最近はつまんねぇ、体が飢えてやがる。
少し前までは毎日のようにメスとヤっていたもんだがそれも途絶えてしまった。
しかし、実際にはメスのことが原因だった。
集落のオスとそのことで争い、結果おれが集落を離れることになった。
おれが奴らに負けた形みたいで気に喰わねぇがのうのう居座ることも胸糞悪りぃ。
顔も見たくねぇしな、こっちから出てってやるぜ。
「あー、くそっ!」
岩窟を越え、海を渡り、砂浜に足跡を残し、草むらを当てもなく彷徨い続け……。
この広い世界、誰の縄張りでもない場所ではおれの居場所だと言い張ってもいいはずだ。
だが一匹で寂しいなんてことはねぇが、仲間くらいは欲しいよな。
新しい仲間を探すには住処に適した海の沿岸や岩場で探すべきであるのは分かっている。
分かっているが、何処か草むらに可愛いメスでもいるんじゃないかと思ってしまう。
おれみたいに群れを離れてたった一匹で……そんな奴はおれしかいないことは知っている。気付かないフリしているだけだ。
ひたすら歩き続け洞窟を抜ける。
ここはどこだ、辺りを見渡すと近くにはヒトの住む町があるようだ。
引き返そうとした時、おれは窪地に作られた井戸を見つけた。
古びたそれを覗くとどうやら底からどこかに繋がっているように見えた。
どうせ行く当てもねーから中に飛び降り、その先へ行ってみることにした。
中はまた洞窟になっていて、奥は大きな岩で塞がれている。
それを退かし更に進んでいくが出口は見当たらない。
外れだったか、それとも水中に新たな道でもあるか……。
洞窟の奥に十分溜まっている水に口を微かに浸してみる。なかなか美味くて綺麗な水だ。
それを確認して喉がすっかり渇いていたから口を完全に付けて一気飲みした。
暫くはここにいてもいいかもしれない。
水面から顔を離した時、おれのいる向こう岸の岩盤の上にポケモンの姿が見えた。
――ヤドンか。
のんびりと気持ちよさそうに眠っている。
……こんなポケモンとヤりてぇとも思わないはずだが、今日は我慢の限界だ。
一匹ですんのにも飽きたし物足りんと思っていた所だしな。
音を立てないよう水中に身を沈め、湖底まで潜る。
向こう岸までゆっくり…と。
おれさま、このカブトプスさまから逃れられる者はいねぇ。
アサシンとはおれのこと。影に溶け込み忍び寄り、自慢の鎌で獲物を狩りとるのだフハハ。
湖中はおれを含めても驚くほど静かだ。
試しに目の前を通過した魚を鎌で音もなく突き刺した。
毒々しく拡散していく血の色に満足したおれは、そいつを口に放り込んだ。
問題はあのヤドンがオスだったら糠喜びってとこか?
岸の傍まで寄って頭上を見るとはみ出したヤドンの顎が見えた。
湖底をしっかりと足で掴み、身を屈める。
……今だッ!
