あら、あなた新入りね?ふふっ、私ここでの生活が長いから。すぐわかるわ。
私のご主人様ったらこんな辺鄙なところに私を置き去りにしてそのまま帰ってこないのよ……あら失礼、辺鄙は余計だったわね。
ここに来たときは私、まだタマゴから生まれたばっかりでね。
外の世界をあんまり知らないままこんなに大きくなっちゃった。
このままご主人に忘れられて時間ばっかりどんどん経って、年とってくのかな。
…なぐさめてくれるの?ありがとう。
いいのよ。私まだご主人を信じてみる。私もまだまだ若いしね。時間はたっぷりあるわ。
けど退屈だけはどうにもならないのよねー。
ここに預けられるのはカップルばっかりだし、遊んでくれるコもいるけどすぐ引き取られていなくなっちゃうし……交配の、相手も、いないし。
だからよかったら、時々私を見つけたら構ってほしいな。
あなたみたいな人が遊んでくれると、ご主人を思い出して嬉しくなるの。
みんなが仲良くしてるのを見てると寂しくって……いろいろうずく日もあるし……
……あ!おじいさんがあなたのこと呼んでるみたい。お仕事の邪魔してごめんなさいね。楽しかったわ。ありがとう。
それじゃあまた今夜、会えたらね。待ってるわ。