翌日夜。  
 私は彼女に連れられて会合に行くことになった。途中で女の子を多数誘い、私はハーレム状態だった。  
 「この斜面を登って下ったところに、大きな広場があるの。そこで例の会合があるのよ」  
 彼女は私を先に歩かせて、四匹の女を付き従えていた。  
 なだらかな丘陵の頂点へ行くと、森の中で不自然にぽっかりと草原になった場所があった。  
 「あれは一昔前湖だったのが埋まったんだってさ」  
 彼女は私にそう解説してくれた。  
 この坂を下れば、夢にまで見た乱交の世界が広がる……私は駆けだした。  
 が、すぐにすっころんでしまった。脚に違和感。首を捻って見てみると、彼女が私の脚を引っ掴んでいた。  
 「何のつもりだ離――」  
 そう言って蹴ろうとしたが、それはできなかった。私たちについてきていた他の四匹の女が私を押さえつけ、体の自由を奪ったのだ。  
 何が起こったかと思っているうちに解放された……と思ったがそうでもないようだった。  
 前脚がつるで縛られていた。  
 「なっ……」  
 あまりにも唐突なことに怒鳴ることすらできなかった。言葉を失っている私に、彼女はこの行動の真意を説明してくれた。  
 「この辺りではね、新しく入ってきた子を歓迎し、ここの文化に慣れてもらうため、最初の一回は何もしなくていいの」  
 「待て、何もさせないの間違いだろう、離せ」  
 「いやよ。私もみんなもこの歓迎の儀式はすごい楽しみにしてるし。最初は嫌かも知れないけど、絶対良くなるから」  
 ふざけるな。身の危険を感じたことがない私にとって、これほどの恐怖はなかった。顔から血の気があっという間に引いていく。  
 「何をされるか分かったものじゃない、こんなのは、嫌だ」  
 「何をされるか分かれば良いの?」  
 「そういう問題じゃ――」  
 「まずは男があなたを歓迎して、」  
 「そんな、」  
 「ぐったりするまで犯し尽くす」  
 「待て、」  
 「そのあとは女が二三匹であなたを弄くり回すの」  
 「やめろ、」  
 「あなたは美形だから取り合いになるでしょうね」  
 彼女は心底楽しそうだった。死にたい。  
 「そんな緊張しなくていいのよ? リラックスリラックス」  
 からかわれている。昨日のあのことを根に持ってこんな態度でいるのだろうか?  
 
 「今日はあなたが襲われる番だからね」  
 前脚で頭を撫でられた。  
 「……」  
 私は疲弊した。昨日あれほどまでに、乱れた生活を思い描いていたのだが、現実はあまりにも食い違い過ぎている。男に犯される? アナルを掘  
 
られた上、フェラチオまでやらせるとか言いだすのではなかろうな。  
 二回目の相手が男だなんて……。  
 「大丈夫よ。みんな最初は嫌がるけど、一時間後には両刀になっているから」  
 一時間も突かれるのか……。  
 「おいすー」  
 彼女が誰かに呼ばれて振り返った。  
 「もうそろそろ始めるよ」  
 「はあい」  
 何故私がここまで悲嘆しているのに、彼女はああも楽しげなのだろう。  
 「それじゃ、がんばってね。と言っても、何もしようがないだろうけど」  
 そのまま彼女たちは平和な足取りでキュウコンたちの集団に混じっていった。猛烈に不安になった。彼女の口から聞いただけでも十分実感はあ  
 
ったのだが、いよいよパニックになりそうだ。  
 彼女の代わりに俺の顔を覗き込んだのは、目のつぶらなやつだった。毛はぴんぴん飛び跳ねた感じで、どことなく幼そうな感じがする。ショタ野郎  
 
め。  
 「へえ。如何にも温室育ちって感じだなあ。よわそ」  
 「っ……!」  
 私は飛びかかって噛みつこうとしたがこの姿勢ではそんなことできるはずもなかった。奴は前脚一本で俺の頸を押さえて封じ込めやがった。  
 「おおこわいこわい大人しくしな。ペットはこれがお似合いだ」  
 そう言うなり奴は俺の口に何かを詰め込んできた。驚いて暴れたものの、奴は手慣れた所作で私の後頭部にゴムのバンドを回す。  
 「口枷装着完了」  
 何故野生のポケモンがそんなものを持っているのか。信じられなかったが口は閉じないし、うー、としか発音ができない。本当に口枷を装着され  
 
