波の音がする。空はよく晴れていた。早朝。  
一匹のエーフィが浜辺に居た。朝の日が眩しい。  
エーフィは心地よいさざ波の涼しさとその音色に、うっとりと目を瞑っていた。  
「…」  
しかしその心地よい時間もすぐに終わってしまう。起き上がって物音がする方を向く。  
そこには可愛らしいゼニガメとアチャモがいた。  
 
油断したわけではない。  
自分のレベルはそんなに低いとは思わない。しかし、それ以上にこの二匹は強かった。  
否、力を見たのはゼニガメだけだ。このゼニガメ一匹の体当たりで瀕死まで追い込まれたのだ。  
ここは海のリゾート、そこはグミが豊富に落ちているため、多くの探検家たちが訪れた。  
自分も多くの探検家を見てきた。  
圧倒的だった。  
そして次に思うのは興味。  
「私を仲間にしてくれないか?」  
「いいよ」  
なんだかすがすがしいくらいあっさりしていた。  
 
 
さて、そんなこんなで自分は探検家デビューをした。  
話を聞いたらこのゼニガメとアチャモは時の歯車を正常にした探険家「ショコラズ」の二人だった。  
「まあ、よく驚かれるよね」  
「ふふ、ワタシたちチャームズさん達みたいに決めポーズとかないから特徴ないしね」  
ギルドに戻ってショコラズとわかった時の会話だ。  
「基本私がリーダーだけど、今は時と場合によって変わるし」  
「たまに置いてかれるのよワタシ」  
アチャモが顔を膨らます。  
「水タイプが多い所には連れてけないよ」  
「離れたくない」  
「可愛い」  
「ゼニガメ!ワタシホントに!」  
「アチャモ…」  
「うん、ごめん。まぁ、そんな感じだから」  
「とりあえず、レベル上げるために当分一緒に行動するね」  
エーフィは黙って頷いた。とりあえず二人がそういう関係なのは理解した。  
探検家ってみんなこんな感じなのだろうか。  
 
「明日はエーフィがリーダーね」  
その日はゼニガメと二人で歩いていた。オレンの森の敵はレベルが低く、余裕のある探検だ。  
「え?」  
ショコラズに入ってから覚えていた技を変えられ見たこともないところを歩いてきた。  
しかし、こんな日がこんなに早くこようとは。  
「私たち、当分ゼロの島を攻略することにしたの」  
ゼニガメの目は今までに見たことのないくらい真剣で高揚していた。  
「わかった。私はどこに行けばいい?」  
「海のリゾート」  
「グミ集めか」  
「嫌?」  
グミ集め、二人と一緒に何度かしている。  
「文句など言うまい。グミでできたパッチールのジュースは絶品だ」  
言うと、ふふとゼニガメは笑った。  
「そう、エーフィ、あなたが飲むグミを拾うの」  
「?」  
「あなたはショコラズのちゃんとしたリーダーになれるくらい強くなってもらいたいの」  
「ふん?今のままでは足りないか?」  
「うーん、リーフィアくらいまで行けたら危ないとこにも行けるけど」  
リーフィア、何度か共に行動したことがある。優しい、とても柔和な笑みをする奴だ。  
そして、ゼニガメとアチャモ程ではないが強い。自分とレベルは同じなのに力が違う。  
凛々しく、素早い電光石火、葉っぱカッターは芸術のようで…。  
「…で、エーフィ」  
その声にエーフィはふと我に返る。  
「あ、な、なんだ?」  
「明日からリーフィアと組んで貰うから」  
ゼニガメはにやりと笑う。その笑みにエーフィは眉間の皺を寄せた。  
「何?」  
「サポートには調度の技が多いし、レベルも近いからね。それに…嬉しいでしょ?」  
「なんで知ってる」  
まあ、あれだ。一目惚れ。  
「あなた、ポーカーフェイスの割にはわかりやすいよ?」  
「そ、そうか」  
「ま、アチャモは気づいてないけど」  
「確かにそういうところは鈍そうだな。…リーフィアは」  
「同じく鈍いと思う。頑張れ」  
エーフィはため息をついた。  
 
