ぼくがマスターに出会ったのは今から数年前。誕生日祝いにと父親から子(マスター)へと、ぼくが手渡された。
それからずっとマスターとぼくは一番の相棒だ。
マスターとぼくで最初につかまえたのはオオタチというポケモンで、ようきな性格からぼくともすぐ仲良くなった。
空が青く冴え渡る夏の日。
遠くから聞こえる虫ポケモンの声を聞きながら、ぼくとマスターとオオタチは若葉が茂る森に佇んでいた。
「なぁメタモン。本当にここにいるかなぁ」
麦わら帽子をつまみあげながら、マスターが独り言のようにつぶやく。
返事をしたいけれど、もちろん人とポケモンは言葉を交わすことができない。
かわりにぼくは体をうねらせてはげますようなしぐさをしてみせた。
となりでオオタチも同じように、そのスラッとした体を動かしている。
「…よぉっし。いっちょためしてみるか?いけっ、オオタチ!!」
マスターのかけ声とともに、オオタチが頭からつっこんでいく。
ポケモンではない。大きな木の幹に、だ。
どおおおおんっっっ!!!
オオタチの頭がぶつかった。大きな音が響き渡り、振動が伝わってくる。
葉ががさがさと揺れて、それにびっくりした鳥ポケモンたちがいっせいに飛び立っていくのが見えた。
「…あっ!」
マスターが叫んだ。
大きな木からなにかポケモンらしき影が降り立ち、木々の陰からそいつは姿を現した。
「やった!ヘラクロスだ!」
マスターはどうやらそのかぶとむしポケモンがずっと欲しかったらしい。
木にずつきすることでポケモンが落ちてくることがあるのだが、ヘラクロスは出現が稀なのだそうだ。
一発目で見つかったマスターは相当運が良いのかもしれない。
そのヘラクロスはなまいきというかいじっぱりというか、とにかく仲間のオオタチのようにひとなつっこい性格ではなかった。
とはいうものの長い間マスターと一緒にいることでだいぶなついてきたようで、だんだんとぼくとも打ち解けてきているような気がしていた。
ぼく、オオタチ、ヘラクロス。
ぼくたちはマスターのお気に入りベスト3で、どこへ行くにもぼくらを連れてってくれていた。
マスターが67匹めのポケモンをつかまえて家に帰る途中、ぼくたちの横をなにかが通り過ぎていった。
ぼくは基本動きが遅いのでそれがなんだったのかを見ることはできなかったのだが、マスターは見ていたらしい。
「あれって…」
マスターは興奮で頬を紅潮させ、しばらくそのなにかが走り去った方向を見つめていた。
次の日、マスターが突然こんなことを言い出した。
「メタモン、ヘラクロス。悪いんだけど、今日からおまえたちをそだてやに預けることにしたよ」
モンスターボールから出されたヘラクロスがきょとんとしてマスターを見上げている。
「実は昨日、色違いのポケモンを見たんだ!僕、どうしても色違いが欲しいんだよ。だからごめんな。たのんだよ」
「そんなあ…ますたあ…」
マスターがそだてやから出て行った後、ヘラクロスが泣きそうな声でつぶやいた。ポケモン同士なら会話はできるのだ。
不安になるのもむりはなかった。
彼がマスターから離れることなんてこれまで一度もなかったんだから。
けれどそれよりぼくが気になったのはマスターが言っていた言葉だった。
『どうしても色違いが欲しい』
「いろちがいか…うーん、むずかしいかもね」
色違いなんてレア中のレア。へたしたら一ヶ月以上はここにいることになるかもしれない。
「いろちがいがどうしたって?」
ヘラクロスが涙をこらえて話しかけてくる。
「マスターはいろちがいのポケモンがほしいんだよ。だからぼくたちをあずけて、」
「ちょっとまってよ、おいらたちはオスだろ!?そんなのできるわけない」
「ううん、ぼくはオスじゃないよ。メスでもないけど」
「え!?」
ヘラクロスは丸い目をさらに丸くした。知らなかったのか。