た。  
 どこからこんなものを……。  
 「さ、行くよ。心の準備は出来てる?」  
 「ううー!」  
 「良い返事だね」  
 否定しても無駄だった。  
 私の本心などには構わず、奴は私の首の後ろを咥えて、私をずるずる引きずっていった。  
 もう逃げることは決してできない。私は間もなく大勢のキュウコンの前で男のブツを含まねばならないのだ。  
 怖くて怖くて涙が出そうだったが、最後の意地でこらえた。  
 
 「と言うわけでこいつが今回の新入りさんです」  
 私は醜態を大衆の面前で晒していた。  
 ざっと三十程度だろうか。仰向けに大開脚させられている私を扇状に取り囲んでいる。男より女の方が大分多い。大半は若いキュウコンだが、男の中には壮年期の者もいた。あいつのブツまで吸わなくてはならないのだろうか。  
 私の隣でショタ野郎がほざいた。  
 「じゃ、こいつもいつも通りの歓迎方法で歓迎しまーす」  
 にわかに場が静まり返った。観衆の注目の一切が私に注がれる。恥ずかしくてたまらない。脚をじたばたさせても、余計惨めになるだけだった。  
 「さてと……」  
 ショタ野郎は大儀そうに俺の上に乗っかってきた。見つめあう格好だ。吐き気がする。  
 「悪く思わないでくれよ。これが僕らのやり方だからさ」  
 「うー!」  
 傲慢にもほどがある。私はこいつを蹴飛ばそうと思ったが、脚が空を切るだけだった。  
 「いい反応だね。燃えるなあ……」  
 ショタ野郎は微笑んだ。この状況で微笑んでいられるやつの神経が知れない。私は抵抗する気すら失せた。  
 「じゃあ早速……いれるよ」  
 やつのペニスが私の肛門にあてがわれた。掘られてなるものか。私は肛門を力の限り締めた。  
 「力抜きなよ。逆に痛いよ?」  
 「……」  
 私は睨むことで返した。ショタ野郎は困ったように鼻から息を吐いた。  
 「仕方ないな……ま、そのうち力抜けてくるだろうけど」  
 ショタ野郎の体重が感じられた。私は最後に足掻いたものの効果がないことは今までと変わりなかった。  
 裂けるような痛み。  
 「ううぅ!」  
 直腸の収縮に逆らって奴の陰茎が私の体内を蹂躙していく。灼熱した鉄の棒のようだった。痛い。  
 「すっごい締まり……これから動くんだけど、大丈夫?」  
 いちいち腹の立つことばかり聞いてくる。大丈夫かと聞くぐらいならこんなことをするな。偽善的な。  
 「ま、締まりの良い方がこっちとしてはいいんだけどね」  
 ショタ野郎は諦めたように言い放った。途端にやつはゆっくり腰を振り始めた。腸壁が押しのけられる。腹の底の方が重苦しく疼く。体が熱い。  
 やめてくれ、と叫んだが口枷のせいでそんな言葉は発せられない。やめさせるどころか、奴らを喜ばせるだけだろう。実際、ショタ野郎は意地の悪い笑みを浮かべてみせた。  
 「抵抗しても無駄だよ?」  
 殺してやる。こいつだけは殺してやる。私は刹那にそう思ったがその思いは霧散してしまった。奴の動きが早まったのだ。  
 もうあいつがいつ入れていつ出しているのかは分からない。腸の感覚は曖昧になっていた。ただやたらと熱を持っていることだけは意識せざるを得なかった。炎が舐めるように責め立てているようにすら感じられる。  
 そしてその感覚は背徳感を孕んだ快さをもたらしてくれているのだ。  
 