存分に溜めた力で湖底を蹴り飛ばし、水を巻き込みターゲットに飛び掛った。
大きな水音を立てたと同時に、おれの鎌がヤドンの身体を掠め岩盤に深々と突き刺さる。
ヤドンに覆い被さった瞬間飛沫が雨となっておれに降り注いだ。
「動くな!」
右の鎌を岩盤から外しヤドンの腹の下に鎌を突っ込む。
引っ繰り返すと腹には小さな突起が幾つかあって、股には何も付いていねぇ……ビンゴだ。
ヤドンのツラを見ると目がぱっちりと開いた所だった。
しっかりと目を見てやり鎌を喉元に突き付ける。
「騒ぐな。言うこと聞かねーとどうなるか分かってるな?」
だがヤドンは怯えた様子もなく、おれを見てんのか何処見てんのか…、ぽかんとしている。
何とまぁマヌケなツラしてやがる。
だけどそれも今に欲望に歪んだ顔に変わるんだぜ、おれに媚びて肉棒をせがむメスの顔にな。
おれはヤドンに顔を更に近づけ、嘴に割って入った。
嘴とは言っても硬くはない。
最初は啄ばむように嘴を口で挟みこむようにして啄ばむようなキス。
そして色んな角度からおれの舌を差し込む。
最後には深く深く舌を入り込ませてヤドンの舌に絡ませる。
カブトプスのものよりも柔らかいな。
口内ではお互いの唾液が混ざり合ってどっちのともつかない。
それをヤドンの柔らけぇ舌に擦り付けて感触を楽しんだ。
おれの口の中の唾液をヤドンの中に注ぐと、溢れ出た液が顎を伝っていく。
ヤドンは全く抵抗しない。
もうおれに落ちたのか、いや、最初から犯されることを望んでいたのかもな。
舌を何度も吸い、先端を使ってヤドンの中全てを小突いていく。
「おい、おれのにも絡ませろよ」
未経験か?悪いことしたかなと頭の中では思ってヤドンの顔を見ると、優越感に浸ったおれの目とガン開きの目が合った。
うんともすんとも言わず、おれをぼけーっと見つめて、口から唾液を垂れ流している。
「な、お前!おれをばかにしてんのか!!」
怒鳴りつけても表情は一向に変わらない。何なんだこいつは!
おれも自棄になって、どうにかしてヤドンを鳴かせてやろうと思った。
首に舌を這わせ、乳首一列広範囲を鎌の背で刺激する。
だが何の反応も見せない。
乳首にしゃぶり付き存分に弄ぶ。
「ふぁ……」
「へっ、どうよ?」
「あ〜あ……」
ようやく感じてきたかと思ったが、ヤドンはただの大きな欠伸をしただけだった。
「このっ……!これなら!」
無防備なヤドンの腹の下に鎌を伸ばして、微妙に膨らんだ所に割れ目を見つけた。
鎌を使って開くと、ヤドンの毛色よりも濃いピンクの性器が露になった。
クリトリスが鎌で傷つかないよう先端を押し付け、アソコを舐め回す。
不感症なのかもしれねーから少し乱暴気味に触り、穴には舌をぐりぐりと挿れる。
ソコが濡れてきたが、こいつが感じて出してるんじゃなくて、どうやらほとんどがおれの唾液らしい。
暫く攻め続けていたが段々悲しくなってきたぜ。
「おい、何か言ってくれ…」
「…………………………………やあん……」
これは「いやーん」と言っているのか単に鳴き声を発しているだけなのかどっちだよ!?
全く、同じポケモンであるはずなのにこいつの考えていることは読めねぇ。
少なくとも色気も素っ気もない声だった。
早くおれ自身を挿れてしまいたいのだが、勃つどころか萎えちまってる。
ヤドンを濡らすのは後にしてとりあえずフェラでもさせとくか。
普段は鎧に守られている所を捲ると、だらりと垂れたおれのムスコが姿を見せた。
「ほら、咥えろ」
膝を立ててヤドンの体を少し上へと持ち上げる。
あんぐり開けたヤドンの口はでかいから挿れるというより、中に置くという感じだった。
ヤドンの頭を下へ押して口を閉めさせる。
――なかなかいいじゃねぇか。
唾液で濡れた粘膜の滑らかな感触が、おれをそれ全体で包み込んだ。
体に関して言えば申し分ねーが、ちゃんと反応してくれればなぁ……。
働いてくれるよう促すためにまずは自分から動く。
体に力を入れてかたくなるを使うと、少しだけ勃って安定しやすくなった。
準備が整い、腰を前後に振り動かす。
やっべ、久々だぜ。
一匹じゃ味わえねぇこの快感、メスを犯す支配感、ムスコも反応してきている。
ヤドンを両腕の鎌で挟み、激しく腰を打ちつける。
まるで衝撃で火花でも散るような、すっかり硬化したおれに掻きまわされた口の中は、ぐちゃぐちゃと大きな音をたてる。
ヤドンは奥まで突っ込まれても何の文句も言わずに、ただ零れた唾液を撒き散らしている。
それも物足りなくて、
「お前からもしてくれよ、なぁ?」
と頼んでヤドンの頭を軽く叩く。
――ぱくん。
頭を叩いた軽い衝撃によって、余裕を持たせておいたヤドンの口は無残にも閉じてしまい、カリッという残酷な音がした。
…………うん。
「……ぎゃあああああああああああああ!!」
「もういいよ!チクショーが!」
ヤドンは諦めることにした。ついてねぇなぁ。
あの後は喚いても離してくれなかったし、暴れるとますます歯が喰い込んでしまった。
頭を再び叩くとようやく口が開いてくれて、おれは暫くうずくまった。
どういう仕組みしてやがんだあの口は、それにおれはエサじゃねぇッ!