「どういうこと?」
「うーん、つまりぼくはどっちにでもなれるってことさ」
ぼくは自分の体を広げ、液体状の体の一部をヘラクロスとそっくりの手につくりかえた。
「そうか、『へんしん』で…」
「そゆこと」
「ん?てことはおいらはオスだからおまえがメスになって…?」
「そゆこと」
「うわああああっっっ!!!」
いきなりヘラクロスが叫ぶものだからぼくはびっくりしてへんしんをといた。
「なに?」
「そんなのっできるわけない!」
ヘラクロスは信じられないといわんばかりに頭をぶんぶん振っている。
よく見ればその顔は少し赤く染まっているようだ。
「…そうしなきゃマスターの願いは叶えられないんだよ?」
「むりむり!」
「…そんなに悪いもんじゃないとおもうけど?」
「むりむり!!」
「…もしかして、したことないの?」
「むりm…、なっなんてこときくんだよ!?」
ヘラクロスは真っ赤な顔をさらに赤くして飛び上がった。
いちいち反応がおもしろくて、ぼくはついついいじわるを言いたくなってきた。
なんだろう、この気持ち。
「そっかぁ、ヘラクロス、体は大きいのに、けーけんないんだ」
「ど!どうせおまえだってないだろっ!」
「あるよ」
「ほーらいわんこっちゃ… え?」
「まえにも何回かあずけられたしね。もちろん、オスメスかんけーなく」
「…なんだよそれ!?おまえはそんなんでいーのか!?」
「いーもわるいも、ぼくはオスでもメスでもないし。若いからセーヨクはありあまるほどあるし。
メタモンに生まれてきてよかったなぁと思ってるよ」
「へんだろ、そんなの…そんな」
ヘラクロスが、こころなしか悲しそうな表情を浮かべたのをぼくは見逃さなかった。
「もしかして…好きな子としかしたくないとか?そういう純粋な考え方のもちぬし?」
「!!」
いじわるな言い方になってしまっていたのは自分でもわかったのだが、ぼくは口を止めなかった。
「ひゃあ〜、みかけによらず、硬派なんだねぇ。ヘラクロスはもっとガツガツしてるかと思ってたよ。意外だなぁ〜。
ねぇ、好きな子いるの?どんな子?その子としたい?
それとも独りでなぐさめちゃう?告白した?告白して想いが通じ合ったらするつもり?
でも今時そんなんじゃだめだよ?げんにあのオオタチだってこの前…」
そこまで言いかけて、ぼくは言い過ぎたと後悔した。
ヘラクロスの吊り上った目に涙が光っていたのだ。
「………ごめん」
気まずい雰囲気の中、ぼくたちはいつのまにか夜を迎えていた。
そだてやのおばあさんは自分の家に帰ってしまったみたいだ。
他の人のポケモンたちがどうしているのかは、仕切られているかわからないが、おそらく寝ているか・しているかのどちらかだろう。
天井の窓から月が見える。綺麗な三日月だ。
「…なぁ起きてる?」
ふいに後ろから呼びかけられた。
後ろを振り返ると、ヘラクロスの黒い目がこっちを見ている。
「起きてるよ、どうしたの?」
「かんがえてみたんだけどさ…」
おずおずと話し出したヘラクロスに、ぼくは耳(?)を傾ける。
「さっきは…あんなこといったけどさ。…あ、あずけられちゃったもんはしかたないしっ!
タマゴがひとつもなかったら、マスターがっかりするだろうし!
それにずっと二匹だけってなんかひまだし!」
いったい何を言い出すのかと思えば。
ヘラクロスは、まるで自分に言い聞かせるように言い訳を垂れ流した。
その様子から、ぼくはある種の期待を持ち始めていたんだ。
「…だからさ、…べつに、してもへいき」
ヘラクロスが真っ赤な顔をしながら、そう言った。
その途端、ぼくには無いはずの下半身が、熱を持った気がした。
「ほんっとーに、いいの?ぼくがすきなわけじゃないんだろ?」
「……」
「なんだよ、だまっちゃって。まあいいや。へんしんするよ」
とはいうもののなんのポケモンにへんしんしようか?
