「おいコラ!俺様の縄張りだと知って入ってきたのか?!」
一匹のグラエナが、こちらに睨みを効かせ、グルルと唸っている。どうやらこの辺りを縄張りにしているようだ。
「いや、知らなかった。勝手に入って悪かったね」
僕は正直に答えた。面倒そうだし、ここは丸く収めて切り抜け・・・
「問答無用!」
ばっ、とこちらに向かって飛び掛かってきた。聞いといて聞く耳持たずって・・・しょうがない、相手してあげよう。
飛び掛かるグラエナに合わせて、バックステップでその一撃を避ける。
単純な動きで飛び掛かるグラエナを必要最低限の動きで避ける。大振りな動きを避けるなんてたやすいことだ。
そのうち、グラエナのスタミナが切れてきて、動きが鈍くなってきた。もう頃合いかな。
「ぉ・・・おい!逃げてないで、戦えよ!・・・ハァ、ハァ・・・」
逃げる?避けるの間違いだろう。
性懲りもなく真っ直ぐ突っ込んでくるグラエナの横に回り込み、頭で横っ腹を突いてやった。
結果、バランスを大きく崩し、派手に転んだ。ずさぁー、と物を引きずる音が森の中に響いて、消えていった。
息を切らして倒れているグラエナに、僕は近寄って言った。
「満足した?僕はもう行くからね」
お邪魔しました、と捨て台詞を残して立ち去ろうとした。けど、こいつはしぶとい・・・いや、しつこかった。
「まてよ・・・この野郎」
ヨロヨロしながら立ち上がる。ダメージを負った訳ではなく、スタミナ切れで苦しんでいるのだろう。
「俺様の縄張りに入ったなら・・・戦え・・・!」
「もう、勝負する必要無いでしょ?僕はここを通るだけだよ」
そうじゃねぇ・・・
「テメェ、野性のポケモンだろ・・・。だったら、勝ち負けはっきりさせやがれ!!」
彼のプライドが、はっきりしない戦いを否定した。力を振り絞り、ウインディの首に噛み付こうとした。勝たなくてもよいのだ。最後まで戦うのが、野性としての誇りなのだ。
・・・勝ち負けはっきりさせろ、か。分かった。
グラエナの最後の一撃をかわし、すぐ反撃に出た。狙いは同じ。トドメを意味する首に牙を立てて。
命を奪ってしまわないように、深く噛まなかった。代わりに、雷の力を牙に込めた。
さて、困ったな、どうしよう。ここは通れるようになった。けど、目の前に怪我をしたポケモンがいる。しかも、怪我を負わせたのは自分だ。
このまま、放っておくなんて出来なかった。体が麻痺したグラエナを自分の背中に乗せようとした。
「お、おい!何すんだよ!」
「君を背中に乗せて、君の家に送ろうとしてるんだけど」
グラエナは絶句した。な、なんだって?
「てめっ、情けのつもりか?!降ろせ!このやろうッ」
あ〜、もう。うるさいなー。
「怪我させちゃったんだし、君、独りでしょ?僕が診ててあげる」
「おい、聞いてんのか!さっさとおろせって・・・ん?」
ヤキを入れる訳じゃないけど・・・説得は無理だろうしね。
そう判断したウインディは・・・。
なんか、熱い気がする・・・てか・・・
「熱っ、熱い熱い!」
こいつ、体から熱を出してやがるっ
「おい!俺を焼き殺すつもりなのか!」
熱いヤバいマジで熱いって!