ムスコを見ると、くっきりと残った歯型。
痛みを思い出してゾッとし、まだ少し勃っていることにもやるせない気持ちになる。
無理にでも鎧の中に戻し、最後に足で蹴飛ばして立ち去ろうとしたが、考え直して腹ごしらえでもすることにした。
さっきから動かないヤドンの尻尾辺りを鎌で傷つけ、傷に今度はおれの歯を突き刺さした。
そこを吸い込むと、血の味がしてから大量の旨みが口の中に広がった。
メガドレインでこいつの栄養を吸い取っているのだ。
あまり動かないせいか体力も十分にあり、何しろヤドンの尻尾は甘くて美味いことで有名だ。
煮えくり返った腸も少しは鎮静し、うっとりするような甘さでちょっとだけ幸せな気分になった。
「ごちそーさん」
口の周りに残った汁を舐めずり、おれはヤドンを見下ろした。
未だに何を考えているか、ただ黒の湖に映る自分の姿を見ている。
唾液で濡れた地面と、尻尾に滲む少量の血。
おれはいよいよ立ち去ろうとした、だが、
「やああああああん、やああああああーん!」
急にヤドンがでけー声で鳴き出した。
驚いて立ち止まると、周囲の陰からぞろぞろとヤドンが這い出てきて、おれとヤドンを取り囲んだ。
「なっ、何だ!?」
マヌケな顔から一変、ヤドン達の目は微妙につりあがった。
まぁ、それでもマヌケな顔だが。
さっきのメスヤドンを見ると、やぁん、と寂しそうに鳴いて尻尾を痛そうに庇っていた。
今更すぎるだろ……。
集団の内の二匹はメスヤドンを慰め、残りの五匹はおれに向かって低い唸り声を出した。
おれは一瞬だけ気後れしてしまったが、何匹集まってもヤドンはヤドンじゃねぇか。
おれはカブトプスさまだぜ、ばかにすんなよ、と鎌を振り上げて威嚇のポーズをした。
するとヤドン達の様子が変わると同時に、両腕の鎌が急に重くなった。
鎌は後ろへと引っ張られ、そのせいで体もバランスを崩し、後ろから倒れこんでしまった。
ねんりきか、舐めたマネしやがって!
今のは集団の力が合わさっただけで、一匹一匹の力は大したことない。
おれはすぐさま起き上がって飛び上がった。
鎌を掲げ、勢いをつけて振り下ろした。
まぁ、マジで切り刻むわけではねぇ。
ヤドン達の目前に深く突き刺し、それを奴らにまざまざと見せつける。
そして鎌を引っこ抜き、それからヤドン達の体の上で振り回した。
見よ、この鎌捌き。
得意になっているとヤドン達の目が一瞬光り、おれの体が硬直した。
何が起こったのか分からない。
再び後ろへと倒れ、何の抵抗も出来ない体を地面が受け止めた。
声も出せねぇ、目はただ一点、青い空を映している。
そこへ、マヌケな目が幾つもおれを覗き込んできた。
ちっ、かなしばりでもされたんだな。
意識と感覚だけは鮮明で、何とか逃れようと試みるが体が重くてどうにもならん。
そうしている間に更なる重さを感じた。
ヤドン達が乗ってきたのか、くそ、しくじったな……。
早く解けろ、解けろ、と願ってると、おれの鎧に何かが触れた。
丈夫な鎧とは言ってもおれの体である。
なめくじでも這ったような感覚に、思わず寒気を覚えた。
それがおれの顔にも這った、が、それはヤドンの舌であり、無論巨大なめくじではなかった。
まさにおれはヤドン達に体を舐め回されているのだ。
やめてくれ、気持ち悪ぃ……。
メスヤドンにヤったことをこの場でお返しされるとはな。
ある一匹の舌がおれの股間に触れた。
鎧越しでもその刺激に体が跳ねてしまいそうだったが、逆に全く動けないおかげでヤドンにバレることはなかった。
……というのは甘い話で、ヤドンは鎧を捲って隠れていたモノを見つけられてしまった。
ソレをヤドンは大きな舌で包み、体の重みは下腹部へ集中した。
お、おれはヤるのは好きだけどヤられるのは嫌いなんだよ!離れろコラァあっ!?