 
「忘れ物はない?」  
言ったのはリーフィア。耳と尾が美しい新緑。目は豊かな土の、優しい色。  
初のリーダーとしての探検。空は晴れていて空気は清清しい。風も穏やかで探検日和だ。  
「大丈夫だ」  
緊張で声が少しだけ震えていた。  
探検に行くときはゼニガメやアチャモが必ず居た。今、その二人は居ない。  
「大丈夫?」  
「忘れ物はないと言っているだろう?」  
「いや、忘れ物じゃなくて、キミが」  
エーフィは焦って下を向く。無意識だろう、こんなこと言う。全く。  
リーフィアはそんなエーフィの手を取ると木の実を渡した。  
「…モモンの実?」  
「キミ、甘いの好きだろう?倉庫から一つ貰っておいた。それ食べて落ち着いて」  
「そんなことして怒られ…ないな」  
「そそ、ボクたちのリーダーだからね」  
にこりと笑う。  
「今は私がリーダーだが?」  
「あー…ごめん」  
「はは、冗談だ」  
自分が甘いもの好きと覚えていてくれた。嬉しい。  
「行こう」  
この実はとっておいて、今日探検に成功したら、ジュースにしてもらおう。  
きっと、とっても甘くて美味しいから。  
 
 
 
最初の探検はリーフィアのサポートもあり順調に進んでいった。  
「それで?」  
「…ということだよ」  
「そうなのか」  
「…………」  
ふと、それまで続いていた会話が止まる。海のリゾート。懐かしくもなる、波の音。  
気になってエーフィはリーフィアの方を向く。  
「よかった」  
「ん?」  
「キミと、仲良くなれて。一緒に行動した時も結構あるけど、こんな感じじゃなかっただろう?」  
「そうだな」  
「その雄みたいな口調も今日で慣れた」  
「む、すまない。今まで違和感を感じていたのか」  
「うん」  
これは昔、父がこのような口癖だったのを真似ていたら、成長してそのまま定着したものだ。  
こんなことならもう少し雌らしくしておけばよかったと思う。  
エーフィが俯くとリーフィアが微笑んで前足でエーフィの耳を優しく引っ張る。  
「うそ」  
「―――っ!」  
耳に触れられた嬉しさと恥ずかしさ、嘘をつかれてよくわからない感情のまま、リーフィアを見る。  
ああ、きっと今自分の顔は色んな意味で真っ赤なのだろう。  
「いつもすましてボクの後ろ歩いてたけど、キミ、ホントはこんな子だったんだね」  
 
リーフィアは笑う。澄んだ空気が流れる。リーフィアは悪い空気を良くする力があるのは知っている。  
「おすましのキミも可愛いけど、今のキミもとっても可愛いよ」  
空が青い。リーフィアの緑が空に映える。太陽を一杯に浴びて、色濃い新緑。  
泣きたいくらい。ああ、好きなんだと実感する。  
「嘘ついてごめん。確かに最初はびっくりしたけど、その口調も素敵だよ。ボクは好きだよ」  
そして思う。  
「そういうのは雌を口説く時に使う言葉だぞ」  
先ほどと打って変わり、平静を装いながら言う。  
もし、探検中、別の雌にこんなことを言っていたら…言っていそうだ。あ、悲しくなってきた。  
エーフィは嬉しさとほんの少し切ない気持ちで前を向く。そして一歩を踏み出した時。  
「!?」  
「エーフィ!!」  
現れる敵、部屋全体に。モンスターハウス。気持ちが一瞬で切り替わる。  
探検の成功を決める分かれ目の一つだ。  
「落ち着いて。まずはふらふら玉。あったよね?ボクは電光石火で援護する」  
「ふん、わかっている。私が先日覚えた居合い切りの範囲はお前も知ってるだろう?」  
「はは、ボクよりよっぽどキミのほうが頼りになるかも」  
少々気分がスリルで高まる。こんな想いも探検だからできることだ。  
 
 
 
