エンジュシティのはずれにある、焼けた塔。
そこにはかつて三匹の伝説のポケモンが住んでいたという。
今でもたまにその塔で姿を目撃されるが、すぐに風のように飛び去ってしまうらしい。
彼らはその地を駆け巡り、疲れた身体を休めにたまに塔へと戻ってくる。
今日はスイクンが青い身体を地に横たえているが、何か様子がおかしい。
疲労している、というわけでもなさそうであるが、どこか苦しそうな表情を浮かべている。
そこへ、何者かが近づいてくる気配を感じた。……人間だろうか?
普段なら即座に態勢を整えるのだが、身体が重く感じた。
のそのそとようやく起き上がると、急に視界が暗くなる。
見上げると、天井の穴から黄色の巨躯が地面へと降りてきた。
「よう、久しぶりだな、スイクン」
「……ライコウ」
ライコウと呼ばれたそのポケモンは、黄色の身体に黒い模様、背中には雨雲のようなたてがみを持つ、虎のような姿をしている。
「どうしたんだ?何か元気ねえなー」
元々口数の多いほうではないスイクンであったが、平時はもう少し会話が続く。
怪訝そうな表情を浮かべながら、ライコウは問いかけた。
「う、うむ……」
「はっきりしねえ奴だなあ。悩み事なら言えよ、俺とお前の仲だろ?」
「どういう仲だ。まあ……この際お前でもよいか。実は……」
スイクンは姿勢を崩し仰向けになる。するとライコウは思わず驚きの声を上げてしまった。
「ちょ、お前、勃ってんじゃねーか!」
「声が大きい、馬鹿者!」
見ると、スイクンの青い身体には不釣り合いな赤く立派なペニスがそそり立っている。
さらに地面には先ほどまで身体を横たえていたところに、ねっとりとした液体が溜まっていた。
今朝、草むらで起きてみるとスイクンの雄は朝立ちしてしまっていた。
普段ならすぐに収まるところだが、今日に限っては何故か一向にそのままである。
さすがにこのまま各地を移動するわけにもいかず、たまたま焼けた塔の近くにいたので戻ってきたのであった。そして今に至る。
「――というわけだ」
「ふぅん……お前にもそんな悩みがあるとはなあ」
顔を赤らめて説明するスイクンに対して、ライコウは特に気にする様子もなく聞いていた。
「しばらくしてなかった反動だろうか……。兎に角、今は何でもいいからこれを落ち着かせたいのだ」
「何でも……ねえ」
いきなりそのような悩みをぶつけられても、困る。
前足で頭をポリポリと掻きながら思案していると、ふといいアイデアが浮かんだ。
「お、そうだ、いい解決方法があるぞ!俺に任せておけ、な」
ライコウの顔には何やら不純な笑みが浮かんでいるので、決して碌なものでは無さそうであるが。
そんな表情を窺う余裕もないスイクンは、ライコウの言葉に若干表情を明るくさせる。
「そ、そうか。お前に物事を任せて良かったことなどまるでないが、うむ、今回は自信がありそうだな。」
「……ひどい言いようだな、お前。まあいいや、まず、ちょっと振りかえってみろ」
「……振りかえる?後ろに何かあるのか」
「まーいいからいいから」
疑わしい表情を浮かべつつも、何か考えがあるらしいライコウの言うとおりにスイクンは背を向ける。
その瞬間―――
バチッ!
