何もする事がないので、ただ何も考えずに空を見上げ続ける。  
本当に一日中そうしていようかと思うほど平凡な毎日の繰り返しだった。それがイヤだというわけではない。だって私にはそんな何もない日常の中に一つ気を引くものがあるのだから。  
「ルカリオさん。どうしたんですか?そんなところに突っ立って」  
不意に後ろから彼女の声が飛んできた。  
何をするでもなく森の開けた場所で空を見上げている私を見て疑問に思ったのだろう。少なくとも私なら「何をやってるんだこいつ?」と思う。  
私は彼女の疑問に答える。  
「何もすることがなくて、ただ……何もしていない」  
自分が何をしているのか考えてみると、何もしていないことに気がついた。  
「何ですか、それ?何もしていないなんて」  
彼女が笑い声と共に言った。私は振り返って言葉を返す。  
「本当に何もすることがなかったんだよ。ミミロップは何をしていたんだ?」  
そして、そう彼女に問うた。すると、彼女、ミミロップは少し考えてから答えた。  
「私も、特に何も……」  
「ミミロップもか。でも、こうして二匹集まれば話が出来るよ」  
私はそう言って木陰に腰を下ろした。ミミロップも同じように、私の隣に腰を下ろす。  
程よい風が私たち二匹の間を抜けていく。木陰の涼しさもあってちょうど気持ちいい涼しさになる。  
「なぁ、ミミロップ」  
「? 何ですか?ルカリオさん」  
けれども私の心の中はとても熱くなっていた。前からミミロップに言いたかったことを今言おうとして、自分でも情けないくらいに緊張している。  
「ルカリオさんってメスには弱いですよね」ってこの前ミミロップに言われた。自分でもその通りだとは思う。異性だと思うと妙に気恥ずかしくなってしまうのだ。けれども私だって言われっぱなしはイヤだ。  
 
特にミミロップに情けないところは見せたくない。だから、思い切って言うのだ。  
「私たちももう大人になっただろ?」  
「はい、なりましたよ?」  
大人になる。とは進化した。という意味だ。ミミロルからミミロップへ、リオルからルカリオへ、二匹とも進化してしばらくがたつ。  
「大人になったらすること……知ってるか?」  
「? 何ですか?」  
それ以上言うことを一瞬だけ、いや、かなりためらった。けれどもここまで言ってしまったのだからもう後戻りは出来ない。  
それに、ここで諦めてしまったら今以上にミミロップと深い関係にはなれない。そんな気がするのだ。  
だから私は覚悟を決めて口を開いた。  
「こ、交尾……だ」  
……言ってしまった。  
顔が熱くなるのがわかる。ってか熱い。かなり熱い。普段私はこういうことを言うキャラじゃないからな……。やっぱりダメか……。  
しかしミミロップは私のそんな思考をよそにこう訪ねてきた。  
「たまごを作るってこと……ですか?」  
知っていた。あぁ、知っていたさ。ミミロップが天然だってことくらい。  
確かに意味は合っている。でもな、ミミロップ。私とミミロップは長い付き合いだ。その長い付き合いの中で少なくとも私はミミロップを一匹のメスとして意識してきた。そりゃあそんなことミミロップには一度も言ったことはない。恥ずかしいからな。  
でもなんとなくわかるだろう?私は、私の自意識過剰な思い込みかもしれないが、ミミロップは私のことを好きでいてくれていると思っている。……うん。  
そして、そんなオスとメスが……交尾、をすると言ったらお、お互いの愛を…確かめるため……わ、私はなんて恥ずかしいことを考えているんだ!?  
「……?」  
 
私がミミロップの天然発言に対して考えている間の時間は決して短くはなかったようだ。ミミロップは頭にハテナを浮かべてこっちを見ている。  
……言葉では多分もう伝わらないだろう。これ以上言わされたら私の精神が持たない。だから、これはもう行動にうつすしかないな。と、私は勝手に思考を突き進めた。  
大丈夫だ、私。最終的にはそうしようとしていたのだから。大丈夫大丈夫。  
そう頭の中で繰り返しながら私はミミロップの腕を掴んでそっと押し倒した。……つもりだった。  
「あ、あの……ルカリオ、さん?」  
ミミロップはキョトンとした顔で私を見てくる。  
私がいきなり腕を掴んだから反射的に力がはいったのだろう。私も強い力はいれていない。だから結果的に失敗したのだ。しかもミミロップの「いきなり何ですか?」みたいな目……。  
私はもうダメかもしれない。  
そんな絶望に高速落下しながら手を離そうとした時、ミミロップが何かに気がついたように「あっ!」と、声を発した。顔を赤く染めて腕の力を抜いた。  
……つくづく間が悪い。私が止めようとした瞬間に私のしたいことに気がつくなんて。  
もう私の勢いは完全に消失してしまっていた。今は勢いどころか逆方向にエンジン全開で突っ走ろうとしている。  
ミミロップには悪いが今日はもう止めよう。そう思い手を離そうとした瞬間に、私は地面に背中をぶつけた。  
「っ〜!!せ、背中が……」  
私は思いっきりぶつかった背中の痛みでしばらくミミロップに押し倒されたことがわからないでいた。  
「ぁ、す、すみません!!大丈夫……ですか?」  
ミミロップは加減せずに私を押し倒したのだ。……やっぱりミミロップはどこかズレている気がする。  
そこで、私は仕返しとばかりに、  
「んっ……!!」  
 
