俺だって、れっきとした男なんだ。  
女と二人きりで部屋にいれば、むらむらだってする。  
…それが、ガキのころから好きな女だったら、尚更。  
 
それは、久しぶりにリーフが俺の部屋に遊びに来たときの出来事だった。  
ジムリーダーになって以来、事務で寝泊りすることが多くなり、マサラの実家へ帰るのはおよそ1ヶ月ぶりだ。  
長い間主を失っていたはずの部屋は、姉ちゃんのおかげで埃ひとつ無い。  
ベッドにごろりと転がって、ぼーっと天上を見上げて、しばらく経ったころに、あいつはやってきた。  
「えへへ。今日ね、レッドのところに行ってきたんだよー!」  
俺の幼馴染、リーフは昔から変わらないのほほんとした笑顔で、告げる。  
どこかへ旅行に出かけているとは聞いていたけど、まさかレッドの奴に会いに行ってたなんて。  
 
俺のもう一人の幼馴染――レッドは、俺を打ち負かしてカントーのチャンピオンに上りつめた男だ。  
レッドは強い。おそらくバトルの腕はカントー最強だ。その事実は、俺の最大の劣等感だった。  
常にレッドより上だった俺が、初めてレッドの下になった瞬間はあまりにもあっけなかった。  
俺の天下はほんの数時間で終わってしまったのだ。  
それだけで俺のプライドはズタズタだっていうのに、更にもう一つ、ここに劣等感がある。  
「そんでねー、久しぶりにレッドにバトルを挑んだんだけど、やっぱり負けちゃったんだ。  
やっぱりレッドのピカチュウは強いね。完敗だったよ!」  
こいつは…リーフは、そんなレッドに惚れているらしかった。  
リーフがポケモンをもらったのも、旅を始めたのも、レッドを追うためだったのだ。  
昔の俺は、リーフが俺を好いていて、俺の真似ばかりしたがっているのだ、と勘違いしていた。  
考えてみればすぐわかったことなのだ。昔から、俺の隣にはリーフがいたけれど、その隣にはレッドもいた。  
リーフが俺を見ているときと、レッドを見ているときでは、同じように見えて明らかに違う。  
その違いに気付いたのがつい最近のことだった。だから、余計に悔しい。  
 
「…なぁ、お前は俺とレッド、どっちが大切なんだよ?」  
「ふぇ?」  
うっとりとレッド話をしていたリーフが、目を丸くしてこちらを見る。  
だけど、すぐにいつもののほほんとした笑顔に戻し、きっぱりと告げた。  
「何言ってるの? レッドもグリーンも同じくらい大切に決まってるじゃない!」  
その言葉に、俺の理性の糸はふっつりと切れた。  
リーフの上に覆いかぶさるまで、それはほんの一瞬だった。  
「ど、どうしたの?」  
リーフは戸惑ったように俺を見上げている。口元にはまだ笑みが浮かんでいる。  
この状況に及んでも、まだリーフは俺を疑いもしていない。悪い冗談だと思っている。  
「…この状況が、俺のこの顔が、冗談に見えるわけ?」  
もう自棄だった。リーフに俺を見てもらうためなら、どんなことだってやってやる。  
首筋をすくい取るように舐め、耳を甘噛みしてみる。リーフは、想像以上に可愛い声で啼いてくれた。  
「んふぅっ…な、何、するの……!」  
「何って…悪いことさ。悪いことだけど、イイ事。」  
「なっ…! 何言ってるの!? ねぇ、やめよう? おかしいよ、こんなの!」  
おかしいのはリーフだ。  
ノースリーブにミニスカート、そんな出で立ちで年頃の男の部屋に入ってくるなんて。そのほうがおかしい。  
この分からず屋に、分からせてやるんだ。俺はれっきとした男で、リーフはもう既に女になっているのだということを。  
 
