「どうしよう……全然採れないよぉ……」  
木の実収集に出かけたライチュウは、さっきから一つも木の実を収穫出来ていない。  
採ろうと思ったその矢先に、他のポケモンに横取りされてしまう。  
 
――コウキとザングースに採ってきてもらってばかりじゃ悪いし、たまにはオイラが働くよ!任せといて!――  
 
行く前にでかい事を言っておいて、手ぶらで帰っては二人に合わす顔がない。  
(仕方ない……。探す場所を変えよう)  
気を取り直して、少し家から離れた場所で探す事にした。  
「喉渇いた……水飲もうかな」  
独り言を言いながら、近くにある川で水を飲む為、身を乗り出すライチュウ。  
ところが……。  
「うわぁっ!」  
誤って足を滑らせてしまい、ライチュウは川に投げ出されてしまった。  
「た、助けて!オイラおよ……およげ……」  
ライチュウは必死でもがいたが水流に逆らえない。  
次第に体力が尽きてしまったライチュウは、流される中で意識が遠退いていった。  
 
 
 
「んっ……ここ……は?」  
ぼんやりとした意識の中、ライチュウは目を覚ました。  
空が太陽で眩しい。  
「……気がついたか?」  
見知らぬポケモンの顔が、いきなりライチュウを覗き込む。  
「!?」  
驚いたライチュウは慌てて起き上がった。  
「キ、キミは誰!?」  
オレンジ色の体、二岐に分かれた尻尾。  
そのポケモンは、心配そうにライチュウを見つめている。  
見慣れない場所、見知らぬポケモン、ひんやりと冷たい風。  
途端にライチュウは心細さに襲われ、体が震えてしまう。  
「お前が溺れてたから助けてやったんだぞ。覚えてないのか?」  
「オ、オイラが溺れて?……あっ!」  
(思い出した!木の実収集に行って……喉が渇いたから川で水飲もうとして……そしたら足滑らせて……川に落ちたんだ)  
辺りをキョロキョロと見渡す。  
(ここはどこだろう。川岸だけど、随分流されちゃったみたい……)  
ライチュウの心を察したようにそのポケモンが言った。  
「お前が流されてきたのはかなり上流の方だ。たまたまおれが見つけたからよかったけど、もう少し遅かったらお前……死んでたぞ」  
(た、確かにオイラ泳げないから、ホントに危なかったかも……)  
このポケモンが助けてくれなかったら、ライチュウは危うく死ぬところだった。  
わざわざ助けてくれたそのポケモンに、ライチュウは頭を下げる。  
「どうもありがとう。本当に助かったよ。えっと……」  
「ん?ああ、おれはブイゼル。水ポケモンなんだ。よろしくな」  
「オイラはライチュウ。よろしくねブイゼル」  
互いに握手を交わし、軽い自己紹介が終わる。  
(コウキとザングース、今頃心配してるだろうな……。早く帰らないと。あっ!木の実どうしよう……)  
ライチュウの不安がブイゼルに伝わってしまったのか、ブイゼルが聞いてきた。  
「ところでライチュウ。何で溺れてたんだ?」  
聞かれて当然と言ってもいい、ブイゼルからの質問。  
「実は、木の実集めてたんだけど全然採れなくて……。それで探す場所を変える前に川で水飲もうとしたら……」  
「落ちたんだな?」  
「うん……」  
 