唐突にミミロップの唇を奪った。これが私たちのファーストキスだ。そのまま流れに任せてミミロップの口に舌を滑り込ませる。初めはなかなか口を開こうとしないミミロップだったが次第に積極的に舌を絡めてくるようになった。  
「んっ……はぅ、ん」  
舌が溶けてしまいそうなくらい熱い。上手く呼吸が出来ない。お互いの唾液が絡まる音が頭に直接響いてくる。  
私とミミロップはいつしか抱き合いながら熱心に舌を絡め合っていた。他の仲間に見つかるかもしれないなんて……そんなことはもう頭にはなかった。まるで私とミミロップの二匹だけの空間になったような錯覚。  
「ん……はぁ、はぁ」  
ミミロップがゆっくりと口を離す。二匹の口の間に出来た橋はやがてぷつりと切れる。けれど私たちはこれで終わりじゃない。そう、これからだ。  
「ルカリオさん……もう興奮しちゃってるんですね」  
ミミロップは笑いながら私の下半身の方を見て言う。私も同じ方を見てみると、そこにはすでに大きくなって上を向いている私のモノがあった。  
わ、私は……もうこんなに……!?  
「私がしてあげますね」  
「え……?」  
ミミロップは言うと同時に体の向きを変える。頭を私のモノの方へと向けた。すると……必然的にミミロップの秘所が私の目の前に来る。甘いメスの香りをただよわせるそれは一瞬で私を酔わせた。  
ミミロップめ……私のことを笑っておきながら自分も……。  
ミミロップの秘所はもうすでに濡れていた。秘所の周りの毛はしっとりと湿っている。その光景はやたらと扇情的に見えて、私は無意識にそこへ舌を伸ばしていた。  
「ひゃっ!?」  
いきなりの刺激にびっくりしたのか、ミミロップの体がビクンと跳ねる。だが、私はそんなことには構わず愛液の溢れるそこを舐め続ける。  
 
「ぁ、んんっ!ル、ルカリオさん……!今は私がしてあげるって……ふぁぁっ!!」  
「んっ……はぁ。目の前にこんなにも湿っている秘所を出されたら……誘っているとしか思えないぞ」  
……何故だろうか。舐めているのは私なのに頭がおかしくなってしまいそうだ。思考がうまく出来ない。まるで愛液が薬になっているような……。  
「わ、私が……してあげるんですから……んぁっ!!」  
ミミロップはたまによくわからないところで意地を張る。ミミロップが先に私に奉仕したかったのだろう。正直言って順番はどうでもいいのに……。  
そう思っていた時、唐突に私の体が震えた。  
「くぁっ!……っ!」  
あまりの快感に、自分のモノを舐められたのだと気づくのがかなり遅れた。想像よりもケタ違いに気持ちいい。しかも、体を重ねているために自分のモノが見えないのが想像、もとい妄想を掻き立てて快感を増している。  
今、ミミロップが私のモノを……。くぅ……想像しただけでも気持ちいいのにそれが現実に行われて……うぁっ!先っぽをそんなに舐めるなっ!!……あぁ、ミミロップの舌が私のモノに絡みついて!くっ、腰が浮いてくるっ!あっ、あぁぁっ!!ミミロップ、それはっ!  
快楽と変態的思考に浸りすぎて、私はミミロップを責めることなどすっかり忘れてしまっていた。  
「ルカリオ、さん。気持ちいい……ですか?」  
「あ、あぁっ!おかしくなりそうな……くらいにな」  
「よかった……。いつ出してもいいんですよ。」  
ホントにすぐにでもイッてしまうかもしれない……。けれどそれはオスとして恥ずかしいし、もっとこの快感に浸っていたかった。だから私はなんとか快楽に流されそうなのを我慢する。  
しかし何かしていないと我慢できそうにもない。そこでふと、目の前のそれに気がついた。  
 
