ザプン…ザプン。  
 
繰り返し響くその音に、  
自分の中の何かが呼び覚まされる心地がした。  
その事実に彼は驚いていた。  
自分の中に、  
呼び覚まされるような代物が眠っていたという事に。  
 
彼はリリーラ。  
遙か昔に棲息していたポケモンで、  
つい先日化石から復元された、らしい。  
彼には復元された記憶もなければ  
太古の昔に生きていた記憶もなく、  
さらに言えば、  
今、生きているという実感すら無かった。  
ある日突然、ぽっかりとこの世に発生して  
ただただ漠然と息をしているだけだった。  
普段はモンスターボールの中で  
眠るように時を過ごしているので、  
余計に何もかもの感覚が稀薄だった。  
ボールから出される瞬間の微かな目眩だけが、  
彼が感じられる全てだった。  
 
今日、目眩の後に視界に映ったのは真っ白な色だった。  
それは建物の壁であり、  
彼の主人は何事かを告げ彼の視界から外れた。  
後に残ったのは、同じ服を着た幾人かの人間たち。  
そして、不意に耳に飛び込んできた、  
彼を揺り動かすあの響きだった。  
 
リリーラがいた建物とは  
リゾートエリアにある会員制のサロンだ。  
彼の主人は手持ちに加えたばかりのリリーラを喜ばせたくて  
マッサージをしてもらうためにここに連れてきたのだ。  
主人はスタッフにリリーラを預けて一階でリボンを選び、  
スタッフたちはマッサージに使うクリームを練ったり  
リラックス効果のあるアロマオイルを温めたりと  
あれこれ準備をしていた。  
なので、リリーラが忽然と姿を消したことに  
誰も気がつかなかったのである。  
 
ザプン…ザプン。  
 
心動かされる響きは、  
爽やかな風と共に窓の外からやって来るようだ。  
リリーラは窓からテラスに出て、  
触手を上手く使いゆるゆると壁を這い降りた。  
サロンが大騒ぎになっていることなど露知らず、  
ただひたすらに歩き続ける。  
繰り返される響きの源を求めて。  
 
ザプン…ザプン。  
 
生い茂る濃い緑色をかき分けると  
意外に早くその響きを見つけることが出来た。  
どこまでも果てなく続く青色、  
寄せては返す白い飛沫。  
…ああ、海だ。  
そして、波の音だ。  
リリーラはごく自然に海を、波を思い出した。  
 
波の音を聞き潮の匂いを吸い込んで、  
身体の隅々までもが蘇ってゆくような心地がした。  
意識を持ってから、初めて味わう高揚感だった。  
 
「ねえ、なにしてるの?」  
いつまでそうしていたのか、  
すっかり日は傾き海が茜色に輝く頃  
リリーラはふと愛らしい声に呼ばれた。  
「こんにちは!  
 …あれ、こんばんは、かな?」  
にこにこと笑いかけているのはサニーゴだった。  
が、蘇ってからまだ日の浅いリリーラは  
そのポケモンがサニーゴと呼ばれていることなど知らない。  
ただ首を巡らせて、  
つるりとした桃色の身体をじっと見ていた。  
 
「あなた、だぁれ?」  
少し舌足らずな喋り方から察するに  
このサニーゴはまだ幼いようだ。  
「ねぇ、ここでなにしてるの?」  
冒頭の質問を繰り返されたが、  
リリーラは何と答えればいいのか分からなかった。  
本当に、自分は何をしているのだろう。  
 
「?」  
リリーラは無意識に触手を伸ばし、  
サニーゴの身体に触れていた。  
その肌は予想外にあたたかく、予想どおりに滑らかだった。  
「えへへ、くすぐったぁい」  
サニーゴは頭を、頬を撫でられて無邪気に笑う。  
こうして他のポケモンに触れたのは初めてだ。  
何かをやろうとか何をどうしたいとか、  
思ったことさえなかった。  
 
ザプン…ザプン。  
 
波の音に誘われるように、  
リリーラはサニーゴの身体に這わせる触手を増やす。  
 
潮の香りに浮き立ち、  
初めて触れたあたたかな肌に夢中になった。  
確かに感じられる生命の手応えに触れれば、  
稀薄な自分の存在も救われるような気がしていた。  
 