1ヵ月前にこの探検団に入ったエーフィはとても綺麗なポケモンだった。  
今、自分の前で爛々とした表情で鮮やかに敵を倒している。この窮地をまるで楽しむかのようだ。  
居合い切りで四方八方に切り刻むその姿、踊るように実に軽やかだった。  
エーフィは太陽の下にいるのに、怪しげでまるでポケモンを誘惑するような眼をしている。  
周りのポケモンたちはよく平気でいられると、本気で思ってしまう。  
それくらいエーフィは美しく、優雅だった。  
やがて敵は一掃されて、静かになる。アイテムを拾う。紫のグミ、彼女の好物だ。自分も嬉しくなる。  
「リーフィア?」  
エーフィの問いに微笑む。  
「強くなったね」  
その答えにエーフィも心なしか顔が綻ぶ。  
こんなことがエーフィはよくある。  
雄のような口調とエスパータイプにある独特の雰囲気のせいで気難しそうに見えるが実際話すとそうでもない。  
緊張して振るえるし、嬉しいことがあれば小さくだけど笑う。心は豊かなのだ。  
それを表情に小さくしか出せない不器用な所は可愛いと思う。  
この小さな笑みがもっと見たいなと思った。  
当分自分が探検に行くときはエーフィと二人とリーダーに先日言われた。  
嬉しい。  
「階段があるな…」  
「そうだね、今15階だからもうすぐだ」  
「だが宝の部屋まであと2階ある。少し休みたいのだが」  
リーフィアは鞄の中身を見る。オレンの実が1つ、リンゴが2つ。  
「うん、ちょっと休もう」  
探検にはそんな判断も大切なのだ。  
 
念のためにとエーフィは階段の隣に座り、リーフィアはその隣に座る。  
「しかし、先頭はこんなにキツイのだな」  
「攻撃をかなり受けるからね」  
「ゼニガメを尊敬する」  
「まあリーダーはアチャモを傷つけたくなくて半分庇ってる様にも見えるけど」  
「…確かに」  
エーフィに想いを寄せて何日かして、気付いたことがある。  
「今日ボクが先頭じゃなくて残念だよ」  
「なんでだ?」  
「あ、うん。色々」  
「?」  
鈍い。  
自分が直接言わないのが悪いと思うのだけど。  
雌を口説く時に使う言葉だぞって。口説いてるんですけど。はい。  
そんな自分の気は知らないでエーフィは空を見ている。  
そんな姿も綺麗だと思う。  
ふと、座って投げ出された、二股に割れた尻尾が血に滲んでいる。  
「…痛い?」  
「何がだ?」  
エーフィがこちらを向くと同時にリーフィアはその血に滲んだ部分をぺろりと舐めた。  
「っつ、やめ…」  
「こうすると直りがよくなるって、リーダーがアチャモにしてたよ」  
自分にされたことはないが。  
「し、しかしあの二人は…」  
「何?」  
悪戯のつもりだった。  
でも。  
エーフィの身体がピクンと跳ねたのを見て疼いてしまった。  
 
 
 
片思いの相手に舐められる、嬉しさと恥ずかしさと痛みともう一つの感情でエーフィはふらふらしていた。  
モンスターハウスを乗り越え、休憩していて、何を考えたのかリーフィアが自分の尻尾を舐めてきた。  
確かにゼニガメとアチャモが傷を舐めあって居たのは知っている。しかしあれはあの二人だからだ。  
自分と、リーフィアでは…。  
「痛い?」  
再度言われる。痛いように見えるのだろうか?  
ぺろり、ぺろりと舐められては身体が震える。痛いのは通り過ぎた。  
「…ん」  
ぴちゃりと。音。同じ水の音なのに、こっちは変な気分になる。  
「エーフィ…」  
囁いた。声、いつもより少し低いリーフィアの甘い声。尻尾の熱い感覚。  
 
丁寧に舐められる。じんじんとする。リーフィアの舌が移動していく。  
二股に分かれた付け根、その間に舌が這われてエーフィはいよいよ背を弓なりにした。  
「ぁんっ」  
雄の口調でなく、雌の鳴き声になる。  
「やめ、あ」  
制止を乞うた時だった。  
 