 突如刺すような快感が走り、ビクンと体を震わせた。  
 「お? もう良くなったのかよ。エロいなー」  
 ショタ野郎はわざと観衆に聞こえるような声で言い、嬉々として私を突き上げる。奴の言う通りであるのがたまらなく悔しかった。涙目になるほど嫌がっていたくせに、いざこうしてやってみると、ものの数分でよがっているじゃないか。激しい自己嫌悪を念が私の心を挫く。  
 コンテスト用のキュウコンとして生まれ、育てられ、その通りに生きてきた私の末路がこれほど汚れたものだとは、誰が予想できたのだろう。  
 「前立腺はどこかなー」  
 奴が更に深く陰茎を押しこんできた。  
 その瞬間、絶頂を味わった。視界は薄らぎ、意識が桃色の霧に包まれ、絶叫に似た声を上げた表紙に、口枷の隙間から涎が飛び散った。  
 ショタ野郎の眼の中に、すっかり瞳孔の開いた私の眼が見える。  
 「……当たりか」  
 その時の奴の表情は一生忘れられそうにない。  
 あいつは私の前立腺とやらを重点的に刺激し始めた。私は呻きにも似た喘ぎを上げた。気持ち良すぎる。昨日あいつを抱いた時とは比べ物にならない。全身が快感の針でつつかれているような感覚だ。羞恥心も自己嫌悪もあったものではない。そこにあるのは性の悦びだけだ。  
 私が完全に溺れたのを知ってか知らずか、ショタ野郎は口をきくのをやめた。黙って私の前立腺を貫き続けている。最早私は奴の腰の動きに合わせて淫乱な叫びを上げ、絶頂の中で痙攣するしかない。到底抗うことはできない。  
 私の意志はそこには存在せず、私は奴の所有物となったも同然だった。そしてそうなることをむしろ望んでしまっている。これほどの快感を得られるならば、つまらない誇りなど捨ててしまっても構わない。永遠に犯されて、いつまでも乱れていたい――。  
 「あぁっ、で、出るっ……」  
 私の思いとは裏腹に、奴はもう限界のようだった。その言葉を聞いてまもなく、熱い精液が私の中に注ぎこまれた。とうとう支配されてしまったことに、私は自虐的な悦びを覚えていた。  
 私が惚けているうちに、奴は射精を終えて、私との結合を解いた。肛門から腸液と精液が流れ出して、尻尾の付け根まで伝っていく。快かった。今なら何をされても喜ぶことができそうだ。  
 余韻に浸っている私を尻目に、奴は観衆に向かって呼びかけた。  
 「ふう……開発、終わりました」  
 すると、観衆の中から二匹のキュウコンが私の方へ向かってきた。  
 