複数の舌の存在。
なんとかして振り払おうとすると、ようやく上半身だけが動いた。
少し麻痺して両腕もまだ動かねぇが、体を起こして今の状況を理解しようとする。
予想通り、群がったヤドン達がおれの取り合いをしていた。
そそり立ち始めてきたおれにヤドンの舌がうねりせめぎ合う。
たった一本に一匹は亀頭を独占して口に含み、残りの四匹は空いている所を下から上へと舐めている。
「はっ、ちくしょう、やめろよぉ」
やっと声が出た。
だが聞く耳を持たないこいつらには大した意味を持たない。
はぁ、もう見たくなんてねぇよと体を倒し、光景が視界に入らないようにする。
見なくたって体が勝手に反応しやがる。
嫌だってのに下腹部からゾクゾクと昇って来るものが堪らない。
自分が犯されて感じちまうなんて情けねぇ……。
溜息を吐くと、おれの顔の横を三匹のヤドンが横切った。
「え!?お前らも行かなくていいんだよ!」
結局おれの下半身には八匹ものヤドンが詰め寄った。
もう一度体を起こして見てみると、ヤドンの上にヤドンが乗っているという、えらいことになっていた。
さっきおれに襲われたヤドンも参加してやがる。
あんだけ反応が鈍かったのに一体全体どうしたんだよ。
「ぐっ、は、はぁん、うぅ…」
このおれさまがヤドンにしゃぶられてこんな声出しちまうとは。
常に何処かに刺激を加えられ休まることはない。
ヤドン達の舌も他の舌と絡み、ディープキスをしているように見える。
って、何思ってんだおれは。
おれの亀頭を咥えるヤドンはそれを鈍く丹念に舐め転がす。
何か美味いものでも味わうようにねっとりと。
「うっく……ヤドン、もっとくれぇ……」
マジでどうかしちまったんだな、おれ。
もっと速くしてほしいともどかしく思う一方で、おれはこの緩慢な動きの虜になっていた。
じわじわとくる腰の気だるさが遅くも確実にやってきておれの領域を侵食していく。
目を瞑って絶頂がくるのを待っていると、一匹のヤドンがわざわざ腹と胸を通って顔に密着した。
下腹部をおれの口に向けて、行為を要求しているようだ。
やめてくれ、もう自身はないんだ、と言おうとする直前、ごりっと嫌な感触が口に当たった。
「げっ、お前オスじゃねーか!オスのおれさまがチンチンなんか舐め、むぐ!?」
ビタンビタン、ヤドンはおれの顔の上で腰を打ちつけ、無理やり口に押し込んだ。
どうやらおれに拒否権はないらしい。
つーかオスを咥える以前に、おれ、オスに気持ちよくされていたとは……。
軽く仮死状態に陥っても、ヤドンは早くしろと言わんばかりに腰の振りをエスカレートさせる。
上も下もめちゃくちゃにされて訳分かんねー、だが、あーーくそ、気持ちいい……。
……本当はもうかなしばりの効果は切れていた。
逃げることは至極簡単なのに、今おれは狂ったように腰を振り、絶頂を迎え入れようとしている。
「あっ、あっ、くぅう!」
そして恐ろしく単調な動きに気がどうにかなっちまいそうだ。
こいつらはおれが何と叫ぼうとも、あくまでマイペースで駆け引きすることを知らない。
「もうダメだっ、んああっ、んんむぅ!!」
おれが奉仕を止めると、すかさずヤドンは体を叩きつける。
そんなことされても、頭ン中がぐるぐる回って何をすればいいか分からない。
体の何処を動かしてんのか、動かす方法も忘れちまうくらいだった。
熱くギンギンに硬くなったモノがこんなにも溶かされちまってる。
