いきどまりかな? 木々が生い茂る中、急に開けた空間に出た。  
不思議なダンジョンは入るたびに地形が変わる、今どこを歩いているのかすらわからないけど。  
僕らはたからじまを目指して、海を二つに分けるように大陸から長く伸びた道をたどってきたはず。  
周りの景色が二回ほど変わったことには気づいてたけど、たからじまに入っていたことまではわからなかった。  
果てしなく続くとおもわれた道もここで終わりみたいだ。  
 
「ということはこのあたりに…。」  
 
丁度広間のようになったその空間の中心に如何にもという感じで鎮座する宝箱が目に入った。  
僕は歓喜の声を上げメンバーを集める。  
「ピチュー! コリンク! パチリス! あったよっ!」  
……  
……  
……いつもならすぐ返事がするはずなのに?  
後ろついてきてないのかな?僕だけが早く歩きすぎたのかな?  
「ピチュー!!」  
僕はもう一度声を上げてメンバーの名前を呼んだ。  
「やっとゴールだねぇ〜、お疲れ様。」  
不意に真後ろから声がした。  
「まあお前にしちゃ上出来だ。」  
僕が振り返るとそこには声の主であろう二匹のポケモンが、  
「ジュプトル!?」  
「ボクもいるよぉ。」  
「っ!! エテボース…、まだ敵が!?」  
戦わないとっ…、ひとりでもっ  
僕はとっさに戦闘体制をとり、頬から電気を発し威嚇した。  
「ここまで一緒に来たのにそれはないでしょぉ〜」  
エテボースが指を振りながら僕にそういった。  
…いっしょに!?  
 
「スコシ オチツキマショウ。」  
「えっ!?」  
その声と同時に僕の視界に黄色いポケモンの姿が、  
スリーパー……しまった、この状況で眠らされると………  
 
……  
……  
……頭がクラクラする。  
催眠術の寝起きはいまだに慣れない。  
まあ不眠症のポケモンでもない限り、慣れるほどにスキ好んで受けたがる者もいないだろうけど。  
 
冒険の失敗は過去に何度も経験している。当然ダンジョンで倒れたものが受ける辱めも…  
催眠術で眠らされている間に事が済んでしまっていると考えると今回は少し気分は楽だけど、  
 
「おっ、気がついたみたいだな。」  
「ジュプトル!?」  
「気がついたんだぁ〜よかった。」  
「エテボース!?」  
 
気がついた僕はジュプトルに抱きかかえられていた。  
辺りを見回すとまだダンジョンの中らしい、いつもなら村の入り口に捨てられているのに…  
二匹は僕の意識が戻るのをまっていた…逃げるにも体が言うことをきかない…  
僕はこれから行われる最悪の事態を覚悟した…  
 
「さーて。」  
 
かけ声とともにエテボースの2本の長い尻尾が僕の身体を固定する。  
右足と左足にそれぞれ巻きついた尻尾は、言うまでもなく僕の両足を開いた。  
お腹の下あたりは少し長い毛で覆われているとはいえこうなってしまえば関係ない、  
顕わになった僕の性器を弄び、雄槍を突き立てるんだろう。  
もう何度も経験しているとはいったものの、僕は恐怖と恥辱に知らず知らずのうちに涙していた。  
 
