―――やっと、捕まえることができた…  
 
ジバコイルとコイルの磁力で引っ張られながら歩くアーマルドの後姿を見ながら、俺はほぅとため息をついた。  
うなだれたまま歩くやつのしっぽは地面にこすれるほどに垂れ下がっている。  
後ろから聞こえるププリンの泣き声は、もう聞こえない。  
 
―――長かったな…あれからもう1年か…  
 
俺はやつのこうらを睨みながら、そっとほくそ笑んだ。  
 
 
ざいほうのいわばに入り、来た道を戻って再び外に出た時には、すでに辺りは真っ暗になっていた。  
「暗イデスネ。今日ハコレ以上進ムノハヤメマショウ。万ガ一ニデモコイツガ逃ゲ  
出シタラ大変ダ。」  
ジバコイル保安官が暗い空を見上げながら言った。  
確かにこんな暗さで逃げられでもしたら見失ってしまう。  
俺はうなずいた。コイルたちも同意見のようだ。  
「だが保安官、アーマルドはどうしておくんだ?」  
「アァ、ソレナラ…ワタシトコイルタチノツヨイ電磁波ヲアビセテ大人シクサセマス。」  
彼らのU字型磁石から大量の閃光が放たれ、アーマルドの体に直撃する。  
「うぎゃぁっ!」  
やつは悲鳴を上げたが、そのまま締め付けられたかのように硬直してしまった。  
びくびくと痙攣している。『まひ』だ。  
「うぅ…」  
アーマルドが逃れようと身を捩るが、思うように体が動かないせいでバランスをくずし地面に叩きつけられた。  
「逃ゲヨウトシテモ無駄ダゾ。一晩ハ立チ上ガルコトスラデキナイハズダカラナ。」  
保安官が冷静に言い放ち、磁力でやつを浮かせる。  
俺たちは近くの洞窟に歩を進めた。  
 
今夜は眠れないから洞窟の中はわたしに任せてくれと保安官にお願いをした。  
少し、話がしたいからとも。  
彼らは俺に同情する部分もあるのか、気を利かせてくれているようだ。  
彼らが見張りをしてくれる出口から少し奥まったところにアーマルドを寝かせた。  
 
洞窟の炎がぱちぱちと辺りを照らす。  
眠れない理由は分かっていた。  
興奮しているのだ。こいつと再会できたことに。  
―――……アーマルド  
ちらりと視線を向ける。ずいぶん長い間、同じ体勢のままやつは横たわっている。  
電気の鎖が炎の音に混じって小さな音を立てた。パチパチッ。  
俺は不意に立ち上がってそばに近寄った。  
長時間痺れが続いている体は、なにかがちょっと触れただけで過剰な反応を示すらしい。  
その体に手をかけると、大きく揺れて電気が光った。  
それは俺の腕にも走ったが、あいにく地面タイプに電気は効かないのだ。  
構わず俺は手を滑らせた。体を包むそのこうらは硬くつるりとして、ひんやりと冷たい。  
やつの太い首に手をかけて無理やりこちらを向かせる。  
「いっ!?…つぅ」  
強烈な痺れで首を曲げることもままならないのを無理に引っ張られたもんだからかなり痛かったのだろう。  
自由に体を動かせない姿は無様だった。  
「久しぶりだな、アーマルド」  
「……?」  
「といっても、おまえはわたしを知らなかっただろうが…」  
痺れてはいても、喋ることぐらいはできるはずだ。  
だが相手は怪訝そうに見てくるだけで何も言わない。  
まぁいい。俺のやるべきことはひとつしかない。  
 
「ふがっ!!」  
口をこじ開け、いきなり左手をその中に入れる。その拍子にまた電磁波が波をうった。  
「ぐぅっ!…ぁめっ、ろっ!!」  
アーマルドが悲痛な叫びをあげる。  
あまり大きい声を出されるとまずい。痙攣している舌を握り締めるとやつの足が俺を蹴った。  
俺はその足を掴み、力任せに右へひっぱった。  
「!!??」  
いわゆる大開脚のポーズにさせられたやつは、その吊り上がった目を見開き苦しそうにもがいた。  
その隙に、両足の間に体を滑り込ませる。体格はさほど変わらない二匹。  
やつはその電磁波によってずっと小刻みに振動している。  
それはまるで怯えているようにも見えて、俺は少し気分が良くなった。  
にやりと笑うと俺のキバは剥き出しになる。  
そして、顔を近づけ、手で掴んだままの舌に噛み付いた。  
ざらりとした感触とぬるりとした粘液が俺のキバを包み、そのまま舌を絡ませる。  
やつの両手ともいえる、大きな爪が俺を突き刺そうと振り上げられる。  
だが痺れで狙いを定められなかったようで、虚しくも俺の両腕を掠めただけだった。  
「暴れんなよ、…いいか、暴れんじゃねぇ」  
いったん口を離し、もう一度重ねる。  
「…うぐぅっ…」  
恋人同士のキスのように甘いものでは決してない。  
一方的に貪るだけのそれは乱暴で荒々しかった。  
強力な電気が走るのを振り切ってアーマルドが狂ったように爪と足を動かす。  
だが俺の体はすでに完全にやつにのしかかっていた。両手で肩を押さえつけて動きを封じる。  
「うぅっ…!!うぐ……んっ」  
良くなってきたのかやつの声色が少し上ずったのを聞いて俺は口を離した。  
「はっ…、はぁ…、な、なぜ…こんなことを…」  
息も切れ切れに、上気した顔で問うてくる。  
なんで?そんなの決まってるじゃないか。  
 