ヘラクロスと同じタマゴグループのポケモンでなければならない。体の大きさや重さも考えないと疲れるし。
なんとなしにヘラクロスを見てみる。
地面をコツコツといじりながらぼくを待っている様子に先ほどのやりとりが思い出され、なぜだかぼくはもう一度彼をからかいたくなってきてしまった。
決めた。―――へんしん
みるみるぼくの体が変形していく。思い描いていたポケモンにへんしんするのは、一瞬だ。
ヘラクロスは顔を上げてこちらを凝視している。
「…どう?みごとなもんでしょ」
スタッとそのしなやかな脚で地に降り立つ。
「キリンリキ…」
そう、ぼくがへんしんしたのはキリンリキ。四足歩行のくびながポケモンだ。
「そんなんで、で、できるのかよ?」
不安そうにぼくを見上げるヘラクロス。ぼくは小さく笑うと、二本の前足で彼を押し倒した。
「あっ!?」
こうすればヘラクロスは簡単に起き上がることができないだろう。
「ちょっとあそばせて、ね?」
甘えるようにささやく。
「なに?…ん!?」
なにかをいいかけようとしたその口に、自分の口を合わせる。
周りをひと舐めしてから舌をその中に差し入れると、そこは湿っていた。
うねうねとさまよう舌に自分のを絡めて、吸ったり舐めたりをくりかえす。
「うぅっ…んむ、んっく…」
夜目にもわかるほどにヘラクロスの頬は赤くなった。
それに気を良くして、ぼくはさらに前足に力を入れた。
「きもちよさそうじゃない。まんざらでもないのかな」
「そんなっ…あっ、おい!そこは!」
べろり、と。下腹部から突き出ていた肉の管に舌を這わせる。
ヘラクロスの顔を見ると、だらしなく口の端からよだれを垂らしている。
「キスだけでたつなんて、どんだけ純粋なの。かわいいね」
「いや…やめろよメタモン…ん、んんっ」
充血したそれは本当に誰の中にも入れたことがないのだろう、新鮮なきのみのようにおいしそうな色を帯びている。
ぷっくりと膨らんだ性器を舌で転がしながら丁寧に愛撫していく。
先端をくりくりと突付き、浮き出た血管をなぞるように舐める。
キリンリキの口に含めるほどのそれはさほど大きくもなく、ぼくはその獲物をじゅぽじゅぽと口先で扱いてやるのだ。
「んぶっ…む…」
「あっあっ、あやだ、あ、いや、ああーっあーっ!」
ヘラクロスの両足がつっぱり痙攣し始めた。
「ふぶっ…そろそろ、イく?」
「んやあっ…はあーっ、はぅあああっ!!」
ぶるり。熟した果実は一瞬震え。先端から白濁とした蜜をびゅるるっと放出した。
「…濃いね。ずっと出してなかったの?」
「うぅっ」
喉を通ったあとのその熱さとしつこさがぼくは嫌いだが、なんとなくヘラクロスのそれはおいしそうに見えた。
彼は甘い花の蜜が大好物だから、そう思っただけなんだけど。
予想外に苦味が強かったそれをゆっくりと飲み干していく。
荒く息をつきながらのろのろと体を起こしたヘラクロスは、涙を流しながら頭をふるふると左右に振った。
「やだあ…やっぱりむりだよぉっ!」
「なにいってるの、キミから誘ったんでしょ?」
「だって…こんなっ」
「こんなにきもちいいと思わなかった?…いっとくけど、これでまだおわりじゃないからね?次はぼくを楽しませて」
まだいやいやとだだをこねるヘラクロスを無視し、反転させて押し倒す。
ぼくはその背中に乗り上げると後ろ足だけで立ち上がり、前足をヘラクロスのツノに置いた。
「なに?つぎはなにする気だよ!?」
慌てて叫ぶヘラクロスは、しかし振り向くことができない。
「だまって。キミはじっとしてればいいよ」
少し辛い体勢かもしれないが、ぼくはツノから前足を離した。
