「待て……待ってくれ、ゼルア……」  
舞う砂にふらりと浮かび上がる炎が尻尾と一緒にだらしなく下がっている。ぜぇぜぇと息を切らしながら砂地を踏みしめてゆっくりと歩いてくるドラク。  
ナックラーのころから、進化したらどうなるのだろうとずっと思っていたが、これは非常に便利かも知れない。  
砂嵐の中を平気で飛び回れる羽、飛んでいる最中も目を守ってくれるカバー。この二つのおかげで生活が一転してしまった。  
今まで地面を必死に歩いたり、地面の中を潜って移動していたけれど、今はそれよりも遙かに早く空を飛ぶことが出来る。  
今日もドラクをあっという間に置き去りにしてオアシスの方角へ。ただ、容器は大して運べないので、その辺りはまだドラクに任せっきりではあるのだが。  
あまりにもあっという間に着いてしまうので、最近はドラクの少し先まで飛んでから待ってあげることにしている。そうでもしないと待つのが退屈だ。  
「じゃ、また先に行ってますね、ドラク」  
四枚の羽をせわしくはためかせて、尻尾を地面に叩きつけるようにして舞い上がる。後は尻尾と足でバランスを取りながら飛べばいいだけ。  
進化した次の日、飛ぼうと試してみたらこれがまたあっさりと飛べてしまった。少しバランスを取るのに失敗して何回か墜落したけれど。  
数日もすればもう慣れてしまった。今では目をつぶっていても楽にまっすぐ飛べる。そろそろ足に荷物を持っても良いかもしれない。  
そうやって少し飛んでからまた砂地に着陸する。これの繰り返しでようやくオアシスにたどり着けるのだ。  
 
「お、嬢ちゃんどうしたんだいこんなところで」  
この広い砂漠で他のポケモンに会うことはなかなかない。群れにいたときも、一日外にいて一、二回獲物に出逢えれば良い方だった。  
だからあの洞窟に住み始めて以来、なかなか他のポケモンには出逢えなかった。オアシス付近では何匹も出逢ったけれど、こんな砂漠のど真ん中では初めてだ。  
背中に生えたいくつもの棘はどう見ても刺さったら痛そう。手足の長い爪もかなりの鋭さを持っていて、いかにも強そうな外見。  
どうも友好的……というわけではなさそうで、明らかに下心見え見えの声で私に話しかけてきた。こういう時はさっさと逃げてしまうに限る。  
「いえ、これから住処に帰るところなので……」  
そういって足早に飛び立とうとする。が、飛べない、尻尾を踏まれてしまったようだ。無理矢理飛び立とうにも、尻尾で離陸をしていた私にはどうしようもない。  
足を退かそうとしたときにはもう遅く、私はこのポケモンに完全に身体を押さえ込まれてしまっていた。  
「へへ、そう言うなって。この砂漠、あんまり楽しいこともないだろ? 楽しませてやるからさぁ」  
くるりとひっくり返された私の身体。此処まで来ればもう私の大事なところも全部丸見えだ。それでも逃げることは出来ない。  
「さーて、お楽しみと……」  
にたりと笑ったそのポケモン。尻尾を上機嫌に揺らしながら私の身体をなめ回すように眺めていたそのとき。  
何かがそのポケモンを思いっきり突き飛ばした。砂の上を景気よく転がるそのポケモン。そして目の前にいたのは。  
「おいお前、俺の一番大切なパートナーに何やってるんだ? もちろん……覚悟は出来てるんだろうな?!」  
相手を吹き飛ばしたドラクは、抱えていた容器をその辺に投げ捨て、ひっくり返されていた私を元の体勢に戻してくれた。  
凄い形相で相手を見つめて、そのまま飛びかかっていく。ドラクがこんなに怒っているところは初めて見た。  
しかし相手も黙ってはいない。その鋭い爪でドラクと互角に戦っている。いや、どちらかというとドラクの方が押されているかも知れない。  
爪と爪での切り裂き合い。爪のリーチでは圧倒的にドラクが不利なのだ。自然と攻撃が当たる回数も減ってしまう。  
炎を吐いても「じめん」タイプの相手にはたいしたダメージもない。ドラクの攻撃がことごとく効かないことを相手は確信して、不敵に笑う。  
突如地面の中に消えたそのポケモン。次の瞬間、ドラクは宙に突き飛ばされていた。大きく浮く身体。その下には爪を構えたあいつ。  
「じめん」の波導を纏った攻撃はドラクに大きなダメージを与えていた。力なく落ちてくるドラクに照準を合わせて――。  
「案外よわっちいんだな。お前のパートナー、確かに頂いていくぜ……っ!」  
 