「あんたに復讐するためさ」  
 
やつの両目がまた大きく開かれる。今にも瞳が零れ落ちそうなほどに。  
「復讐だって?」  
「そうだ。復讐するために俺はずっとあんたを探してた」  
「だが…俺はおまえを知らないぞ?」  
「…」  
俺はそれに答えず、アーマルドの股間をまさぐり性器の膨らみを探した。  
硬いこうらの中に潜む、柔らかい皮膚。  
さきほどのキスでやつの体は興奮していたのか、すぐに場所は分かった。  
「うわっ!?な、なにをっ!」  
静止の声を無視して内蔵されていた性器を取り出す。  
赤く充血したそれが頭を出したとき、とろりとした液体も流れ出て俺はにやりと口を歪めた。  
あれだけで先走りが出るなんてな。  
「おい、この濡れてるのはなんだ…?おまえはマゾか?」  
「なっ…ちがう…!」  
アーマルドのペニスは肉つきがよくどっぷりとした質量があった。  
ぎゅっぎゅっと強く扱いてやると大きく反応を返してくる。  
刺激を与え続けると鈴口から透明の液がどろどろと溢れ出してきた。  
「ひっ…かっ、かんべんっ、してくれっ…」  
体を這う電流の刺激と扱かれているペニスへの刺激がまざりあって、やつは強烈な快感の渦にもまれていた。  
それでもアーマルドは己の性器が他人の手で弄ばれているこの異常な状況を信じたくないようだ。  
大きな爪を顔に翳しながら息も切れ切れに訴えてくる。  
羞恥か屈辱か、はたまた後悔か。思う存分自己嫌悪に陥るがいいさ。  
 
ぐちゃぐちゃに濡れた性器を扱き続ける。  
どくどくと血脈が波打つペニスを目の前にして、俺は舌なめずりをした。  
別に、そのケがあるわけじゃない。  
俺には家族だっている――いや、正確には“いた”、だが―――。  
もう長い間オスともメスともヤッていなかった。  
他人の性器を見ること自体、とても久しぶりだったのだ。  
だからか俺も、このシチュエーションにはっきりと欲情していた。  
冷えた洞窟に、ムンとした雄の匂いが充満する。  
いつのまにか炎は消え、暗闇が広がっていた。  
 
俺は自分のペニスも取り出した。  
グロテスクなそれははちきれんばかりに膨らんで、あらゆる欲望が放出されるのを待っている。  
やつの足は太く短いので俺の肩にかけることができず、そのまま腰を押し進めていく。  
少しの動きも、敏感になっている体には相当な快感に変換されるのか、やつがみじろいだ。  
ぷっくりとしたその肛門は当然強く閉じているが、構わずそこに爪を突き立てる。  
「うぎあああ!」  
とっさに自分の口でやつのそれを塞ぐ。騒がれるとジバコイルたちに気づかれる。  
しばらくその中を舌で遊んでやる。爪でぐりぐりと穴をほぐしながら。  
「うっ…ん、んっ…」  
快楽に弱いたちなのか、ただのマゾなのか、いやもしかするとこいつも交尾が久しぶりなのかもしれないな。  
気持ちでは抵抗しているはずなのにやつの尻尾が弱弱しく地面を叩いているのだから。  
呻く声も背中を爪で引っかかれるのも気にせず、爪をさらに深くへと潜りこませる。  
きつい。こんなところに挿れれば大事なあそこは引き千切れてしまうかもしれない。  
二匹の先走りを己のペニスに塗りたくって性急に扱いた。  
やがて限界を超えて大きくなったそれをぴたりと入り口に当てる。  
「ひっ!?」  
違和感に気づいて、やつが驚いて口を離す。つながった涎がぷつりと切れた。  
「…ウソだ…やめてくれ…ニド、キング……」  
うわ言のように呟いている。情けない声だ。  
「お、おれは…あんたなんて知らない!復讐なんて知らない!やめてくれ!」  
むし特有の、顔から飛び出た両方の双眸から涙が一筋零れた。  
 
