき続けた彼を、癒したかった。  
幼い頃の私は、彼の気持ちを受けていたから。  
彼の負の感情を、ずっと吸収し続けていたから。  
 
私はこれからも、彼を癒し、抱擁し、添い遂げていく。  
彼の、最良のパートナーになれるように。  
 
 
 
 

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