「えっと…わ、分からないよね……」  
 
丸い顔を中心に、桃色の花びらが広がっているそのポケモン。  
一瞬、まるで太陽の姿みたいだと思ってしまった。  
ソイツは両腕を後ろに回し、もじもじと足をこすりつけていた。  
その姿に心当たりは全く無かった。…だけども、その声に心当たりはあった。  
…まさかと思った。でも、その考えは正解だった。  
 
…チェリム?  
 
無意識に声を出すと、そのポケモンは嬉しそうに笑い、コクリとうなずく姿をオレに見せた。  
「分かってくれたんだ…嬉しい…」  
…マジかよ。マジでコイツ、チェリムなわけ?  
っつーか姿が全然違ぇじゃねぇか……と、ここまで考えてオレはハッとして空を見上げた。  
さっきと同じで、輝く強い光がこの庭全体を照らしていた。  
…そういやぁブーバーが言ってたな。日差しが強くないとチェリムはその顔を見せられないって。  
天気がすごく良い時じゃねぇとチェリムの顔は見ることが出来ねぇと。  
つまり、今の天気ならばチェリムの顔が見れるってこった。  
そうか、だってコイツ、花だもんな。  
ブーバーが教えてくれた意味を、オレは今更理解したことを心の中で恥じた。  
この1ヶ月、オレはチェリムの顔を見ることが出来なかった。その間、気になって仕方なかった。  
でもって、今、ようやくその顔を見ることが出来たんだけど  
オレは気まずくなって、プイ、とそっぽを向いてしまった。…気まずくなった理由?  
決まってんじゃん。  
 
「…あの…昨日は……ごめん、ね?」  
 
どオレは何も言えずに、横を向いたまま黙っていた。  
「その…クチートの気持ちも分かってなくて……そ、そうだよね。  
ワタシなんかじゃ……ね……」  
ワタシ"なんか"だって?何だよ、"なんか"って  
「やっぱり……嫌、だよね……」  
"嫌"?だって?  
「だ、だから……ワタシとは……」  
 
ふざけんなよ!!  
 
オレは大顎を開きそこから唸り声を、そして本物の口から今の言葉を吼えた。  
チェリムはビクッとその身体と花びらを揺らした。  
多分、オレにまた拒否された事を悲しんだだろう。だけど、今のは違う。  
 
…ふざけんなよ。何で、そんな事を言うんだよ。オマエは。  
…なんでオマエが謝んのさ。  
その言葉はオレが言わなきゃいけねーんだろ。  
オマエが悪いトコロなんて、1つもねーんだよ!  
オレは、オマエを…オマエを罵倒した事を本気で後悔してんだよ!  
 
身体を強張らせて吼え終わると、オレはハァ、と息を吐いた。  
…顔が熱い。多分、今のオレの顔は真っ赤だろう。  
そして目頭も熱く感じた。…また、オレは泣いた。……情けねぇ。  
 
チェリムは目をパチクリさせてオレを見つめていた。  
泣いているオレを見て、どう思っているんだろうか?  
無様だとか、情けないとでも思っただろうか。むしろ、そう思われてしまいてぇ。  
オレは涙を拭き取りながら、ボソボソと言葉を吐き続けた。  
…悪かったな。ってな。  
 
「……」  
彼女は何も答えなかった。  
その変わり、オレの頬に流れる涙に触れてニッコリと微笑んだ。  
その笑顔が彼女の答えそのモノなのだと、オレは理解した。  
「…良かったぁ。ワタシ、クチートに嫌われちゃったのかと思った…」  
だぁから、どーしてそう思うわけねぇ?  
んなワケねーじゃん。そーだったらアブソルに絡まれたときに助けてやったりしねぇっての。  
「そうなの?」  
そうだよ。  
「…ふふ、嬉しい……」  
チェリムはそう言って、またニコっと笑った。  
その笑顔は本当、太陽みたいに輝いていて、オレの目に眩しく思ったんで  
また、つい目を逸らしてしまった。…ら、その視線の先にあるポケモンの姿を見つけた。  
 