ノースリーブの裾をたくし上げる。フリルやレースをあしらった女の子らしいブラジャーが晒される。  
なんだ……少しはあるんじゃないか。自分が女だという自覚が。だけど、これだけじゃ足りない。  
今から俺が、こいつを本物の女にしてやるんだ。うっすらと笑い、同じようにブラジャーを捲り上げた。  
「いやあぁっ!! 見ないでぇ!」  
リーフは恥ずかしそうに身をよじる。成長期の女らしく、しっかりと膨らんだ胸が、ぷるんと揺れる。  
見るからに柔らかそうなそこを両手で揉みしだく。やはり柔らかい。そして、温かい。  
もう少し手に力を入れれば、いとも簡単に潰してしまいそうな。女独特の柔らかさ。たまらなかった。  
まだ何もわからない頃にそうしたであろう、夢中でそこにむしゃぶりつく。  
口の中で乳首をコロコロと転がすと、もう片方の乳首が硬くなり、ぴんと立つ。  
女は感じると乳首が立つ。どうやら、無理やり犯されているというこの状況でも、感じているらしい。  
「…やらしい奴。」  
「はぁ、うぅん……い、言わな、いで、えっ」  
「感じてるんだろ? なぁ、そうなんだろ? だったら素直に言えよ。」  
「い、やあっ! そんな、こと…!」  
「嫌がってるようには聴こえないぜ?」  
リーフは首を振り、何度も何度も体をくねらせた。精一杯の抵抗なのだ。  
だけど、その艶かしい動きこそが俺を更にそそらせていることなど、処女のリーフにはわからない。  
未だに「赤ちゃんはチルタリスが運んでくる」と信じてる奴なのだ。  
今自分がやられていることこそが子どもを作る行為だということを知ったら、こいつはどんな反応をするだろう。  
 
「はあんっ……やっんっぅうん」  
「ほら、もっと抵抗してみろよ。嫌なんだろ?」  
「そ、んなこ、と! あぁっ…!」  
しつこ過ぎるくらい胸への愛撫を続ける。リーフの柔肌はもうキスマークや噛み痕だらけだ。  
唾液に濡れた両の乳首は、てらてらと輝いている。そろそろ、あそこも同じような状態のはずだ。  
スカートのホックを開け、下着とともに一気にずり下げると、とろりと濡れたそこがあらわになった。  
ああ、濡れている。こいつは俺に感じているんだ。悦んでいるんだ。  
「ふああぁ、だ、め、そんな、あぁっ!」  
足を閉じようとするリーフだったが、強引にそこを開き、隙間に頭を滑り込ませた。  
リーフの女を目にし、俺の興奮は最高潮に達そうとしていた。花弁に口づけ、その合わせ目を舌先で舐めあげる。  
溢れる蜜を吸い、上から下へと、胸の時以上に、しつこくそこを舐めあげる。  
甘かった。どんなスイーツよりも、そこは甘く感じた。  
「リーフ、甘いよ」  
「はああっ、あん、やあぁ…!!」  
抵抗が少なくなった。抵抗する余裕がなくなっているのだ。そう、そうやって、快楽に堕ちていけばいい。  
 
 
秘裂の中に舌を割り入れて抜き差しする。かろうじてリーフは俺の頭を押すものの、弱い力は俺には敵わない。  
「ああっ、はう、だめっ、あぁ! うぁあっはあぁ!!」  
そうだ、その調子でどんどん淫乱になっていけ。俺だけを求めていけ。そしたら、俺は―――  
足を押さえていた手は、自分のベルトに伸び、そこから猛った俺のものを取り出した。  
赤黒く、硬く、上を向いているそこは、自分のものとはいえやはりグロテスクだ。  
そんなものをリーフに見せるわけには行かない。多分、俺だったら引く。  
とはいえ、それはもう限界点に達しているという証拠だった。  
「リーフ、気持ちよかっただろ?」  
「あううぅん、い、いやあぁあ…ぐ、りぃん……!」  
腰がうねうねと動いていた。欲しがっているのだ。間違いなく、俺のものを。  
「さぁ、本番はここからだぜ。」  
腰を持ち上げ、挿入しやすい場所へ固定させると、一気に貫いた。  
「うあぁっ、ああああぁあああぁあぁぁ!!」  
男をはじめて受け入れるそこは俺をきつく締め付け、貫かれた奥底から血が流れ出た。  
ほぼ叫びとも言える声が部屋中を満たす。痛がってることがすぐにわかる。  
だけど、そんなことに構っていられなかった。俺のものはひたすら、リーフの奥を目指していた。  
 
