「ディアルガ、待て、俺が何でこんな!」
どこかの神殿に、神々しい体をしたポケモンが二匹。時を操る神と、空間を統べる神……そう呼ばれている。だが、その二匹、どこか様子がおかしい。
深い蒼、銀色に飾られ、胸元には金剛の結晶を携えたその巨体は、紫と白、そして真珠のような宝玉を持った巨体を容赦なく地面に押しつけているのだ。
端から見れば、神々の争いだ、などと見えるやもしれない。それほど緊迫した雰囲気が漂っているのは確かだ。だが、彼らにそんなつもりは毛頭無い。
神とはいえ、この二匹はあくまでポケモンという生き物なのだ。であるからして、藍色の神は極めて不純な動機で白色を押し倒している。
「考えてもみろ。我らは創造神によって、このような体に作られた。だが私達には『何故か』必要とは思えない器官が付いている」
蒼はさも知っているかのように語る。唐突に突きつけられた疑問に、白は戸惑いを隠せない。
「だ、だからどうした……?」
「しかも、二人ともが同じ器官を持っているのだ」
同じ器官。大抵ののポケモンの「雄」に付いている、股に隠れたその器官のことだろうか。「雌」の器官がなければ、半分意味を為さない器官ではあるが……。
「それが……?」
「創造神が、わざわざ必要のない器官を作ると思うか?」
「創造神は偉大なお方だ。間違ったことはしない!」
白はきっぱりと言い放つ。蒼は待ってましたとばかりに口元を釣り上げるが、決して白にはそれを見せない。
「そう、つまりはそういうことだ。『雌』の体ではなくとも、我々はお互いにその機能を果たせる――そう考えれば、辻褄が合うだろう? 我々にも『後継者』は必要なわけだからな」
蒼は勝利を確信していた。内側で膨れ上がる色欲の炎が、自身の鋼をも溶かしそうなほど燃え上がっている。
一方の白は、そう言った知識もほとんど無いらしく、呆けた様子で下から蒼の顔を見つめるばかり。
「な、なるほど……ディアルガ、やはりお前は賢いな」
ディアルガと呼ばれた蒼い神は笑った。それは白が思っている笑いとは別物、面白かったのではなく、勝利の高笑いであることには、まだ気づいていない。
「そう褒めるな、パルキア。……さて、では私がお前に、さらなる知識を与えてやろう。まあ、少々初(うぶ)なお前には、刺激が強いかも知れんがな」
白い神、パルキアは押し倒されたまま首を傾げる。ディアルガのにやついた顔の意味が分からなかったのかも知れない。
「え、な、なんだディアル……うぁっ! な、なんだこれ、やめっ……あっ……!」
次の瞬間、パルキアは自らの肉根をディアルガの左前足でゆっくりと擦られ、えも言えぬ初めての感覚に身を捩り、悲鳴を上げた。
「ディ、ディアルガ……これは一体何の真似だ!」
顔を真っ赤にして叫ぶパルキア。上にのしかかるディアルガはと言うと、相変わらずパルキアのそれを弄くり回すのに夢中だ。
最初こそパルキアも驚いたが、少しその感覚に慣れてきたようだ、が。今までとは違う、まるで自分のモノでは無いかのような肉根を見て、またもや驚くのだ。
「そ、それはなんなんだ……?」
「ああ、これか? 紛れもなく、お前のだろう。私がすこーし弄っただけで、もうこんなになるとはな。素質は十分だ」
パルキアには全く意味不明な話。パルキアはそもそもどうしてこうなったのか分からないし、これが何を意味するかも分かっていない。
ましてや「素質」と言われても、パルキアのただでさえ単調な思考にはあまりに複雑な言葉だ。要するに、意味が分からない。
「さて、もうちょっときつくしてみるか……あまり暴れるなよ、押さえつけるのも面倒だからな」
パルキアは「はぁ?」とでも言いたげな顔。見て見ぬ振りをして、ディアルガは前足を器用に使って、パルキアの肉根をなぞる。
ただ単にこするだけではなく、こねくり回したり、時にはつついてみたり。だんだんとスピードを上げていくと、あっという間にパルキアからは甘い息が漏れる。
「……はぁ…………あぁ…………なんか……変な感じが……」
「ほら、自分で少し見てみろ。この粘ついた透明液が、お前の感情を素直に表しているんだぞ」
「どういう…………ことだ……?」