「どうしたのぉ? 泣いてるのぉ? 怖い夢でもみてたのかな?」  
 
エテボースがとぼけた顔で僕を見ていた…  
 
僕はエテボースの尻尾に抱えられたまま、近くの草むらまで連れていかれた。  
後ろからはジュプトルが辺りを見回しながらついてきている。  
「よぉーし、じゃ〜ここでしよっか!」  
「こんなことにあまり時間を使うのは好ましくない、終わったらすぐ出発するぞ。」  
ジュプトルがエテボースをせかしている。  
「だってさ、早くしちゃってぇ〜」  
エテボースが不敵な笑みを浮かべながら僕の顔を見てそう言った。僕は目をつぶって唇をかみ締めた。  
……  
……一寸の静寂の後、  
エテボースが不思議そうな顔で僕に尋ねた。  
「どうしたのぉ? 出ないのぉ? もういいのかな?」  
「えっ…!?」  
「大分我慢してたみたいだし、折角ボクがささえてあげようとおもったんだけどぉ〜、出ないなら先に行こうかぁ。」  
そういうとエテボースは両足の拘束を解き、僕を地面に降ろした。  
エテボースの尻尾が身体から離れたとたん、僕はひざから崩れ落ちる。足が震えていてうまく立てない。  
「まだ直ってないみたいだな。」  
ジュプトルは地面に伏せていた僕を抱きあげ、  
「しょうがない、俺がおぶってやるから。先を急ぐぞ。」  
そのままリュックを背負うようにその細い背中に僕を乗せた。  
「チョット待ってよ! 僕をどこに連れて行くの!?」  
「どこって…、お前は目的も忘れてるのか? それとも、まだ催眠術が解けてないのか?」  
「きっと怖い夢でも見たんじゃないのぉ?」  
エテボースが笑いながらジュプトルに声をかける。  
もう何がなんだかわからない。  
「何でっ!? 君たちは住処を荒らす僕を襲ってきたんじゃないのっ!?」  
ジュプトルとエテボースはお互いの顔を見合わせて小さくうなづいた、そして笑いながら、  
「ふぅ、やっぱりまだ寝ぼけてんのか。ほんの数時間前までは確かにお前の敵だったが…、俺らはお前についていくときめたんだよ。」  
「やっぱり寝ぼけてたんだねぇ〜」  
エテボースの丸い尻尾が僕の頭にやさしく触れる。そして、ポンポンと撫でるように弾んだ。  
「でも友達を忘れちゃうのってひどいよねぇ〜、会ったばかりだししょうがないのかな?」  
この二匹が仲間!? 全く思い出せない。まだ夢の続きを見ているのだろうか?  
そういえばさっき僕を眠らせたスリーパーがいない。これはやっぱり…  
 
「ねぇ、君たちのほかにスリーパーもいなかった?」  
二匹はまた顔を見合わせた。そして、  
「やっと目覚めたか!」  
「そうそう〜、あのスリーパーは♀の子にしかついていきたくないってぇ〜、でもほんとはついていくじゃなくてぇ〜、連れ去りたいだろうねぇ〜。」  
エテボースがニヤニヤしながら言った。  
 
…スリーパーは僕には興味がないのか…  
………そうじゃなくて、予想外の答えだった。  
僕は自分の手で頬をつねってみた。力を入れるとジワリと伝わる鈍い痛み。  
併せて、さっきから感じる倦怠感。これは夢じゃない…。  
「ごめんね、まだ頭がはっきりとしなくて、これまでのことが思い出せないんだ。」  
「そんなことは言わなくともとっくに気づいてるぞ。」  
「ずっとこのままだったらこまるけどねぇ〜。」  
「見た感じ、思い出すまで時間がかかるようだな。しょうがない。」  
ジュプトルはそう言って僕に数時間前の出来事を教えてくれた。  
僕がひとりで此処に来ていたこと。  
モンスターハウスに入り込みその中で彼らに出会ったこと。  
スリーパーに長い間眠らされていたこと。  
こんな事が起こっていたなんて、どうして僕は何も覚えていないのだろう?  
ただ眠っていただけでこんなことになるのだろうか?  
初めての経験にいろいろ思考を巡らせるも何もわからない。  
 
「それとねぇ〜。もうひとつ大事なことをわすれてるよぉ〜。」  
エテボースの声が僕の思考を遮った。  
「ピカチュウさぁ、さっきからおしっこがまんしてたんだよぉ〜。もぉ、ジュプトルの背中にお漏らししちゃったらぁ〜?」  
「っ!! そいつはやめてくれっ!!」  
エテボースの笑い声に焦ったジュプトルの言葉が重なった。  
 