「好きだよ、エーフィ。ごめん。止めたくない」  
 
「え?」  
一瞬、何を言われたのかわからなくなる。  
しかし、理解する。自分の想いは一方通行ではないと。自分もそうであると伝えなければと。  
「ぁあ…ふ、り…ふぃ……あん」  
だが、そんな隙は与えてはもらえない。伝えたい。好きと。自分もリーフィアを想っていると。  
「エーフィ、好き。好きだよ」  
もう、密部はトロトロだ、しかし、リーフィアはそこに触れもしない。ずっと尻尾を舐め続ける。  
いいかげんにして欲しい。じれったさと気持ちよさから涙が出る。  
エーフィは耐え切れずリーフィアを振りほどいて睨み付け、怒鳴った。  
「いいかげんにしろ!」  
とたんにリーフィアが固まり、見るからに血の気が引いていく。  
「ご「謝るな!!」  
自分のしたことにかはわからないが、微かに震えるリーフィアの鼻にエーフィは自分の鼻をくっつけた。  
怯えの入る茶の瞳に自分の紫の眼が映っている。  
「私もお前が好きだ馬鹿者」  
もう一度罵って、リーフィアの唇を奪ってやった。ざまあみろ。  
そして満たされた気分になったが、いまいちムードに欠ける。  
それというのも、リーフィアの目はパッチリ開いたまま固まっているのだ。  
エーフィは気まずさからそれを離して抗議する。  
「お前…、き、キスの時は目をつむ…」  
今度は自分が奪われる方のようだ。そしてそのまま押し倒される。  
エーフィはなんとか唇を振り払い言う。  
「まて!落ち着け!せめて、宝の部屋に行ってからにしろ!」  
こんなところでして、初の自分がリーダーの探検で失敗したなんて最悪だ。  
「すぐ、階段下りてくれるなら」  
「…かまわないが」  
「階段みつけたらすぐ降りてね」  
「お、お前はもっと紳士的だと思っていた」  
「悪いけどそんな余裕ないよ、人目見たときから好きだったんだ」  
「何?」  
「キミ、ボクのアプローチに全然気付かないんだもの」  
「そうか。でもお互い様だ。私もお前を見た時から好きだったぞ」  
「…これ以上ボクを喜ばせると本当に止まらないよ?」  
「なら、控えよう」  
「ごめん、もっと言って」  
「………今日の、夜にな」  
「………なんでそこで顔赤くして目線そらすかなぁ」  
「は?」  
「やっぱ駄目、ここでやる」  
リーフィアは盛大に殴られた。  
 
 
階段を下りる。殴られた頬が痛い。  
「……」  
自分が悪い。そう、半端な悪戯をするから。  
好きな子の後ろでリーフィアはもんもんとしていた。  
しかし、その半端な悪戯のおかげで自分達の想いが通じ合っているのがわかったのも事実。  
「………」  
それがわかるとなると雄の性、しかも煽った後。  
エーフィの後ろを歩く。  
尻尾が性感帯なのは覚えた。  
「………」  
しなやかな腿に滴の痕、歩いていると湿った密部がちらりと見える。  
きっと乾いていたらわからないのだろうが。  
「エーフィ?」  
「黙れ」  
エーフィも気付いてはいるようだ。階段までもくもくと歩く。  
「……なんか」  
さらに濡れている気がする。  
密部をじっと見ていると明らかに周りの短い毛の色が、濃くなっている範囲が広がっている。  
今のエーフィの顔が見てみたい。きっと羞恥で真っ赤になっているだろう。  
あっという間に階段を下りて宝の部屋だ。ここには宝が6つあるが中身は全てグミである。  
エーフィのため息が聞こえた。無事に探検できたことの安堵だろう。  
宝を取ろうと歩き出したとき、ちらりと見えた密部をリーフィアはぺろりと舐めた。  
「!?」  
エーフィが首だけ向けてリーフィアを見る。  
「約束だよ?」  
にっこりと、実に楽しそうに笑えたと思う。実際楽しかったし。  
「そのまま、動かないで」  
「……」  
しっとりと濡れていると思った密部は実際触れるとぐちゅ、という音がなった。  
舌を離すと簡単に糸を引く。  
「我慢してたんだね」  
「違うっ」  
「そうかなぁ」  
しばらく後ろからエーフィの密部を舐めていたが、急にエーフィが動きくるりとこちらを向いた。  
「ずるいぞ」  
「へ?」  
エーフィの頬は紅潮していた。怪しげな瞳はとろんとしている。  
「座って、足を開け」  
言われるままリーフィアが足を開くと、上を向いた雄がふるふると震えながら主張をしていた。  
「私だっておまえが好きなのだ」  
それだけ言って、そそり立つリーフィアのそれを口に入れた。  
「うわ」  
「お前?初めてか?」  
「え、ちょ、エーフィは初めてじゃないの?」  
「良かったな、初めてだ。だから下手だぞ」  
そうしてまたリーフィアの股間に顔を埋める。雄の先をちろちろと、舌先を使って舐める。  
 