とろんとした眼で自分の性器を見つめる姿は、端から見ても滑稽だ。ディアルガはそんなパルキアの様子に満足した様子。
「これは快感のサインだ。つまりお前は、今、とっても気持ちいい――そう思っているはずなんだ」
「そ、そうなのか……この変な感じが、気持ちいい……ってことなのか」
此処まで無知だとは、さすがのディアルガも想定外だったらしいが、寧ろその方がやりがいがある――らしい。
対するパルキアは不思議そうな眼で自分の性器をまじまじと見つめる。自由にされていた手で粘液を触って延ばす様子は、本当に子供みたいだ。
「そう言うことだ。……さて、少し自分でもやってみるか?」
「……どうやって?」
ディアルガには堪らない一言。「ああ、此処まですんなり堕ちてくれるとは思わなかった」――という内心が見て取れる。
「いいか、これを手でこうやって握って、あとはこうして上下に扱くだけだ。簡単だろう? ほら、やってみるといい」
「分かった、こうだな……すまないな、ディアルガ」
「気にするな、それに、お前にはまだまだ良いことを教えてやるつもりだからな。まだお礼には早いぞ。まずは適度に、『気持ちよく』なってくれれば、それでいい」
ディアルガはにやつきがとれない様子だ。気づけばディアルガの雄も、もはや限界とばかりに猛っている。
――だが、此処で扱くのも面白くない。やはり「やらせる」のが一番だろうな。
とか何とか思っていることも、パルキアはまだ知らないのだろう。
「ぐぁ……何だか…………変な感じだ……」
くちゅくちゅと、パルキアの先走りが自身の手に絡みついて卑猥な音を立てる。
「変な感じ」が癖になったのか、パルキアは自身が途轍もなく「エロ」く見えることを全く気にしていないらしい。
「…………うぁ……なんか…………トイレ……」
「大丈夫だ、そのまま続けてみろ」
やがてパルキアの肉根は練り上げた欲望の捌け口を探して暴れ回る。よく見ると、これはなかなかどうして立派な大きさだ。
ディアルガは自身のモノをちらりと見て、少し恥ずかしく感じた――が、それは考えないことにした。
やがてひときわ大きくふくれあがったパルキアの肉根が一度大きく揺れて、熱を持った白い粘液が吐き出され……ない。
ディアルガが彼の手を両前足で踏んで、手の動きを止めてしまっていた。肉根はなおも不満そうに震えている。
そして既(すんで)の所で止められたパルキアはというと、未知の快感をお預けされて困惑している。
「な、なんで止めたんだ……?」
「いや、此処で置いておかないと、次のステップに進めないからな。と、そのために一つお願いしたいのだが……」
ディアルガはさも申し訳なさそうにパルキアをちらちらと見ては目線を外す。怪訝そうな顔を未だにしているパルキア。
「……ほら、私には手が無いだろう? と言うことは、お前のようなことが出来ないのだ。……あー、つまりだ、分かるだろう? お礼というのも何だが、してはくれないか」
「……? ディアルガも気持ちよくなりたいのか? 俺で良ければ手伝おう、何と言っても、色々教えてもらうわけだからな」
納得した様子でそう言うと、パルキアはディアルガのそそり立つ雄を丁寧に手で包み、ゆっくりと上下に扱き始めた。
ディアルガも他人にやってもらうのは初めて、ましてや手でする感覚など未だかつて味わったことがない。
「こ、これは…………なかなか……いいな」
「ああ、ディアルガには手が無いからな…………」
ずるりずるりと数分擦りあげていくと、早くもだらだらと大量の透明液が噴き出していた。
ディアルガもさほど耐性があるわけでは無いらしく、初めての感覚に暫くうっとりと身を寄せていた。
「……くはっ…………も、もういいぞ」
そう言って手を振り払うと、今度は逆を向いてパルキアに覆い被さる。その体勢になれば、自然と目に入るのは相手のモノ。
「な、何だこの格好はっ!」
いわゆる69(シックスナイン)というやつだが、当然パルキアが知っているはずもなく、この体勢で何をするかも分かっていない。
「いいか、私がやるから、お前もそれを真似てみろ。……私がやることと同じことをすればいい。少し嫌かも知れないが……決して汚くなんか無いからな」
