「ヒトカゲ、ひのこを頼むよ。」
振り返ってみたものの、そこには姿は無く、返事も無い。
こう最近は直ぐに居なくなってしまう。
ついこの前迄は、俺の足許にべったりだったというのに。
そもそも、そのヒトカゲとは卵からの出逢いとなる。
俺より3つ位年上で、ポケモントレーナーの男性から譲り受けたものだ。
そんな俺はというと、既にトレーナーを引退している。
2年半位前の13歳の頃だっただろうか。
現役の頃に旅を共にしたポケモン達は、
家から一番近い町のポケモンセンターへ行けば会う事が出来る。
その筈なのだが、今では関係が希薄になっている。
理由は色々あるが、やはり家がその町から遠いせいだろう。
トレーナー道具も、そこへ預けたままとなっている。
ヒトカゲが孵った時は、何も無しではどうしたら良いか戸惑った。
モンスターボールも所持していなかったので、
それへは入れる事にせず、パートナーとして受け入れる事にした。
以来、人の行き交いが可能である渓谷沿いの道から外れた、
森が拓かれた林の様な所に建つ家で、質素な暮らしていた俺1人に、ヒトカゲも加わる。
今、家の庭先で、夕食の下準備をしているのだってそうだ。
まだヒトカゲが幼いが、火を吹く事も出来る。
流石に洗濯等、水を扱う仕事は出来ないが、その他の軽い仕事はこなしてくれる。
こうした暮らし振りは、良い意味でも悪い意味でも、ヒトカゲとの主従関係は強くはない。
今こんな時に、俺の許へ居ないのもきっとそうなのだろう。
俺はヒトカゲを探しに歩みを進める。
(まったく……、どこへ行ったのやら。)
裏庭を進んだ先の、木陰と草むらの方に体を向けているヒトカゲを見つけた。
「どうした、ヒトカゲ。」
背中に向かって声をかける。
顔だけこちらへ向けてトイレだと言うのだが、俺からすれば怪しい。
更に歩み寄り、ヒトカゲの頭上から手許を見下ろす。
見ると、放尿時でも普段顔を出す事がない、ペニスの細い先端が現れているのが見えた。
それがとても気になり、腰を下ろして横から覗く。
ヒトカゲは恥ずかしそうに、自分でも触れない様にして軽く手で覆い隠してきた。
そうしながらも間から見えるのは、下腹部から尻尾の緩やかな曲面をえかぐ付け根から、
縦にはいった孔を押し拡げて勃起してきているペニス。
それは、少し脈動している様に見えた。
(ヒトカゲがもっと幼かった頃、排便は大小共に、あの穴から出て来ているのは見た事がある。
でも、ちんちんが出ているのを見るのは初めてだ。)
「何してたんだ?」
「お、おしっこだよ。」
少し意地悪げに言ったその言葉に、ヒトカゲは先程の体勢のまま、
がに股な太股の間に通った尻尾を、後ろへ突き出す様に引っ込めながら答えた。
「今度はうんち出すところでも見せてくれるのか?」
「違うよっ、もう……。手を洗いに行ってくる!」
ヒトカゲは、家のすぐ脇にある水場に足早に向かって行った。
その去った後、ヒトカゲが元居た所の足許やその先を見ると、確かに放尿をしていた様だ。
(でもやっぱり様子がおかしい。
水が苦手で、お風呂の時にはタオルで拭いてやる事にしているヒトカゲが、
自ら手を洗いに行くとは。)
そう思いながら俺も下準備を再開する為、ヒトカゲの後を追って歩いて向かった。
(これじゃあ、いつもより夕食の支度が少し遅くなりそうだ。)
既に下準備も終わり、調理に取り掛かっていたのだが、先刻の事情もあり、多少遅れているのだ。
「ヒトカゲ、先にお湯沸かしといてくれる?」