「きゃはははは!  
 やめてよぉ、ふふっ、くすぐったいよぉ!」  
複数の触手に撫で回されて、  
サニーゴは身を捩りきゃらきゃら笑った。  
身体を這う手に戯れ以上の意味を知らない、  
幼い笑いだった。  
 
幼いと言うならば、  
存在し始めてからまだ数日しか過ごしていないリリーラの方が  
余程赤子じみていたかもしれない。  
ただこのあたたかさに触れていたい、  
生命のぬくもりを分け与えてほしい一心で、  
悶えるサニーゴの身体をぐにぐにと味わっていた。  
 
「きゃは…やめ、や、はははははっ!  
 やだ、ふあっ、ひっ、はは、やめて、あははははは!」  
サニーゴの笑いが苦悶の色に染まり始める。  
身体の隅々までを触手にがっちりと絡め取られ、  
身じろぎもろくに出来ない状態で  
延々と続くくすぐったさは最早拷問だった。  
だがリリーラにはサニーゴを苦しめるつもりなど全く無く、  
やはりある種の無垢さで、  
桃色の身体にぺたぺた触れる。  
とうとう八本の触手全てでサニーゴに掴みかかり、  
その奥に潜む口で滑らかな肌を啜った。  
 
サニーゴの肌は海の味がした。  
「やぁん!きゃはは、や、いやあっ、あははははは!  
 やっ、くふぅっ、あっ、ははははははは、やだあっ」  
 
ザプン…ザプン。  
 
リリーラは唐突に、閃くように思い出した。  
自分は海に棲むものだ。  
海こそが、自分の故郷なのだ。  
 
肌のしょっぱさと滑らかさに  
リリーラの興奮はなお煽られる。  
蠢く触手の先端からは先走りが滴り、  
ぬちょぬちょと湿った音を響かせ始めた。  
「ひゃああ!あはははははは、やめ、  
 あははははははははは!!」  
サニーゴは涙と涎を垂らしながら狂ったように笑い続ける。  
角の間を、小さな手足の周りを、  
まあるく白い腹の上をぬらぬら触手が這い回り、  
その道筋がてらてらと輝いている。  
いつの間にか日は沈み、宵闇が辺りを包み始めた。  
 
ザプン…ザプン。  
 
静かな浜辺に、サニーゴの虚ろな笑い声が響く。  
「ひゃはあっ…あは…やめ、あはははははあぁ」  
呼吸さえままならず、  
がくがく痙攣し半ば白目を剥きながら笑うサニーゴ。  
「やらぁ、ひゃは、あはは、やぁっ、  
 おしっこもれるぅっ、ふあ、あはははは!」  
少しリズムの違った震えと共に、  
弛緩しきったサニーゴの身体からちろちろと水音が聞こえた。  
 
淡い金色の水流は、  
白い下腹部にひっそりとある桃色の縦筋から  
弱々しく滴っている。  
ちー…という少し高めの音が割れ目の中で響いていた。  
 
「やぁっ!おもらしやだあっ!!」  
思わず手を止めて、リリーラは滴のしたたる秘裂に見入った。  
サニーゴはようやく息をする暇を与えられ、  
は、は、と浅い呼吸を繰り返す。  
それに伴って水流は強くなったり弱くなったり、  
割れ目の中から聞こえる音も  
少し高くなったり低くなったりしながら  
ちろちろ、しょろしょろ、と  
か細く長く、サニーゴの放尿は続いた。  
 
「っ…、ちがうよ、  
 おしっこじゃないよ、おもらしじゃないよぉ…」  
いやいやと身を捩り、涙ぐみながらサニーゴが言う。  
幼いサニーゴにとって  
おもらしなんてしない、というのは  
自分はもう赤ちゃんじゃなくて  
“おねえさん”であるという矜持なのだ。  
だが脱力しきった身体は言うことを聞いてくれず、  
次第に排尿する気持ちよさのほうが勝って  
はぁっ、と吐息をこぼした。  
それを引き金に水流の勢いが強くなり、  
割れ目から聞こえる音もまたシュー…、と強くなった。  
 