 一匹は色違いの銀狐だった。色違いであること以外はごく普通のキュウコンだが、どことなく優雅な感じがする。自然な微笑のせいだろうか。  
 もう一匹はそれとは対照的だった。体格の立派な、如何にも雄らしいキュウコンだ。私より二回りほど大きく、筋肉が逞しく盛り上がっている。何故か体中傷だらけで、左耳が少し欠けている。むっつりとした無表情だった。  
 「御苦労さん。もう戻っていいよ」  
 銀狐がショタ野郎に言うと、ショタ野郎は素直に観衆の中に戻り、股間の液体を舐め取っていた。「ねえねえ、どうだった?」と隣の女が聞くと、「締まりが良くてかなり良い」と答えていた。  
 銀狐は、私に近づくと、前脚を縛っているつるをほどき、口枷を外してくれた。  
 「もうこれが無くても逃げる気はしないよね。思う存分楽しんでもらっていいよ」  
 銀狐はそう言ったのだが、私に立ち上がる気力はなかった。  
 「綺麗な毛並みだな」  
 体中に傷のあるキュウコンが近づくと、それだけを言った。表情は変わらないので、褒められているのかどうか分からない。そんなことはどうでもよいが。  
 「彼がこの群のナンバーワン、ボスだよ。僕がナンバーツー。これからこの群に入るんだったら、彼には逆らわない方がいい。僕は優しいけどね」  
 「白々しいぞ」  
 ボスとやらが赤い目を銀狐に向けた。銀狐はころころと笑って受け流す。  
 「いやはや綺麗だね。君みたいな綺麗な子が、彼みたいに汚くなったらかっこいいんだろうなあ」  
 色違いの銀狐は舌舐めずりをした。見たところ優しそうで清潔な風貌をしているだけ、余計に不気味だった。本当にやりかねない気がしてならない……それもまた一興か。  
 「さてと……ボス、お先にどうぞ」  
 「先にお前がやれ」  
 「どうして?」  
 「俺は途中から入る」  
 「3Pかい? それなら君から先に」  
 「黙れ」  
 ボスは有無を言わせるつもりはないようだった。これ以上は無駄だと感じたか、銀狐は肩をすくめる。  
 「逆らえないなあ……」  
 銀狐はそう言うや、仰向けでぐったりしている私を後ろから抱え上げた。  
 「もうお疲れのようだけど、まだ一匹しか終わってないんだからね? まだまだ終わりやしないよ」  
 背中側から耳元で囁かれると恐怖である。多幸感に浸っていた私はたちまち現実に引き戻された。  
 「まだまだって、一体どれぐらい……」  
 「全部で十ぐらいかな。僕たちも含めてあと九匹」  
 九匹。  
 一回だけでも死にそうなほどなのに、これがあと九回も続くのか。気が遠くなった。  
 「大丈夫大丈夫。アナルの方は何回でもイケるんだし。多少は射精させられるかもしれないけど」  
 何の意味もない励ましだった。  
 
 「じゃ、君は何もしなくていいから、僕たちに身を預けてね」  
 そう言うと銀狐は私の耳を甘噛みした。背筋が寒くなる。しかしショタ野郎のせいで全身が性感帯としての機能を持ち始めていた。悪寒と同時に、くすぐったいような心地よさを感じていた。  
 「どうだい? 疲れは取れた?」  
 銀狐はぐしゃぐしゃになるまで私の耳を噛み続けた。疲れはおおよそ取れ、またしても背徳的な感情がむっくりと起き上がってきた。  
 銀狐は、あらわになった私のモノをつんつんといじった。  
 「やっぱりね。一度イッたぐらいでへろへろになってちゃポケモンは務まらないよ」  
 「やめて……」  
 私の声を聞いて銀狐は笑った。  
 「そんな甘えるような声でそんなこと言うんだ。素直だなあ」  
 銀狐の言う通りだった。  
 「それじゃお望み通り、そろそろ入れますか」  
 「ぐあぁぅ!」  
 銀狐にためらいはなかった。一息に根元まで挿入してきたのである。はちきれそうだったが、ショタ野郎の精液が潤滑剤になって挿入に苦労はしなかったようだった。  
 「動くよ……」  
 銀狐が動き始めるや否や、私は吐息を漏らしていた。彼の陰茎の形は変わっていた。竿の中頃で大きく反れていたのだ。そのせいかかなり太く感じる。腸壁が押しのけられる。  
 一匹だけでも快楽は十分だった。  
 「おい」  
 十分だったので、私はもう一匹の存在を忘れていた。ボスだ。  
 「一旦止まれ」  
 「え、もう? これからが良い所なのに……」  
 「尻はお前にくれてやる。俺はこいつの上に乗る」  
 「サンドイッチ? いいねー!」  
 ボスはおもむろに私と対面するように乗ってきた。私は銀狐とボスの間に挟まれる形になる。サンドイッチとは、このことなのか。  
 ボスはその無表情のままに、私に一言訪ねる  
 「楽しんでいるか」  
 私は赤面した。どうしてそういうことを真顔で聞くのか。楽しんでいることを素直に認めろと言うのか。そんな恥晒しなことは私には到底できそうもない。私は思わず顔をそむけた。  
 「おい、こっちを向け」  
 顔をそむけたが、ボスに無理矢理戻された。相変わらず無表情だ。何を思っているのだろう。二度もその目に見つめられると、なかなか視線を外すことができない。私は困惑した表情のまま、睨み合いのように見つめあった。  
 