「ひぅっ……!」
―――と電撃が走る音がした。
その対象は言うまでもなく。
「ラ……ライコウ、何のつもりだ……!」
四肢を動かそうとしてもまるで動こうとしない。
スイクンの身体には蒼い電気がパリパリと音を立てて渦巻いている。ライコウの「でんじは」だ。
普通のでんじはなら多少身動きは取れるのであるが、伝説ポケモンであるライコウはその威力を高めることが出来る。
さらに水タイプのスイクンには効果抜群、というわけだ。
「すまねえな、でもこのほうがゆっくり楽しめる……だろ?」
ライコウはニヤリと笑い、スイクンの正面へと移動する。
「んー、いい表情だ。さすがスイクンはかわいいねー」
「くだらない……なこと、言ってないで……さっさと、これを解け……!」
怒りとも苦しみとも取れる声を何とか出しながらスイクンは懇願する。
しかし、正面に来たことでライコウの全身、そしてその股間が嫌でも視界に入る。
「へへ……俺も溜まってたみたいだ。まずは、ちょーっと口でしてもらおうかな」
見ると、ライコウの一物も既に怒張しており、だらだらと先走りを垂らしている。
スイクンがひっ、と息を飲む顔を見て、満足げにのしのしと近づいていく。
そして背に前足をかけると、ちょうどスイクンの目の前に赤く滾る雄が現れた。
「や、やめ……んぐっ!」
拒絶の言葉は最後まで届かず、ライコウは強引に口へとペニスをねじ込んだ。
途端に口内に拡がる塩辛いような苦いような味と、鼻をつく性臭にスイクンは軽く嘔吐いてしまう。
必死に口から出そうともがくが身体は動かず、このような経験もなく勝手が分からないのでされるがままだ。
「こういうの……初めてか?じゃあ俺が最後までじっくり指導してやらないと……な!」
そう言うと、ライコウは腰をゆっくりと動かしていく。
巨体に相応しい大きさのペニスは、楽にスイクンの口内の奥まで犯していく。
最初は拒絶していたスイクンであったが、交尾の雰囲気に飲まれてしまったせいか、徐々に自分から舌を絡め始めた。
「んっ……中々いい舌使いじゃねえか。さすが優等生……だな」
「ふ……ううはいっ……!」
口元が塞がっているのでうまく言葉が出ない。
じゅるっ、じゅるっと辺りに水音が響き、次々と溢れ出てくる先走りを口から垂らしてしまう。
その淫乱な姿を上から見下ろす形になっていたライコウは、そろそろ頃合いかと思い口からゆっくりとペニスを引き抜く。
「よ……っし、もういいぞ。お前の厭らしい格好見てたら、そのままイっちまいそうだからな」
ようやく口内を解放されたスイクンは軽くせき込み、呼吸を整える。
ポタポタと口元から滴る液体など気にせず、盛大に不平をぶつけた。
「お、お前……これのどこが解決法だ!お前が一方的に気持ち良くなってるだけではないか!」
「まあ落ち着け、これは下準備だ。本番はこれから、さ」
ライコウは背から前足を避けるとスイクンの背後へと回る。
スイクンは未だでんじはの支配下にあり、視界が動かせないため、先程の不意打ちもあって頭を不安がよぎる。
すると、何やら熱いものが自らの排泄肛へと当てられるのを感じた。経験のないスイクンでも、何をされるのかだいたい予想が付く。
「へへ、一度お前とヤってみたかったんだよな。一緒に気持ち良くなろうぜー」
肛門周りに先走りを付着させ、準備を済ます。背に当たっている爪に力が入ったのを感じ、スイクンは戦慄した。
「お、おいっ、私は経験がないんだ……!そんないきなり……っ!」
「さっきから十分下準備は済んでるさ。安心しろ、すぐ気持ちよくなるから……な!」
言い終えると、ゆっくりと挿入を始める。
「い……いた、い……っ!」
まだ半分ほども入っていないが、碌に内部が慣らされていないスイクンは悲鳴を上げた。
対して、ライコウは思っていた以上の気持ちよさに声を震えさせている。