ザプン…ザプン。  
 
滴に濡れた秘裂を見ていると、  
ぞわぞわと何かがせり上がってくるような心地がした。  
 
オスとしての本能か、  
遠い昔の記憶の欠片なのかは分からないが  
こみ上げてくるこの衝動は  
この中にぶちまけるものなのだとリリーラは悟る。  
とうとう全てを出し切ってしまい、  
惨めさと快感の綯い交ざったため息をついたサニーゴは  
ひた、とそこに触れられてビクリと跳ねた。  
 
「ひゃ、やだ、やだよ、やめて」  
触手が、いたいけな秘裂に侵入しようとうねる。  
小さく可愛い、おいしそうなピンクの割れ目に  
触手の先端から止めどなく溢れる先走りが塗される。  
「やだやめて、きたないよ、  
 おまた、いじらないで…やだあっ!」  
幼い裂け目に強引に押し入ってゆくリリーラの触手。  
長々と続いたくすぐりと気持ちいいおもらしのせいで  
身体が弛緩しきっているせいか、  
未熟なサニーゴの秘裂は  
みちみちと音を立てつつも意外にすんなり、  
リリーラの触手を呑み込んでゆく。  
交尾という言葉すら知らない二匹の、  
これが“初めて”だった。  
 
「やだあああああ!!  
 いたいよぉいたいよいたいよおおおおおおー!!」  
幼い膣を犯されたサニーゴの絶叫が浜辺に響く。  
貫かれた痛みにもがくことさえ出来ず、  
硬直し、叫び続けるサニーゴは出来の悪い玩具のようだ。  
 
一方のリリーラも、  
幼い処女のきつすぎる締め付けに痛みを感じていたが  
肌よりもさらにあたたかい、  
熱すぎるくらいの内側に夢中になっていた。  
より生きている実感を得られるその熱さに  
もっともっと触れたくて、  
サニーゴの身体中を撫で回していたのと同じ無垢さで  
残虐に膣をかき回す。  
「あ…が…か…かはっ…」  
叫ぶことも出来なくなったサニーゴは  
嘔吐くような呼気ばかりを吐き出していた。  
 
ザプン…ザプン。  
 
ズッ、ズッ、と荒んだ響きだった抽出音が  
ずにゅっ、ずにゅっ、と湿り気を帯びてきた。  
頑なに侵入者を拒み続けていた膣がとうとう屈服し、  
蜜を吐き出し始めたのだ。  
「…やめて…、ぬいて…ぬいてよぉ…」  
サニーゴは譫言のように繰り返す。  
それでも喋れるようになったのだから、  
いくらか楽になってきたのだろう。  
それはリリーラにとっても同じで、  
ぬかるんできた内壁の感触に打ち震えた。  
この快感を、全てで味わいたい。  
 
ぐちゅっ…ぎちぎちぎちぎちぎちぎち!!  
「あ…あ゛あ゛あ゛あ゛!!」  
もう一本、触手が秘裂にねじ込まれる。  
二本の触手が複雑に絡み合いながら狭い膣を蹂躙し、  
そこを無惨に押し広げてゆく。  
 
もう一本の触手も物欲しげに恥丘を這い回るが  
流石に三本目は入りそうもない。  
行き場の無い触手は知らずに陰核を弄び、  
鋭い快感をサニーゴに与えた。  
 
「ひぐっ、あ、あはあああっ!」  
こんな幼いメスでも女芯をいじられれば感じるようだ。  
膣に二本も触手を突っ込まれている癖に  
あどけない顔に似合わぬ淫蕩な表情をして  
色っぽい声で鳴き始めるサニーゴ。  
「おまたやだよぉ、おまた、こすこすしちゃだめだよぉ…  
 やだぁ、うごかさないでぇ!」  
二本の触手はとにかく圧倒的な質量で  
膣壁に快感を叩き込み始めた。  
内部の突起も再奥も一緒にぎゅうぎゅうと圧迫し、  
襞の一つ一つを引き伸ばすかのような  
激しいうねりを繰り返す。  
淫汁にまみれた女芯も一緒に嬲られて、  
サニーゴの身体は次第にオスの味を覚えていった。  
 