そこにはさっきよりもずっと湿っているミミロップの秘所。っていうか愛液が私の体にまで垂れてきている。  
私はその愛液を拭うように秘所を舐めあげた。  
「ひゃんっ!ルカリオ……さん、ダメ……んんっ!」  
私はミミロップの言葉に構わず舐め続ける。やがてミミロップも再び私のモノを舐め始め、お互いの大事なところを舐め合う形になった。確か69って言うんだったか……?  
そんなことを考えている間にミミロップの責めが激しくなってくる。気を抜いたらすぐにでも達してしまいそうだ。だから私は負けじとミミロップのマメを舌で転がしてやる。すると、それに反応するようにミミロップの体がビクビクと跳ね、愛液が大量に溢れ出した。  
ほぅ、ここが弱点か。  
それがわかると私はひたすらにそこを責めまくった。跳ね続ける腰に手を回し、わざと音をたてて吸い付く。  
それがあまりの快感だったのか、ミミロップは口を離し、背中を仰け反らせながら喘いだ。  
「あぁぁんっ!!ルカ、リオ……さん!そこは、ひぁぁっ!ダメェッ!!」  
ダメと言われても今更止めるわけがない。私はさらに激しくそこを責める。愛液は常に秘所から溢れ出していた。  
「あっ、も、もう……イッちゃ、あぁぁぁっ!!」  
言い終わるのが先か、ミミロップの体はひときわ大きくビクンと跳ねた。絶頂に達したのだろう。ぐったりと崩れ落ち、荒い息使いが聞こえてくる。  
ミミロップがぐったりしている隙に私はなんとかミミロップの下から脱出する。そして、そのまま後ろに回ってミミロップの秘所をそっと撫でた。  
「あぅ!ルカリオさん……」  
「ミミロップ……私はもう我慢出来そうにない。挿れてもいいか?」  
ミミロップのフェラの途中だった私のモノはもう爆発してしまうんじゃないかってくらいに膨張していた。自分でも恥ずかしいくらいに先走りを溢れさせている。  
 
目の前にこんなにもメスの匂いを漂わす秘所があるのだ。挿れたいと思わないオスはいないだろう(オスが好きな奴らは除く)。  
「ぇ、あ……はい。いいですよ。来てください」  
ミミロップはそう言って四つん這いになり、秘所を私に向ける。本来ならこの体位は四つ足のポケモンが交尾するときのものだが……私は好きだ!!  
四つん這いになっているミミロップはとてもエロい。普通の四つ足のポケモンを見てもそんなことは思わないが、二足歩行のポケモンがあえて四つ足のような格好になるとまた別の、特別な感じがする。まぁ、つまり……四つん這いバンザイ!!というわけだ。  
そんな自分を完全に見失って暴走している思考とは裏腹に私の体は緊張でガチガチに固まっていた。何しろ今からミミロップと繋がるのだ。緊張するなという方が無理な話だろう。  
だかここで引くわけにはいかない。オスとしてここは私が頑張らないとな。 覚悟を決めて、ゆっくりと挿入していく。ミミロップの愛液と私の先走りで全く詰まることなく、むしろ吸い込まれるかのように入っていく。  
「く……ぅ」  
私もミミロップも初めての体験だ。今まで感じたことのない快感がじんわりと押し寄せてくる。それでもなんとか止まることなく根本まで挿入した。  
「はぁ…はぁ……大丈夫か、ミミロップ?」  
「はぃ……思ってたより、痛くないです」  
その言葉を聞いて私は安堵のため息をついた。メスの初めては痛いらしいと聞いていたがそうでもないみたいだ。  
「じゃあ……動くぞ」  
 
ゆっくりと腰を動かし始める。熱くなっているミミロップの膣内は私のモノを溶かしてしまうのではないかと思うほどだ。肉壁がみっちりと絡みついて締め付けてくる……。一度突くたびに確実に絶頂に近づいているのがわかる。  
「あっ、んっ……ど、どうですか?ルカリオ、さんっ!」  
「凄くっ……気持ちいいぞ!くっ、腰が止まらない!」  
初めはゆっくりと動かしていたはずの腰はいつのまにか速度を増している。自分の思考などは全く無視して、体が快感を求めている。  
ミミロップの腰をしっかりと掴んで何度も何度も出し入れをする。結合部から聞こえてくる水音が聴覚からも快感を送り込んでいるかのようだ。  
早く達してしまいたいという気持ちと、まだこの快感を味わっていたいという気持ちが相反している。けれどもすでに体は確実に限界に近付いているようだ。  
「ミミロップ……私は、もう!」  
「私も、またイッちゃいそうです!」  
速度はさらにあがっていく。まるで欲望のままに生きるケモノのように激しく。  
だがそれももう続けることは出来ない。絶頂がすぐそこに見えた。  
「くっ、ダメだ……ッッ!!」  
「んっ、やぁぁぁっ!!……あぁ、ルカリオさんの……熱いです」  
私たちはほぼ同時に達した。自分の液がミミロップの中に吐き出されていると思うと、また軽く興奮してしまった。  
……これでは完全に変態じゃないか。  
しばらくして全てを出し終え、膣内から自分のモノを抜く。ミミロップの秘所からは入りきらなかった精液が溢れ出ていた。  
「はぁ…はぁ……よかったよミミロップ。とても」  
「私もです。……ルカリオさんと一つになれて嬉しい」  
興奮は少しは冷めてきて、いつもの状態に戻った。だから言うのは恥ずかしいがこれだけは言っておかなければいけない。  
「大好きだよ、ミミロップ」  
「! 私も、大好きですよ、ルカリオさん」  
お互いにそう言うと、どちらからともなく唇を重ねた。それは深いキスではなく優しいキス。それを何度も飽きることなく続けていた。それはとても優しくて温かい時……。  
そして私はこう思った。  
「こんな時間が、こんな日々が、ずっと続いてほしい」と。  
 
〜おわり〜  
 

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