「トリック・オア・トリート!」  
同じような言葉が、近くの家の前で、あっちの商店の前で、こっちの店の前で仔供達が繰り返します。  
その仔供達は思い思いの衣装を身に付けています。白い布を被って、カボチャを模した被り物を付けて、  
何かしらで黒い縫い目を顔に一周させて、包帯で全身をぐるぐる巻きにして。  
町の容貌もそれらの衣装に見合ったような、  
黒を基調とした飾りが、  
ズバットの形のモビールが、  
顔の形にくりぬかれたカボチャが、  
あちらこちらに置いてあります。  
 
ハロウィーン。悪戯の神様への感謝祭。  
 
この日はゴーストタイプのポケモンの独壇場であり、  
「お菓子を貰えなかったから」と悪戯が唯一許される日であるから、  
ゴーストポケモンも普段色々溜まっている方も大喜び。  
 
…おやおや?そんな中でそれが気に食わない方もいるようです……。  
「……全くもって不快だ。」  
その方は、紫色のケープのような身体で、胸には紅い宝珠が煌めいています。  
帽子を被ったような頭に、その下の表情は窓から見える風景に嫌悪感を表していています。  
そのポケモンは、ムウマージと世間一般で呼ばれているポケモンで、  
所謂ゴーストタイプのポケモンの一種でした。しかし、  
「何でこんな騒ぎがあるんだ…?得するのは無意味な事に時間を注ぐ馬鹿ばかりじゃないか……」  
この科白から解るように、そのムウマージは非常に真面目な性格で、  
しかも冗談の類いが大嫌いでした。  
家で色々な勉強をするのが日課です。  
その勉強の種類がとてつもなく多様であるから、色々という表現を使っただけであって、  
種類が思い浮かばなかった訳ではありません。  
そうしている内に、ムウマージの家のここら一帯でありふれた扉を叩く音がしました。  
ムウマージはその客に応じるため、ふわひよと扉の前まで浮かんでいって、  
扉を開けました。  
「トリック・オア・トリート!」  
黒い帽子を被ったトリデプスが、わくわくしたような顔で扉の前に鎮座していました。  
言うなれば、全く似合ってません。帽子が泣いているようにも思えます。  
「…………」  
ムウマージは、無言で扉を閉めました。  
 
「……顔か?顔なのか?」  
扉の前でトリデプスがしょんぼりした声で呟き、  
重量感のある歩きでムウマージの家から離れていきました。  
「…あ〜?相変わらず生真面目君だね〜」  
その直後、濃い灰色の身体をした、口元の金属が時々かちかちと鳴るポケモンが  
ノックもせずに家の中に入ってきました。  
「…馬鹿騒ぎに楽しさを感じないだけだよ、ジュペッタ。  
悪いけど君も騒ぎに便乗してるなら水も木の実一欠片も出せないよ。」  
「いやいや、欲しいものはあくまでお菓子ですよ。」  
ジュペッタと呼ばれたポケモンは、ムウマージとは正反対で騒ぎが大好き。そして頭脳労働が嫌いですが、  
ムウマージが自分の友達と認めています。  
 
…何故かって?  
友達とはそういうものです。  
「甘い物は嫌いなんだ…角砂糖一ヶも置いてないよ。」  
つくづくこのムウマージはムウマージらしくないポケモンです。  
ちなみにトリデプスは甘い物はそれほど好きではなく、騒ぎに便乗しただけです。  
「成る程、つまりお前にイタズラしても構わないってことだよな?」  
ジュペッタが腕を怪しく動かしながら、ゆっくりとムウマージの背後に迫ります。  
「ああ、そう。」  
ムウマージは鈍器として使えそうなくらい分厚い本を念力を使って、  
「フハハハハ!スカート貰ったがひゅっ…」  
ジュペッタの頭に落としました。  
 