ドラクの身体を支えつつ、私は砂の上に滑るように着地した。一瞬の出来事。無我夢中で飛んでいたみたいだ。  
即座に離陸、出せる限りの速度を出してドラクの所まで向かい、落ちてきたドラクを背中で受け止めて空を滑空。我ながら完璧だったと思う。  
優しくドラクを背中から降ろして、ドラクをかばう形で相手と向かい合う。今度は誰も助けてくれない。……私が戦わないと。  
「おい嬢ちゃん、俺は今ちぃとばかし頭に来てるんだ。どかねぇと痛い目みるぞ?」  
今度は私の方をにらんできたそのポケモン。爪で私を威嚇しながらじりじりと近づいてくる。  
その鋭い目線を受けつつ、私も一切の隙を作らないようにしながら相手との間合いをとる。  
「駄目だゼルア……はやくここから逃げろっ……」  
ドラクは必死に私に逃げるように言っている。でもここでドラクを置き去りにして逃げるなんて考えられない。  
彼は私を助けてくれた。なら今度は、私が彼を助ける番だ。――私には、それが出来るだけの力がある。  
「大丈夫。私だってそんなに弱くないんですから」  
そう。ドラクを置いてけぼりにしてオアシスに行っていた間にもこんな事はよくあった。その経験、溜めた力もそろそろ感じられる。  
あのときと同じだ。いける。私は――。  
身体の輝きが、辺りを白く染めあげた。  
 
緑と水色の身体。長い尻尾に二本の足と二本の手。羽が二枚に減って、頭には長く伸びた角のようなものがあるらしい。  
身体を上手く動かせることだけ確認して、目の前の相手に飛びかかっていく。まずは相手の頭上を低空飛行で越えてから、振り向きざまに爪の一撃。  
「ドラゴン」の力を帯びた爪が背中の棘を数本傷つける。何本かは折れたかも知れない。それだけの感触があった。  
「っそ野郎ぉぉぉ!!」  
私の方に振り向きつつ爪を振りかざしてきた相手を長い尻尾で吹き飛ばす。吹き飛んだのを確認してから、私は少し上に飛び上がって最後の一撃を準備する。  
もう言葉になっていない叫びを上げながら空中の私に対して突撃してくる相手に、「りゅうのいぶき」を浴びせる私。口を閉じて一息つけば、地面にばったりと倒れた先ほどの相手が。  
進化しても余り使い勝手は変わっていないみたいで一安心だ。それどころか今まで以上の威力だったような気がする。  
「ゼ、ゼルア……お前、強いんだな……」  
開いた口がふさがらない、と言った様子で私の戦いを眺めていたドラク。まだ立っているのは辛いのか、座ったままだ。  
「まあ、群れでいたときから強くなろうとは決心してましたから。……でも」  
ひっくり返されたときは流石に焦った。もちろん戦おうと思えばそこからでも戦えたかも知れないが、無傷では済まなかったはず。  
それを今こうやって、傷一つなくいられるのは紛れもなくドラクのおかげなのだ。  
「ドラクが私のこと、助けてくれて。私のこと、一番大切なパートナーだって言ってくれて……嬉しかったです」  
危険も顧みず突っ込んできてくれたドラク。苦手な相手を前にしていても私の為に戦ってくれた。  
私はドラクのことがずっと好きだった。でも、彼はそうじゃないのかもしれないと思うと、怖くてずっとずっと言えなかったけれど。  
「私もドラクの事……好きです。大好きです」  
カバー越しに見えるドラクの顔。気恥ずかしそうに爪で顔を掻いている。目線は横の地面を捉えたまま動かない。尻尾の炎は不規則に揺れていた。  
「……俺も好きだ。ゼルア……愛してる」  
 