デカイ図体を揺らしながら歩いているのは……やっぱり。リングマじゃん。  
オレは声を出してリングマの名前を呼ぶと、ヤツは振り向き、  
手を振りながらこっちに向って歩いてきた。  
「やぁー。おはよう!ん?その子は誰?」  
あぁ、リングマは見るのは初めてか。…つーかオレもこの姿を見たのは初めてだけど。  
 
オレはチェリムの事を紹介してやると、彼女はペコリと辞儀り  
リングマも同じように、頭を下げて自己紹介をした。  
 
「そう、キミがクチートのパートナーなんだね」  
…パートナーねぇ。ちょっとなんつーか、くすぐったい言い方だな…。  
って、オマエのパートナーのアブソルはどうしたんよ?  
と、聞いたらリングマはしょんぼりと顔を曇らせ、ため息を吐いた。…聞くまでもねーなコリャ。  
が、チェリムはそうで無かったようで、「え?アブソルって…」と、声に出したら  
リングマはそれに食いついたようで、「まさか!」と仰天したように呟いた。  
いやぁ、そのまさかなんだけどな。  
アブソル、昨日このチェリムをナンパしていたんだよ。って教えてやったら  
リングマはガクッと身体を前に倒し、あぁぁ〜…なんて頭を抱えた。  
あ、つーコトは昨日アブソルを追いかける前に  
彼女とチェリムのやりとりは見ていなかったんか…黙ってりゃよかったかな。  
「う…お、落ち込んでる場合じゃないや!もう今日しかチャンスが無いんだもん!」  
リングマは顔を上げて胸を張らせて宣言するが、些か不安を感じてしまう。  
…ま、コイツがアブソルを落せるか落せねーかはオレにゃカンケーねーしー。  
「あぁっ!こ、こうもしてられないや!早くアブソルを探しに行かなきゃ…じゃ、じゃぁね!」  
リングマはそう言うと、ブンブン腕を振ってオレらの前から立ち去って行った。  
…さっき、カンケーねーと言ったけど、やっぱ成功してもらいたいモンだなぁ。  
アイツの飼い主、なかなかの美人だったし。あのニンゲンのメスが喜ぶ顔は見たいしね。  
 
「…ねぇ」  
チェリムがオレの顔を覗きこんで声をかけた。…あぁそうそう。  
喜ばせたいのはアイツらの飼い主だけじゃない。オレの飼い主も同じようにしてやりてぇよなぁ。  
…これで、オレとチェリムの利害は一致した。…しかしさー、"利害"って何かそぐわねーな。  
どっちかってーと、"利"しか無いんだよね。オレたちには。って、どーでもイイや。うん。  
 
チェリムはいつの間にかオレの手を握っていた。  
…手、ねぇ。普段はケープに覆われている彼女だから顔はもちろん、手だって見たことが無かった。  
握り返すと、柔らかな体温が掌を伝わった。  
そして彼女はまた、クスリと笑いやがった。…うーん、なんか、やっぱりそのー…くすぐってぇや。  
「ね、向こうに行こうよ」  
チェリムがそう言いながらオレの手を握ったまま、前に歩き出す。  
でもチェリムはそんなオレの思いを知る由も無く、グイ、と再び腕を引いた。  
…花が開くとちょっとは性格変わるのかな?  
いやー、だってさぁ、チェリムの性格ならオレの手を取る事すら恥ずかしがってしねーと思うんだよ。  
それとも、チェリムなりに精一杯頑張っているつもりなんだろうか。  
…そう思ったら、ちょっと心の奥が痛んだ気がした。  
 
オレはチェリムに手を引かれたままただ歩いた。  
やがてチェリムが足を止めたそこは、庭の高台の一部だった。  
ちょっと辺りを見回すと、海の水平線と庭にポツポツ存在するポケモンたちの姿が見えた。  
リングマたちの姿が無いかと庭を見下ろしてみた。…ら、あぁあぁ、いたいた。  
ん?何かスッゲースピードで走り回っていて、砂埃が舞っていやがる。  
しかもその横にはあのアブソルも一緒に走っている。何、仲良くマラソンでもしてんのか?  
にしてもなんか様子がおかしい…と、思ったら二匹の後ろに黄色と黒の縞模様のポケモンが  
物凄い形相で彼らを追いかけているのを見た。…って、あれ、スピアーのペアじゃねぇか!?  
何であの二匹を追いかけてるんだ…?……んん?リングマの手を見てみると  
黄色い液体がベッタリくっ付いているのが見えた。…あれってスピアーの集めた蜜じゃねーの?  
…もしかして、リングマのヤロー、よりによってスピアーの蜜を食おうとして  
その結果、怒ったスピアーに追いかけられているって事か…?  
アブソルはそのとばっちりかもな。うはー可哀相。  
と、哀れに思いながら眺めていたら、リングマとアブソルはそのまま森の中へと逃げ込んでいくのが見えた。  
…逃げ切れるのかね?まぁ頑張ってくれよと無責任に思った。  
 