さっきのは行為は…  
僕は頬が熱くなるのを感じ、ジュプトルの背中に顔をうずめた。  
 
…あれからどれぐらい歩いただろう?  
何の問題もなく僕らはダンジョンを進んでいた。  
この二匹とであってから道中の敵の数が少なくなった気がする。  
またそれ以上に二匹は強かった。  
こんなに強いポケモンがなんで僕なんかについてきてくれているのだろう。  
きっと彼らとケンカをしたら僕は簡単に負けてしまうはず。  
 
「んっ…ケンカ…?」  
「どうしたピカチュウ?」  
「ううん、なんでもないよ。」  
 
ジュプトルの問いに僕は適当な返事を返した。  
そういえば僕はいつも弟のピチューとその友達のコリンク、パチリスとダンジョンを探索していた。  
もともとヤドキング長老に頼まれて一度だけの冒険のつもりで仕方なく引き受けた。  
最初は遊びの延長で冒険ごっこのつもりだったのに…  
 
新しい場所に行くにつれ、そこを住処とするポケモンも様変わりする。  
強いて言えば未開の地になればなるほどそこに巣くう野生のポケモンは強くなる。  
この たからじまへのみち に巣くうポケモンは、今まで戦ってきた野生のポケモンとは別格の強さを感じていた。  
ジュプトルとエテボースを見れば一目瞭然。僕の感覚に間違いはなかった。  
 
そんな中、何度か冒険を失敗をした後、ピチューが僕に言った。  
「お兄ちゃん、こんどはボクにリーダーさせて。」  
「何で?」  
「ダンジョンでやられちゃったとき、いつもお兄ちゃんがつらいおもいしてるの…ボクしってるんだ。」  
「えっ!?」  
どうしてピチューはそんなことを知っているんだろう、誰にも言ってないのに。  
「ボクがリーダーになればさきにお兄ちゃんをにがしてあげれるから。」  
「でもそんなことしたらピチューが…」  
「ボクがみがわりになるんだよ。」  
そんなことできるはずがない!!  
失敗することを前提にして冒険なんてできないけど…  
僕の大切な弟が誰かに汚されるなんて考えたくもない!!  
「ダメだよピチュー。」  
「どうして?」  
「絶対ダメっ!!」  
「だから? なんで!?」  
 
ボクとピチューはお互いの顔をにらみ合ったまま一歩も譲ろうとしなかった。  
場の空気と対照的に少しの静寂が訪れた後。  
僕はピチューに残酷な言葉を投げつけた。  
「はっきりってピチューたちは迷惑なんだよ。ピチューたちを庇いながら冒険してるからうまくいかないんだ。」  
ピチューは目を丸くして僕の顔を見つめていた。  
「僕ひとりで行ったらすぐにたからものを持って帰ってこれるよ。もう冒険団は解散しよう。」  
僕はたたみかける様に言葉を投げつけた。  
静寂が再び訪れる。  
「それならお兄ちゃんがひとりでいけばいいよ。ボク、コリンクくんとパチリスくんにおはなししてくる。」  
ピチューが俯いたまま発した言葉は以外にも落ち着いたものだった。  
そういってピチューは僕の前から逃げるように走り去った。  
激情して飛び掛ってくるかと思ったが、ピチューの意外な態度に僕は驚いた、  
しかしそれと同時に大きな喪失感が訪れ、胸の奥にもやもやするものが生じた。  
僕はそのもやもやを包み込むように、  
「これでいいんだ。僕がたからものを手に入れたら、村のみんなは元通りになるんだ。」  
と、先ほどの自分の行為を取り繕う考えを声に出していた。  
 
 
「おいっピカチュウ!!」  
ジュプトルが僕を呼ぶ。  
「もうそろそろだぜ。この奥が宝の在り処だ。」  
「ここはリーダーのピカチュウが先に行きなよぉ。」  
エテボースが僕に先に行くように勧める。  
「いつの間にこんなに進んでいたの?」  
あまりにも簡単に目的地についてしまった。  
 
「ふぅ…。」  
僕らの今までの苦労は…僕は少しだけため息交じりの声を出した。  
そのため息を打ち消すようにジュプトルが僕の背中を後押ししてくれた。  
「ほら、お前らの村のみんなを元通りにするんだろう。」  
「うん、ありがとう。」  
 
さっき夢で見たのと同じように、広間のようになったその空間の中心にひとつの大きな宝箱が置かれていた。  
この中に…  
僕は震える両手を抑え付けながら宝箱のふたを持ち上げた。  
宝箱は驚くほど簡単に開いた。  
その中身は…………あれっ!?  
 