柔らかくぬるぬるしている舌がまるで別の生き物のような、それぞれが未知のうねりを見せてくれていた。
「で、出るッ!」
重いヤドン達を蹴散らすように、腰が勝手に暴れる。
体ごと絶頂に昇りつめるかのように腰を高々と突き上げた。
「イッ…………っ…………うあ……」
おれは今日まで解消されなかった不満をヤドンにぶちまけた。
それは全てヤドンの大きな口の中に溶け込んでしまったようだ。
落ち着くまで変わるのことないペースで舐め続けられた後、終わりを知ったヤドンは次々におれから降りていった。
はー……何してんだろ、おれ。
イッちまうと頭が急に冴えて現実に戻らざるを得ないんだよな。
さっきまで見せていた痴態が恥ずかしい。
まぁ、あいつらは別に気にしてもねーだろうが。
目を鎌で遮って天井を仰ごうとするが、でんと太った腹に遮られていた。
「……お前か」
また奉仕の止まっているおれを促すため、ヤドンは再び顔の上で体を弾ませた。
「痛ぇ!重ぇ!分かったよ!」
とりあえずさっさとイかさねぇと顔と首がぶっ壊れそうだぜ。
ヤドンのモノはそれほど硬くはなく、丸々として柔らかい。
何も言わない、めちゃくちゃ鈍感、そのせいでいつになったら終わるのか検討もつかねぇ。
ただひたすらに硬い舌でふっくらとしたソレを溶かしていく。
鋭い歯が刺さりかけてもヤドンは何も言わない。
これだけ鈍感だとかなり本気になってもいいんだな?
おれはムキになってどうにかしてイかせようと本気モードに突入した。
こうなりゃもう相手がオスでもカマでもなんでもいいぜ。
皮の部分には歯を軽く当てて強めの刺激を出し、亀頭は丁寧に舐めしゃぶる。
それに集中して気付かなかったが、さっきからなにやら妙な音がおれの耳に届いていることに気付いた。
ぱこぱこぱこぱこ……ってオイィ!
ヤドンの腹をどかし隙間から辺りを窺うと、他のヤドン達がつがいと行為の真っ最中だった。
「おれの周りで何してやがるッ!」
おれの顔の上のこいつが抜けてるせいで3Pをしていたり、あるいはオスメス仲良く突っ込んでいたり……。
あのメスヤドンもオスにチンチンを突っ込まれ腰を振られていた。
な、なんか悔しい……。
見たくもねーのにそれに気を取られていると、突然おれの口内に熱く苦いものが注ぎ込まれた。
「ッ!」
「…………」
ああ、イッたのか。
急なことに驚いたのとちょっとした満足感を感じた。
ヤドンはおれから体を退け、他のヤドン達に加わろうとしている。
おれは口から精液を吐き捨て、体を洗いに行った。
くそ、ちょっと飲んじまった。おれは口を漱ぐ。
下半身も精液と涎でベトベトになっていて、鎌ではなかなか汚れを取り難い。
ムスコはだらしなく垂れ下がり、なんだか虚しくなった。
悪戦苦闘しているおれは、またしても急に後ろへ引っ張られた。
天井を見上げるとマヌケなヤドンの顔……。またお出座しですか。
「もうできねーよ、いい加減にしてくれ」
水中に逃げようとしたがヤドン全員がおれに襲い掛かり、おれは無残にも引き摺られてしまった。
最中だったからか、オスのヤドンからはゴリゴリが、メスからはぬるぬると愛液が押し付けられる。
「や、やめろ……」
ヤドン達を振り払おうとしたが、再びかなしばりをかけられてしまった。
これでおれはなすがままにされてしまう。
本当にヤドンが憎いなら鎌で切り裂いて皆殺しに出来たはずだ。
