私はクレセリア、三日月の化身。  
ダークライが見せる悪夢を祓う力を持つ唯一の存在です。  
けれど、それはつまり、  
ダークライの見せる悪夢に染まることの出来ない  
唯一の存在でもあるのです。  
 
 
新月の夜が近づく度に  
私は歓喜と絶望に見舞われます。  
彼の気配が徐々に色濃くなる喜び、  
けれど私と彼は対であるのに  
最も遠い存在なのだという現実。  
彼が全ての存在に撒き散らすのだという悪夢を、  
私は決して知り得ないのです。  
 
彼――ああ、ダークライを彼と称しているのは  
完全に私の願望です。  
人間は伝説と呼ぶような古い時代から在るものたちは  
大抵が繁殖をしない単一の存在で、  
その為性別もありません。  
ですがこのシンオウの地に古くから生きているものの中、  
私だけが唯一、はっきりとメスの身体をしているのです。  
 
遠く離れた地には  
兄妹として対である存在がいるらしいという話は  
私も聞いたことがありますが、  
私と対であるダークライは性別を持たないのに  
何故私だけがはっきりとメスの身体をしているのでしょうか?  
対の存在に満たされたいというメスの本能を抱えて  
私はいつしか淫らな一人遊びを覚えてしまいました。  
それとも、逆なのでしょうか。  
私のこんないやらしい本性に相応しい淫らな身体を  
創造主は私に与えたもうたのでしょうか。  
 
彼の住処と隣合わせの私の住処、満月島で  
淫らな遊戯に耽る日々が続いていました。  
彼の気配を感じながらするその行為は  
まるで彼に抱かれているかのような錯覚を  
私に与えてくれました。  
 
甘美な一瞬と、その何倍もの虚しさを繰り返すそんな日々は  
不意に終わりを告げました。  
いつものように快楽に溺れていた私は  
草の鳴る音で我に返りました。  
そこにいたのは、恐らく人間だったのだろうと思います。  
私はもう消えてしまいたいほどの恥ずかしさに身を任せ  
とにかく満月島を飛び立ちました。  
勢いだけで飛び出した私は  
しばらく島の近くの空を旋回していましたが、  
もう満月島に戻る気にはなれませんでした。  
 
彼に一番近くて一番遠い場所に棲み続ける事に  
私は疲れ果てていたのです。  
もう、ここには戻らない。  
彼の側で自分を慰める浅ましい行為ももう止めよう。  
そんな決意を胸に私は満月島を去ったのです。  
 
…それから始まった、  
気の向くままにシンオウの地を飛ぶ日々の中で  
私の内に恐ろしい欲が膨れ上がり始めました。  
滅多に人の訪れることのない満月島だからこそ  
夢中になってしまった筈の悪い遊びを  
ここで、  
いつ誰が通るとも分からない草むらで…してみたい。  
 
あの時の人間は、  
私を見てどう思ったでしょう?  
人間と私の身体は随分と違いますから、  
私がまさか自慰をしていたとは分からないかもしれません。  
悪夢を祓う力を持つ私の羽根は珍重されていますから、  
あの人間も多分、  
慌てて飛び去った時に舞い散った  
私の羽根を拾ったのでしょう。  
私の淫らな露に濡れた羽根を手にして、  
あの人間は何を思ったでしょうか?  
 
島を飛び立ってから間もなく、  
止めよう、止めようと思っていた遊びよりも  
もっと悪い遊びの味を私は知ってしまいました。  
また、夜がやってきます。  
以前は、まるで彼に抱きしめられているようで  
儚く幸せに思った夜も、  
今はまるで彼に私の全てを見つめられているようで  
ぞくぞくと震えが走ります。  
 
こんな私を、もし彼に見られたら。  
それは絶対に嫌だと思う気持ちは変わらない筈なのに  
今の私は心のどこかで  
彼に見られたいと思っているのです…  
そう、例えば今の、こんな姿を。  
 
私は草むらにゆっくりと降り立ち、  
身体を伏せ尻尾を上げて、おしりを高く持ち上げました。  
闇の濃い方へ私のいやらしい部分を向けて、  
見せつけるように突き出します。  
自分がこんなはしたない格好でいることに  
誰かに気づかれることの無いように、  
私は必死で息を殺して  
草を揺らす夜風にさえ怯えながら  
羞恥と興奮を噛み殺すのです。  
 
「…見ないで…」  
本当に微かな声で、囁きました。  
今のところ、周囲に誰かの気配は無いようです。  
「見ないで、下さい」  
私はその事実にホッとしているのか残念に思っているのか、  
自分でも分かりません。  
「お願い…、見ないで」  
 