「……容赦無いな、オマエ。」  
頭があの頃のクロワッサンのように潰れたジュペッタが、腕でひしゃげた顔の形を元に戻そうと四苦八苦しています。  
「…自己防衛。僕に罪はない。」  
このムウマージの言葉は正しいです。  
実際はハロウィーンで怪しげな衣装を着た輩が家に来た時点で保安官に連絡してしょっぴいて貰ってもいいのですが、  
それは無粋ってもんです。  
「…にしても、菓子ぐらいは用意しとけよ?」  
ようやく顔が元に戻ったジュペッタが喋ります。  
「悪戯されても、それは用意しなかったオマエの責任なんだからな!」  
「悪戯されてこちらに非があるなんて、随分な騒ぎだね。」  
そしてジュペッタはムウマージの家から出ていきました。  
「騒がしかったなぁ…」  
ムウマージはほっと一息ついて、本を読み始めました。  
 
 
さてさて、ハロウィーンの騒ぎが最高潮な時間です。  
真夜中、用意した衣装と装飾が最も見映えする、ゴーストタイプの活動時間。  
くり抜かれたカボチャの中の蝋燭がともされ、顔が妖しく顔の形に夜の街を照らします。  
ここまで粘る仔供達は、真夜中独特のハイテンションで眠気は吹き飛んでる模様。  
ゴーストタイプのポケモンも加わって端から見れば怪しい服を着た大規模な新興宗教にも見えます。  
「…五月蝿いなぁ……」  
ムウマージはそれが不服そう。  
多分ジュペッタもあのグループ内にいるのでしょう。自分が入りたいなら快く加えてくれる筈です。  
しかしながらムウマージには無許可で他人様の家に入り込んで、  
悪戯、あるいは略奪行為を行うほど世紀末思考には傾いていませんでしたし、  
眠っている最中にいきなり大量のポケモン達に押し掛けられるのもごめんでした。  
ですから騒ぎがおさまるまで本を読んで過ごし、落ち着いたところで眠るつもりでした。  
 
こつこつ。  
「…またか……」  
ムウマージは本を置き、ふわひよと浮きながら扉を開けました。  
「なーんにもありませんから……アレ?」  
そこにはポケモンの姿は無く、ただ石がぽつりと置いてあるだけでした。  
「………?」  
よく見てみると石には顔のようにも見える変な模様がありました。  
「無意味な事を…」  
ムウマージは、何処かの馬鹿がこの石を置いて、家の扉をノックして走り去っていったと考えました。  
謎です、意図が解りません。  
とりあえず、石をのけようと思いましたが  
「……どこの脳筋がこんなことを?」  
やたら石が重くて持ち上がりません。念力を使っても駄目のようです。  
さらに、  
「トリック・オア・トリート?」  
石から激しく渋い声で紫に翠を散りばめたような顔が飛び出してきました。  
「……………」  
ムウマージはそれを見て動きが凍り付いたように止まりました。  
「…トリック・オア・トリート?」  
尚も渋い声で顔は喋ります。  
「………何にも、ありません。」  
ようやくムウマージは喋ることが出来ました。  
「…そうか、じゃあ」  
そう言って顔は石から顔と同じ物質らしき触手を沢山顔の下からわさわさ生やしました。そして  
「悪戯、だな。」  
ムウマージに向かってそれを伸ばしました。  
 
「うわっ!?」  
ムウマージはあっという間に紫の触手に絡み取られてしまいました。  
その感触といったらぷにぷにとした弾力の中に固い芯が入っているような、ステレオタイプな物でした。  
「離せっ!くうっ…」  
当然ムウマージは暴れて何とか触手から逃げようとしますが、  
しっかりと絡み付いた触手はムウマージの身体を離しません。  
「駄目駄目、お菓子を用意していないなら悪戯をちゃんと受けなくちゃ。」  
ムウマージの頬を触手でぺちぺち軽く叩きながら、顔は言いました。  
この顔が出てくる石は、ミカルゲと言うなの立派なポケモンです。  
少し会うには特殊な方法が必要で、ヤミラミはこのポケモンを粉砕したがってます。  
 
