繁殖期のドードリオは群れの♂同士での蹴りあいやつつきあいによる小競り合いが多発する。  
この小競り合いは群れの中の♀を奪い合う行動であり、群れの上位に位置する強いドードリオになるほど戦いは熾烈になる。  
そこではどれほどの多様な技を繰り出せるかが鍵となり、時には命を落とすものも現れるという。  
 
戦いは主に一頭の♀を見つけた♂数頭の間で行われ、戦いの勝者は  
羽を広げる、首を振り腰を落とすなどの求愛ダンスを♀に披露する。  
繁殖期のドードリオの♀は♂が近づいても攻撃的になることなく、むしろ求愛を受け入れておとなしくなる。  
だが♂は♀のもっとも攻撃的な首(表情から察することができる)を  
自らの三つの首のどれかで押さえ、交尾の最中けして離さないようにしなくてはならない。  
(これを怠った場合、♀の機嫌が何かの理由で損なわれたときなど  
♂は手痛い反撃を受けて追い払われてしまうこともあるという)  
また♂の残りの首二つは交尾中♀の羽をつくろい、甘噛みをして愛撫を施し、凶暴な首の怒りを治めたり  
求愛のおりに♀の好物をくわえて気を引いたりする。  
交尾の時間は短いが、カップルが成立してからも♀の攻撃的な態度は変わらず  
一度の繁殖で二個から三個のタマゴを育てるドードリオの♀はそれに見合うだけの回数、もしくはそれ以上の回数交尾をしなくてはならない。  
また、♀を守れる強さがなければ後からやって来た他の♂に♀を奪われてしまう可能性もある。  
ドードリオの♀が態度を軟化させるのは求愛を受けてから交尾に至る間ぐらいのもので、  
その後も抱卵期、育児期と我が子を守らなくてはならないため敵に対しての凶暴性は増す一方であり、♂もしばしばそのとばっちりを受ける姿が目撃される。  
 
涙ぐましい努力を見せるドードリオ♂だが、勢い余って♀の攻撃的な首を著しく傷つけ弱らせてしまったり、  
乱闘や交尾の最中お互いの首が絡まりそのまま共倒れになる運の悪い個体も存在するという。  
 

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