「ね、朝ごはん食べた?」  
チェリムが呼びかけるんで、オレはまだな事を答えると  
彼女はそばに存在する切り株の穴に腕を突っ込んで、その中から木の実を取り出した。  
…あ、これって…  
「あのね…昨日、クチートが置いてったのよ。一緒に食べよ」  
やっぱりか。数はオレの記憶が正しければ減っていない。  
…食わなかったのか…?  
「クチートとね、一緒にお食事したかったの」  
…さいでっか。…うぅ、背中がムズムズするぜ。  
なんってか、顔が緩む。しょっぱい気分がオレを襲うぜ。  
その気分を少しでも和らげたかったので、オレはチェリムから木の実を受け取って  
その場に座り込むと、彼女も他の木の実を手に持ったままオレの隣に座った。  
いただきます、と独り言を言って木の実を齧った。  
 
…ら、その瞬間、オレは大顎を空へと跳ね上げてしまった。  
何故かって?それはな、あまりにも苦いその木の実の味に驚いてしまったんだよ。  
つぅっか!こ、こ、これ、ドリの実じゃねーかよ!!  
思わず吐き出したくなったが、チェリムの手前ンなコト出来るわけもねぇ。  
口中に溢れる唾液を利用し、なんとかして味をぼやかしてムリヤリに木の実を飲み込んだ。  
よりによってなんでこんなクソにげー木の実を渡してきたんだチェリムは…。  
…まさか、嫌がらせ?…違うだろうなぁ。ンなコト出来る度胸なんてあるはずねーもん。  
口を一文字にさせて未だあふれ出る唾液を飲み込みながらチェリムの顔をチラチラ見ていたら  
彼女は「?」って顔で首を捻っていたけど、視線を下に落としてオレの持っている木の実を見て  
「あ!」って口に手を当てて小さく叫んだ。…どーやら、渡した木の実がドリの実だと気がついたらしい。  
 
「え、あ、う、うそ!ご、ごめん!ごめんね!!」  
大慌てで謝るチェリムだけど、オレはムリヤリ笑顔を作り、大丈夫、と言ったけど  
自分でも分かるくらい声が震えていた。あぁ、脂汗まで出てきやがった…。  
「…そ、そんなに苦いの?それ…」  
……まぁー、ドリの実っつぅたら全ての木の実の中でも最凶の苦さと言われているし  
それに、オレ自身が苦いのキライなんだよね…。  
ブーバーはドリの実が大好物だとか言っていたっけ。どんな舌してんだよ、アイツ。  
それでいてマトマの実は苦手とか言うし。趣味あわねー。  
「……味見、してみてもいいかなぁ……?」  
味見ぃ?あぁ、ホラ食ってみなよ…。  
目を閉じて、握ったままのドリの実を軽く持ち上げた。  
…ら、不意に唇になんか柔らかい何かが押し当てられたのを感じた。  
はっ!?何!!??  
とっさに目を開いたら、目前にチェリムの顔があった。  
……あー、コイツの顔って本当初めてみるけどさぁ…。お、頭に桜の実が実ってるんだな。  
…ん?あれっ?でも味見って言って何で───  
 