「やっとゴールだねぇ〜、お疲れ様。」  
「まあお前にしちゃ上出来だ。」  
僕の背後から二匹のから声がした。  
「ジュプトル!? エテボース!? 宝箱の中身が…。」  
全く考えもしなかった事態に僕は気が動転しエテボースに掴み掛かった。  
「ここまで一緒に来たのにそれはないでしょぉ〜。」  
「えっ…。」  
さっきの夢の中と同じ台詞?  
 
「スコシ オチツキマショウ。」  
「っ!?」  
 
その声と同時に僕の視界に黄色いポケモンの姿が、  
スリーパー…なんで………  
 
 
……  
……  
……頭がクラクラする。  
 
「おっ、気がついたみたいだな。」  
「ジュプトル!?」  
「ピカチュウおきたのぉ?」  
「エテボース!?」  
気がついた僕はさっきと同じようにジュプトルに抱きかかえられていた。  
「ほんとにお前は催眠術に弱いな。」  
僕はまだぼんやりとする目で辺りを見回した。よかった…、さっきの宝の部屋にいる。  
「あっ、スリーパーは!? ジュプトルが倒してくれたの?」  
僕は少し頬を緩めてジュプトルに聞いた。  
ジュプトルは表情を変えずに首を横に振った。  
 
「ココニ イマスヨ。」  
 
その声と同時に僕の視界に黄色いポケモンの姿が、  
僕は反射的に目をつぶってしまった。  
 
「サッキカラ ナンドモ ヒドイコトシテ ゴメンナサイ。」  
黄色いポケモンがそういったように聞こえた。  
その後、誰かの手が僕の頭に触れた。  
「コワガラナイデ クダサイ。」  
「えっ!?」  
ゆっくり開いた僕の目に無表情なスリーパーの姿が移った。  
スリーパーは僕の頭に置いた手をぎこちなく前後させる。  
「ピカチュウクン ハ カワイイ デスネ。」  
僕は身の危険を感じ、スリーパーを見つめる目にうっすらと涙を浮かべた。  
 
「お前はそういうことを真顔で言うから誤解されるんだよ。」  
ジュプトルがスリーパーに声をかける。  
「ピカチュウが怖がるからあっちいっててよぉ。それにピカチュウは♂の子だからキミの好みじゃないでしょぉ〜!」  
ジュプトルに続いてエテボースが声を上げた。  
「コワガラレルノハ ヨロシクナイ デスネ。シカシナガラ ワタシハ ドチラモ ダイコウブツ デスヨ。」  
スリーパーはそう言い残すと広間の外に消えた。  
 
「ふぅ、あいつは悪いやつじゃないんだけどな…。」  
ジュプトルが僕に向かって言った。  
「ねぇ、ジュプトルはさっきのスリーパーと知り合いなの?」  
「…そうだ。」  
「ねぇ、何でこんなことするの?僕たち仲間じゃなかったの?」  
僕は泣くのをこらえてジュプトルに質問を投げかけた。  
……  
……  
……しばらくの静寂の後ジュプトルの重い口が開いた。  
「まあ、今は仲間じゃないっていったほうが正しいかもしれんな。」  
「それっ、どういうこっ…」  
問いかけの途中、僕は長いものに巻きつかれ身体を束縛された。  
「ピカチュウごめんねぇ〜。」  
「エテボース?キミも…」  
俯いた僕のこらえられる涙は限界に達していた。  
 