――言うが早いか、ディアルガは床に横たわるパルキアの身体を両足でがっちりと押さえ、やや長い首を思いっきり床に近づけ、パルキアの肉根を舐りあげた。
「っあああ! な、ディアルガ……やぁっ……めろっ……ぅ……!」
先ほどのお預けから溜まりに溜まったフラストレーション。その上此処までの刺激を与えられたら、限界はあっという間のはずだ。
しかしそこはディアルガの絶妙な押し引きが許さない。少しの休息を挟んだかと思えば、いきなりの激しさ。
凡庸なポケモンなら即座に臨界を超えてしまうであろうその攻めにも、神という強さは耐えて「しまう」。
パルキアの思考はほとんど一つになっていた。この身体の疼きを、何とかして、どうにかして治めたい。
「さぁ、お前も楽になりたいだろう、パルキア? 私の真似をしてみろ。此処までが準備だ……これで準備も最後だからな」
ディアルガのどことなく甘い響きに、パルキアは何のためらいもなく目の前の雄にしゃぶりつく。
夢中で透明な粘液を舐めとって、さらにはあふれ出るそれに吸い付く。まるで媚薬のような、軽い雄の味に、かろうじての理性もほとんど吹き飛ぶ。
一方のディアルガは、さすがのパルキアも限界だと思い、今度は舐める場所を下へとずらしていく。
「お前はそのままそこを舐めていればいい……私は準備にかかるからな……」
ごろりと垂れ下がっていた玉を軽く舌で転がしたあと、さらに舌を動かしていく。
程なくして見えるのは、パルキアの排泄孔。進入など未だかつて許したことが無いであろうその場所に、舌を乱暴にねじ込んでいく。
「うぁっ……あ……あっ…………」
本来なら、ディアルガのモノを受け入れるほどの拡張には相当の時間がかかる。だが、その「時間」は彼にとって手下も同然。
その部分の時を早め、あっという間に慣れさせていく。乱雑な舌の挿入にも簡単に耐えるパルキアの穴。
数分も経てば、軽い拡張は直ぐに終わった。ここでもしもディアルガが手を持っていたなら、さらなる拡張も出来たのだろうが……後は実戦で慣らすしかない。
「あ……あ…………でぃ……ある…………がぁ…………」
いよいよ声も途切れ途切れ、パルキアが何を言っているかさえ聞き取りづらくなってきた。
――だが、きっと続きを望んでいるのだ。それだけは間違いないだろう。
ディアルガはパルキアのなかなかの壊れっぷりに満足した様子だ。笑いながらもパルキアに最後の指示を出す。
「さあ、待たせたな。いいか、暴れるんじゃないぞ……もう少し下半身を浮かせて…………そうだそうだ。よし……」
「何かするなら……はやく…………。なんか……我慢…………できない…………」
眼に涙まで浮かべながら嘆願するパルキア。不覚にも、ディアルガは「可愛い……」と声まで漏らしてしまった。
「あ、ああ…………いくぞ……」
またもパルキアの穴、そして中の時間を早める。そうしてディアルガは、自身の猛りをありったけ、パルキアの中に差し込んだ。
「ぐぁぁぁっ……はぁ…………っ」
パルキアはその太い棒を即座に飲み込んでいく。あっという間にほぐれていく穴の感覚は、恐らく誰も味わったことがないだろう。
それはパルキア自身にしか分からないものだが、どうやら途轍もない快感らしい。吠える声は直ぐに嬌声に切り替わった。
「はっ…………ぁっ……くっ」
ディアルガはディアルガで余裕がないらしく、だらしなく開いた口をふさごうともせず、一心不乱に腰をパルキアへ打ちつける。
乾いた音が段々と湿った音に変わっていく。結合部の回りには、いつしか腸液と先走りでびしょ濡れになっていた。
やがて勝手の分からないディアルガが、知識のみで知っていたある部分をついに捉える。
その僅かな出っ張りを突き上げた瞬間、パルキアは声を出さずに悶えた。
「ふ…………ついに……見つけ……たぞっ…………がっ……あ……」
ディアルガは息を切らしながら、激しく、より激しく腰を振り続ける。横たわっているパルキアも、いつの間にか自分から動いていた。
二人の動きは加速するばかり――しかし、それも長く続くわけではなく、そのうちに限界を迎える。
先に限界を感じ取ったのはパルキアだった。こみ上げてくる「何か」を知らない彼は、ただ快楽の海の中でそれを受け入れようとしていた。