…。……。………!!  
「……えへ……」  
オレの唇に、チェリムの唇が押し当てられていた事に気づいた時  
チェリムは顔を離して、クスっと笑った。  
「…味、分からないや」  
……あー……まぁ分かんねーだろーよ。唇を重ねるだけのキスじゃ。  
オレは呆れてため息を吐いてそう言うと、チェリムは「うん…」って照れて笑った。  
だからさ、もっと分かるように味わらせてやるよ。  
って言ったらチェリムは「え?」って顔を上げたから、今度はオレからチェリムにキスをしてやった。  
「!」  
チェリムは驚いて目をキュッと閉じ、身体を小さく跳ね上げたけど  
オレはそれに気を止める事なんかしなかった。  
唇の間から舌を出し、軽くチェリムの唇を舐めてその間に捻じ込み入れて彼女の舌に触れる。  
そしてそれに絡ませるように動かすと、チェリムはまた肩を跳ねた。  
が、逃げる素振りは見せなかったからオレは遠慮なく続けた。  
舌を絡めると粘っこい水音が響き、互いの口から唾液が垂れているのが分かった。  
鼻で息をするのもちょっと苦しくなってきたから、オレはチェリムの舌を開放して顔を離した。  
「ぷはっ」  
チェリムも苦しかったようで、オレが顔を離したとたんに大きく息を吐いて呼吸を整えた。  
…で、チラッとオレの顔を見てさ。顔を頭の木の実に負けないくらい真っ赤に染めて  
「…や、やっぱり分からない…」  
口元に手を当てながら言った。あーまぁーなぁーそりゃそうだろなァ。  
大顎の根元をポリポリ掻いてオレはフッと息を吐き、持っていたドリの実を草の上へと落として  
空いた両手で彼女の両肩を掴んで軽く前へと力を入れると、チェリムは簡単に草むらへ背を落とした。  
チェリムは小さく、「きゃ」って叫んで押し倒したオレを見上げた。  
太陽を背後に回したオレの顔は、多分チェリムには影がかかって見え辛くなっていると思う。  
…今のオレ、どんな顔してんだろうか?真剣な顔をしている…と、思いたい。  
チェリムはキョトンとしているけれども、これからオレがする行為の意味は多分、分かっていると思う。  
…でねーとさぁ、昨日あんな事言うか?……言わねぇよなぁ?  
だから、遠慮はしない。そうオレは今決めた。  
 
掴んだ両手を下へと滑らせ、胸と腹を撫でて花びらの服の中へ潜らせる。  
「んっ」  
首筋に口を当てて、皮膚を舐めて軽く吸い込む。その間、手で服の中の身体を撫でる事は忘れねぇ。  
「はっ、あ、やぁ…ん」  
イヤとは言っているものの、チェリムは抵抗らしい抵抗は見せなかったが  
恥ずかしいのかずっと目を閉じたままだ。  
オレは彼女の首筋に吸い付いたまま、大顎の口を開いてその舌で彼女の頬をベロン、と舐めた。  
「きゃんっ」  
服の中を撫でる手を、また下へ滑らせて今度は彼女の両脚の間へ落とし、  
指で軽く触ると少しだけ湿っているのが分かった。  
濡れているわけじゃなくて、多分普通に中の湿り気なんだろうな。  
指を一本、軽く入れてみたらチェリムは「やっ!だ、だめ!」って言った。  
ダメって言われてもねぇ…?分かるっしょ。今更やめることなんて、もう出来ねぇんだよ。  
 
でもさすがに濡れてもいない中に突っ込む事は出来やしない。  
オレは指を抜いて、彼女のもう1つの花びらを撫でてやった。  
ゆっくりと、時々強めに撫でてやるとチェリムは面白いように喘いでその度に「やだぁ」と言うけど  
身体はそうでもないようで、やがてオレの指を飲みこむまでにほぐれた。  
…うわぁ、すっげ。熱いや。でもってなんか、心地いい…。  
 