ブイゼルは「ふぅ……」と息を吐く。  
「そういう事なら早く言えよ。おれの食料分けてやるから持って帰れ」  
そう言ってブイゼルは、いくつかの木の実をライチュウに差し出してくれた。  
「えっ……いいの?」  
思ってもいない事だった。  
「いいよ全然。採り過ぎた余りだけどそれで良ければ」  
たとえ余りでも、分けてくれる野生ポケモンは普通いない。  
ライチュウはブイゼルから木の実を受け取った。  
「ありがとうブイゼル!でも……何で見ず知らずのオイラなんかに、優しくしてくれるの?」  
「何でだろうな?おれもよく分からないけど……何だかお前をほっとけないんだ。それより……」  
照れ臭くなったのか、ブイゼルが話を逸らしてきた。  
「ライチュウ。お前、野生か?」  
「ううん。人間とポケモンと3人で暮らしてるんだ」  
「仲間がいるのか。じゃあ早く帰った方がいいぞ」  
「うん。だけどその前に……」  
ライチュウはブイゼルに言った  
「ブイゼルはオイラの命の恩人だからさ。何かお礼がしたいんだけど」  
「お礼なんかいいから、早く帰って安心させてやりな」  
そうは言っても、命を助けてもらった上に木の実まで分けてくれたブイゼルに、何もしないまま帰るわけにはいかない。  
「何でもするよ。何かない?」  
「うーん。急に言われてもなぁ……」  
ブイゼルは腕を組んで考え込んでいる。  
(そういえばブイゼルって……)  
ライチュウは何を思ったのか、ふとブイゼルの股間に目を落とす。  
そこには、ブイゼルがオスである事を示すピンク色のペニスが、ちょこんと顔を出していた。  
(ブイゼル……オチンチン丸見えだぁ)  
「おいライチュウ。どこじろじろ見てるんだよ」  
「あっ!ご、ごめん」  
股間を凝視しているのをブイゼルに気付かれたライチュウは、慌てて目を逸らした。  
しかし、ブイゼルがライチュウに近寄ってくる。  
「お前にだってチンチン付いてるんだろ?」  
「う、うん」  
近づいてくるブイゼルに圧倒され、ライチュウは後ずさる。  
「そうだ!ライチュウ。ホントに何でもいいのか?」  
「う、うん。オイラに出来る事なら何でもする」  
(何か……このタイミングで言うって事は……)  
何を言うのかが大体予想出来てしまった。  
「じゃあさ、おれと……エッチしよう」  
「えっ!?」  
ほぼ予想通りだった。  
分かってはいても、大声を上げてしまう。  
さっきライチュウに陰茎を見られて、興奮したのだろうか?  
「おれ、前から“エッチしたい”って思ってたんだ。ライチュウ嫌か?」  
(嫌って訳じゃないんだけど……)  
「……ブイゼル。何でエッチなんて知ってるの?」  
「忘れたよ。いつの間にか知ってた。知識はあるけど、経験は一度もないんだ」  
(知識はあるのにやった事ないんだ。珍しい……)  
ライチュウは困り果てたが、やるかやらないかのどちらか一つを選択しなければならない。  
(どうしよう。でも何でもするって言っちゃったし……今更、引くに引けないよね)  
「分かったよブイゼル。エッチしよ」  
 
ライチュウの返事に、ブイゼルの目が輝いた。  
「本当!?ありがとライチュウ!でも……ホントに嫌じゃないよな?」  
どうやら、無理してエッチをさせるのは好まないようだ。  
「嫌じゃないよ。オイラ一応……経験あるし」  
「えっ!?あるのか?誰と?」  
興味津々のブイゼルは、キラキラした瞳でライチュウを見つめてくる。  
「な、仲間のザングースとなら……」  
「ザングース?あのネコみたいな、顔が厳ついポケモンの事か?」  
「そうそう。オイラの友達のザングースは見た目は恐いけど、心はとっても優しいよ」  
何でライチュウの事は知らなかったのに、ザングースの事は知っているのかが謎だが、聞くのはやめた。  
「ふーんいいなぁ。ま、経験あるなら話は早いな。じゃあさ、舐め合いっこしようぜ」  
「舐め合いっこ?」  
(何それ……?)  
「おれがライチュウのチンチンを舐める。ライチュウがおれのチンチンを舐める。それだけ」  
「それって……お互いが一緒にフェラし合うって事?」  
いまいちブイゼルの言っている意味が分からない。  
「簡単に言うとそういう事。ライチュウ、上と下どっちがいい?」  
「えっ、何が?」  
「いいからいいから。上と下どっちか選んでくれ」  
ブイゼルにペースを持っていかれたライチュウは、曖昧なまま答えた。  
「じゃあ……下で」  
「下だな?じゃあライチュウ。寝転がって」  
ライチュウはまだよく分かっていないが、言われた通りに寝転がった。  
(あっ……下ってそういう意味か。って事は、ブイゼルが上?)  
「じゃあ乗るぞ」  
何故かブイゼルは、ライチュウにお尻を向けて乗っかってくる。  
(なるほど。お互いフェラし合うんだから反対向かないと出来ないんだ)  
ライチュウの目の前には、既に元気になったブイゼルのオスのしるしが、ライチュウに挨拶するように顔を出している。  
ザングース以外の陰茎を見たのは、ブイゼルが初めてだ。  
「あっ……!」  
ブイゼルに陰茎を握られた。  
「へえー。おれ自分以外の初めて見た。これがライチュウのチンチンか。可愛いなぁ」  
「ちょっ、ちょっと!」  
先端を擦られたり摩られたり指で弾かれたり……。  
ライチュウはまるで遊ばれてるみたいに、陰茎をいじられまくる。  
「ほらライチュウ。エロい汁なんか垂らしてないで咥えてくれよ」  
それだけいじくられたら、先走り液が出るのは当たり前だ。  
「んっ……ひゃあ……!」  
ブイゼルに陰茎を舐められて上手くフェラが出来ない。  
(うわぁ……目茶苦茶やりにくい……)  
それでも懸命にブイゼルの陰茎に口をつける。  
ライチュウ同様、先走り液を垂らし始め、ドロドロした粘液が口の中に広がる。  
(うわっ、冷たい!)  
水タイプのポケモンは、エッチな液まで冷たいらしい。  
「やっぱり……経験あるから上手いんだなライチュウ……」  
「ブ、ブイゼルこそ……うぁん!」  
ブイゼルは敏感な所ばかり攻めてくる。  
陰茎の先端を冷たい舌で舐められるので、より一層感度が増す。  
本当にこれが初めてなのかと思いたくなる程フェラが上手い。  
しかしライチュウも負けていない。  
ザングースにフェラをした時の要領で、ブイゼルの陰茎を巧みに攻め立てる。  
「す、凄い……舐められるのって堪らなく気持ちいい!オナニーなんか比じゃないぜ……」  
(オナニー?)  
聞いた事がない言葉だが、刺激が襲ってそれどころではない。  
 