だが、何で、何でそれが出来ねぇんだよ、おれは……。
必死に理由を求めて今までのことを考えていると、不覚にもおれは勃ってしまった。
それを見つけた一匹のヤドンは、おれのムスコにマンコを押し付けた。
ま、まてよ。
ぬるりとした感覚に悶えそうになるが、それでも我慢していると、ずぶりと音を立てておれはメスに飲み込まれてしまった。
声が出てしまうかと思ったが、かなしばりで声も出せない。
吸い込まれちまいそうなおれは情けなくて泣きそうになった。
ヤドンの中は柔らかく温かく締め付けてくる。まぁ、カブトプスのメスもそうだが。
悔しいが気持ちよすぎて頭ン中が弾けてしまいそうだ。
また別のヤドン、今度はオスがおれの開けっ放しの口に硬くなったソレを突っ込んだ。
口を動かせないおれの中をヤドンは腰を振り掻き混ぜた。
そして周りからは、ぱんぱんぱんぱんと音がする。
おれは強制的に乱交パーティーに参加させられていたのだ。
さっきのかなしばりで少しは慣れたのか、おれの首は少しだけ動いた。
なんとかしておれを体に入れているヤドンを見るとそれはあのメスヤドンだった。
お前、逆におれをレイプしようってのかよ。
……最初に襲ったおれが言うのも何だが、メスのお前が簡単にオスにあげても構わないのかよ?
なぁ、お前にはさっきのオスがいるんじゃねーのか?
そいつが彼かどうかは知らんが……こんなことでいいのかよ……。
声に出来ない言葉をメスヤドンに投げかけた時、おれもこいつらと同じなんだな、と思った。
息を荒げ快感だけを貪り、おれの今までしてきたことと全く変わらない。
マジでばかだよな、おれ。
「っはぁあ!むぐぅ、や、ヤドンッ!」
いつの間にやらおれの声は洞窟に響き渡り、プライドと自我が崩壊していた。
まだ体の方は自由が利かなくて、じわじわと攻めてくるヤドン相手にどうしようもなかった。
ぶっ壊れて腰を振りまくりたいのだが、かなしばりはおれにその権利を与えない。
全てはヤドンの勝手でペースで物事は進んでいく。
ギチギチとおれを締め付け、穏やかな快感が与えられる。
腹の奥から声を出し、喉を震わせ、速めてくれと叫びたい。
「ぐぐっ、うあっ!はやくッ、速くイかせてくれぇ!」
叫んでも叫んでも、ヤドンはおれの懇願など聞いちゃくれねぇ。
ゆっくりと時間が止まってしまったのではと感じる程の動きに気が狂いそうだった。
頭はいつまでも白のまま。めまいがする。
愛液と内壁に舐め取られ、おれから、メスヤドンから、双方からの痙攣が伝わってくる。
その粘液の量も更に増えた気もして滑りがよりスムーズになる。
だがそれを理由にスピードは上げてもらえず、最後までもどかしさを我慢する他なかった。
奥まで押し付けられ、最奥の柔らかい部分が当たる。
子宮に続く穴の僅かな隙間に亀頭が挟み込まれた。
微かにメスヤドンが仰け反り、おれも気持ちよさに喘いだ。
口に埋まるヤドンのせいで呼吸が上手くいかないのも相まって、段々とめまいがしてきた。
だがそれがまた心地よい。
こんなにヤバイのは初めてだ。
「おれはっ……おれはぁ!」
そろそろラストスパートか、2匹のヤドンのスピードが僅かに上がった気がした。
「はぁっ、はあっ、ひゃは!」
何が何だか分からねぇ。
もうすぐで頂点に達するということしか分からない。
おれはどろどろにヤドンの中で溶け合い、口の中でもヤドンは溶けている、のか?