「分からず屋っ」
しばらくしてからウインディがそう言うと、放熱をやめた。
性格まで甘いと思っていたが・・・コイツ・・・。
思わず口にしてしまった。
「サドだ・・・」
うーん、聞かなかったことにしよう。
「それで、君のうちはどこ?」
完敗だった。いろんな意味で。結局俺は、背中に乗せられたまま自分の住処まで運ばれてしまった。
あれから、数日が経った。
あの日、俺の住処に着くと俺を降ろし、そのままじっとして居ろと一言言った後アイツはすぐに駆け出していった。
ウインディは木の実を幾つか持って帰ってきた。クラボのみとか、オレンのみ・・・あとは覚えてねぇ。それからというもの、俺はたいした怪我でもないのにウインディがくっ付いて来やがる。
「つーか、お前は何がしたいんだ!麻痺も治ったし、こんな怪我どうってことねぇ!ここを通りたかったんだろ、さっさと行けって!」
「いや、だって僕が怪我させちゃったわけだし・・・あんまりトゲトゲしてるから心配で・・・」
「怪我は俺から振ったことだし、その心配が余計なんだって!俺の縄張りに興味ないんだろ?!」
うん、と返ってきた。が・・・
「もうしばらく面倒見てあげるからさ、ほら、ご飯食べよう」
ずっとこんな感じだった。今思い返すと頭が痛くなる。情けないぜ・・・。
「うん、首の傷も大分よくなったみたいだね」
そうか。やっとこの時がきたか。たったの数日間がとんでもなく長く感じていたグラエナは・・・。
「そうか、治ったか。それじゃ、世話になったな」
があぁっ、この俺様がっ、こんなことを口にするなんて!
・・・だが、もう今日でコイツとおさらばできるッ!もう少し、我慢だ・・・。
なんてことを考えていた。
「うーん、ねぇ、グラエナ」
「なんだ、ウインディ」
この憎い名前ともおさらばだ、コイツが立ち去ったら、久しぶりに俺様の縄張りを我が物顔で歩いて気晴らしでも・・・
「僕も、ここに住んでいい?」
・・・は?なんだと?
「グラエナと、一緒に暮らしたいな」
なっ・・・
「なんだってぇ!!?」
かなりでかい声だったみたいだ。ウインディが仰け反っている。
「び、びっくりしたなぁ・・・急に大声出さないでよ」
こっちがビックリしたわ!
「な、な、なんでぇっ?!」
「・・・大丈夫?声、裏返ってるけど・・・」
突然すぎて、何が何だか・・・。コイツが、ここに住む?
「ダメかな・・・?」
ダメだダメだダメだッ!俺様は一匹狼で通してるんだッ!
「ダメだ、て言うか嫌だ!」
全面否定だった。嫌だなんて、酷いな・・・
「なんでよ、怪我だって火傷だって治したし、木の実も取りにいってあげたじゃんっ」
「いやいやいや!そういう問題じゃない・・・てか怪我も火傷もお前のせいだろ!」
「まあ、そうなんだけど。しかけてきたのはグラエナのほうだし・・・」
「あぁ、それは悪かったよ!だからって・・・」
嗚呼、混乱してきて、何を言えばいいのやら・・・
「だいたい、何で俺にまとわり付くんだっ!トゲトゲも丸くなってきただろ」
自覚していた。以前トゲトゲといわれた時より、コイツの甘さが少し感染ってこうなった。
「そ、それは・・・」
・・・ん?なんだ、急に黙り込んだぞ。
ウインディは目を泳がしていた。上に、下に、右に左に。しばらく、目が泳いでいる間は沈黙だった。
それは・・・ と、また小さな声で言った。
「なんだよ、さっさと言えよ」
・・・きだから・・・
あ?今度は俯いて呟いている。どうしたんだコイツ・・・。
聞こえねぇよ、と言い放った。
グラエナ・・・だから・・・
「?俺だから・・・ってなんだ」
あぁッ!もうイライラすんな!
もっとでかい声で喋れ! 腹の底から出た罵声。
すると、向こうから同じくらい、いや、それ以上の大きさだったかもしれない。とんでもない音量で言われた。
「グラエナが好きだから!!!」
・・・声が、でねぇ。コイツは、何て言った?グラエナガスキダカラ・・・?
顔を真っ赤にして、こっちをじっと見つめている。
「おい・・・冗談だろ?それ」
「じ、冗談なんかじゃないよ!本当に、その・・・好き、なんだ」
なんてこったい。勝負を仕掛けて返り討ちにされて、勝手に俺の面倒を見るとか言って居座われ、
ソイツに告白される?訳がわからん。誰か俺に教えてくれ。この状況・・・どうすればいいんだっ!