「あぁ……もう………っ……なにか………はぅっ……くるっ……」
そして、ひときわ大きく腰をディアルガの方へ近づけたかと思うと、二匹の腹部の間に埋もれていた彼の肉根から、白い粘液が――。
――しかし、それを簡単に許すディアルガではない。あと僅か、というところでディアルガはパルキアのモノ、そしてその周りの時間を少しだけ巻き戻した。
さらには時間の進みを遅くする。そうすることによって彼はあと僅かを延々と味わうことに成るのだ。
「あああっ! あぅぅっ……ふぁぁぁっ! ……はぁっ……くっ……ううぁ……あふっ…………」
声ではない声が響き渡る。パルキアの眼はもうどこか虚空を見つめていた。思考は完全に「最後」を味わうことしか考えていない。
パルキアの堕ちっぷりにディアルガは満足したようで、ようやく終わらせる気になったようだ。
自身の動きを「時間」の操作で加速させたディアルガは、ただただ執拗にパルキアの前立腺を刺激していく。
二匹の思考が真っ白に染まっていく。ディアルガの雄が今にもはち切れようとした瞬間、パルキアに施されていた封印も解かれる。
二匹はお互いにそれぞれの子種を爆発させた。結合部の僅かな隙間からでさえ、噴水のように飛び出す粘液。
パルキアの放ったそれは、独特の香りを放ちながら、抱き合って射精の快感を味わう二匹のお腹をべっとりと染める。
口元から絶え間なく垂れていた唾液、そして行為によって生じた先走り、腸液、精液の混合物にどっぷりと浸かった彼らの身体は、神殿に差し込む光を弾いて輝いていた。
パルキアはもうぐったりとしていて、暫く起きそうにない。未だ射精の疲労感が残るディアルガは、まず真っ先にその原因――自身のモノの時間を少し戻す。
――後で抜くとしよう。パルキアが帰ってからでも遅くはあるまい。
そうして今度は、全く動く気配もないパルキアを起こそうと、彼の身体の時間をまとめて戻した。――だが、よもやそれが間違いだとは……思いもしなかったのだ。
ディアルガは、挿入前まで時間を戻すつもりだった。だが、疲労からか途中で時の巻き戻しが止まってしまったのだ。
不幸にも、パルキアは絶頂の少し手前。此処でお預けにされるわけにも行かず、もう一度ディアルガに何とかしてもらおうと無言で動く。
だが、ディアルガはあまりの疲労にぐったりと倒れている。パルキアはただ本能だけで、空間をつなげてオボンのみをどこからかもぎ取り、ディアルガの口へと突っ込んだ。
「ぁ……パルキアか。……済まない……助かった」
だが、パルキアの眼は正気を失っていた。どうやら続きが無いと分かると、自身が最も快感を得られそうな手段を選ぼうと勝手に動く。
パルキアが選んだ最善策。それは、先ほどまでディアルガにやられていたことを、――他でもない、ディアルガへとやり返すことだった。
四肢を折りたたんで休んでいたディアルガを無理矢理仰向けにさせる。完全に油断しきっていたディアルガはあっけなく上に乗られてしまう。
「パ、パルキア…………何をっ……!」
しかし、ディアルガの声は恐らくもう届いてはいない。先ほどの時の巻き戻しですっかり性欲と元気を取り戻したパルキアに、ディアルガが叶うはずもなく。
ディアルガ自身の中で煮え滾る精こそあるものの、反抗するだけの力はもう残されていない。それを良いことに、パルキアはゆっくりと前戯を始めた。
ディアルガが通常味わえない手の感触。それをたっぷりと味わわせていく。多少の緩急をつけながら撫でていけば、あっという間にびくびくと揺れ出した。
だがそこでそう簡単に噴出を許すパルキアではない。少し手の動きを止めた後、なんとディアルガのモノの中、精が吐き出される通り道を、空間の歪みで塞いでしまう。
通常なら、通り道をぎゅっと閉ざされれば痛みを感じ、行為どころではないのだが……空間の歪みは極めて別物、いとも簡単に塞いでしまったのだ。
そうして吐き出す手段を絶たれ、残るのはぎりぎりの快感だけ。先ほどまでディアルガが行っていたお預けが、別の形で返されたのだ。
「ぐぁっ…………はっ……やめっ……ぁぁぁっ…………ろっ……」