ドラクを私の背中に乗せて、私は砂漠を飛んでいた。進化したことでようやくドラクを乗せることが出来るようになったのだ。  
周りは一面砂だらけで何も面白みはない。空高く飛べば話も違うだろうが、ドラクを乗せてそれはちょっと不味いかも知れないと思ってやめておいた。  
「ゼルア。その……敬語、やめてくれないか? あんまり堅っ苦しいのもな」  
「あ、……うん、分かった、ドラク」  
それっきり、私もドラクも喋らなくなってしまった。風を切る音がうるさいのも理由の一つかも知れなかったが、それ以上に気まずかった。  
敬語を急にやめると慣れないもので、どう喋ればいいものか分からない。そうやって考えているといつまで経っても喋れないのだ。  
そしてあれこれと思案していたらもう洞窟は目の前に。それほど速度を出したつもりはなかったのだが。  
「……ありがとう、ゼルア」  
そういって、ドラクはささっと洞窟の中へ。私も水の入った容器を手に持って洞窟の中へと入っていった。  
 
夕方。帰るなり眠ってしまったドラクの横でずっと寄り添っていた私も、少し眠くなってきた。  
早いけれど、そろそろ木の実だけ食べて寝ようかと思い立ち、ドラクの隣をそっと離れて起き上がる。  
「……ん……ああ、もう夜か」  
ちょうどそこで目を覚ましたドラク。寝惚け眼を腕でこすりながら大きくあくびを。軽く首、足、尻尾を動かして身体を解(ほぐ)している。  
「ドラク、よく眠れた?」  
ようやく起きてきたドラクに私は適当な木の実を見繕って目の前においてあげる。ドラクの好きな辛い木の実が中心だ。  
固い木の実は私が尻尾で叩いてある程度柔らかくしたし、これなら今のドラクにも食べやすいはず。  
「ありがとう、ゼルア。……お前も食べるだろ?」  
こくり、と首を縦に振ってからドラクの隣に私も座り込む。ドラクと一緒に木の実をいくつか頬張っていると、ドラクの不自然な動作に気がついた。  
どうも右腕がまだ完全に治っていないみたいで、食べづらそうに左手で木の実を食べている。  
「大丈夫? そうだ、私が食べさせてあげるね」  
「だ、大丈夫だ、別に……ん……」  
強がるドラクをよそに、私は右腕で木の実を掴んでドラクの口の前へ。渡されたドラクは観念したのか、口を近づけて私の手から木の実を咥え取った。  
目は私とは逆方向の岩壁を見つめたまま。相変わらず恥ずかしがり屋だ。でもそんなドラクが可愛く見えてくるのは、私が進化して大きくなったからなのだろうか。それともドラク自身のせいなのか。  
「……次、マトマのみが欲しいな」  
なんておねだりをされたときは、流石に私も吹き出してしまったけれど。  
 
「それじゃ、そろそろ寝るか……お休み、ゼルア」  
「あ、その……今日は私もここで寝て良いかな?」  
「ああ、もちろんだ。ちょっと狭いかも知れないけど……すまないな」  
 