雄全体を口に含み、ぎこちなく上下に顔を動かす。ねっとりとした不思議な感覚に身体か震える。  
それを離すと先走りの精液と唾液が混じりだらしなく垂れてエーフィの口に伝う。卑猥以外の言葉では表せない。  
「リーフィア」  
その懇願は雌だ。  
「なに?」  
口付けて押し倒す。片足で身体を支え、もう片足でエーフィーの耳を弄る。  
くすぐったいのかエーフィは身を捩った。  
耳と唇を解放してエーフィを見るとその目は期待と少しの不安に彩られていた。  
雄をぐっしょりと濡れた割れ目にあてがう。挿れはしない。  
リーフィアは微笑んだ。そしてエーフィの耳に顔を近づけ囁く。  
「この先どうして欲しいか教えてよ」  
「おまえ…あ」  
耳の下にあるひだのような部分を舐める。  
「……意地が悪い」  
「キミにだけだよ」  
リーフィアは顔を上げて、エーフィの眼を見る。エーフィは恥ずかしさから顔を逸らし、眼を瞑る。  
「リーフィアの…」  
言いかけて、リーフィアは片足でエーフィの頬に優しく触れる。  
「駄目、顔見せて。ボクの目を見て言って」  
「は、恥ずかしいんだが」  
「それが可愛いんだもの」  
「お前、やっぱりずるい」  
「どういたしまして」  
エーフィは小さく息を吐いてエーフィを見る。あそこがひくひくと動いているのが触れているだけでもわかる。  
「リーフィア」  
「ん?」  
「…の、それを私、の…あそこに入れて、欲しい」  
歯切れが悪いのは羞恥からだろう。  
「それじゃわからないけど?」  
「……」  
エーフィの顔が歪む。目には涙が浮かぶ。顔が真っ赤だ。  
「お、…ちん、ちん……。…ああもう、お願いだ、こんな意地悪なことしないでくれ。早く、欲しい」  
耐え切れずエーフィは目を瞑って前足で自分の顔を覆う。  
「可愛いなぁキミは」  
惜しげもなく言ってエーフィの前足にを自分の首に回すように促す。  
「いれるよ」  
開いた紫色の瞳に微笑んでリーフィアは腰を落とした。  
「あ、いっ」  
エーフィは自身に初めて入る異物に苦悶の表情を浮かべ、リーフィアにしがみつく。  
ゆっくりとそれは徐々に奥まで入り、エーフィのそこは、リーフィアのそれを全て飲み込んだ。  
「くっ」  
「きつい…エーフィ、力抜いて」  
「そ、むり…」  
あまりにも苦しむだけの彼女に微笑んでリーフィアが言った。  
 
「一旦、抜いてもいいけど?」  
「いやだ」  
「だって…キミ「うれしいから」  
「……」  
「ぬくなぁ」  
そうしてポロポロとエーフィは涙を流した。  
満たされるのは喜びだ。  
「うん、そうだね」  
リーフィアはエーフィの涙を舐め、頬と唇にキスをした。  
「好きだよ、エーフィ」  
「…わた、しも…すき、だ」  
「うん」  
エーフィが少しでも楽になるように緊張を解そうと、今度は額の赤い飾りにキスを落とした時だ。  
「ひぁっ」  
それまで苦しむだけだった表情が一転する。  
「え?」  
「あ…」  
疑問に思ってリーフィアは今度は飾りを舐める。  
「あん、リーふぃ、や、やめ」  
「ふーーーーん?」  
蔓延の笑みだった。  
 