そして―――猛った己自身を、そのツノの二又に差し当てる。
「…?」
ヘラクロスが身じろぎをするが、ぼくがそれを許さない。後ろ足で肩を抑えてけん制する。
ぼくは後ろ足で体を支え、ペニス一本でバランスをとった。
はたから見れば、なんて滑稽な光景だろうか。それを想像してぼくは小さく笑った。
「ふふっ。ずっとこのツノでこうしたかったんだよね…」
ぼくはゆっくりと腰を動かし始めた。
ぬるっ…にゅるんっ…。かすかに濡れた音を立てながらぼくの動きはだんだん激しいものになっていく。
「はあっ、はあっ、これっいいなっぁ…あっ、はっ…」
わずかな隙間に差し入れたペニスは二本に分かれたツノで擦られ、なんともいえない気持ちよさがぼくを襲った。
しゅこしゅこと刺激を与えていく。
ヘラクロスはなにをされているかわかっているのかわかっていないのか、うつ伏せになったままじっと耐えているようだった。
声を出されないんじゃつまらないなぁ。それにこの体勢は辛すぎる、かも。あ、後ろ足がシビれてきた。
ぼくはツノオナニーをやめ、屈みこんで彼に顔を近づけた。
「じっとしてろとは言ったけどさ、だまっちゃうとつまらないよ。ほら、また仰向けになって…」
優しく囁きながらぼくは彼の体をまた抱き起こした。
ヘラクロスの顔は彼自身の肉茎と同じぐらいに赤く染まって、ぎゅっと目をつむっている。
「うそつき…」
「ん?」
ぼくはヘラクロスの胸板を舐めながら気づいたな、とほくそ笑んだ。
「うそ…ついたろ…おいらがオスなら…メタモンはメス…っん!」
小さく頭をもたげるその肉塊にぼくは愛しげに口を寄せた。
「メスの…あっん、ポケモンにぃっ…うあ…なるってぇそのつもりでぇっ…ひゃあ!?」
肉茎より奥まった場所にぼくの舌が到達した。
汗と精液のすえた匂いがぼくの鼻に入り込み、思わずむせそうになる。
それでもペロペロとぼくはそこを舐め続けた。
「やだあっ!メタモンやめろおっ!やめてよおっ!」
普通なら羽と甲羅に遮られて絶対に見えないような位置にある、排泄器。
ぼくはヘラクロスのアナルを舐めているのだ。
なにも初めてじゃない。オスとしたことはあるしそのオスのほとんどはココが感じるポケモンばかりだった。
…たいていのポケモンは『メタモン』には舐めてかかってくる。バトルでもセックスでもね。
けれどぼくはどんなポケモンにだってへんしんできる。
そこから逆転して相手をあっと言わせるんだ。
ぼくは相手を気持ちよくさせるのが好きだし、相手があえいでいる姿を見るのも好き。
だから今目の前で快感に溺れているヘラクロスが、かわいくてたまらないよ。
「やっ…ああ…ん、もうやめてくれよおっ…」
尻をもじもじさせながらヘラクロスが懇願する。
その時シュシュ、シュシュ、と小さい音が聞こえることに気づいた。
なんだろうと首を回してみると、ヘラクロスの背中で羽が揺らめいているのが目に入った。
「ヘラクロス、それ…」
彼の持つ羽と尻が擦れ合って出している音だったのだ。
シュ・・・シュ・・・とかすかに擦れあう音。興奮の証。
急に嬉しくなって、ぼくはアナルがよく濡れそぼったのを確認してから、また彼の上に覆い被さった。
「はぁはぁ…メタモン、おいら…」
「わかってる。いれてほしいんだよね?」
「ちがうよっ!!もう…おまえがこんなにヘンタイだったなんて思わなかった…!」
顔の前で腕を交差させて恥ずかしそうに呟く。
ぼくはフンフンと顔を近づけて顔を舐めた。
「くっ…くすぐったい…」
「…キリンリキとやるの嫌?」
「…そうじゃなくて…おいらオスなのに…」