「くぉぉ!おれ……もう我慢出来ない……!」  
(オ、オイラもイッちゃいそう……最近ザングースったらエッチしてくれないからなぁ……)  
ビュルルル!  
「うわわ!?」  
考えながら亀頭を攻めていたら、いきなり白濁液が飛び出してきた。  
「あっ、ライチュウお先にごめん」  
水のように冷たい精液を受け止めたライチュウは、何故か体が熱くなってきた。  
(オイラも限界!もう無理!出しちゃえ!)  
ビュッビュッビュッビュッ!  
ブイゼルが思いきり咥えてきたので、我慢する事もせず数日ぶりの精液を放出した。  
(はぁーイッちゃった……)  
ここ数日溜まっていた精液を一気に吐き出したライチュウの陰茎は、休戦に入ったのか精力を失っていく。  
「甘い味だなぁ。ライチュウ溜まってただろ。口に入りきらないぜ……。まあいい。よっと」  
「えっ!?ちょっブイゼル!ひぁん!」  
ブイゼルにお尻を持ち上げられ、すぐ下の穴を舐められてしまう。  
冷たくベトベトのブイゼルの舌が穴を刺激し、ライチュウは体を反り返らせる。  
「ブ、ブイゼルやめて!……あぁ!?」  
ザングースにさえ、まだ数える程しか使われていないその未熟な穴は、ブイゼルの巧みな舌使いでたちまち快感に追いやられる。  
「ああぁ……ダメだって!」  
ブイゼルにのしかかられているので、ライチュウは身動きが出来ない。  
いや寧ろ、射精直後のせいで体に力が入らないのだ。  
「ライチュウ。嫌がってるくせしてちゃっかり反応してるじゃん?変態だなぁ」  
「そんな事……言わないでよぉ……」  
ライチュウが嫌がる素振りを見せた結果、ブイゼルを更に調子に乗らせる事になってしまった。  
「もっと言ってやるよ。可愛い顔して変態のライチュウよぉ」  
(うぐぐ……オイラが一番気にしている事を!)  
「ほれほれ、悔しかったら何か言ってみろよ」  
「むぐぐ……!」  
ライチュウは何も言い返せない。  
ブイゼルはライチュウの穴を愛撫しながら、更にべらべらと言いたい事を言ってくる。  
「ライチュウ。ホントはおれが言わなくてもエッチしたかったんじゃないのか?」  
「なっ!?そんな事ないよ!ブイゼルがやりたいって言い出したんじゃないか!」  
ライチュウはムキになって、ついつい反論してしまった。  
「いいや。“嫌ならいい”とおれはちゃんと忠告した筈だ。それを“嫌じゃないよ”って言ったのは、一体誰だっけ?」  
「くっ……!」  
確かにブイゼルが忠告したにも関わらず、それを受け入れたのは……紛れも無いライチュウだ。  
「気持ちいい事したかったんだろ?おれに言わせる為にチンチンじろじろ見てたんだろ?変態な事考えてさぁ」  
ブイゼルは助けてくれた時と、口調がすっかり変わっている。  
馬鹿にされ、侮辱されてもなお、ライチュウは何も言い返す事が出来ない。  
「へへ、おれの初体験はライチュウの中かぁ。よろしくな」  
「えっ!?ま、待ってブイゼル!」  
「ごめん。待てない」  
ブイゼルはもぞもぞと体を動かし、ライチュウに向き直る。  
「うぅ……」  
やはりライチュウは動く事が出来ない。  
力がまだ入らないのか、それともライチュウ自身が求めているのか、それは分からない。  
「ほらやっぱり。ホントは挿れてほしいんだろ?」  
ブイゼルは憎たらしい口調と顔つきで、ライチュウを見ながら鼻でフンッと笑う。  
「ライチュウ挿れるぞ。我慢しろよ」  
「はぁ……はぁ……」  
ライチュウは目が霞んできた。  
 