嘘です、私は本当は見られたい。  
いやらしくて恥ずかしい、私の全てを。  
 
「あぁ…、嫌ぁ」  
私はいやいやと形ばかりに口走りながら、  
びっしょりと濡れた所を自分で開いて見せました。  
私の空想の中では、  
こんな風に奥まで見えるように広げているのは  
彼の、きっと冷たいのだろうあの黒い手です。  
いいえ、もしかしたら、  
彼は私を蔑むように見つめるばかりで  
私に触れようともせず、  
言葉で私に命じて私自身の手で広げさせるのかもしれません。  
 
――お前は本当にいやらしい女だな、クレセリア。  
 
そんな言葉で辱められる様を思い描いて、  
私のそこは尚もだらしなく涎を垂れ流しました。  
濡れた肌に触れる夜風は冷たくて、  
その感覚がより一層、  
とんでもない場所でとんでもない事をしているのだと  
私の身体に刻み込んでゆきます。  
けれどそんな意識で私はもっと興奮するのですから、  
私はもう、本当に、  
どうしようもない生きものです。  
 
私は我慢できなくなって  
自身の身体に手を這わせました。  
それでもさっきから曝している部分には決して触れません。  
空想の中の彼は、  
この程度で私を許してはくれないのです。  
 
「さ、触って、ください」  
私は震える声で哀願します。  
触れて欲しいとねだるだけでも恥ずかしいのに、  
どこに触れて欲しいのか、なんて絶対に言えません。  
ぱんぱんに膨れ上がった芽は  
もう夜風の流れだけでもイッてしまいそうなほど張り詰めていて、  
そしてそんな様は彼の目にもはっきりと見えているのでしょうに、  
彼は私が口にするまで決してそこには触れず、  
私の身体をゆったりと撫で回して  
焦らすばかりなのです。  
 
「あぁ…、触って、お願いです、ここに、」  
私はそこを何と呼べばいいのか知らないふりをして  
もっと高く腰を上げ、もどかしげにくねらせます。  
「ここが…辛くて、駄目です、もう」  
手をそこに戻して、もう一度広げて見せて懇願します。  
 
なら――…と、言ってみろ、クレセリア。  
 
「さ、触って下さい…わ、私、私の、」  
そんな恥ずかしいこと、言えません。  
けれど私は結局沸き上がる情欲には逆らえず、  
彼に教えられた卑猥な言葉を躊躇いながら、言うのです。  
 
「…、クリトリス…」  
口にするだけで私の身体に震えが走ります。  
いやらしいことを言えたご褒美に、  
私はその…クリトリスに、ちょん、と一瞬だけ触れました。  
「ふあああっ!!」  
知り尽くして待ち望んだ感覚が走って、  
私は一瞬で駄目になりました。  
 
「ああっ…、気持ちいい、気持ちいいの、  
 もっとして、いじって下さい…クリトリスぅ!」  
ビンビンに勃ち上がっているクリトリスが恥ずかしくて、  
私は何とかそれを誤魔化したくて  
ぎゅうぎゅうと手で押さえつけます。  
でも私のいやらしいクリトリスは  
そんな風に窘められる事さえ嬉しがり、  
あっという間に絶頂を迎えようとしていました。  
 
「駄目っ、いやあっ…」  
私はどうにか手をそこから引き剥がし、  
達する手前でわざと自分の身体を放り出しました。  
貪欲な私の身体はもっと大きな快楽を知っているので、  
もうイきそうなのにおあずけをさせられる私を思い描きながら  
もどかしく身を捩ります。  
「イかせて下さい、お願いです、イきたいの…ああっ」  
 
快楽に悶える私を、彼はどんな風に見るのでしょうか。  
私の痴態を好色な目で犯すのでしょうか、  
汚いものを見るように蔑むのでしょうか、  
それともただただ冷ややかに、私を見るのでしょうか。  
 
どんな視線であれ、  
あの青い瞳に私が映る事を思い描けば  
私の身体はただそれだけで、従順に気持ち良くなるのです。  
 
ちょん、ちょん、とイってしまわない程度の強さで  
時折クリトリスをいじめながら、  
私は本当に欲しいものをおねだりします。  
私の身体は本当に強欲で、  
ついさっきまではクリトリスに触れられるだけで  
あれほどよがっていたというのに  
もうそれだけでは足らなくなって、  
もっと深い部分がひくひく疼いてしまいます。  
その疼いているところをどう呼べばいいのかも、  
私は知っています。  
 
「…私、私の、…おまんこ」  
生々しい、下品な言葉を口にして  
私の身体はその興奮に震えました。  
「お願いです、もう、もうおまんこ我慢できないんです、  
 挿れて、挿れて、あなたの…っ、おちんちん!」  
 
品のない言葉を並べ立て自分の身体を追いつめて、  
でも、ふ、ふ、と短い呼気で  
絶頂をやり過ごすという矛盾を繰り返します。  
その繰り返しの果てに大きな大きな快感があることを  
私の身体は覚えてしまっているのです。  
「おまんこ寂しくておかしくなっちゃうんです…っ、  
 おちんちん欲しいの、  
 おちんちん無いと駄目なんです!  
 お願い…ああっ」  
 