「おーいっ!!そろそろ勘弁してあげたらどうだ?」  
不意にジュプトルが声を張り上げた。  
「うん、もう十分だよ。今そっち行くね。」  
聞き覚えのある声がして、小さな足音が近づいてくる。  
僕は俯いていた顔を上げた。  
「ジュプトルくん、エテボースくん、ごくろうさま。タイヘンだったでしょ?」  
「そんなにタイヘンでもなかったよぉ〜ピカチュウ可愛いし楽しかったよぉ。」  
「そうなの?お兄ちゃんにヘンなことしてないよね?」  
「だいじょうぶ〜キミが怒ると怖いからがまんしたよぉ。」  
「ホントに?お兄ちゃんにきいたらすぐわかるんだよ?」  
「ほんとだよぉ〜。一回おしっこさせようとして失敗したんだけどなにもしてないよぉ。」  
「もぉっ・・・ヘンなことさせようとしてるじゃない。でも、まあいいや。」  
見覚えのある小さなクリーム色のポケモンがエテボースと仲良く話している。  
「お兄ちゃんチョットだけひさしぶり?」  
「ピチュー?」  
「うん、そうだよ。」  
…なんでピチューが此処に? …ジュプトルとエテボースと知り合い?  
…もう何がなんだかわからない。これはまだ夢を見ているんじゃないのかな。  
 
「エテボースくんおねがい。」  
ピチューの声とともに僕の身体が宙に浮く。  
いつの間にかエテボースの尻尾が両方の足に巻きついていた。  
この格好は…さっきと同じ……  
僕の顔は一瞬にして赤くなった。  
「お兄ちゃんかわいいよ。」  
ピチューの小さな手が僕のお腹を撫で上げる。  
「ボクもっと小さいころ、お兄ちゃんにこうやっておしっこさせてもらってたんだよね。」  
ピチューは少し顔を赤めて、そしていたずらな笑みを浮かべて僕に言った。  
「ピチュー…。何するの…?」  
「なにって? いつものやつだよ? しっぱいしたお兄ちゃんにはずかしいバツゲームをしてあげるの。」  
「ピチュー? 何言ってるの? 僕たちは仲間じゃ…?」  
「あれ? お兄ちゃんにいわれたから、ボクはぼうけんだんやめたんだよ。」  
 
そういえば…ピチューはあのこと根に持っているのか。  
「だからいまはエテボースくんたちのなかまなんだよ。ボクはお兄ちゃんのてきなんだよ。」  
なるほど、それでこんな罠を仕掛けて…  
でも、だからってピチューは野生のポケモンってわけでもない。  
わけがわからないし…、これはやっぱり夢なんだ。  
きっと僕の胸の奥のもやもやが僕にこんな夢を見せているんだ。  
…それなら夢だから何をされても大丈夫なはず。  
 
「わかったよピチュー、それでキミの気が済むのなら何をしてもいいよ。」  
「えっ!? うーん…、そういわれたらなにかやりにくいよね。」  
僕の言葉が意外だったのかピチューはあっけにとられた顔をして言った。  
 
「えーっとっ…… エテボースくん、なにすればいいのかな?」  
困ったピチューはエテボースに助けを求めた。  
 
「うーんとねぇ〜。先ずは剥いてあげるといいんじゃないかな?」  
「むくってなぁに?」  
「あぁ〜、わかんないかな?じゃぁ、ボクが教えて上げるねぇ〜。」  
「うん、ありがとう。」  
ピチューにそんなことは教えないでいいよ…、これが夢で本当によかった。  
 
「じゃぁ〜、ボクのいうとおりにしてねぇ〜。」  
「うん、おねがい。」  
「まずはねぇ〜……… そのつぎにねぇ〜………」  
ピチューはうれしそうな目でエテボースの指示に耳を傾ける。  
はっきりとは聞きとれないが、時々耳に入る卑猥な単語に、聞いてる僕のほうが恥ずかしくなる。  
本当にそんなことをするのかな? 僕の夢なのに…  
 