どうやら本当に絶頂を迎えられないらしいディアルガ。必死の懇願も虚しく、パルキアは扱くスピードをさらに上げた。
ディアルガは先ほどまでの自分の攻めを今更ながら後悔していた。――あんなことをしてしまった所為で、まさかパルキアに仕返しされるとは。
そんな考えも、やがて頭の中から消えてしまう。残るのは快感を求める本能だけ。段々とパルキアへと抵抗の気概が折れていく。
「うぁぁぁっ……あっ…………ぱる……き…………あぁ……………………もっと……もっとぉっ……」
パルキアは笑った。ディアルガも笑った。二匹共が――しかしそれは全く別の理由から――笑っていたのだ。
パルキアはディアルガの醜態を見ての嘲笑。先ほどまでの自分よりも遙かに堕ちていった、神に似付かわしくない淫乱なポケモンを鼻で笑っていた。
ディアルガは快感に揺られての壊れた笑い。こんな自分を心ゆくまで嬲ってくれるその相手に、甘えたような声を出してにこやかに抱きついていた。
「はっ……ディアルガ、俺がもっと気持ちよくなれるようにしてやるから……ほら、ねだってみろ」
「ぱるきあ様ぁ…………その、おっきいの……ください……」
どすり、と立ち上がり、今度はまるで雌のようにねだるディアルガ。高く上げられた臀部には、未だ綺麗なままの菊門が存在していた。
パルキアはディアルガの後ろの穴の空間を広げ、痛みを感じさせずに無理矢理の拡張を施す。そうしてぽっかりと空いた穴に、ディアルガのそれよりも大きな肉槍を宛がう。
「それなら……遠慮無く…………なっ!」
がっちりと後ろからディアルガの身体を掴み、パルキアは腰をずぷり、と押し込んでいった。
「はがぁぁぁっ……くはぁ……ぁぁ…………」
パルキアが作り出した歪みによって、痛みは既に無い。そこに残るのはかつて無い快感。
ぐりぐりと内側から抉られるその激しい快楽に揺られながら、さらなる刺激を求めてディアルガは自らも必死に動く。
二匹の作り出す腰の激しい押し引き。身体と身体がぶつかり合い、そこに生まれるのは、ぐちゅぐちゅとでも表すべき水音。
先ほど放った彼らの精はまだその大部分が残ってしまっている。身体に溜まった精は、流石にこの空間全体の時間を戻さない限りは戻らない。
当然先ほどのディアルガにそれが出来るほどの体力はなかった――だからこそ今、こうして彼らは白濁に濡れた、何とも艶やかな身体で交わっているのだ。
そのどろどろとした感触をパルキアは楽しみ、さらにはディアルガの身体に塗りたくっていく。ディアルガもまた、それを楽しんでいる。だらりと笑った顔は何とも淫らだ。
一方でパルキアは内部の突起を探る。先ほど自分が攻められた時の事を思い出しながら、ディアルガの前立腺をまさぐっていく。
「……ひぁぁぁぁっ……ぱる……き…………だめぇぇっ!」
軽く突起を突かれたディアルガは跳ねた。乱れた声を放って身体を捩るが、パルキアにがっちりと押さえられていてはそれも無駄な抵抗に終わる。
それを見つけたパルキアは、後はもうひたすらそこだけを攻めていく。今や空間の歪みは解かれ、ディアルガ自身がその太い肉槍を飲み込んでいるが、ディアルガは知る由もない。
「はっ……そうとうな……ぐおっ……ぁっ…………淫乱……だなっ……くぁ……うっ」
続いてパルキアは自身の手の周りの空間を歪め、その歪みに手を入れる。かと思うと、出てきた先はディアルガの胸の辺り。
後ろからでは通常手の届かない場所だが、こうすることで手が届く。先ほどの精をたっぷり塗って、そして見た目とは裏腹に柔らかな胸を撫でる。
当然雄であるから、膨らみなど無いが――それでも、胸の突起はしっかりと存在する。そこをくりくりと弄りながら、さらに激しく腰を振るパルキア。
「ぱ……るっ……はげっ、しぃっ……ぁ……はっ……ひぁぁぁっ…………」
ディアルガはもう、パルキアしか見えていない。パルキアの与えてくれるその悦楽にいつまでもどっぷりと浸っていたい。いつまでもこうして味わっていたい。
パルキア自身もそろそろ限界に近づいていた。先ほど放たれた精の分の仕返しとばかりに、パルキアはディアルガの中を、空間を歪ませ、敢えて狭めた。
こうなってくると辛いのはディアルガ。しかし、そこで生まれる痛みは、ディアルガの快感をより高める方向にしか働かない。