私は今、ドラクの隣にいる。ドラクはもう寝てしまったのか、すーすーと寝息が聞こえるだけ。  
完全に陽も落ちて、明かりはドラクの尻尾の炎だけ。ゆらゆらと幻想的に揺れているのが目に留まる。  
ドラクの寝顔がうっすらと見える。尻尾を伸ばして仰向けになって寝ている。さっきから見ていたが、どうも寝相が悪いらしい。  
そんな仰向けのドラク。クリーム色が炎の色で染まっているお腹の少し下。何か細い筋を見つけてしまって、私の心臓が鼓動を早めた。  
今まで何度か頭の中に浮かんでいたドラクの姿。その姿と今見ている姿が重なる。ドラクも私のことが好き。なら。  
「……いい……よね」  
そう呟いて、私は爪を立てないように慎重にその筋をなぞる。ぴくん、とドラクの身体が微かに動いた。もう一度。また動く。  
なぞる動きは段々とエスカレートして、少しずつ速くなっていく。まるで私が独りでしているときのように優しく、けれど激しく。  
ドラクの息遣いが荒い。そういえば身体の動きも何だか大きくなっているようだ。感じてくれているのだろう。  
そしてついにドラクの雄が顔を覗かせ始めた。手を触れないようにして眺めていると、それはむくむくと大きくなる。  
そして先ほどまでは見えなかったその雄が、ついに完全に姿を現した。ドラクの身体の大きさに相応しい大きさだ。私から見たら少し小さめではあるが。  
今度はその雄に手を延ばす。三本の指で優しく包んでそれを扱く。これも群れにいたときに教わった方法だ。こうやって雄は自慰をする……らしい。  
「っぁ……は……ゼ、ゼルア……?」  
ドラクの声。不味い、起きてしまった。荒い息遣いをしながら、状況が読みこめていないドラクは寝たまま首を傾げる。  
「あ、ご、ごめん……つい」  
慌てて雄を掴んでいた手を引っ込める。顔が熱い。ドラクの目をまともには見られなくて、結果として目が泳ぐ。見渡しても岩、岩、岩。  
「……ゼルア、あの……俺でよければ、続けてくれ……」  
そのまま寝床に帰ろうとしていた私を引き留めて、ドラクが言った言葉。それを頭の中でもう一回だけ反芻する。  
「……うん」  
物欲しそうな目で私を見つめているドラクの顔。その顔に首を伸ばして、唇を重ねてキスをする。舌を伸ばして、お互いに唾液を入れ替える。  
ドラクの味。ドラクの匂い。口の中にそれが広がって、まるで劇薬のように頭の中に刺激が走る。  
立ち上がっていたドラクを押し倒す。尻尾の炎に気をつけながら、猛ったドラクの雄を少しきつめに握って、素早く扱き始める。  
「は……っぁ……ぁぁ……」  
数分もすれば、その先端からは液体がじわじわと漏れだしてきていた。それが潤滑油のようになって、さらに私の動きを早める。  
だけどここでドラクが先に果ててしまっても面白くない。私は手を離して尻尾の付け根をドラクの顔に近づけ、私からドラクに催促する。  
その意味をくみ取ってくれたのか、ドラクは私の割れ目に手を伸ばしてきた。触れられて気づいたが、もうだいぶ湿り気を帯びていたようだ。  
「ぅ……ん……あっ……」  
小さかったはずの滑る音は、今やぐちゅぐちゅと遠慮なく鳴っている。もう少しで果てそうだ。出来ることならもう果ててしまいたい。  
だけれどドラクも私と同じ考えだったのか、ふっと手を離してしまった。そうだ、ここからが本番なのだから、果ててしまってはいけない。  
そう思い直して、私はドラクの股の上に跨る。ドラクの身体がまだ万全でない以上は、私がリードしなければ。  
「……いいんだな、俺で」  
「うん。……ドラク、愛してる」  
彼のそそり立つ雄と、私の濡れそぼった秘所が重なる。一つがもう一つに埋もれていき……私と彼の身体が一つに重なった。  
 