そんなことを考えているとピチューの手が僕の下腹部に触れた。  
僕は次にくる衝撃に備えて身体をこわばらせた。  
夢だとわかっているのに…  
「お兄ちゃん、ほんとにいいの?」  
「バツゲームなのに? ピチューはわざわざ聞いてくれるんだね。」  
ピチューの呼びかけに僕は余裕のある笑顔を返したつもりだ。  
ピチューは無言でうなづき、次の瞬間。  
 
あっ…  
ピチューの手が僕の♂に触れ、  
僕は普段自らの手で弄るときとは違う違和感を感じた。  
ピチューはそのまま僕を指ではじいたり、指の腹でふにふにとやさしく押しつぶす。  
僕はそのたびに不思議な感覚に襲われる。…なんで? 夢なのに?  
 
「いいなぁ〜。ボクも触りたいなぁ〜。」  
「ダメだよ!! お兄ちゃんはボクのものだよ!!」  
エテボースはやっぱりそういう趣味だったんだ…  
ここまで一緒にくるときも意味深な発言をしたり、僕に対してそういう視線を向けているように感じていた。  
最初に僕を拘束したのも意図してのことだったんだろう。  
 
「えっと、先っぽをもって根元におろすんだよね?」  
ピチューがそうつぶやくと同時に僕に10まんボルト以上の電撃が走った…  
っ!? 痛っ、痛いっ。  
 
「ピチュー止めてっ!! お願いだからっ!!」  
 
僕は目に涙を浮かべてピチューに懇願した。  
「お兄ちゃん? どうしたの? いたいの?」  
僕は震えながらうなずく。  
ピチューははっと何かに気づいたような顔をした。  
「お兄ちゃんいたかったの…? ゴメンナサイ、ボクこれがいたいことってしらなかったの………。」  
「あれぇ? ピカチュウはまだダメだったんだぁ? ごめんねぇ。わるいことしちゃったねぇ。」  
エテボースの尻尾の拘束が解かれ、僕はそのまま地面に寝かされる格好になった。  
「お兄ちゃんゴメンナサイ。」  
ピチューが僕の胸に顔をうずめ泣いている。  
「よかったぁ、切れてないからすぐに痛みがひくはずだよぉ。」  
エテボースが僕の♂を確認し、そう言った。  
確かにエテボースが言うとおり、さっき僕に走った電撃は一瞬で身体の中を通り抜けていた。  
「ピチュー泣かないで、もう大丈夫だから。」  
「お兄ちゃん?」  
そう言って僕はピチューを抱き寄せた。  
そのまま僕ら兄弟は抱き合ったままお互いの気持ちを落ち着けていた。  
 
 
「もうだいじょうぶみだいだねぇ、じゃぁ〜、これ以上おじゃまするのも悪いからぁ、ボクは向こうにいってるねぇ。」  
散々ジャマしたくせに。  
「これ以上いるとピカチュウ襲っちゃいそうだよぉ。じゃあね、ピチューあとはさっき教えたとおりにすればいいよぉ。」  
「お兄ちゃんはボクのものだからね。でも、ありがとう。」  
ピチューはエテボースに手を振った。エテボースは振り向かずに尻尾を振って答えた。  
 
「僕、ピチューに聞きたいことがいっぱいあるんだけど。」  
「それはつづきがおわってからね。」  
「まだやるの?」  
「うん。」  
返事とともにピチューの唇が僕の唇に触れた。  
小さな唇が僕の唇に少し触れてはすぐ離れる。  
その行為は何度も何度も繰り返えされた。  
 