「だし……てっ…………ぱる……きぁ……さま……ふぁぁぁぁっ! ……も、もうっ……!」
「はっ……言われ……なくっ…………ても……くぁぁっ…………いくぞっ……!」
大きく弾ける二匹のモノ。既に地面には液体の溜まりが出来ている。その上に力なく崩れるディアルガ。パルキアはディアルガに寄りかかっている。
こうして二度も絶頂を味わったというのに、なおも二匹の暴走は止まらない。精が未だ出続けているというのに、二匹は早くも腰を動かす。
ぐちゅぐちゅという音、二匹の荒い息づかいと悲鳴のような喘ぎ声。そしてディアルガの求める声。
二匹はお互いだけを見つめ、お互いの身体を重ね、お互いに相手を白く、自分の種で染めていく。
その後、16回の行為を終え、ようやく彼らの行為は終わりを迎えた。彼らが作り出した精の海に二匹は倒れ込み、互いの身体を抱いて眠りに就いたのだった――。
このどこかの神殿にも、やがて朝は来る。ようやく昇ってくる朝の焼けた日が、神殿の壁、床、そこら中のクリーム色を橙に染める。
その光の筋が閉じた目の僅かな隙間から入ってきて、ディアルガはようやく目を覚ました。
「…………いつの間に寝ていたんだ……というより、どうして寝ていたのだ? ………………なっ……!」
目の前にはパルキアの顔。そして自分の身体を見れば、べっとりと乾いた白い物がくっついている。
すぅ、と鼻で息を吸えば、むせかえるほどの雄の匂い。口の中にもそれは染みついていて、舌からは絶えずその味が伝わってくる。
「こ、これは洗わないと話にならんな。しかし、一体昨日はあの後どうしたのか……どうにも思い出せない……」
昨日を振り返っても、パルキアの時間を戻している最中で記憶が途切れているディアルガ。流石にこの量は不自然だと、色々思案を巡らせる。
――ひょっとすると、その後もう一度パルキアと……?
「ん……ぁ……、朝か」
と、そんな最中にパルキアは目を覚ます。彼もまたむわっと沸き立つ雄の香りに顔をしかめたが、彼は覚えがあるようだ。
「ディアルガ、昨日は色々楽しかったぞ。俺が知らないことも教えてくれたし……それに、な」
何故か意味深に笑みを浮かべるパルキアを、怪訝そうに見つめるディアルガ。パルキアは楽しそうに続ける。
「――いや、まさかディアルガが俺に……なぁ?」
「なぁ? と言われても、私にはさっぱりなのだが……一体何があったというのだ?」
「あの後か? ディアルガにやられたことを真似してみたら、なんかディアルガがねだってきたからな。俺があの後何度も――」
まさかのパルキアの発言に、ディアルガは自分の醜態を想像して酷く赤面した。本当に頬が赤くなっているのでは無いかと思うほどの熱さ。
「なっ――ば、馬鹿な、私はそんなことっ……」
必死に否定するが、パルキアは笑いながらそれを熟(こな)す。ディアルガは完全にパルキアに遊ばれていた。
「可愛かったぞ、ディアルガ。確か『もっとぉ……』とか言ってたな、俺に」
「やめろと言って――」
恥ずかしさの頂点がきたのか、ディアルガは声を荒げて怒ろうとした――が、急にパルキアが真顔になる。
「でも、そんなディアルガのこと、俺は好きだぞ?」
突然すぎる告白に、さっきの怒りはどこかへ吹き飛んだようだ。代わりにディアルガの心には、またもや恥ずかしさがこみ上げてくる。
しかし、ディアルガは満更でもなさそうだった。パルキアの純真な瞳に見とれて、改めて彼は思ったのだ。――ああ、此奴はやはり可愛いな。
「……そ、そうか…………ま、まあなんだ。急に色々して悪かったな。……私も好きだぞ、パルキア」
パルキアは嬉しそうに、ディアルガに頬をすり寄せる。お返しとばかりに頬に口づけをするディアルガ。
パルキアの方もまだ恥ずかしそうではあるが、ディアルガの頬に唇を付けた。
そのまま二匹は、時空の裂け目を作り出し、どこへともなく消えていく。彼らの事情を考えると、恐らくはどこかの水場だろう。
彼らの想いはその後何千年にもわたって、続いていくことであろう。
――ちなみに、その後どこかの川沿いの町で、川が白く濁り、悪臭が立ちこめるという珍事件が起きたとか、起きなかったとか……。