「クチっあっ!クチートぉ…!」  
指を抜き差しすると、ちゅぶっ、ちゅぶっと粘膜の擦れる音がした。  
…そろそろ、大丈夫かもね?  
指に絡みついたチェリムの液をペロンと舐めると、何か甘い味がした。…彼女が草タイプだからか?  
それとも他のメスもこんな味なんだろうか。  
…まぁ、多分オレは彼女以外のメスの味は、今後分からないと思うけど。  
オレはチェリムの腰を掴み、グルッと彼女の身体を回してうつ伏せにさせた。  
「は…ぁん……はぁ」  
花びらの服を捲り上げて背中までを露出させて尻を撫で回してやると、チェリムはまた喘いでくれた。  
足を広げさせて、そこでオレは初めて彼女自身を目の当たりにした。  
うっすらとした桃色の一本の筋─そこからは透明な液体がとめどなく溢れていて  
地に生えた草を濡らしていた。  
オレはもう一度指をいれ、中をかき混ぜるように動かした。  
「あっ!ひゃぁあん!だめ!そんっなにぃ!」  
…いつもなら聞き取る事さえ難しいくらいに、ボソボソ喋るくせに  
今日は随分とおしゃべりじゃねぇ?どうせなら普段もこんくらい喋ってくれねぇかな。  
「だっだって…あ、だってえぇ…!」  
チェリムは草むらを掴み、オレが与える刺激に首を振りながら耐えていた。  
でもその様子がオレにとっては面白く、大顎の舌で背中を舐め回してもっと刺激を与えてやった。  
「ひゃんっ!」  
…あぁ、本当。…チェリムは………。  
 
オレはふと、自分の下半身へと目を落とした。  
あ、そうそう。オレの姿はニンゲンのメスが着るワンピースとか言う服に似ているらしいんだ。  
まぁ、これは皮膚なんだけど。ポケモンで服と言えるよーなモンを着ているのはあんまいねーよ。  
チェリムのこの服だって、花びらがそう見えるだけなんだけどね。  
…話を戻そう。  
オレは下半身を包むワンピースの皮膚が盛り上がっているのに気が付いた。  
まぁつまりはチンチンが勃っているって事なんだけど。  
ワンピースの皮膚の中に手を入れてそれを握って硬さを確かめると  
もう十分だと言う事を確認した。  
 
チェリム…。  
オレはうつ伏せの彼女の腰を左手で掴み、右手で自分のチンチンを掴んで  
その先を彼女の筋へとあてがった。ら、チェリムはピクン、と軽く跳ねた。  
…だけども、それから何も言わずにただオレの次の行動を待っていた。  
や、待っていたっつーても完全にオレの予想に過ぎないんだけどね。  
でもさっきまで言っていた『イヤ』の言葉も噤んじまったからさぁ。  
だから、オレは行動を進めた。  
 
「!! ひあっ!ああぁあ!!」  
オレの進めた行動に、チェリムは背を張り上げて叫んだ。  
オレはチンチンをチェリムの中に入れ、更に奥へと進めるために腰を打ちつけた。  
…ううっ。あっつぃ…。でもって、凄く締め付けてくる。  
……おかしいな。鋼は草にそれほど弱いはずもないのに、  
オレはチェリムの熱い中で、溶けてしまいそうな錯覚を感じた。  
「はっ…あぁぁ…クチー…トぉ…」  
チェリムはうつ伏せになりながらオレの名を呼んだが  
今のオレはそれに構っている余裕なんか、もう残っちゃいなかった。  
両手で彼女の腰を掴みなおし、腰を再度打ちつけて、ただ彼女の中を貪った。  
腰を浮かして中から引き抜こうとすると、逃さないとばかりに吸い付いてきて  
腰を打ち付けて入れ込もうとすると、進入を防ぐかのようにギュウギュウに締め付けてくる。  
 
「あっん!強、い!強いよぉ!ゆっくりっしてよぉお!」  
懇願する彼女の声すら、今のオレにとっては誘いの声にしか聞こえない。  
そうか。もっと欲しいならその通りにしてやらぁ。  
「ちがっ…やあぁあん!」  
腰を打ち付ける速度を上げると、パンッパンッと互いの身体がぶつかる音が鳴った。  
ぶつかる度にチェリムの液が周りに飛び散り、草花にそれが降り注いだ。  
…そして、その飛び散る液にそろそろオレのも加わりそうだった。  
はぁっ…と、オレは荒くそして熱い息を吐いた。  
下半身から脳へと伝わる快感はそろそろ最高潮に登りつめるだろう。  
本物の口からも、フェイクの大顎の口からもダラダラ唾液を垂らして快感に溺れている姿は  
全くもってだらしがねぇように見えるだろう。だけども、それは仕方ないんじゃね?  
オレとチェリムは、そうなってしまうべくの事をしているんだから。  
 