私は私の細い手に舌を這わせます。  
私の手を彼の黒くて太い…おちんちん、なのだと思いながら  
うっとりと自分の手に奉仕をするのです。  
空想の中では彼が、  
現実では私がその焦れったさに耐えられなくなり、  
乱暴に手を…、  
おちんちんを、口の中へ突っ込みます。  
口内を荒っぽく突かれて私は嘔吐くことしか出来ず、  
でも彼はそんな私の様子など大して気にも留めず  
好き勝手に私の口を使うのです。丁度…おまんこのように。  
 
かはっ、と苦い呼気と共にようやく口が、肺が解放されて  
苦しくてたまらなかったというのに  
目眩の中私は何故か、息苦しさを名残惜しく感じていました。  
多分、私が彼をどれだけ恋しく思っても  
決して重なりあえない悲しみは、  
それ以上の苦しみか快楽でしか  
誤魔化されないからなのでしょう。  
 
「くださ…、おちんちん…」  
未だ続く苦しさに呂律が回らないまま  
私はまた卑猥な言葉を口走ります。  
「見えるでしょう…、おまんこ、びしょびしょで、  
 クリトリス、おちんちんみたいに、固くなって」  
彼の目に映っているはずの私の痴態を思い描きながら  
その光景をつらつらと口にしました。  
「あなたのおちんちん欲しくてびしょ濡れなの、  
 欲しい、挿れて、ダークライ!!」  
 
「…!!」  
ずぶりと突き入れた手、声にならない絶叫。  
目を見開きガタガタ震えながら、  
それでも私はその波に身を任せきったりはしません。  
ようやく捕まえた快楽を離したくないと  
締め付ける膣壁を引き剥がすように  
強引に手を引き抜き、  
そしてまた無理矢理に突っ込むのです、  
こんな私を打ち据えるように。  
 
「おっ、おまんこっ!まんこ気持ちいい!」  
ゴリゴリと子宮口を抉りながら  
私と私のおまんこは咽び泣いていました。  
「おちんちんでズプズプされておまんこ嬉しい!  
 おちんちん素敵っ、気持ちよすぎて…あああっ!!」  
彼は私の絶頂など気にせず、  
ただ私のおまんこに精液を吐き出すことだけを考えて  
彼のペースで動きます。  
ただの精液排泄器官として扱われているというのに  
喜んで腰を振る私を、  
彼はどんな目で見るのでしょうか。  
 
片手でおまんこをじゅぽじゅぽしながら  
片手でクリトリスを押し潰し、  
ほぼずっとイキっぱなしの私の身体は  
もうそろそろ限界でした。  
「もうだめ、おまんこ、壊れちゃう、」  
手を捻るようにして膣内の一番いいところを抉りながら  
ぐりぐりとクリトリスを擦りました。  
今までで一番大きな震えが来て、  
そのまま身を任せようとした時に  
それは起こりました。  
 
ガサガサガサッ!  
 
丁度、満月島を飛び立った時と同じような草の鳴る音が  
私を一瞬で現実へと引き戻しました。  
ひ、と短い悲鳴を喉に貼り付かせながらもどうにか羽ばたき、  
手を一気に引き抜いて、  
 
「ひ…、ぁ…!!」  
 
その刺激と、  
またこんな様を見られたかもしれない、という意識が  
私を強引に絶頂へと引きずり込みました。  
閃光と暗闇と、  
ちかちか瞬く星とを同時に見ているような感覚の中で  
それでも私は必死に逃げようともがきました。  
 
プシャアッ!!  
 
震える身体をよたよたと引きずりながら  
飛び去る私の耳に聞こえた水音は、  
私の撒き散らした潮の音だったということに気がついたのは  
空高く舞い上がり、上空の強い風に曝されて  
濡れそぼった身体がぶるりと震えた時でした。  
 
恐る恐る振り返れば、  
私は随分と必死に飛んでいたようで  
草むらも人影も木々と宵闇に紛れて  
すっかり見えない所まで来ていました。  
光る私の羽根が幾枚か風に乗り、  
遠く飛んでゆくのが見えました。  
 
…私の愛液に濡れたあの羽根はいつか誰かに拾われて、  
私は決して触れない、  
彼の悪夢の欠片に触れるのでしょうか?  
 
見られたのかもしれないという恐怖にゾッと冷えて、  
だからこそ余計に、  
余韻に火照る身体を抱きしめながら  
私は舞い散る自身の羽根にさえ嫉妬していました。  
 
 
私はクレセリア。  
永遠に満ちることのない、  
けれど闇に呑まれることも出来ない、三日月の化身。  
 

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