「ねぇ、ダメなの?」
嫌に決まってる。今すぐにそう言いたい・・・が、何故か喉までしか出ない。声として発せられない。はたから見れば、俺は口をパクパクさせていたらしい。くそっ・・・ッ。
最後の追撃から、お互い黙ったままだった。俺は何も言えないし、コイツは俺の返事を待っている。
・・・が、コイツは意外と短気だった。
「・・・ああっ!もうじれったいな!」
!?、今の、コイツ・・・ウインディが言ったのか?
なんてことを一瞬考えた。けど、そんなこと考えなくったってここにはコイツと俺しか・・・ッ!?
突然、ウインディが間合いを詰めた。そして、俺の目の前で言った。こういうことだよ、と。
キスを、された。無理矢理。
「ん?!んーーっ!!」
いよいよ混乱した。見知った、それも同性にキスでもされてみろ。パニックってレベルじゃ・・・。
頭の中で色々と渦巻く中、俺の口は解放された。
「わかった?グラエナ」
分かんねぇよ・・・と突っ込みたい。しかし相変わらず喉から声を出せない。俺は首を横に振った。
「それなら」
まだ何かするつもりなのか・・・もうやめてくれ。
願い叶わず、俺はソイツに押し倒された。背中に刺さる小石の痛みも、分からん。
俺の上に、ウインディがいる。俺を見下していた。
「それじゃ、こういうのはどうかな、」
身体を後退させ視界から離れていくのを、目で追った。
ソイツは、俺の脚のところまで下がっていく。なにを・・・
!良く考えたら、俺は何て格好をしているんだ。仰向けになってるじゃないか。もしかして・・・。
嫌な予感は、当たってしまう。ウインディは、俺の・・・モノを弄ろうとしていた。そして、そうなった。
ウインディは前脚で俺のモノを踏んづけ、グリグリと捻った。
「うあっ!」
ビクン、と体が跳ねる。刺激が体中に広まっていく。
「お、おい、ちょ・・・やめ・・・」
「んー?何か言ったかな?」
ぐっ、と前脚に力を込めた。があっ、とグラエナが啼く。
刺激を受け、大きくなるモノをウインディは踏み続けた。
「がッ・・・ああ・・・ッ!」
「フフッ・・・可愛いなぁ。可愛いと、もっと虐めたくなっちゃうよ」
俺は・・・感じていた。口から涎を垂らし、息が荒くなり、目は開いているが何も見えない。モノからは快感が全身に伝わり、汁が垂れる。
頭の中も真っ白になった。さっきまで渦巻いていた思考は、全て快楽にかき消された。
しばらく「プレイ」は続いたが、止まない攻めに、俺は耐え切れなかった。
「あぐっ・・・がぁッ!!」
絶頂に達した。白濁色の汁が俺のモノから射出され、自分の腹部から顔までを汚した。雄の臭いが辺りに広まる。
「たくさん出たね。やっぱり、グラエナってマゾだったんだ」
「はぁっ、はぁっ、お、俺はマゾなんかじゃ・・・」
「でも、すごい感じてたじゃない。涎なんか垂らして、厭らしいなあ」
言葉でも責められ、陵辱感を受ける。
「ぐっ・・・そ、それは・・・」
「気持ちよかったんでしょ?僕に踏んでもらって」
ぐぁあ、俺はコイツに何度恥を晒されるんだ。踏まれて、イかされたなんて、屈辱以外の何者でもない。
「まだヤられ足りないみたいだから、もっと虐めてあげる」
「お、おい!ヤられ足りないってなんだ!俺はそんなこと思ってないぞ!」
「でも、グラエナのここ、まだビンビンなんだけどなー」
ドSだ。間違いなくコイツはドのつくサドだ。つーか、コレがあのウインディか?二重人格じゃないか。
「口の悪い仔にはお仕置きだよ?」
再び、モノを前足で踏まれる。射精後で敏感になっていた身体に、強い刺激が走る。