初めての証を突き破って、さらに根本まで彼を納めきる。  
「ドラク。私が動くからね……」  
すっと腰を上げると、秘所の中の壁で彼の雄が擦れるのが分かる。その快感は今までやってきた自慰の比ではない。  
抜けるぎりぎりまで腰を上げてから、今度は一気に降ろす。ドラクは小さな悲鳴を上げた。その声はまるで雌のよう。  
私はその快感にとりつかれたように、ひたすら腰を上げ下げする。私と彼の出した液体が香りと音でそのムードを盛り上げる。  
「はぁっ……あっ……ぜ……るぁ……ぁっ」  
「ドラク……っ…………あぁぁっ」  
腰の動きは激しいものへと変わりつつあった。いつの間にかドラクも必死に腰を上げ下げしている。お互いの不規則な動きでますます中がかき乱される。  
快感の波は着実に終わりへと近づいていた。彼の雄が中でびくびくと暴れ回っている。私自身も膣がきゅっと締まる感覚が襲い始めている。  
「ぜる……あ……でるっ…………」  
「うんっ……だし……て……」  
ラストスパート。私も彼もそれだけのために必死に動いていた。そして、彼の雄が根元まで突き込まれたその瞬間。  
「うぁぁぁぁぁぁっ!!!!」  
私の中に熱い液体が注ぎ込まれた。中で大きく撥ねた彼の雄が私の中で暴れ回って、それが私の起爆剤にもなった。  
「んぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」  
ぎゅっと膣がしまって、中に入っていた彼の雄の形がはっきりと浮かび上がった。ぴしゃりと飛んだ液体が彼のお腹と顔に飛び散る。むわっと立ち上る匂い。  
彼の放出が終わったところで、彼はぐったりと手を投げ出して息を整えていた。しかし私はまだ物足りない。  
大きさ故なのかドラゴンという種族故なのかは分からないが、もう一度いける。そんな気がした。  
「っぁぁ! ぜる……あっ……もうむりっ……だ……あああっ!」  
少ししぼんでいた彼の雄を中に入れたまま、私はまた腰を動かした。正直に反応してくれる彼の雄。彼の悲鳴もあっという間に喘ぎ声に変わる。  
「あぁっ……は……んぁぁぁっ……ひぁっ……!」  
少量ではあったけれども、二度目の絶頂を迎えたドラク。私の秘所はその全てを受けきって中に溜め込んでいる。でもどうやらドラクにこれ以上は無理そうだ。  
私はあきらめてそれを抜いて、疲れ切った様子のドラクと深いキスをしてから横で寝る体勢を作る。  
――突然、彼の身体が光り始めた。  
ぶるぶると震える身体。これは間違いない。ドラクの進化だ。光は段々と大きくなって、私も目を開けられなくなって――。  
次の瞬間、目の前には私と同じくらいの大きさのリザードンが。ただ、かつて見たのとは違って身体が黒い。このくらい場所にいるからかも知れないが、普通の色でないのは確かだ。  
「……おめでとう、ドラク……っ?!」  
ドラクはそのまま私を押し倒してくる。唇を奪われて、さらに彼の手は私の股へと移動していた。  
「あっ……やぁっ……」  
完全に上を取られてしまった。さっきまでとは違って、ドラクの動きにも容赦がない。手を少し中に入れてかき回してくる。  
それどころかもう一方の手で出っ張りを弄られたのだからたまったものではない。私の身体は何度も撥ねた。これじゃもう持たない。  
「いやっ……ぁぁぁぁぁっ!!」  
液体を盛大に噴きだして果てた私。それにも構わずドラクは再びそそり立った雄を私に突き入れてくる。  
だがさっきまでと違うのはその大きさだ。私の最奥にも届きそうな、立派な大きさ。それが私の中に徐々に進入してくる。  
太さも長さも段違い。限界ぎりぎりまで広げられるその圧迫感の中に快感を見いだしてしまう私。  
「ゼルアっ……あっ……くぅっ……」  
「ど……ら…………くっ……あああっ……ぅぁぁっ」  
最奥を突かれ、先ほど以上の快感に悶える私をよそに、ドラクは一気に腰を引き抜く。中で雄が擦れて熱い。快感がどばっと体中に溢れる。  
「やぁぁっ……だめっ……だめだってぇっ……んぁぁぁぁっ!!」  
三度目の絶頂。それを気にもせずに腰を動かしてくるドラク。私は連続で何度も果ててしまった。にもかかわらず自分からも腰を動かす。  
快感が欲しい。もっともっと、このままの快感が続いて欲しい。それはドラクも同じ事だったようで。彼も三度目の絶頂を迎えたが、気にせず続きを始めている。  
身体と身体がぶつかり合う音。湿り気を帯びたものが擦れる音。それらが洞窟の中に、夜明け前まで響き渡っていた。  
 