「クチぃ…クチートぉ……!も、あぅっ!」  
もうチェリムの声はオレの耳に入っていない。  
オレはただ、襲い来る快感の波に溺れ、そして─  
 
…!!うっ…く、くくっ…!!  
息を止め、喉の奥を鳴らしたと同時に、オレは快楽の絶頂を迎えた。  
ビクッビクッと腰が震えて、絶頂の証をチェリムの中に吐き出しているのを感じた。  
チェリムは小さく震える声を上げて、入れ込まれるその証をただ受け入れていた。  
…腰の震えが止まったので、オレはチェリムの中からチンチンを引き抜いた。  
ら、ゴボッと音を鳴らして彼女の中からオレの精液が溢れ出たのを見た。  
……大丈夫、なのかな…。…何がって?決まってんじゃん。  
たまごだよ。たまご。ぶっちゃけこれでチェリムとオレの間にたまごが出来たのか  
それともこの後に出来るのかが分からない。  
オレとチェリムがこの育て屋に預けられたのも、飼い主がたまごを欲しがったのが目的だし…。  
 
「……クチー……ト……?」  
うつ伏せだったチェリムが首を回してオレに視線を向けた。  
その目からは涙が流れていた。…無茶してんじゃねーよ…。  
って懇願を聞かなかったオレが言える立場じゃねーけど。  
……あぁ、頭が重い。  
大っ嫌いなドリの実を食ったせいで一気に体力を落としたし  
しかもチェリムとはこんなコトしちまったし、おかげでオレの体力は限界です。フラフラです。  
オレは後ろへと倒れこみ、仰向けになって空を見た。  
…太陽、高いなー…もう昼かもしんねーなぁ…。  
……あ、朝方には見えなかった雲がポツポツと浮かんでいやがる……。  
あー………… ……… …… …。  
 
 
オレはあの後、情けないことに夕方まで寝てしまって、目を覚ました時には  
太陽は水平線に沈みかけていた上に雲がまた太陽を隠してしまい  
チェリムの姿はいつもおなじみの、紫のケープを被った姿に戻っていた。  
…うわぁなんっつーもったいない事をしてしまったんだ、オレは。  
だってよー。チェリムのあの姿……いや、やっぱいーや。  
 
しかし、それ以上に驚く事がオレを待っていた。  
……なんとさ、チェリム、紫のケープで包み込むようにあるモノを持っていたんだよ。  
もうわかるっしょ?…そうだよ。たまごだよ、たまご!  
最初、どっかのカップルのたまごを預かったのかと思ったよ。  
でも、話を聞くとこれは間違いなくチェリムのたまごだと言う。  
……早くねぇ!!??そんな早く出来るモンなの!?  
しかし、もっと話を聞くと、組み合わせ次第では預けられて数分でたまごを産むヤツらも  
いるとの事だ。…いやぁさぁ。ポケモンのオレが言うのもアレですけどー…  
ポケモンって、不思議な存在だと思わね?…思えよ!!  
 
 
「わぁーーーーー!!お帰りーーーー!!」  
 
翌日、オレとチェリムは飼い主のニンゲンの元に戻された。もちろん、たまごも一緒だ。  
年老いたニンゲンに連れられて小屋の中に入った時、最初に出迎えてくれたのはブーバーだった。  
「お帰り!お帰り!!待ちくたびれたよー!!」  
ブーバーはそう言いながらオレに抱きつきやがった。あ、熱いっつてんだろ!!溶かす気か!!  
大顎をジタバタ暴れさせてブーバーの腕を振りほどこうとしたけれども  
ヤツはそれを気にもせずにオレを抱く腕の力を強くして、離そうとしやしねぇ。  
「もう、キミたちがいなくて大変だったんだから…  
フローゼルはボクに波乗りしないかって誘ってくるし、レントラーは泥をかけてからかうし…」  
ブーバーはオレの耳元でボソボソと呟き、愚痴を吐いた。  
…あー…なるほどね。オレとチェリムがいなくなったこの3日間、  
コイツはフローゼルとレントラーにとっちゃ良いオモチャになっていたようだ。  
ブーバーの後ろじゃぁレントラーとフローゼルがニコニコしながら立っていたけど  
その笑顔が妙な意味を含んでいるようにも見えた。…メスって怖えー。  
「あぁ!本当この3日間が長く感じたよ!  
でも、戻ってきてくれて本当嬉しい!嬉しいー」  
っだあああああぁああ!頬を擦りつけて来るんじゃねぇッ!!熱いっつってんだろ!!  
大顎で吼えると、ここでやっと飼い主が止めに入ってくれた。  
「ホラホラ。仲が良いのは嬉しいけど、クチートが融けちゃうよ」  
するとブーバーはしぶしぶオレを解放したけど、寄り添うようにそばに立って離れようとはしなかった。  
…悪い気はしねーけどさぁ…。  
 