「があぁッ!!」
もう、頭の中が白くなってきた。また踏まれてイかされるのか・・・。
かと思ったが、ウインディは前脚を除けた。
「うつ伏せになって」
逆らえなかった。いや、逆らわなかったのか、言われるままうつ伏せになってしまう。
はぁはぁと息を荒くしている様子を見て、ウインディが言った。
「待ちきれないの?ちゃんとしてあげるから待ってね」
ちげーよ!心の中で叫んだ。
「後ろを使うのは初めてかな?」
前脚で、後門を弄る。ビクッ、と身体が反応した。
「後ろに触るだけで感じてるの?よっぽどのマゾなんだね」
ウインディは言いながら、弄り続ける。陵辱感が膨らむ。
「もう充分だよね」
弄るのをやめると、ソイツは挿入の体制になる。
「おい・・・やめろ、お前身体でかいだろ・・・入るわけねぇって・・・」
涙が出てきた。もう、プライドも何も、俺には残っちゃいない。
「フフ、入らなかったら・・・広げるまでだよ」
ぐっ、とグラエナに挿入する。初めてだったグラエナは、挿ってきたものを拒んだ。
「ガッ!ガアァッ!!」
悲鳴に近い啼き声だった。そんな声を聞いて、またウインディは興奮する。
確かに、ウインディとグラエナでは倍近くの体格差がある。が、ウインディはそんなものお構いなしで挿入を続ける。
ずっ、ずっ、とグラエナの開発を進めていく。
「うーん、最初から全部は入らないかぁ・・・」
瘤の前までは入った。が、今はそれ以上は入らない。
「あぐ、うぅぅ・・・」
グラエナが苦しそうにしている。が、その様子はまた、サドを興奮させるものだった。
「苦しそうだね、もう少しで気持ちよくなるからね」
一度挿れたモノを抜き、再び挿れる。それを何度も繰り返す。
そのうち、グラエナの身体はウインディを迎えられるようになる。
「だいぶ柔らかくなってきたよ。マゾは慣れるのが早いね」
陵辱の言葉も、耳には入らない。いよいよ、後ろで感じてくる。俺の身体は、もうコイツに支配されてしまった。
「それじゃ、本気でいくよ」
ピストン運動が再開される。ウインディの先走りの汁と、グラエナの腸液で滑りがよくなり、スピードが上がる。
あっ、あっ、とだらしなく喘ぎ声を上げるグラエナ。もう痛みはなく、快感だけが全身に伝わる。
「くっ、すごい締め付けっ・・・イイよ、グラエナっ!」
「あぐっ、あっ!・・・イく、イっちまう!」
ウインディの過激な攻めに、グラエナは二度目の吐精をする。また強く、後ろが締まる。
「んぁ!イイ、イイよぉ!!」
腰の動きは衰えるどころか更に加速し、スパートをかける。
「グラエナっ!僕もイクよッ・・・あぐ、あぁっ!!」
ウインディも果てる。グラエナの最も深いところまで挿れ、精を奥まで注いだ。
「ぐぅぅ・・・腹が・・・熱い・・・あぐ・・・」
射精は長く続き、しばらく二匹は繋がったままだった。
長い射精を終え、グラエナからモノを抜く。後門はぽっかりと口を開けたままだった。
「うぐっ・・・ひっく・・・」
グラエナは泣いていた。とんでもない醜態を晒され、身体をいい様にされてしまったことに。
「グラエナ・・・」
ウインディはグラエナに寄り、涙を舐め取った。
「ごめんね、初めてなのにこんな乱暴にしちゃって。痛かった?」
ウインディのその表情は、グラエナを心配していた。
「お、お前がっ・・・やっといて、それは・・・ないだろ・・・」
「でも・・・グラエナが、好きなんだもん・・・」
そういって、また無理矢理キスをした。
でも、今度はさっきよりも深い、深いキスだった。