「むぐぐっ」
ヤドンは顔の上で飛び跳ね、口の中で存分に暴れた後……、
「ッぶは!?」
ビクビクと震えながらヤドンは口内に精液を撒き散らした。
滾りは途切れることなく溢れてしまいそうな程注ぎこまれた。
苦味が来る前に全てを飲み込み、オスの臭いを鼻から抜き去る。
吐き気と苦しさを感じる前に、下からやってくる快感に掻き消されちまう。
もう、もう、おれは……。
「あーっ、あっ、イク……ッ!!」
メスヤドンの動きが酷く遅くなりやがった。
時間が止まってしまったようにイク直前だけが幾度となく繰り返される。
内壁に四方を押され、肉棒全体が訳の分からないものに絡まり……。
おれの体の中で火花が弾け飛んだ。
時間が止まったおれをメスヤドンが現実に戻すかの如く、腰を打ちつけた。
直前の感覚が一挙に登りつめ、絶頂へと一気に導いた。
「……ッおおお!!」
メスヤドンの中に全てを吐き出し、中に飲み込まれていった。
おれが中でドクドクと注ぎ込んでいるのが正確に分かる。
一瞬だけメスヤドンの動きは止まった。
この無様なおれさまを見て嘲笑ってでもいるんだろうな。
深く考察する間もなく、すぐに再開された後、メスヤドンは体を震わせおれをきつく締め付けた。
おれは小さく呻き、いつまで続くとも分からない痙攣をただ感じていた。
かなしばりが切れた頃、重苦しいヤドンを鎌の側面で押し退けた。
折角洗った口は唾液と精液が、下半身は愛液と精液がこびり付いているかのようだった。
「……最悪だぜ」
おれを犯していたヤドンは他のヤドン達との行為に勤しみ、おれ一匹だけが取り残された。
いや、それでいいのだが余計に屈辱を感じちまうだろーが。
当分はヤるのなんてまっぴらだ。
自分でするのですらトラウマを思い出すかもしれん……。
深く溜息を吐くと、うな垂れるおれの背後にヤドン達がやってきた。
「何だよ、お前らだけでやってろ!」
そう吐き捨てるとヤドンは背後からおれの頭に飛び掛り、その重さでおれは顔面から岩に顔を叩きつけてしまった。
衝撃に頭をくらくらさせていると、重石のように背中にヤドン達が飛び乗った。
嫌な予感が過ぎったおれの予想通り、ヤドンはおれのバックを探り出した。
……おれの尻を。
尻を守る鎧が剥がされ、そこにヤドンが群がる。
「まさかな、おい、冗談じゃねぇぞ……」
周りを慣らしていくかのように探られ、舌で舐められる度に一々体が反応した。
後ろは全く見えねぇが、このままだと何をされるのかは安易に想像がつく。
「ひっ、待てよ?なぁ」
ヤドン達によって足を広げさせられ、尻にオスが押し付けられた。
血の気がサーッと引き、冷や汗がどんどん出てくる。
「やめろ!ヤドン!」
マジでそれだけはやめてくれ!
ヤドンなど力でどうにでもなると思っていたが、それは甘かった。
上から押さえつけられた体はビクともしない。
かなしばりをかけられよーが何だろーが関係なかった。
「退け!どけぇええ!」
おれの声は虚しく洞窟内に反響する。
助けてくれる者は誰もいない。
もしかして一生ヤドンの奴隷になるなんてことねぇだろうな……。
より強く肉棒が押し付けられる。
おれは反射的にビクリと尻を縮みこませるが、何の意味も持たない。
ただおれが辛くなるだけだ。
「なぁ、やめてくれよヤドン。おれが悪かったよ、だから、だから……」
おれがそう言うと、ヤドン達は嬉々とした声で一斉にこう答えた。
「………………………やあん……」
と。
――end