「ほぅら。これがたまごじゃ。大切に育てなさいよ」  
年老いたニンゲンはオレとチェリムのたまごを飼い主に手渡し、そう言った。  
「ありがとうございます!わ、わわー。嬉しいなぁ」  
飼い主はたまごを腕で抱き、ニッコリと笑って喜んだ。  
……いつもならさ、飼い主の顔はキモイと思っていたんだけど  
この顔はそうでもねぇなぁ。…むしろ、もっと見たいとも思った。  
たまごが無事に孵ったら、これと同じ表情をするんだろうか?ちょっと、楽しみだ。  
 
「おまえさんのポケモンも、たまごを持っておったぞ。ほぅら、これじゃ」  
年老いたニンゲンの声がし、それに続いて  
「ほ、本当ですか!あぁ!やったぁ!!」  
と、ニンゲンの声─ え?この声って……  
オレは思わずニンゲンたちの方へと振り返ると、そこには緑色のキノガッサの頭みたいな帽子を被った─  
え?…って……リングマとアブソルの飼い主?  
「もう、諦めていたんですけど…良かったぁ〜」  
たまごを抱きしめ、喜ぶニンゲンの背後に目を移すと……居た。あのリングマと、あのアブソル。  
……えっとぉ?たまごを持っているって事は、それ相応の行為をしたと言うコトで………マジで?  
大顎を床に落とし、呆然としつつ見つめるオレの視線にリングマとアブソルは気が付いたようで、  
やぁ、と軽く挨拶をしてきたのでオレも挨拶を返し、二匹へと歩んだ。  
リングマを見上げると、ヤツはいつもと同じようにしょんぼりしていた。  
れ?たまごが出来たんなら、もっと喜ぶモンじゃねーの?特にリングマはさぁ。  
だから、あのたまごって本当にオマエらのだよな?って聞いてみたんだよ。  
「あ、あれはね…」  
リングマがオレに教えてくれようとしたとき、アブソルがその鋭い目でリングマを睨みつけた。  
うひゃー…すっげぇ怖えぇ!オレですらビビってしまったこの睨みに  
臆病なリングマは敵うハズもなかったようで、「ご、ごめん」って言って口を噤みやがった。オイ。  
 
だから今度はアブソルに聞いてみたんだよ。あのたまご、本当にオマエが産んだのかって。  
…ら、さー。アブソルはニヤッと笑って、フン、と鼻を鳴らした。  
……オレはこの前のアブソルの言葉を思い出した。  
いざとなれば、他のペアからたまごを強奪してしまえばいいってとんでもねー案…。  
…ま、まさかな!だよな!……そうだって言ってくれよ……。  
「おい、クチート」  
アブソルが唐突に声をかけてきたから、何って返事をしたら  
彼女はオレの耳元に口を近づけて話しかけてきた。  
「あの、黒いメスとオレンジのメスはオマエの仲間か?」  
はぁ、そうですけど…って、おいおいまさか  
「実に好みだ。仲を取り繕ってくれよ」  
…やっぱりか!つぅか、あのたまごは本当にどっかのペアから奪ってきたものじゃないかと  
オレの疑問はますます濃くなっていった。…だって、なぁ……あぁ本当メスって怖い。  
 
 
「お世話になりました〜」  
「どうもありがとうございました!」  
「いやいや、また機会があったらきなされ」  
オレらの飼い主らはそう言って小屋を出た。  
あ、一昨日ちらっと見えた乗り物が2つ、並んでおいてあらぁ。  
1つは青い色をしていて、もう1つは赤い色をしていた。  
「あれは自転車よ。旦那様のは青いので、赤いのはあのメスのニンゲンのよ。  
旦那様、毎日あれに乗りながらサイクリングロードを登りながらここへ通っていたのよ。  
なんでも、ダイエットをしているんですって」  
レントラーが教えてくれたが、その間にフローゼルが割って入ってきた。  
「でもぉ〜。たった3日じゃぁ、コータスにアクアジェットって感じなんだよね〜キャッキャッ」  
それって効果抜群になんじゃね?…と、野暮なツッコミは入れないでおいた。言いたい意味は分かるしね。  
 