 「んっ」  
 何の前触れもなく、ボスが口づけしてきた。突然だった。あまりにも近づきすぎていたため、唇が当たるまでキスするつもりだとは気がつかなかった。  
 ボスは、そのまま舌を入れてきたり噛み合わせたりせず、軽いキスだけで終わった。  
 「ボスかわいいー!」  
 「黙れ」  
 銀狐が囃し立てるとボスは不機嫌そうに返した。初めてボスから感情が感じられた瞬間だった。  
 「お前」  
 ボスがそう口にした時には機嫌の悪さは消えていた。  
 「咥える時には口をすぼめて、牙を立てないようにな」  
 「え?」  
 どう言う意味かと聞く間もなく、ボスは体を捻って、前後を変えた。自然、私の目の前にボスの陰部が迫ってくることになる。  
 ボスの陰茎は完全に勃起していた。巨根だった。彼の容貌に似つかわしい、逞しくて力強い、雄の象徴として相応しいものだった。血管がグロテスクに浮き出ている。熱を持っていて淫靡……。  
 「おい、早く含め」  
 ボスが急かした。私は弾かれたようにその命に従った。口をすぼめ、牙を立てないように。  
 「上手だな……。おい、もういいぞ、こいつを突き上げろ」  
 「そう言うけどね、僕は二匹を腹の上に載せているんだよ。黙ってるけど結構重いんだよ?」  
 「せっかくの犯す機会を逃すと言うのか?」  
 「……それもそうだね。じゃあ頑張りますか」  
 「ぅ、うぅぅ」  
 銀狐が突き上げてくる。その反動で、ボスのペニスも揺らされる。私は前後から犯されていた。  
 これで感じてしまう私はなんて醜いのだろう。心の中でそう呟いたが、その呟きさえ私の心を燃え上がらせる。恥辱そのものが快感になり始めていた。性欲のはけ口にされ、汚されていくことが受け入れ、求めていた。  
 やがてボスが私のペニスを舌で愛撫し始めた。たまらず歯を食い縛るところだったが、すんでのところで阻止した。彼はそれを口に含み、舌を纏わりつかせてきた。肛門の快感とあいまって、下半身が麻痺していく。観衆はこんな私を見て興奮しているのだろうか。  
 波が高まっていく。気づいた時には私はボスを力一杯抱きしめ、前と後ろのペニスに奉仕することに熱中していた。  
 リズミカルにきゅんきゅんと肛門を締め、ボスの舌づかいを拙いながらも真似てみる。銀狐の荒い息使いが、ボスの揺らめく尻尾が、私を淫行に耽らせる。麻薬の霧の中にいるようだった。  
 ボスが短く叫んだ。その瞬間、ボスの逞しい陰茎が果てた。きつい雄臭のする精液が流れ込む。吐き出しそうになるが、私はそれを全て飲み込んだ。喉に焼けつくような味だったが、吐き出すのは勿体なかった。  
 「ボス、もうイッちゃったのかい? ちょっと早いよ、僕ももう少しでイキそうなのに……はぁっ」  
 ボスはそれに返さなかった。私のペニスを愛撫するのに専念していたからだ。実際私も間もなくイキそうになっている。どうせイクなら、銀狐とほぼ同じ時にしたい。  
 私は、自分の快感に身を任せて、肛門を収縮させた。  
 「あっ、あぁっ」  
 銀狐が痙攣する。私の直腸の中に彼の熱い精液が注がれていく。それに合わせるように私自身も射精した。腹の中に注ぎこみ切れなかった精液は、ペニスにふさがれた肛門のわずかな隙間から勢いよく飛び出ていく。  
 同時に二つの快感を得て、私は呼吸すら難しくなるほどの絶頂に達していた。  
 私の絶頂は、太く、長かった。銀狐とボスが満足して私を解放し、うつ伏せに寝かせた後も、私だけは痙攣を止めることができないほどだった。私はなんと乱れた奴なのだろう。  
 「……ふぅ」  
 銀狐は私を尻目に観衆に宣言する。  
 「さあ。みんなの番だよ」  
 私の夜はまだ始まったばかりだった。  
 

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