サイドンはバクフーンの肛門に深々と指を挿入しながら言った。
「おまえはダメでダメでダメな、可愛い女だ。
……ん? どうした、オマ○コに指突っ込まれて感じてんのか?」
サイドンはバクフーンの肛門の内側で、くいくいと指をくねらせた。
「……ぃゃっ、やめろぉ……」
蚊の鳴くような細い声でそう言い返すのがやっとの様だ。
バクフーンは肩と首を小さく窄めて、小刻みに震えながら、ただ時間が過ぎて解放されることを願うのみ。
サイドンに征服された肛門も、抵抗することを諦めたかのように、収縮して異物を排除することを止め、だらしなく開ききっている。
そう、体全身……肛門も含めて、サイドンに屈服したのだった。
サイドンは指でバクフーンの腹側の腸壁にじんわりと圧力をかける。
「あぅん」
瞬間、びくっと体が跳ねた。
苦痛とも快感とも言えない感触が、バクフーンの下半身から込み上げてゆき、脳に電流が走った。
「やっぱり感じてるなぁ。バクぅ? オ○ンコ気持ちいいのか、バク」
「っ……そんなこと……ぁっ」
サイドンはゆっくりと一定の間隔でバクフーンの敏感な場所を押さえ、刺激している。
今、バクフーンを完全に征服し、自分の手の中に収めたという満足感に満たされるサイドンだった。
そうしている間もバクフーンは、「ぁん」「ぅん」と小さな泣き声を漏らしながら、上半身を床にひれ伏し、
大きな尻だけ高く突き上げ、サイドンの思うがままに体の中を犯されている。
されるがままを、許している。
「ふっ。元チャンピオンが泣いてるぜ。おまえはもう完全に女だぞ。これからたくさんイイコトしてやんよ。
人間の女が穿くパンティを、おまえにも穿かせてやる。ブラジャーってやつも着けて、街の中歩かせてやっからな。
……そうだ、ゆくゆくはチンコとタマももぎ取ってやろうか?
どうだバク。……え? やけに大人しいな、何とか言ってみろ」
そしてバクフーンは静かに勃起してゆき、半立ちの状態になっていた。
そして全身は脱力したまま、勢いなく精液を漏らした。
「あ。ぃぃぃ……いくいくいくいく」
だらしない声を漏らしながらの射精だった。
バクは頭の中が真っ白になり、同時に白い汁をトロトロ垂らすのだった。
それが降参の、白旗なのだ。
―*―*―*
バクフーンは耳を掴まれながら、口を開けさせられ、そこへサイドンが放尿をしはじめた。
熱い小便に口を満たされ、ほろ苦くしょっぱい味を感じていた。
サイドンは今度は頭のてっぺんに狙いを定める。頭から顔、顔から首へと、濃い雄の匂いがする小便が
かけ流される。これでもか、これでもかと言うほど、サイドンの放尿は長く続いた。
バクフーンはただ目をぎゅっとつむり、耐えるしかなかった。
「いいか、口の中のはちゃんと飲むんだぞ、分かったな」
サイドンがやっとのことで放尿を終えると、バクフーンは命じられたように、ごくんと飲み干した。
胃の中が熱くなるのが分かった。そしてビチョビチョに濡れた頭や顔からのむせ返るような臭いも相まって、
バクフーンは体の外からも、中からも完全に征服されたことを実感した。
「どぉだ、美味しかったか」
バクフーンは床にへたり込み、うな垂れている。サイドンはバクフーンの顎を指で持ち上げ、上を向かせた。
お互いの目と目が合う。
「可愛いぞバク、俺の可愛い女」
サイドンは言う。
「俺の嫁になれ。なるって言え、バク」
バクフーンは何も声には出さない。
目をつむり、ただ小さくコクコクと頷いていた。
サイドンの小便に体中を汚されて、肛門は捲れ上がりプックリと盛り上がって汁を垂らしていて、
漏らした精液で床を汚し、見るも惨めな姿だ。
「バク、今ここで、おまえもションベンしてみろよ」
「……急に出ねぇ」
「いいから、気張ってみやがれ」
サイドンに頬をパシパシ叩かれながら命令され、バクフーンははにかみながら、事を始めた。
見られているせいで緊張し、なかなか出てこなかったが、少し出始めると後は楽だった。
「ぅん、ぅんっ……あっ、……出る」
またもか細い声で告げて、バクフーンはお漏らしを始めた。
チョロチョロと細い流れだったが、サイドンはバクフーンの萎れた陰茎を優しく手で包み、温もりを感じながら、
排出が終わるまでバクフーンの顔をじっと眺めていた。
出し終えると、
「バクぅ、いっぱい出しやがって。このスケベ女」
サイドンはなじるように言い放ち、バクフーンの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
尿を出し切ったバクフーンの陰茎は、サイドンの手の中で少しだけ堅さを増していた。
それから、肛門がユルユルになっていたバクフーンは、気張ったために、後ろからもお漏らししてしまった。
「ん? ……おい、さっき出したばっかりだろうが。それに誰が出していいって言ったかよ。
まったく、おまえみたいな家畜は、どこででも出しやがって手に負えねぇ。
……この、馬鹿で馬鹿で可愛い女め」
―*―*―*
「また来いよ」
バクフーンはそのまま帰された。
振り返りもせず、トボトボと歩いてゆく姿をサイドンはいつまでもいつまでも、見送っていた。
――もう会う事もも無いだろうな。当たり前だけど。
サイドンはそんな気がしていた。
それから……バクフーンとサイドンの両者がとんと表舞台に現れなくなった。世間では色々と言われたが、真相は分からずじまい。
まぁ、この世界ではそう言うことも有る。
―*―*―*
――小高い丘の上。
仰向けに寝転び、流れゆく雲をぼんやりと眺めているサイドンの姿があった。
バクフーンには悪い事をしちまったな。俺は、自分の欲を満たす事しか考えてなかった。
まぁいいさ、過ぎちまった事だし、あいつが以前の様に立ち直れるかどうかなんて、あいつ次第ってこった。
傷つくんなら、勝手に傷ついてりゃいいんだ、馬鹿。
俺には関係ねぇ。あぁ、もう何もかもやる気が無くなっちまった。
「バクフーン……」
彼の事を思い出すと、股間がムズムズするのだった。
「またおまえの顔にションベンぶっかけてやりてぇ」
「誰にぶっかけるだと?」
突如聞こえた、聞き覚えのある声にサイドンは驚いて起き上がり、後ろを振り返った。
「バクフーン! おまえ……」
腕を組み、仁王立ちするバクフーンの姿があった。
「あぁ、あの時ヤられた借りは返させてもらうからな」
あまりにも真面目なその台詞を聞いて、サイドンは少し呆気に取られた。それから、頬を緩めて言った。
「ふふ。何度来ても同じことだっつぅの。本当にブラとパンティ着けて、街を連れ回されてぇ様だな。
それとも、浣腸されて街を連れ回されてぇか。え?」
バクフーンは動じず、鋭い目でサイドンを見ていた。
サイドンは立ち上がり、バクフーンに歩み寄った。
お互い少し見つめあった後、キスをしたのだった。
(終わり)