「うぅ……っ」  
うっすらと目を覚ますバクフーン。  
ベッドに身体を縛り付けられ、脚は大股開き、腕は万歳で固定されていた。  
意識は混濁しており、状況をまだ飲込めていない。  
「ぐっ?!」  
バクフーンの鍛え上げられた筋肉よりも強靭なバンドに手足の自由を奪われ、身動きが取れない。  
 
「――気が付いたようだな、元チャンピオン」  
 薄暗い部屋の中、目に映ったのは、サイドンの姿。  
「俺はおまえに勝つことだけを考えて、今までやってきたんだ。  
おまえの身体をこうして、好きなように虐める事を夢見てな」  
 そう言いながらサイドンは、ゆっくりとバクフーンの無防備な腹を撫でている。  
柔らかな部分を撫でられると全身の毛が逆立ち、ぶるぶるっと震え、言葉が出ない。  
 
 そうだ、バクフーンはこの目の前にいる岩の塊のような相手に負けたことを思い出した。  
それから先どうなったのだろうか。全く思い出せない。  
「てめっ、どういうつもりだ。タダじゃおかねぇ!」  
 バクフーンは歯を剥き出しにして、ガルルル、と喉を鳴らした。  
体をよじるが、抵抗も空しく、黒いバンドに全ての身動きを抑圧されるだけだった。  
「ふふん。おまえは自分がどういう状況かまだ理解できてないようだな?  
それにしても、スケベな身体してるな」  
 サイドンはそう言って、バクフーンの胸を揉んでいる。  
 分厚い筋肉の上にふっくらと脂肪の乗った身体――。打たれ強さの理由でもあった。  
「ぎゃぅっ……俺に触んじゃねぇ!」  
 顔じゅうに怒りの皺を寄せて、反抗の意を表すバクフーン。  
しかし無駄だった。赤ん坊のように大の字に全身をさらけ出し、  
そして赤ん坊のように殺生与奪権を奪われてしまっている以上――。  
「おまえはもう、俺の言うコト聞くしかねぇんだよ。分かったらハイと言いな」  
 サイドンはそう命令した。  
 
 薄暗い部屋の中。バクフーンはここが何処かも分からない。  
ただ分かっていることは、目の前にいるサイドンにバトルで破れ、そして今この部屋のベッドの上に、  
大の字に縛り付けられ……。  
 
 ずいぶん長い間、チャンピオンの座を守りつづけてきた。何百匹もの相手をなぎ倒してきたことだろう。  
しかしそれも、永遠に続くものではない。精気溢れる後続の選手、サイドンのような相手が現れては――。  
「なぁ、元チャンピオン?」  
「やめろっ……」  
「おまえをメチャメチャにしてやる」  
「?!!」  
 バクフーンは全身を貫かれるような感覚を覚えた。  
「ほら、力抜いてりゃ、痛くねぇんだぞ?」  
 たっぷりと潤滑液を塗ったサイドンの太い指が……バクフーンの肛門を犯した。  
 まだ排便の用に供することしか知らない肛門は驚き、激しく収縮をした。  
 サイドンは内部を指で一通り、ぐるりとかき回し、感触を確かめた。  
「おまえの中、あったかいな。やっぱ炎タイプだからかなぁ?」  
   
 いつも燃えるようにギラギラした瞳のバクフーン。  
その瞳に睨まれると、どんな相手でも一瞬で萎縮しきってしまう程の激しさと強さがあった。  
しかし今は、焦点の合わない目を開き、口をパクパクさせているだけだ。  
 
 そんなバクフーンの姿を見て、  
「ふむ、まぁ今日はこの位にしておいてやる」  
 サイドンは何かを思ったようにそう言って、『ズル』と音を立てて一気に指を引き抜いた。  
「あぎゃぁ……」  
 がっくりとうな垂れるバクフーン。  
 
 そしてサイドンの手で全ての拘束帯が解かれた。  
「今日はゆっくり休むこったな」  
 そう言い残して。  
 身体を自由にされたバクフーンだが、脚を開いたまま放心して動けず。少し赤くなった肛門だけが  
恥ずかしそうにピクピクと動いていた。  
 
――うっすらと目を覚ますバクフーン。  
バトルに破れた後、どういう経緯でここに連れて来られたかは不明だが、気づいた時には既に  
ベッドに拘束されていて、その後……。  
 
 ガバ!  
 一気に目覚め、上体を勢い良く起こすバクフーン。  
「はぁっ……はぁっ……」  
 頭を素早く左右に振り、辺りを見回す。  
カーテンから陽の光が漏れていることから、どこかの部屋であろうことが窺い知れた。  
 バクフーンは考えた。ここから逃げ出すか――まさか。憎き相手に一矢報いるのが筋だろうと。  
 
「おはよう、元チャンピオン」  
 その声の主はサイドン。ぬっとドアから部屋に姿を現して。「――よく眠れたようだな」  
「てめっ……ぶっ飛ばす」  
 バクフーンが飛び掛ろうとするや否や、逆にあっさりとベッドに押し倒されてしまった。  
 必死にもがこうにも、岩のような巨体にのしかかられて四肢を押さえ込まれてしまった以上、抵抗は無駄だ。  
「全っ然だぜ、元チャンピオンよ。さすがに腹が減っちゃ力も出ねぇだろ? はははっ」  
 馬鹿にした様に笑って。  
「その、元チャンピオンっつぅのはやめろっ……」  
 バクフーンはそう言うのが精一杯だった。  
サイドンは少し強引にバクフーンの両脚の間に割って入り、股間をこすり合わせる。  
 お互いの、雄の性器が触れ合う。それは激しい敵意とは無関係に、暖かい感触をもたらした。  
 
 ――どのくらい、そうしていただろう。  
 
バクフーンは体が震え、動けない。  
この震えは恐怖や怯えからでないことは確かだ。どんな状況でも恐れず怯まず屈しない精神こそがバクフーンの  
支えであったはずだからだ。  
「……うっ、……ぐっ」  
 小さな声でうめくバクフーン。その息は少し荒くなってきているのが分かった。  
 サイドンは、バクフーンの首筋に顔をうずめ、鼻で大きく呼吸している。  
「いい匂いだなぁ、バクフーンは」  
 
(つづく)  
 

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