ちょっと長めの黒髪に、真っ赤なバンダナ。  
一人の少年がドアを開け、ある場所へ向かう。  
少年が行き着いたのは、大きな大きなプール。  
「こんにちわー、カスミいるか?」  
「あら、ケンジ。いらっしゃい。今日はどうしたの?」  
そこにはオレンジ頭の少女。スターミーの上に乗り、水の上でぷかぷかと浮かんでいた。  
「今日はちょっと暇だったから、遊びにきたんだ。なんか手伝うこととかあるか?」  
「ううんっ、今日はもう全部お仕事やっちゃった。あたしにしてはやる事早くない?」  
えへへ、とあどけなく笑う少女に少年、ケンジは見とれていた。  
胸下まである、さらさらストレートの橙色の髪の毛。  
赤いビキニの水着がよく似合う。  
きゃしゃな身体。きゅっとしまった足。年の割には成長した胸・・・。  
(ってどこ見てるんだよ、自分!)  
ケンジは心の中で自分に渇をいれ、正気を保つ。  
 
「てかさぁ、ケンジって本当にいつもスケッチブックだけは離さないわよねぇ・・・。」  
「まあね、これは僕にとっては欠かせない物だから・・・。」  
「あっ!!そうだ!!」カスミは何かをひらめいたかのようにぱんっと手を叩いた。  
「?」「ねぇケンジ、あたしの事描いてよっ!」  
そう言いながら、カスミはプールから上がりケンジに小走りで近づいていく。  
「いつもポケモンばっかり描いてるじゃない?たまには人間も描かなくちゃっ♪」  
その次の瞬間だった。「きゃああっ?!」  
カスミの足がつるんっとすべる、身体が宙に浮く。「カスミ!!」  
ケンジはカスミを助けようと、とっさにカスミを抱きとめる。  
「いたた・・・ケンジ、ありがとう。・・・・・・ケンジ??」  
(やばい・・・カスミの胸が・・・僕に・・・当たって・・・。)  
ケンジはそのまま、カスミをぎゅ・・・っと抱きしめてしまう。  
「ケンジっ・・・痛いよ・・・離して・・・っ!」  
だが、もうケンジにはカスミの抵抗の声が聴こえてはいなかった。  
「・・・ごめん、カスミ。」ケンジはそのまま、カスミをゆっくりと床へと押し倒した。  
カスミの髪が、ふぁさっと床に広がる。  
ケンジの腕の中で、カスミは必死にもがき抵抗する。  
「ケンジ・・・だめだよ!!こんなの嫌っ・・・!!」  
 

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