家の外にある掘り下げ式の風呂と、それに使う水を、
近くの桶の中に溜めてあるのを炎の熱で沸かしてもらう為だ。
「またいたずらしに来ないでよ。」
そう言い残して向かって行った。
(ヒトカゲは雄なのに、どうしてこんなに頭が一杯になるんだ……。)
夕飯が遅くなったのは、時間で遅れたせいだけではなかった。
俺自身もどこか意識して、準備が思う様に進まなかったからだ。
その後のヒトカゲとの会話を含め、この日の夕食はいつもより旨く感じる事になる。
そして、その日の夕食の席、ヒトカゲは自分の主人に小恥ずかしい事を聞かれていた。
「さっきちんちん立たせて弄ってたよな?いつもこんな事してんのか?」
好奇心の宿った主人の眼差しは、こちらに向けられていた。
「うっ……、それはたまたまで。」
その日の昼過ぎ、ヒトカゲはバンギラスとバクフーンの性行為を目撃していた。
大概、性行為は外敵に分かり難い、夕暮れ時から夜に行うのが常である。
モンスターボールに入れられず、比較的自由に生活しているものの、暗くなれば主人の家で床に就く。
しかし、真昼間から性行為をしていた所に、偶然目撃してしまったという訳だ。
彼等は行為に夢中で、その存在には気が付かなかった様だが、ヒトカゲは決定的瞬間を見ていた。
二匹共にオスであり、バンギラスの勃起したペニスが、
バクフーンの肛門を押し広げんとばかりに入れられ、前後運動を繰り返していたのである。
そしてその瞬間はやってきた。
バンギラスから精液が放たれ、体の下に仰向けになっていたバクフーンに注がれ、溢れ出るまでを。
その姿に、ヒトカゲは思わず息を飲んだ。
「へへっ、次は俺の番だな。」
バクフーンはそう言いながら体を起こした。
そろそろ気取られると思い、興奮する自分を何とかその場で抑え、
主人の手伝いをする為に家の方へと戻って行った。
その手伝いの時に、ヒトカゲは尿意を感じた。
(おしっこだけなら大丈夫だよね。)
そう思い、用を足す為に裏庭の方へ密かに脱け出して行った。
放尿の最中、先程の光景が頭の中で甦った。
不意に興奮し始めたペニスは、放尿後の湿った排泄孔から細い先端を覗かせた。
四本の指が付いたその手で、その先端を弄ってみると、
それは益々勃起してくると共に、失禁しそうな感覚が襲ってくる。
(今、おしっこしたばっかりなのに……。)
「どうした、ヒトカゲ。」
主人の声が聞こえた。
顔だけ向けて曖昧な返事をしたが為に、そのままこちらへ来てしまった。
その主人は、腰を下ろして横から覗く。
ヒトカゲは隠そうとした手が、一瞬ペニスに触れてしまい、
急に脈動が始まり、またもや失禁しそうになる。
(ご主人の前でお漏らしするなんて恥ずかしい。)
その時は、何とか言い訳で誤魔化して立ち去ったが、やはりそうもいかなかった。
「やっぱり気持ちよかったのか?」
「違うよ、またおしっこしそうになっただけで……。」
「そうか……。」
主人はどこか見透かした様な眼をしていた。
「これから風呂に入る。体拭いてあげるから、後になったら来てよ。」
そうして主人は外にある風呂へと行った。
ヒトカゲに言い残して俺が向かった先には、掘り下げ式の風呂があり、
その直ぐ隣には、ヒトカゲが沸かした、お湯の入っている桶がある。
そこに付いている蛇口を捻ると、そこからお湯が風呂に流れ込むのだ。
(今日は少し遅くなったから、いつもより寒いな。)
服を脱いで、体を一通り洗い流してから、ヒトカゲを呼んだ。
「もう薄暗くなってきたね。」