ガキとつるんだ楽しい日々も束の間、捕まったと思いきや、知らない雄のポケモンに強引に体を開かれる―――。  
まさに天国から地獄へ一直線だな。いいざまだぜ。  
これは復讐だ、アーマルド。お前が犯した罪への罰なんだよ。  
だからお前は、これを受け止めなきゃならない。  
 
体を前に倒す。  
ぶぎゅうぅぅっ…蛙がつぶれたような音を出しながら、俺のペニスがやつの穴に入っていく。  
「っ、」  
叫ぶ前にその口を封じ、舌に噛み付く。血の味が広がった。どうやら強すぎて傷つけてしまったようだ。  
その血を舐めていると、なにか熱い予感が中心に集まっていく。  
さらに大きさを増した俺の性器を感じたのか、やつはひゅっと息を飲んだ。  
「…慣らしてないから当然だが、想像を超えるきつさだぜ?」  
確かに入っていることを知らしめるように、穴を押し広げるようにしてペニスを動かす。  
爪で挿入部分をひっかくと肛門が切れたのかぬめっとした感触を感じた。  
が、そのまま奥深くに突き入れていく。グブグブと沈むペニス。ピクピクと広がる穴。  
「はあっ…、ふぅ…なかなか…」  
敏感な部位がじわりと痺れる。強力な電磁波だ。まだ効力を残しているとは。  
痛さはなく、むしろ今のような状況では、気持ち良さしか感じられなかったが。  
やつの中はものすごく熱く、柔らかかった。  
俺はずっずっと奥に進んでいった。腸液が出ているのかだんだんとスムーズになってくる。  
久しぶりの他人の体内。強い快楽が俺を包みこむ。  
「…うっ……ん、んあっ!?」  
やつが高く鳴いた。前立腺だ。  
俺はそこだけを責めるように、腰を浮かし、グラインドさせた。  
「うあっ…はぁ、…んっ、うぅんっ」  
やつは強く口を噛み締めて声が漏れないようにするが、前立腺を突くたびにそれはあっけなくやぶれる。  
どうにも身動きできないやつの体を電流がまた不規則にのたうった。  
ペニスにもショックを与え続けているのか、俺が触らずともやつのものは震えて今にも発射しそうに張りつめている。  
その我慢汁はふぐりを伝い、地面に染みをつくっていた。  
 
俺も限界だった。ピストンのスピードを早め、腰を打ちつけていく。  
「あっうっ、ううっ!」  
尻と太ももがぶつかる音がする。アーマルドのしっぽが俺の背中を打ち、逃げようと上へずりあがる。  
俺は両手をやつのわき腹にそえて固定すると喉を鳴らした。  
復讐できる喜び…レイプしている昂ぶり…強烈な快感が理性の箍を外す。  
―――くる。  
ひときわ力を入れてやつの前立腺を刺激した途端、強力な電流が股間から脳髄を貫いた。  
と、次の瞬間には頭の中が真っ白に染まる。  
「ぐおおぉぉぉっっ!!!」  
低く唸り、やつの体内に欲望をぶちまける。  
ビュルルルルル…  
びくんびくんとペニスが波打ち、まるで排尿をするときみたいに精液を流し込んでいく。  
あっという間に中が熱くなり。  
中出しされたアーマルドもそれが新たな刺激となったのか大きく痙攣しながら、  
「うあっ、あ、ああ、ああああああっっ!!」  
ビュウウゥゥゥッッ…勢いよく噴射された精液が俺の白い腹をさらに白く汚していった。  
 
――夜明けは遠い。  
洞窟の暗さは増し、まだ真夜中だということがわかる。  
性器の汚れを拭い、収納する。辺りの白い液は土をかぶせておけばなんとかなるだろう。  
俺は立ち上がり出口の方を窺った。大丈夫だ。  
崩れ落ちたままのアーマルドを見やると、浅く呼吸をくりかえしながらこちらを睨みつけてきた。  
「これが…復讐か…気は、済んだのか…?」  
「なに?」  
「俺を犯すことが、なぜ復讐になる…」  
久しぶりの交尾で俺の体は激しく体力を消耗しているようだ。  
やつから少し離れたところに寝そべるとひんやりとした温度が火照った体を覚ましていく。  
先ほどまでの興奮がウソのように、俺の心が冷えていくのがわかる…。  
「……ずっと考えてきた…。  
どうすればおまえに…最大の屈辱を、苦しみを、味わわせることができるのか…。  
雄の矜持を砕くことができるのか…」  
長い沈黙が二匹を包んだ。  
「俺は…」  
宙を見つめたままアーマルドが呟いた。  
「俺はそれでも…」  
 
聞こえなかったふりをして、寝返りをうつ。  
目を瞑り頭の中で朝になってからのことを思い描いた。  
 
憎しみが、俺を動かした。  
悲しみが、俺を動かした。  
憎しみも、悲しみも…依然として、俺の心に燻っている。  
 
 
―――俺の復讐は、まだ終わっちゃいない…  
 

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