「あんっ、あんっ、ううっ、うぁっ……あ、あああ!?」  
リーフの反応が変わる。どうやら、リーフが一番感じるスポットに到着したらしい。  
その時初めてリーフの顔を見つめた。涙でぐしゃぐしゃだったけれど、恍惚としている。  
どうやら、痛みが和らいでいき、同時にそれが快楽へと変わっていっているようだ。  
「やーらしいの」  
たまらなく嬉しかった。今、俺とリーフは一つになった。レッドよりも先に。  
リーグの時とは違う。今後レッドの奴がリーフと結ばれようと、リーフの初めてではない。  
リーフをはじめに女にしたのは俺だ。リーフをはじめに感じさせたのも俺だ。  
そして、リーフの中を満たすのも、俺のものだ。  
「リーフぅぅ!!!! うおおおおおおおっ!!」  
「ああん! あぁぁああん!! きついよぉおぉぉ!! おかしくなっちゃううぅぅぅ!!!」  
「おかしくなれよ! 俺とお前は今一つになってんだよ!! もっと淫乱になっちまえよ!」  
俺は狂ったように、激しく動いた。リーフのことなんかに構っていられなかった。  
リーフの中があまりにも気持ちよくて、きつく締め上げ過ぎて、俺のほうがおかしくなっていく。  
そうだ、俺がおかしくなったのはリーフのせいなんだ。リーフがおかしくなったのは俺のせいだ。  
淫乱な生き物に成り下がった二人は、互いに体をくねらせ、必死に快楽を求めていく。  
「うっ、そろそろ……!!」  
宣告をする前に、限界を向かえた。俺の白濁がリーフの中を満たしていく。  
「あああぁああぁっ!!! いやあああぁぁぁぁあああ!!!!!!」  
あまりのショックからか、リーフはぐったりと倒れこみ、そのまま気絶した。  
すべてを吐き出し、冷静になった俺は、ようやくしでかしたことの大きさを知ってしまう。  
俺はリーフを抱いた。女にした。前のような関係には戻れない。幼馴染ではいられない。  
俺のベッドの上で股を開き、俺のものが突き刺さっていたそこから、白い液を垂れ流すリーフを見て、いたたまれなくなった。  
俺の部屋にリーフを残し、逃げるように立ち去った。振り向くことなんか出来なかった。  
 
そして、俺は今、グレン島にいる。  
かつてここは一つの町があった。だけど、自然の力にあっさりと負けてしまった。  
すっかり廃墟となってしまったそこに佇む。ここは、俺と同じだ。  
俺もあっさりと負けてしまった。レッドにも、リーフにも、俺自身にも。  
あれからもう10日が経つ。リーフとは連絡を取っていない。  
あの後すぐに姉ちゃんから、リーフが部屋で泣いていたという電話が来た。  
勘のいい姉ちゃんのことだから、俺がやっちまったことに、気付いてるはずだ。  
俺は恐かった。今帰ったら、辛い現実を目の当たりにすることになる。リーフは俺を侮蔑の眼差しで見てくるだろう。  
 
ポケギアが鳴る。どうせ、姉ちゃんだろう。  
姉ちゃんにどんなことを言われたって、俺はもう帰らない。ジムリーダーだって、辞めてやる。  
自嘲的にそう笑った後、ピーっという電子音のすぐ後に聞こえてきたのは、姉ちゃんの声ではなかった。  
『グリーン? 私、リーフ。』  
心臓がどくん、と、脈打った。  
 
 
 
END  
 

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