無意識に身体が崩れ落ちた気がした。
ああ、俺は負けたんだ。
きっと今日は挑んだ相手が悪かったんだな…
鋼タイプのハッサムである俺にとっては、激しい攻防戦が出来ると思ったんだ。
だが相手のジバコイルは俺の予想を上回る程頑丈で、尚且つレベルは俺より遥かに高かった。
その上、かみなりが2回も真面に当たり麻痺状態になっては、俺に勝ち目は無い。
仰向けになった状態の俺は、トドメを刺される前に立ち上がろうと思った。が、足が重くて全く動かない。
足元に目をやると、大量の小さな磁石……
奴の技の一つ・マグネットボムが足にビッシリとくっついていたのだ。
しかも足だけでなく、括れにまで磁石は付いていた。
…俺とした事が、麻痺状態で気付かなかったんだ……
俺がもがいているのに気がついたのか、奴が近付いて来たと同時に、口に何かを突っ込まれた。オレンの実だ。
無論、俺は回復する。
「ムグ……テメェ、なんのつもりだ」
この質問を無視し、奴は電波でも送ったのか仲間のコイルとレアコイルを呼び集め出した。
大量の目玉がこちらを見ている……屈辱的だ。何故俺が雑魚共に見下されるような事をされなきゃならないんだ。
こっちの嫌悪感なんざお構いなしに、ジバコイルは俺の腕のハサミの付根にガッチリと磁石くっつけ、俺に接近して来たのだ。
やめろやめろよせはなせ気持ち悪い!目が怖い!
『……美シイ…』
「はっ!?」
やっと喋ったと思ったら、気色の悪い形容詞。何考えてるんだ、この無機物は。
苛々していると、下腹部に違和感を感じた。
冷たくて堅いモノ……奴の三つめの磁石が、俺の腹を撫で回していたのだ。
「はぁ、うぁ、…ん」
やめてくれ…そこには弱いんだ。つい、息が漏れる。
腹を撫でている磁石は、今両腕に付いている磁石より磁力が弱いのだろう。
あまりの気持ち良さに頭がぼーっとして来た…
磁石は下腹部から更に下へ移動し始めたのだ。下腹部の先端。やめろ、そこは俺の…
叫ぼうとした瞬間、電磁波を食らった。馴れ始めたのに、また麻痺状態になってしまった。
奴の三つめの磁石は腹の先端を押したり撫でたり、恥ずかしい事ばかりして来た。
終いには、グパッと穴を広げる。辺りに漂う、嫌な雌の匂い…バレていたのか、俺の性別が。
『ヤハリ、雌デシタカ』
そう言うと奴は俺の腹の先端の濡れた穴に、磁石を突っ込んで来た。
冷たく堅い感触が腹の中に入って来ている…何故か快楽が押し寄せる。
「ふぁ、ぁあっ」
『ウ、オォ…暖カイ…』
犯されている。こんな冷たい無機物の磁石で。
コイルたちが赤面しながら、ジッとこちらを見ている。嫌なら見るな。こんな屈辱的なことは初めてだ。
ジバコイルが指示したのかそのコイルたちが群がって来て、
俺の胸部を押して来たり口の中に磁石を入れて来たりと下腹部以外までめちゃくちゃにされた。
穴から磁石をズプズプと出し入れされているうちに、頭の中が弾けて真っ白になった。
気が付くと、麻痺はほぼ完治した。が、拘束から解放されたワケじゃなく、首輪と手錠がかけられていたのだ。
「なんだよ、これ…!」
『…少々女体ニ興味ガ出マシテ… 貴女ハ暫ク研究材料ニサセテモライマス』
「……それってまさかッ……!?」
『殺シヤシマセンヨ』
嫌な予感は的中した。心の底からコイツに挑んだ事に後悔した。
こんな無機物に体をいじくり回されるくらいなら、いっその事死んだ方がマシだ。
早く、早く俺をこの単眼集団から解放してくれ……
了