 
 
額の赤い飾りがこんなにも、自分の身体を快楽に貶めるとは思いもよらなかった。  
舐められる度に腰が響く。そこは伸縮し先ほどまで、痛くて仕方なかったことが嘘のようだ。  
ぴちゃりぴちゃりと額を舐める音。ずちゅりといやらしく密部は鳴いた。  
リーフィアはまだ腰を動かしていない。自分が求めて腰を振り、自ら中を犯している。  
「は、あん。あ、あぁ」  
「気持ちよさそうだね?」  
「う、ああぁ」  
リーフィアは赤い飾りを口で覆うとそれまで動かしていなかった腰を引いて一気に突き刺した。  
「ひゃあぁん、あっ、あっ、ぁん、や」  
リズムよく腰を打ち付けて飾りを離す。気持ちよすぎて抵抗したくなる。  
「何がいやなの?」  
彼は、その抵抗に対して実に楽しそうに答えた。自分の今の快楽に溺れた姿を見てどう思っているのだろうか?  
もう、赤い飾りなど触れなくても身体は反応するみたいだ。  
リーフィアのそれが奥を突くたび気持ちよさにそこは締まり、引いて擦れる気持ちよさは全身を駆け巡る。  
口から涎が垂れているのがわかったが拭く余裕もない。  
閉じることも出来ずに、打ち付ける快楽で喘ぎの声を吐き出させられ続けた。  
彼の名前を呼びたくて言うも途切れ途切れ。恥ずかしさはあったがそれよりもリーフィアを求めた。  
「えっちだね」  
「あ、ああん」  
否定したくても、できない。自分でも、こんなに溺れるなるなんて思わなかった。  
そして登る。もうすぐ頂点にいきそうだ。  
「り、フィ…あん」  
「なに?」  
リーフィアの呼吸も浅く短い。  
 
「いき、そ」  
「うん。それじゃあ、一緒に」  
途端に打ち付ける腰の動きが早くなる。  
「あ、あああ、やめ!!」  
余りの気持ちよさに言う。  
「あ、ああ」  
目の前が、真っ白に。  
「いく、あ、リ、ふぃ、あああ!!」  
「いいよ、いこう」  
「――――っ!!」  
どくどくと脈を打って、注がれる。飲み込む。熱い。  
リーフィアが抜いたら、あそこからどろりと垂れる感覚。受け切れなかったそれだろう。  
エーフィはまだ息が荒いリーフィアを抱きしめて言う。  
「卵が…できたらどうする気だ」  
「うちのリーダーイーブイの進化系はまだ仲間にしていないのがいっぱいいるから勧誘頑張るって言ってたよ」  
「そうか…リーフィア」  
「ん?」  
「好きだ」  
「うん。ボクもキミが好きだよ。一休みしたら帰ろうか」  
「ああ」  
リーフィアを抱きしめながら空を仰いだ。波の音は変わらない。  
 
 
 
 
 
 
 
 
パッチールの店に座り会話している二匹のポケモンがいる。  
テーブルの上には広げた地図と依頼の書類と二つのジュースだ。  
「ねぇ、アチャモ」  
「なぁに?」  
「今進化の石で持ってないのあったけ?」  
「ないと思うけど」  
「進化に必要なリボンは?」  
「太陽のリボンならあるよ。…どうしたの、ゼニガメ?」  
「なんでもないよ。ゼロの島の前に月光のリボンを狙おうよ」  
「いいけど、なんで?」  
「まだブラッキーが仲間にいないもの」  
「イーブイも居ないよ?」  
「ああ、それは大丈夫」  
「?」  
アチャモは首を傾げるがゼニガメはにっこりと笑いグラスを持った。  
そして、倉庫に把握していた数より一つ減っていた実と同じ、モモンの実のジュースを一気に飲み干した。  
 
 
終  
 

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