次の日。目を覚ますと洞窟内に立ちこめるのは私とドラクの甘い匂い。覚えはあまりないが、口の中にもその味が残っていると言うことは、それだけ色々と激しいことをしたのだろう。  
少し外を覗きに出てみれば、日は既に空高い。外の暑さを考慮しても、どうやら今はちょうどお昼頃だろうか。眠りすぎた。  
再び洞窟の中に戻る。するとドラクがようやく起き上がってきた。大きな身体はそのほとんどが黒い。どうやら昨日黒く見えたのは暗さの所為ではなかったらしい。  
「……ああ、おはよう、ゼルア……」  
「おはよう、ドラク」  
暫くお互いの身体をじっと見つめ合う。大事なところを含めて、全身が乾いた砂と液体の跡でぐちゃぐちゃだ。匂いも酷い。お互いに苦笑いしながらそそくさと容器を準備する。  
「……オアシスに行かないと駄目みたいだな。水汲みだけじゃなくて、身体を洗いに」  
「うん。……昨日は激しかったもんね、ドラク……まさかあんなに積極的だなんて」  
ふわっと宙に浮き上がり、ドラクをちょっとからかってみる。クスクスと笑う私を見て、彼は慌てて反論してきた。  
「そ、それはお前だって同じだろ? お互い様、だ」  
じーっと目が合う数秒間。得意げに「お互い様」と言ってのけたドラクが意地を張る子供にしか見えなくて、つい私は笑い出してしまう。  
「……ふふふ」  
「……ははは」  
それに釣られてドラクも笑う。しかしずっとこうしていても埒があかない。まずはさっさと身体を洗いに急がないと。  
身体を宙に浮かせたまま、器用に洞窟の外へ。ビブラーバだったとき以上に羽の扱いが細やかに出来る。これは便利かも知れない。  
のっそりと出てきたドラクも初めての羽ばたきを難無くこなし、空の旅へと出発する。これなら今度、砂漠の外へ旅をしても良いかもしれない。その前にまずは空高く飛ぶのもやってみたい。  
そうだ、と思い出したように私はドラクの方を向く。同じ速度で飛んでいる私たちはお互いに顔を見合わせる形になった。  
契りも交わした私たち。これだけは改めて言っておこうと思って、こほんと咳払いをしてからしっかりとドラクの顔を見つめる。  
彼も言いたいことが分かったみたいで、同じく私の顔をしっかりと捉えて私の言葉を待っている。これからはドラクとずっと一緒だ。  
似たもの同士出会ってから、まだほんの数日しか経っていないみたいな気がしてならない。でも確かに私たちは通じ合った。  
どちらもが「異常」を抱えていて、その所為で独りぼっちだったけれど。今は仲間がいる。パートナーが居る。私には……ドラクが居るんだ。  
 
「愛してるよ、ドラク」  
「俺もだ、ゼルア」  
 

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