 
…何故かって?  
エンテイがバクーダを嫌う理由とほぼ同じです。  
 
…おっと失礼、  
オニドリルとムクバードの関係と同じでした。  
「やめろっ…!悪戯かどうかはともかく、ひたすら不快だ…!」  
ムウマージは身体を動かすのを止め、冷静さを保ってミカルゲに訴えることにしたようです。  
しかしミカルゲはあくまで悪戯をする気です。  
「不快だって?大丈夫だよ、ホラ」  
すりっ……  
「ひゃうんっ!?な、何を…」  
「すぐに気持ちよーくしてあげるから…悪戯、でね。」  
触手がムウマージのスカートの中に入り込み、隠されている部分を撫でました。  
そうです、ミカルゲの行おうとしている悪戯は、『そういう』ベクトルの悪戯でした。  
「止めろ…!この……変態がっ!」  
勿論ムウマージはそんな事をされたくなんかありません。  
そもそも『そういう』知識は持っていましたが、実行に移したことは二、三回程度でした。  
「その変態に弄られて喜んでるのは誰かな?」  
ですから、ムウマージは非常に敏感で、触手の責めに既に反応してしまいました。  
数度撫でただけで純粋無垢を表したような薄いピンク色をした性器が、スカートを押し上げています。  
「うぅっ……」  
スカートに敏感な先端が擦れて、つい声が漏れてしまいました。  
「随分敏感だね……まずは一回出して貰おうかな…」  
そう言うと触手をムウマージの性器に巻き付かせて、  
まるで自慰をするかのように、上下に擦り始めました。  
 
こしゅっ、こしゅっ、こしゅっぐしゅっぐじゅっ…  
「うぁぁぁっ……」  
他ポケに、しかも今までヒラヒラしたはっきりした感触の無い自分の手で処理をしていたのですから、  
弾力のある触手に擦られては、ひとたまりもありません。  
あっという間に先端から透明な汁が滲んで、そして  
「やっ…だめぇぇぇっ…!」  
ぴくぴくと触手に包まれた性器が震えて、触手に白濁をぶちまけてしまいます。  
それは今までムウマージが行った時よりも、量は多く、快感は長く続きました。  
「はっ……はっ…はっ……」  
「ん〜、凄く初々しいなあ。ひょっとして初めてだったかい?」  
ミカルゲは息が荒くなり、余韻に浸っているムウマージの顔を覗き込むように見ます。  
「この、変態っ…」  
「ああ、別に構わないよ?何と言われようと悪戯は続けるから。…恥ずかしいのかい?」  
ムウマージの顔は怒りと他ポケ前でイってしまった恥ずかしさと、ふがいなさが混ざっています。  
その顔を見ながら尚もミカルゲは触手の動きを止めないのでした。  
「さて、次からは絶対初めての体験。…そ〜れっ!」  
「何…ふむぅぅっ!?」  
ムウマージの口の中に、紫の触手が入り込みました。  
それは口内からムウマージの体内へとどんどん入っていきます。  
「むぐぅぅぅっ!むぅぅぅっ!」  
喉の奥が塞がれて非常に苦しそうな顔をしています。吐き出そうにもいかんせん奥に入りすぎて、  
腕で掴んで引っ張っても抜けないようです。  
 
そして、急に喉から体内へ続く圧迫感が消え失せました。  
「ごふっ…げほっ…!……?」  
ムウマージは大きい咳をし、落ち着いたところでいきなり苦しみが消えたことに疑問を感じていました。  
何にせよ、なにもされていないのなら再び……何をしたら良いのかムウマージには思い付きません。  
 
次の瞬間、猛烈な変化がムウマージを襲いました。  
「ひぁぁぁあぁっ!?」  
現在刺激されていない筈の性器から、電撃が走るような快感が身体を突き抜けました。  
しかし性器はびくびくと震えるばかりで、白濁どころか先走り一滴も零れませんでした。  
 
「うぁぁぁっ!何!?止めてよぉっ!」  
ムウマージは身体をびくびくと痙攣させながら、快感から逃れようとします。  
きつく閉じられた目から涙が流れ、つき出された舌から涎の筋が垂れています。  
 