「じゃぁたまご、自分のブーバーに持たせますね」  
オレの飼い主はそう言いながら、ニンゲンのメスのたまごを受け取ってそれをブーバーに渡した。  
ブーバーは何でも炎の身体だから、たまごを持たせておくと早く孵るんだと。へー。  
…で、やっぱりオレらのたまごも持つワケねぇ…うーん。草と鋼の間のたまごだぜ?大丈夫なのか?  
「大丈夫大丈夫。安心していいよ」  
不安げな表情を見せるオレとチェリムに、ブーバーは笑いながら言うけどやっぱり不安は拭えない。  
…まぁ、信頼しますかね。でも、万が一何かあったらマジただじゃすまねーからな!  
 
「そんじゃぁ行きましょう」  
「えぇ」  
飼い主は自転車のカゴの中に荷物を入れてそれを押し進めて歩き出すと  
その隣に並ぶように、リングマとアブソルの飼い主も一緒に自転車を動かした。  
飼い主たちの後を追いかけながら会話を聞いていると、  
たまごが孵るまでは一緒に行動する事にしたのが分かった。  
へぇへぇ。なぁんか、オレらがいない間に何かそっちも発展したらしいなぁ。やるじゃん、飼い主。  
 
「なぁ、スキな木の実は何だ?」  
「私は好き嫌いは無いわよ」  
「アタシはあまーいのがスキー!!」  
ブーバーが先頭に立ち、その後ろをオレとチェリムが並び、  
さらに後ろではアブソルがレントラーとフローゼルをナンパしてて  
最後尾にはリングマがおどおどしながら後を追っている。  
一気に大所帯になったなぁ…と、思いつつ、オレは空を見上げてため息を吐いた。  
…太陽は、相も変わらず雲を纏っていやがった。  
………あ。あの年老いたニンゲンの口を封じるのを忘れた…。  
 
 
それから1週間後。  
ブーバーが口から炎を撒き散らしながらオレとチェリムを呼ぶもんだから  
何事よ?ってしぶしぶ付いていったら、なんとオレらのたまごが光ってる!!  
…と、その瞬間、たまごに皹が入り、その亀裂にそって殻が割れると  
中からちいさなポケモンが生まれ出でた。  
赤紫色の、小さな果実の身体を持つそのポケモンは、チェリンボと言った。  
何でも、チェリムの進化前の姿なんだって。へぇー…オレは未進化タイプだからよーわからんけど。  
でさ、そのチェリンボの第一声が何だと思う?…パパ、だったんだよ。うは。パパってオレの事?  
…いやー、オレ以外いるわけねーもんな!!  
生まれたてのチェリンボを見て、飼い主は本当本当嬉しそうだった。  
うんうん、やっぱりこの笑顔はイイねー。キモイけど。  
アブソルのたまごは孵化するにはもう少々時間がかかるらしかった。んだよー。お寝坊さんなんだなぁ。  
でも、オレの飼い主はちょっと嬉しいように思えたらしい。  
…まぁ、あのメスのニンゲンともう少し長くいられるらしいからなぁ。  
…が、その2日後にアブソルのたまごは孵化することになり  
別れの時間は案外早く来ることを、オレの飼い主はまだ分かっていなかった─  
 
…え?リングマとアブソルのたまごからは何が生まれたって?  
それは教えてやんねーよ。だってまさか……ん、いけねぇいけねぇ言っちまう所だった。  
 
以上が、オレが飼いポケとなってたまごを作る事になった経過と結果だ。  
まぁ、元野生には色々新鮮な事ばっかりでねー。時々混乱しそうな事もあったよ、うん。  
だから、もし野生のポケモンをゲットする事になったら  
ちゃんと色々理解させろって言いたいワケね。こればっかりは本当頼むぜ。  
と、言うことでオレの話は終わり。そんじゃぁな!  
 

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