そう言ってやって来たヒトカゲの尻尾の先の炎は、いつもより映えて見える。
タオルを手に取り、蛇口から出るお湯で濡らして絞った。
足だけを湯船に入れたまま、縁に腰を掛け、隣に寄って来たヒトカゲの体を拭き始める。
橙色の頭、顔、四本指の付いた手とその腕、背中……。
クリーム色のお腹、そしてその下に続く尻尾の付け根の一筋の孔。
今日あった、ヒトカゲのあの孔から出てきていたペニスの事を思い出していた。
「あっ……、何するのさ。」
気づけば直接手を回して、下腹部から尻尾をその付け根を中心に撫でていた。
いつもの夕食後の風呂場での事であった。
ヒトカゲは、主人に体を拭いてもらう為、外の風呂場に呼ばれて来ていた。
辺りは薄暗くなってきたところに、ヒトカゲの尻尾の先の炎が主人の体も照らす。
(そういえばご主人にもおちんちん付いてるんだよね。)
昼間に勃起して見えた自分のそれとは違い、主人のは常に見えているが、包皮に覆われている。
そして今日は寒いからだろうか。
意識して見た事は無かったが、いつもより先端の皮が余っている様な気がした。
湯船の縁に座っている主人の隣に寄って、体を拭き始めてもらう。
尻尾の付け根の辺りをタオルで拭いてもらっている時だった。
ひやりとした感覚が伝わる。
主人の手だった。
「あっ……、何するのさ。」
撫でられていくうちに、温度差が段々と無くなり、寧ろ火照ってきた。
「これから良い事してやるよ。」
主人にそう言われたヒトカゲは、昼間に目撃したあの性行為を思い出す。
撫でられるのに耐えられなくなり、ついにピンク色のペニスを勃起させてしまった。
それを見て撫でるのをやめる。
しかし、何か考えがある様だ。
ヒトカゲは、主人にあの時と同じ様な事をしてもらえるのかと思うだけで、
ペニスが脈動し、先端から粘液が溢れ出す。
「再現……、してみるか?」
主人の言葉にヒトカゲは驚いた。
あの目撃した事は、自分だけの秘密だったのに。
「不思議そうな顔してるな。あの時も俺は見てたんだよ。遠くからヒトカゲもちんちんもな。」
ヒトカゲは恥ずかしながらも思い出していた。
(そう、何とか興奮を抑えたけど、あの時も勃ってたんだ。)
「それでもオス同士でするなんて変だよ。
オスとメスだけでするもんじゃなかったの?そう言ってたでしょ。」
「それはどうかな。」
気づけば主人のペニスの先端の皮が余っておらず、既に硬く勃起していた。
脇を抱えられ、主人と向かい合わせで膝を着き、太股の上に座らせられた。
ヒトカゲの目の前に、自分のより大きい主人のペニスが見える。
よく見ると、少し括れた直ぐ上の先端から粘液が溢れ出し、
ぬめって包皮が少し拡がり、中の粘膜が見えた。
(同じピンク色してる。)
「気持ち良くしてやるから、俺の太股を跨いで立ってみて。」
後ろの湯船に落ちそうか怖かったが、主人が右手を回して腰を支えてくれた。
ヒトカゲは均衡を保つ為に右手で主人の肩に手を置く。
そうすると、ヒトカゲのペニスが主人の顔の斜め下、丁度見やすい位置に来た。
ヒトカゲの太股の間を通る尻尾の付け根にある、一筋の縦の孔を拡げて勃起しているペニス。
細い先端から下へと少しずつ太くなってく根元。
その直ぐ下にある、穴へと通じる窪み。
収納されているはずのペニスによって拡がった、
孔の中にある穴まで見られてしまったヒトカゲは、恥ずかしさの余り声を出した。
「恥ずかしいし、何だか変な感じがする。さっきからおしっこ漏れそうだし。」
「大丈夫。今のヒトカゲなら直ぐに気持ち良くなるよ。」