と、いきなり身体を駆け回っていた快感が無くなりました。  
「あっ…はぁっ…はっ……」  
「どう?気持ち良かっただろう?」  
ミカルゲは得意そうな顔で言いました。  
ムウマージはそれに答える程の余力は残っていません。呼吸を整えるだけで精一杯のようです。  
「今のはね、君の身体の中に侵入して、ちょっと操ってみたんだよ。」  
その言葉にムウマージはハッとした様子でミカルゲを見ました。  
「そんな…嘘でしょ……」  
「嘘じゃないよ。その証拠に……」  
「ひぁぁっ!?」  
突然、ムウマージは絶頂を迎えてしまいました。  
白濁がスカートの裏につき、触手にだらしなく垂れています。  
「…ホラ、自由に操れる。」  
ムウマージは余韻に浸る前に身体が恐れから震え始めました。  
「やだ…やめて……」  
「恐くないよ。気持ち良いだけだから、さ。」  
触手がムウマージの性器の後ろに、(ここでは孔と呼ぶことにします)そこにある孔にぴたりと先をくっ付けました。  
「やだっ…お願いっ……止めてよぉっ…」  
ムウマージは涙を流してます。しかしその涙は通用しないようです。  
「嫌だぁぁぁっ!?」  
必死の叫びも虚しく、みちみちと肉が擦れ合うような音を出しながら、触手はムウマージの中へ収まっていきます。  
それに見合った以上の快感が、ムウマージを襲うのでした。  
「ひぎぃっ!やだっ……助けてぇっ…!」  
「大丈夫だよ、ここは町から離れてるから、もっと声を出しても良いんだよ。」  
確かにムウマージの家は町から離れているので、いつも静かに本を読むことが出来るのです。  
場所が場所だけにこの家に来るポケモンは限られていました。  
 
 
……トリデプス?  
さぁ……  
「ふぁぁぁぁっ!?」触手が押し込まれ、ムウマージの奥をぐいぐい突きます。  
これ以上入らないことが分かると、ピストン運動を始めたのでした。  
ぐちゅぐちゅとありきたりな水音を鳴らしながら触手はムウマージの中で暴れ回ります。  
その刺激でムウマージの体は突かれる度に跳ね上がり、口から喘ぎ声が漏れます。  
しかし性器はぴんと張りつめていますが、粘液にまみれていますが、  
先端から何か流れ出る様子はありません。  
ミカルゲが達させてくれないのです。  
 
そのせいでムウマージにはイけないもどかしさと、与えられる快感が頭の中を満杯直前まで積み重なり、  
あまり物事が考えられなくなってきました。  
「やぁっ…やめてよ……許してよぉ……」  
「うんうん。次で最後だよ。」  
ムウマージの目は快感で霞んで、身体は触手からの刺激でがくがくと喜んでいます。  
微かに残った理性だけが、ミカルゲの悪戯を拒んでいました。  
 
と、ここでミカルゲの最後の悪戯が始まります。  
「やぁぁぁっ!?」  
触手が中に一層深く潜り込むと、急に太く、大きくなります。  
それだけではなく、表面に無数の突起が生えてきたのが、ムウマージには分かりました。  
「かっ…あぅぅっ……」  
触手はムウマージの腹にその影が外から見えるくらい大きくなりました。  
それには無数の突起がびっしり生えて、ムウマージの内部をごりごりと刺激します。  
 
しかもそれが、動き始めました。  
突いたのではなく、抜いたのではなく、猛烈な勢いで回転し始めました。  
「ひぎゅぅぅっ!?やらぁぁぁぁっ!」  
その快感は今まで与えられた刺激を鼻で笑えるくらい強いもので、  
ムウマージの中をひたすら削るかのように掻き回します。  
「おねがいだからぁっ…やめてよっ…壊れちゃうぅぅぅっ!」  
ムウマージの頭にまで強烈な快感は回り、しかし絶頂を迎えられないもどかしさが理性を繋ぎ止めています。  
「…そろそろ出させてあげるよ。」  
そう言ってすぐに、ムウマージの性器が激しく震え出しました。  
「あ゛あ゛あぁぁぁぁっ!?」  
今まで溜まっていた白濁が激しく噴き出します。  
両側から与えられ、掻き回され、出させる快感にムウマージはすっかり沈みきってしまいました。  
 
……こんこん。  
 
と、ドアをノックする音が聞こえます。  
「ん?どうぞ。」  
ミカルゲが言うと、直ぐ様ドアが開いて、  
「トリック・オア・トリート!」  
ゴーストポケモン達の声が響きました。  
「このムウマージはお菓子を用意してないんだよ。」  
「ひぐぅぅぅっ…やめて…」  
「何だって!?じゃあ…」  
「悪戯だね。」  
 
こうしてムウマージは沢山のゴーストポケモンに犯されたようです。  
 
…何故かって?  
ゴーストポケモンは『悪戯』ですから。  
 
 
おしまい。  
 

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