お尻に生暖かいモノが入り込んでくる。  
(い……たい……)  
ぼんやりとした意識の中で、荒々しい息が聞こえてくる。  
「ライチュウの中……熱いな」  
膨張したブイゼルの陰茎がとても痛い。  
「ブイゼル……だめぇ!」  
「今更何言ってんだよ。まだまだこれからだろ?」  
「オイラ……おかしく……なっちゃうよぉ!」  
顔を歪めながらライチュウは足をバタバタ動かすが、全く無駄な抵抗だった。  
「変態ライチュウ。もうちょっと我慢しろよ」  
グチュグチュ音を立て、お尻の中がヌメヌメして気持ち悪い。  
「ダメだってブイゼル!やめてよぉ!この鬼畜!」  
「変態に言われても説得力がないなぁ?」  
もうブイゼルには何を言っても無駄だ。  
やめる様子が全くない。  
「イクぞライチュウ。出すから受け取ってくれよ」  
「待ってぇ!オイラまだ心の準備が!」  
「だから待てないって」  
意地悪な言い方をするブイゼルが、2回目の絶頂を迎える。  
ビュルルル!  
また冷たい精液が、中に入ってくる。  
「ブイ……ゼル……」  
「うー出た出た。……っておい。ライチュウ大丈夫か?おいライチュウ。しっかりしろ」  
(もうダメだ。意識が……)  
ブイゼルの声を聞きながら、ライチュウは気が遠ざかっていった。  
 
 
 
「……チュウ。ライチュウ!しっかりしろ!」  
「……はっ!」  
大声が耳に響き、ライチュウは目を覚ました。  
「ライチュウ!良かったぁ……」  
「あれ?コウ……キ?」  
ライチュウを心配そうに見つめるコウキとザングースが目の前にいる。  
「……ここは?二人ともどうしたの?」  
空が夕焼けで黄金色に染まっている。  
「何寝ぼけてるんだよ。おまえがいつまで経っても戻ってこないから、俺たち心配になっておまえを探しに行ったんだぞ!」  
「あっ……ごめん」  
(オイラどうしたんだっけ。……そうだ。ブイゼルは?)  
辺りを見渡すと、水を飲もうとした場所の川岸。  
ブイゼルの姿はない。  
「ライチュウ怪我はないか?心配かけやがって……」  
ザングースが目に涙を浮かべライチュウを抱きしめる。  
「ザングース……ごめんね。ありがとう」  
ライチュウもザングースをギュッと抱きしめた。  
(あれは……夢だったのかな?)  
夢にしては、やけにリアルな夢だった気がする。  
それに、お尻がヒリヒリして痛い。  
「ごめんコウキ、ザングース。オイラ、木の実採れなかった……」  
ライチュウがコウキとザングースに謝ると、二人は首を傾げた。  
「ライチュウまだ寝ぼけてるのか?たくさん採ってくれたじゃないか」  
 
「えっ?……あっ!」  
ライチュウの横に、大量の木の実が置いてある。  
これにはライチュウ自身が驚いた。  
「え、うそっ!何で!?」  
ザングースが呆れたように笑いながらライチュウに言う。  
「何でって……ライチュウが採ったんだろ?」  
「そんな筈は……あっ!」  
(まさか……ブイゼルが?)  
きっと、ブイゼルが置いていってくれたのだ。  
(夢じゃ……なかった)  
ブイゼルはあの後どうしたんだろう。  
ライチュウの体も綺麗になってるし、川で洗ってくれたようだ。  
 
「ライチュウ……何か隠してないか?」  
コウキに顔を覗き込まれた。  
「え!?いや……そ、そんな事ないよ」  
ライチュウは嘘をつくのが下手だ。  
「ふーん。俺たちにも言えない事か?」  
「あっ……ごめんコウキ。明日、話すよ」  
「ちゃんと言ってくれよ?」  
「うん」  
コウキに頭を撫でられ、ライチュウは安心したのか嬉しいのか「えへへ」と笑う。  
(そうだ。コウキとザングースにはちゃんと話そう。心配かけちゃったし。それに、ブイゼルにはまだエッチの“お礼”をしてないしね)  
「さ、帰ろ!」  
コウキが大きな声で言った。  
「うん。あれ?」  
ライチュウはよろよろと立ち上がったが、足に力が入らず尻餅をつく。  
「しっかりしろよライチュウ。ほら」  
ザングースが背中を向けて後ろに手を差し出した。  
「ありがとザングース。今日は疲れちゃった」  
ライチュウは夕日を見ながら、おんぶしてくれるザングースにしがみつく。  
「ライチュウ。帰って飯にしよう」  
「うん!」  
ライチュウは満面の笑みを浮かべながら、家に着くまでずっと、ブイゼルにどんな恩返しをしようか考えていた。  
 
 
 

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