リリーラの触手はとにかくあたたかな穴を求めて  
四本目の触手は小さな口を、  
五本目の触手はきゅっと窄まったアヌスを  
それぞれ探り当てた。  
口には思い切りぶち込み、  
可愛いアヌスには割れ目から滴る蜜を絡めて  
ぐりぐり、ぐにぐにとこじ開ける。  
「うぶううぅー!!」  
腸を押し広げられる痛みと  
喉を犯される苦しさにサニーゴは涙を流す。  
 
女芯をこね回される度に走る快感にあやされながら  
アヌスは触手をくわえ込んでゆく。  
前に既に二本も入っているせいもあるだろうが、  
こちらは一本でもう限界のようだ。  
 
まだキスさえしたことの無かった唇が  
亀頭のかたちに歪んでいる。  
青臭い精の味と匂いが口一杯に満ちて鼻に抜け、  
脳までその臭気に犯されているようだ。  
歯のない小さな口には  
ねじ込めばどうにか二本入りそうだったが、  
上顎の凹凸に擦りつける感覚が気持ちよかったので  
一本で暴れることにした。  
垂れ流される涎と空気を求め喘ぐ舌が、雁首に縋りついていた。  
 
ザプン…ザプン。  
 
口も塞がれ、声を上げられないサニーゴは  
時折思い出したように痙攣するばかりだ。  
ぽってりと丸いおなかは  
べこべこと不規則に凹んでは膨らんでいる。  
虚ろなサニーゴの瞳は、  
それでもどこかとろりと艶めいた色に染まっていた。  
 
直接響いてくるような陰核への刺激、  
触手を引き抜かれる度に腸に走る排泄の快さに似た悦楽。  
蹂躙され屈服する悦びを知ってしまった膣は  
押し込まれてくる触手に悶えて濃い愛液を溢れさせる。  
ついさっきまで無垢な子供だったとはとても思えない、  
淫らなメスがそこにいた。  
 
六本目の触手は角の間で扱き、  
七本目の触手は白い腹の上をうねり、  
八本目の触手はあどけない顔に擦りつける。  
涎でべたべたの小さな口と舌、  
ぬぷぬぷと柔らかく絡みつく膣の襞、  
喰いちぎられそうなほどに締まるアヌス。  
それぞれ違った味わいが  
リリーラにそれを吐き出してしまえと促す。  
砕けてしまいそうな電流が走り抜けた。  
 
…ドプッ!ドプドプッ!!ビュルッ!!ドビュゥッ!!!  
濃く、熱く、少し黄色味がかった精液が  
八本の先端から勢いよく吹き出した。  
膣が、子宮が、腸が、口内が、胃が犯されて  
角が、腹が、手足が、顔が、瞼が、瞳が汚される。  
「…!!」  
精液の濁流に突き上げられて  
サニーゴも無理矢理絶頂へ追いやられる。  
まだ断続的に続いている射精が  
小さな身体をガクガクと揺さぶっていた。  
 
ザプン…ザプン。  
 
口にねじ込まれていた触手が抜かれ、  
また違う触手が口内へと侵入してきた。  
「あー…、ぁあー…」  
ぐぷぐぷと触手が往復する隙間を縫って  
惚けたようなサニーゴの声が…  
いや、それは最早声などではなく、  
ただ空気が吐き出される音に過ぎない。  
「ぁー、あー、あぁー…」  
身体中の穴という穴を犯され精液を注がれ、  
サニーゴは笑っていた。  
まるでとろけてしまいそうな笑みだった。  
 
射精と鼓動が重なるような感覚の虜になって、  
リリーラはまたずるずると触手を這わせた。  
内と外、全てのあたたかさに触れながら  
内と外、全てにあたたかさをぶちまける。  
 
ザプン…ザプン。  
 
波が、二匹の元まで打ち寄せてきた。  
蠢く二匹の下にある砂が少しずつ波に浚われて  
それはまるで、  
気付かぬうちに砂に沈められてゆくような。  
 
ザプン…ザプン。  
 
ひたひた、ひたひた、汐が満ちる。  
絡み合う二匹を、静かに埋葬するように。  
 
ザプン…ザプン…  
ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…ザプン…  
 
 
 
揺らめく触手も桃色の身体も  
波の随に、見えなくなった。  
 
 

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