「んー!!!このお肉めちゃくちゃ柔らかくておいしい!!!」
「でしょ?ホントオススメなのよコレ」
ここはリッシ湖ほとりのレストランななつぼし。
リョウとシロナは、この店でコースランチを食べていた。
リョウは実に何でも美味しそうに食べる。
そんなリョウを、この店に連れてきた
甲斐があったとシロナは微笑んでいた。
(それにしても…)
リョウは一つ気付いたことがあった。
それはこの店の客層だ。
家族連れも何組かいるが、カップルが多い。
皆それぞれ、この店の雰囲気と味を
相手と優雅に楽しんでいるように見える。
(俺達も…あんな風に見えるのかな…)
リョウは、向かいの席にいるシロナに
目線を戻した。
「どうしたの?」
「あ、ううん何でも」
(やっぱり…俺とシロナさんじゃあ、
どう見ても姉弟だよな)
美人で、かつどこか妖艶なオーラがあるシロナ。
自分はと言えば、歳も離れているし
何より、幼いこの容姿ではシロナの隣にいても、
どこか違和感がありしっくりこないだろう。
それはリョウ自身も認めており、また常日頃から
気にしていることでもあった。
(シロナさんは…どうして俺がいいのかな、
他に釣り合う大人の男とか
いるだろうに…)
考えれば考える程、
「じゃ、そろそろ出ましょうか」
二人はコース料理を堪能し、席を立った。
会計に行くと、いかにも裕福そうな青年が
カードで支払いを済ませていた。
連れのお嬢様が、「ご馳走様、有難う」と
青年に微笑みながらお礼を言っている。
(うわ…カッコいい、俺も!)
リョウは自分の財布を取り出し、
「シロナさん、ここは俺が…」
「あらいいのよ、私が払うわ」
「え、俺が払うよ!!!」
「今日は私が誘ったんだし、気にしないで。
これでお願いします」
とシロナはカードを素早く
会計のボーイに差し出した。
リョウはお札を財布から取り出してはいたが、
タッチの差で間に合わなかった。
結局、この場はシロナが全額
カードで支払い、店を後にした。
店を出た後、二人は213番道路を過ぎ、
海を見るため砂浜を歩いていた。
「今日はすごい晴れてるから、海が真っ青で綺麗ねー」
シロナは、太陽の光で眩しいのか、
目を少し細めながら海を眺める。
今この砂浜には、二人以外誰もいない。
遠くに釣り人が数人いることがわかる程度だ。
リョウは、シロナから少し離れ、俯いて
店での件を考えていた。
(やっぱり…俺が頼りないと思われてるから…
さっきのお客みたいなのが普通なんだよな…)
「リョーウ!!!」
「ぅわっっ!!!!!」
いつの間にか、シロナがリョウの顔を覗き込んでいた。
これほどまでに至近距離にシロナが来ていたことに、
リョウは全く気が付かなかった。
「どうしたの?料理美味しくなかった?
それとももう帰りたい?」
「ち、違うよ!!!そんなんじゃあ…」
「じゃあ何?話してくれないとわからないよ?」
「……」
「…リョウ。言いたくないなら…」
「………たい」
「え?」
それは、消え入りそうな声だった。
「俺……早く大人になりたい」
リョウは、両手を固く握りしめ、俯きながら言った。
「どういうこと?」
「俺……早く大人になって、シロナさんに釣り合うような
男になりたい。シロナさんの隣にいても、
おかしくないように…
もう、さっきみたいに変な気使われるのは……嫌だ」
そこまで言うと、リョウは口を固く閉じ黙り込んだ。
キャモメの鳴き声と波音だけが響く、
いたたまれない沈黙が流れる。
すると不意に、リョウの右腕が掴まれ、
体が前へ引き寄せられた。
気付くとリョウはシロナの両腕にすっぽりと
挟まり、正面から抱きしめられる形となった。
「ちょ!!!シロナさん!!!??」
シロナにぎゅうぅと抱きしめられ、リョウの顔は
シロナの豊満な胸の谷間に押し付けられている。
その柔らかな感触と、シロナの首から胸辺りから
する淡い香りに、リョウはたちまち赤面した。
両手をバタバタと広げ、何とか逃れようとする。
それでもシロナはリョウを抱きしめる手を離そうとしない。
「ど、どーーしたんですか!!??」
リョウがやっとの思いで尋ねると、シロナは微笑みながら
こう答えた。
「だってすんごい可愛いんから!!」
「へ!!??」
リョウは、シロナの表情を見ることが
出来ないこともあり、困惑していた。
「もーホント可愛い…あのねリョウ、私は今のキミが好きなのよ」
シロナの両腕がリョウの肩に移動し、
ようやくリョウは自由になった。
「そういうキミが…そういうところが好きなの、
だからそのままでいいのよ」
シロナは、とても優しい表情で微笑んだ。
リョウは、改めてシロナの口から
好きという言葉を聞いて、動揺し言葉が出せなかった。
「それにね、人間ほっといても大人になるわ。
ゆっくり焦らず…なればいいのよ。わかった?」
リョウは顔を真っ赤にさせながら、無言のまま
コクコクと首を縦に振り頷いた。
「なら良し」
フフッとシロナは笑った。
リョウはまだ、一連の流れに頭が追い付かず、
一言も発していないままだった。
「どうしたの?まだポーッとして…あ、わかった
コレでしょう?」
そう言うと、シロナは自分の胸元を指差した。
「触ってみたいんでしょう?」
その言葉を聞いて、1、2テンポ遅れで
ようやくリョウが反応した。
「な、ち、ちが……!!!!!」
リョウはますます顔を赤くし、今度は首を横に
ブンブンと振っている。
「あら、違うの?」
「そうですよ!!」
「そぉ…でも遠慮しなくて良いのよ、
こんなチャンスもうないかもよ」
「何言ってるん…」
「いいから。触りたいんでしょう?」
すると、シロナは再びリョウの右腕を掴み、
自身の右の乳房へと引き寄せた。
布越しでもはっきりとわかる、柔らかな感触。
「わ、ごめんなさ…」
咄嗟にリョウは腕をどかそうとするが、
それはシロナに阻まれた。
「いいのよ。さぁ、もっと触ってみて…」
リョウはたじろぎ、困惑した表情で
シロナを見上げたが、シロナは依然として微笑んだままだ。
その瞳はどこか妖しくも美しく、
リョウの中にある性への興味・興奮を掻き立てる。
「ほら…それじゃあわかんないでしょう?」
シロナは、服越しではなく直に
触れるよう言った。
少しの間があったが、リョウはゆっくりと
服の隙間から、シロナの乳房に手を伸ばした。
(うわ…やっぱりやわらかくて……大きい…
気持ちいい……)
その時、リョウの指がわずかにシロナの突起に触れた。
「…んっ……」
シロナは、かすかに声を漏らした。
それは普段のシロナからは想像出来ない、
甘く秘やかな声だった。
今までに聞いたことのないシロナの声を聞き、
リョウの興奮は最高潮に高ぶっていた。
(もっとしたら……もっと凄いシロナさんが見れる…?)
今度は親指と人差し指で突起を挟み、
左右に回すように弄んでみると、
「…んっ……ぁんっ……」と、
とても可愛らしく、淫靡な声をあげた。