「さ、すが水タイプだな……。中が最初からヌルヌルしててやばいぜ……」
感触を味わうかのように徐々に奥へ奥へと自らの雄を挿れていく。
そして、全て入ったところで動きを止める。
「どうだ、感触は?まだ痛いだけ、か?」
「痛い……だけに決まってるであろう、馬鹿者……っ!」
その割に声が若干気持ち良さそうだが、とは言わずに、挿れたときと同じくゆっくりと腰を戻していく。
何とも言えないその感覚に、スイクンは思わず嬌声を上げてしまう。
一旦全て引き抜いた後、ようやく本来の目的に取り掛かり始める。
「よっし、そろそろスイクンにも気持ち良くなってもらわないとな」
「……どういうこと……だ?」
「まあすぐにわかるさ、まずはお前の気持ちいいところを探さないと」
そうしてもう一度中へと入り込む。
先程よりは慣れてきたのかスイクンの表情も幾分和らいできている。
その顔が再び歪むのかと思うと、ライコウは思わず嗜虐的な笑みを浮かべてしまう。
しばらく内部を探るように腰を動かしていたが、一点の場所を突いたときにスイクンは思わず大きく反応してしまう。
「あうっ……!」
「へへ、そこかー……。よし、始めるぞ」
少しだけ腰を引き、再びそこ目掛けて突き上げる。
「く、あっ……ああっ!」
先程よりも一際大きな悲鳴が上がる。
ライコウは、ただ前立腺を突くだけではなく、その瞬間に微弱な電気を自身のペニスへと流しているのだ。
電気刺激は射精を促す。それだけでは快感が得られないが、同時に突き上げることで快感が得られるのではないか。
以前から試してみようと思っていたことだが、どうやらうまくいっているようだった。
「お、気持ちいいみたいだな。俺もそろそろやばめだ、スピード上げるぞ……!」
「ちょ、待て……っ、きゃうっ!」
言い終える前に再度電気を帯びた雄槍に突かれて思考が飛ぶ。
尻周りは腸液や先走りで光っており、腰を振るたびにぐちゅぐちゅと音が鳴る。
スイクンは既に限界寸前で、歯を食いしばって猛攻に耐えている。
ピストンを繰り返すライコウの表情も、徐々に恍惚としたものへと変わっていく。
「イ、くぜ……!うおおおおおおっ!」
「わ、私ももうダメ……だっ!」
ライコウがスイクンの腸内へとドクドクと濃い白濁液を流し込む。
スイクンも同時に溜まっていた大量の精を吐き出し、地面が白く染まっていく……。
お互い一通り吐精が済むと、ライコウはずるりとペニスを引き抜く。
蓋が無くなり、許容量を超えた精液が肛門から流れ出し、スイクンのものと混じり合った。
そして、隠し持っていたクラボの実をスイクンの口へと持っていく。
例も言わずにそれを咀嚼するスイクンに背を向けつつ、ライコウは話しかける。
「いやー、気持ちよかったなあ。お前もいっぱい出したみたいだし、これで満足……」
だろ、と振りかえり言おうとした途端、背後から強烈なハイドロポンプが襲いかかる。
ついさっきまで体力を消耗していたライコウは、ひとたまりもなくその場にばたりと気絶してしまう。
スイクンの顔にははっきりと青筋が浮き上がっていたが、少し経つと息を吐き顔を赤らめていた。
「この……馬鹿者が」
気絶しているライコウには届かない台詞を一人で呟く。
さすがにこのままにしておくと、焼けた塔で謎の異臭騒ぎ、などというニュースにも成りかねない。
スイクンは自身の能力である、水を清める力で辺りの精液をただの純水へと変える。
まだ体内に溜まっている精液もその力を使って清浄出来るが、少し思案したのちそれはやめた。
最後に、立派な蒼いたてがみにいつも入れているオボンの実を、倒れているライコウの横へと置いておいた。
「……ありがとう」
礼を言うには少し、いやかなり強引な手段で解決されてしまったが、このような快感もたまにはいいか。
とりあえず、今はどこか綺麗な水場で身体を洗いたい。
そう思いつつ、スイクンは天井の穴から出ていったのであった。