そう言って主人は、ヒトカゲのペニスを舌で舐め始める。
ぬめりとした感覚。
排尿感から一気に快感になる。
「んっ……、もうだめぇ、気持ちいよぉっ!」
ペニスの根元が律動し、勢い良く初めての射精をした。
主人の顔は、迸るヒトカゲの精液に塗れてしまった。
「いっぱい顔に出しちゃってごめんなさい……。」
こうなる事を見透かした様な眼で、ヒトカゲのまだ勃起しているペニスを見ていた。
「直ぐ出しちゃうなんて、そんなにしてもらいたかったのか?ヒトカゲは。」
俺は顔に付いたヒトカゲの精液を、美味しそうに舌で口許を舐め取りながら言った。
しかし、直ぐに射精してしまったのはそれだけでは無い。
ヒトカゲの考えている事を言い当てたり、性器を見やすい位置に体を持ってきたりして、
上手く精神的に調教していたのだ。
つまり、ヒトカゲの射精を精神的に導き、舐めるという刺激で引き金を引いてやる事により、
兎に角、射精の快感を覚えてもらおうと考えていた。
これからの行う肉体的快感の為に。
「こんな目の前で、気持ち良くなってるとこ見せられちゃ、羨ましいなぁ。」
「じゃあ、ご主人のおちんちん舐めれば良いの?」
ヒトカゲは俺の勃起しているペニスを見つめる。
「いや、お前の口付けを頂く。」
俺は自分の顎を少し上げて、ヒトカゲの顔を引き寄せて接吻した。
「んっ……。」
「自分の出した精液の味はどうだ?」
「良く分かんないや。」
「そういえば、まだ寂しいとこがあったな。」
ヒトカゲのペニスの下にある窪み、排泄孔へと繋がる処を見ながら言った。
「えっ……、それは。」
「そう、ヒトカゲが見たのと同じだ。再現してやる。」
俺は両手をヒトカゲの後ろに回し、太股の付け根をしっかりと持つ。
ヒトカゲは慌てて、首に両手を回して掴ってきた。
粘液が糸を引いて滴る、勃起したペニスの先端が、ヒトカゲのペニスの下の孔に宛がわれる。
お互い触れ合った感触が伝わり、少し不安そうに問い掛けてきた。
「ここに入れても大丈夫なの?」
「ああ、もしかしたらこれやるのが好きになっちまうかもな。」
そう言うと共に、ヒトカゲを持った儘、その重さで下していく。
ペニスがヒトカゲの孔に挿入されていき、中で包皮が剥けて、
敏感な粘膜が直接擦れているのが分かった。
(初めてだし、結構きついかな。)
ほぼ根元まで挿入した時、ヒトカゲの勃起し続けたいたペニスが俺の腹に触れ、
耐えていたヒトカゲは思わず声を上げる。
「ひゃあっ!」
構わず続けようとするが限界だった。
中はきつく締まっており、何より暖かいどころか熱いので、
この包まれている感覚と温度だけ射精しそうだ。
ヒトカゲの背中に両手を回して抱き寄せた。
腰を浮かせ、ヒトカゲを何度か突き上げる度、腹にヒトカゲのペニスが擦れる。
「また出ちゃうっ……。」
またもやヒトカゲのペニスの根元が律動し、中の俺のペニスを刺激する。
そのまま盛大に射精し、精液が互いの体に掛かった。
ヒトカゲの射精による律動と、孔の収縮によって刺激された俺のペニスもついに限界を迎える。
「うっ……、中に出すぞ。」
ヒトカゲに想っていた欲望を、今まで我慢していたものを、
今、その中で射精によって全てを注ぎ込んだ。
「どうだ、気持ち良かったか?」
「うん、ちょっと良いかも。」
(ご主人とこんな事になるなんて、なんだか夢みたい。)
「それはそうと俺たち、もう一回体を洗わなくちゃな。」
そう言うと、お互いに少し恥ずかしそうに体を見つめ合った。