てんしのキッス…本当にその技の名前のとおり。  
そして、その技の威力は僕を酔わせるのに十分すぎるほどだった。実の弟に対してでも。  
 
僕はピチューの身体を押さえつけその小さな唇に自らの唇を密着させた。  
「んnー!?」  
ピチューが声にならないうなり声を上げる。  
僕はその刹那ピチューの口内に舌を滑り込ませた。  
僕の舌はピチューの口壁に沿うように奥に侵入し口内を犯し始める。  
やがてふたりの舌が重なり合い、甘いキャンディーを舐るかのようにお互いの舌を絡めあった。  
……  
……  
……どれぐらいの時間が流れたのかはわからない。  
僕らは溶けることのないキャンディーをずっと求め続けていた。  
ふたりが同時に目を開いた時、ピチューの手が僕の頬をやさしく撫でた。  
 
「ぷはぁ…」  
 
僕が汲みとったとおりの合図だったようだ。  
そしてピチューは僕に文句を言う。  
 
「お兄ちゃん、チョットくるしかったよ。」  
 
二匹の呼吸が整ったころ僕はピチューに尋ねた。  
「ピチューもう気が済んだかな?」  
「まだだよ!! まだいちばんじゅうようなことがのこってるの。」  
 
一番重要ってやっぱり…  
僕が考えるまもなく、ピチューはくるっと身体の向きを変え僕の股間に顔をうずめた。  
 
「お兄ちゃんのおちんちん、さっきよりおおきくなってる。」  
ピチューは指先で僕の♂をはじく。  
僕は顔を赤くして目をつぶった。  
「ねえ、お兄ちゃん、しってる? ダイスキなポケモンどうしがね、  
おちんちんのなめっこをするとね、すごくしあわせになれるんだって。」  
 
僕は自分の顔が今まで以上に高熱を発するのがわかった。  
あのエテボースは何教えてるんだ…。  
気がつくと僕の顔の前にピチューの可愛い♂が見えていた。  
少し大きくなっているそれはピチューが身体を揺らすたびに、僕の目の前でぷるんと可愛く弾むようだった。  
普段から見慣れているはずなのに…  
僕の手は無意識のうちにその小さな可愛いでっぱりに触れていた。  
 
「あっ…? お兄ちゃん…?」  
「ピチュー…僕も大好きだよ…。」  
僕がそのでっぱりを口に含むのに、何の抵抗も生じなかった。  
自然と口内に運び、舌先でつつき、舌の上で転がす。  
僕の舌がでっぱりに触れるたびにピチューはピクッと身体を震わす。  
可愛いでっぱりは僕の口内で徐々に形を変えていった。  
僕はその進化の過程を舌先で楽しみながら味わっていた。  
 
ピチューはそろそろ限界かな?  
そう思った矢先、僕の♂に違和感が生じた。  
日向水に包まれるような温もりを感じる。  
それでいて粘度の高い蜜がまとまりつくような感触が伝わってきた。  
これだけでも僕は絶頂に達してしまいそうだけど、さらにピチューの小さな舌が僕に適度な刺激を与える。  
ピチューの舌先が僕の先端の皮を押し分け、まだ何も触れたことのない過敏な部分に達しようとしていた。  
 
次の瞬間、  
 
「やっ…、ピチュー…!!」  
 
♂の部分から僕の身体に10まんボルトとは違う電撃が流れた。  
 
「お兄ちゃん?」  
ピチューは僕の声に反応して舐める舌をとめた。  
僕は不思議な感覚に耐え必死で取り繕う。  
 
「ううん、なんでもないよ。ピチューは気持ちいい?」  
「うん、もっとやろうよ。」  
ピチューは元気な返事を返してきた。  
 
そんなに広くない空間ではあるけど、僕とピチュー、小さな二匹のねずみポケモンが、  
お互いの♂を一心不乱にしゃぶりあっている。  
その卑猥な音が広間いっぱいに広がっているような気がした。  
 
気がつくと僕はまた眠っていたみたいだ。  
 
「ピチュー?」  
「なぁに? お兄ちゃん。」  
目の前にピチューの顔があった。  
抱き合って眠っていたみたいだ  
よかった、夢じゃない…、僕が安心して胸をなでおろしたとき、  
「お兄ちゃん?」  
「っ?」  
「お兄ちゃんのおちんちんがおっきくなってボクのに…」  
「あっ…」  
「おちんちんどおしのあわせっこもしあわせになれるってエテボースくんがいってたよ。」  
あのエテボースはどこまで…  
 
「チョットやってみよっか。」  
ピチューはそういうと腰を動かして、自身の小さなでっぱりを僕の♂に擦り付けた。  
やわらかなぷにぷにとした感触が伝わってくる。  
たしかにこれはしあわせ…かも?  
 