「性別なんてどうでもいいじゃない。ね、そんなことよりさ、もうガマンできないよ…」
「へ?」
ぼくのペニスは先ほどのツノオナニーからずっと射精を待ちわびていた。
腰をふりヘラクロスが見えるようにすると、彼はずり、と後ずさる。
「どうするんだよそれぇ」
「こうする」
ペニスを彼の尻にひたりと近づける。後ろ足を折り曲げれば、もう挿入準備万端だ。
「あっ…」
「ねぇいいでしょ?今夜だけ入れさせて」
「…あ、あ、あたってる…」
ヘラクロスは困惑したように体をびくりとちぢこませた。うーん、かわいい。
「いきなり入れないで…おいらのケツ壊れちまうよぅ…」
「うん…」
ぬるぬると滑るその入り口に、力を入れて身を沈めていく。
ひゅっと息を飲む音が聞こえ、穴が締まる。
唐突な締め付けに思わず出るのをこらえてヘラクロスに囁いた。
「ゆっくり深呼吸して…そう、そのまま…」
強く握られたような感覚に襲われたまま全てを飲み込ませる。
「あーーきっつ…」
たまらず息をついてから動きを止め、ぼくは前足でヘラクロスの頭を撫でた。
「あぁっ…う、うぅーっ…」
「スー。ハー。」
「すぅ…はぁ…」
素直に言うことを聞くヘラクロスがいじらしい。
「動くよ?」
返事を待たずに再び腰を動かして、体内を蹂躙する。
「あっ!あぅんっ!うっ、うごくなぁっ!ぁっ!」
「ははっ、ほら、こわいならさ、つかまってなよ」
激しい抜き差しを繰り返して、ぼくはそのきつい穴をほじくるように腰を動かす。
ぱちゅんぱちゅんと濡れた音が空気を犯していく。
前足をふんばりさらに強く早く揺すれば二匹の熱はどんどん上がっていった。
「あああっ!はあぁっ、あううっ、うんんーっ!!」
「はっ…はっ…」
吐いた息が白いもやとなって目の前に浮かぶ。
結合部からの卑猥な音に交じってヘラクロスのうなる声が聞こえる。
厚い腸壁にずりずり擦られてぼくのペニスも限界を感じていた。
ペニスが一番奥にコツンコツンと当たるようにスパートをかけていく。
たらたらと蜜をあふれ出す自分の陰茎にヘラクロスが手を伸ばした。
「んくっ…、もうっ、おいらぁっああっ…」
上下に手を動かし自身に刺激を与える。
と同時に後ろからのぼくの絶え間ない突きにヘラクロスは嬌声をあげた。
「もぉっもおおぉっ…メタモンんっっ…!!」
「くっ、ふっ…はぁっあっ、イこ、ヘラクロスっ…んうぅっ…!!」
じゅぷん、じゅぷん、と波打つ音を響かせて、最後の一瞬を追い求める。
「ひやあぁああっっ!!」
その悲鳴を最後に、ぼくたちは頭が真っ白になった。
びゅくびゅくと欲望を一気に吐き出し…
ヘラクロスの白い蜜がお腹に勢いよく当たるのを感じて…
「あっう……すご、い…おしりが…ぁっ…」
ぎゅうとしがみついてくるヘラクロスの頭に頬を寄せながら、ぼくは最高のエクスタシーを感じていた。
へんしんをといて、元の体に戻る。
ヘラクロスは目をつぶって寝る体勢に入っているようだ。
「ねぇ、ヘラクロス?」
「…」
「どうして急にさ、」
―――『してもへいき』なんて、言ったの?
そう聞こうとしたけれど、やめておいた。
その答えがなんであれ、ぼくたちにはもう必要ないだろうと思ったから。
「…なに?」
言いかけたぼくに、ヘラクロスが怪訝そうに尋ねる。
ぼくはごまかすようにその体に乗り上げた。
「わっ…もうしないぞ!?」
「わかってるよ。明日からいろちがい目指して、がんばろうね」
そう言うとヘラクロスは少し照れながらうん、と頷いた。
しばらくして眠ってしまった彼を見ながら、ぼくはメスの姿でどうやって彼をいじめようとそればかりを考えていた。
おわり