 
「もうその辺にしておけ。」  
「ボクはもっとみてたいんだけどなぁ〜。」  
「ジュプトル!? エテボース!?」  
僕らのしあわせな行為は二匹の声に遮られた。  
「もうそろそろ出発しないと今日中には村に戻れないぞ?  
すでにお前らは一日をダンジョンで過ごしてるんだ。長老とやらが心配しているだろう。」  
そうだった。僕らの目的はたからものを手に入れて村のみんなを元に戻すことだ、  
でも…肝心の宝箱の中身が…  
 
「ピチューくん、ピカチュウくんと仲直りできた?」  
 
また聞き覚えのある声が?  
声のしたほうに視線を向けるとそこには青い身体の小さなポケモンが二匹。  
 
「うん、バッチリだよ。ありがとうコリンクくん、パチリスくん。」  
「それはよかったね。こっちもにづくりおわったよ。」  
「こんなにいっぱいあるとおもわなかったけど、みんなでもてばだいじょうぶだね〜。」  
 
ちょっと待って? 結局どうしてピチューがここにいたの?  
コリンクとパチリスはいっしょにきたの?  
ジュプトルたちはどうして?  
あと…クッキーって…………何??  
 
「ねえ、ピチュー。僕、聞きたいことがいっぱいあるって言ったよね?」  
「お兄ちゃんはボクよりチョットだけおおきいから、このにもつをもってかえってね。」  
ピチューに渡された包みからは甘い いい香りがした。  
結局僕はピチューから何も聞き出せないまま、荷物を押し付けられて、村への帰路につくことになった。  
何故かジュプトルたちもいっしょに…  
 
その途中僕はジュプトルに尋ねた。  
「キミは僕の仲間なの?」  
ジュプトルはくすっと鼻で笑い、僕に言った。  
「お前が俺らのリーダーのピチューと同じ冒険団なら、俺とお前も仲間ってことになるだろう。」  
「ピチューがリーダー!?」  
 
ジュプトルは続けて言った。  
「あいつはお前が思ってるよりもずっと強いぞ。ずっとお前の後ろをつけてきていたらしい、  
そして、モンスターハウスであっけなく倒れたお前を助け、俺らに宝の場所まで導くように仕組んだ。」  
そうだったのか… でも、  
「ピチューが? どうやって? そしてキミはどうして?」  
 
ジュプトルは小さなため息をついた後、やけに早口で僕の問いに答えた。  
「でんじは、てんしのキッスはなかなか強力だった。俺はあいつに負けたことあまりみとめたくないんだけどな。  
エテボースのやつがピチューのことひどくお気に召したようで、いきなりついていくとか言い出しやがった。まあそういうわけだ。」  
そして早口の後で一言付け加えた。  
「しかし、あいつの技で一番厄介なのは………」  
一息置いたあとジュプトルは小さな声で言った。  
 
「…わるだくみだ…。」  
 
村に戻った僕らはみんなにクッキーを配ってまわった。  
村のみんながお互いを思いやる気持ちを取り戻し、元通りの仲良く楽しい村になった。  
少し変わった点といえば、僕が村を救った冒険団のリーダーとしてみんなから一目置かれるようになったぐらいだろう。  
 
後もうひとつ……  
「ねえ、お兄ちゃん?」  
「何? ピチュー。」  
「ボク、おもったんだけどね。クッキーがなくてもね、みんな、おちんちんなめっこすればよかったんじゃないかな?」  
また僕の顔の温度が急激に上昇する。  
 
 
「きょうもしようね。お兄ちゃん。」  
 
 
fin.  
 

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