「……へぇ」
リーフは自分の体に覆い被さる男をまじまじと観察した。
フスベ出身のドラゴン使いでありジョウトリーグのワタル。その男も射抜くような瞳でリーフを見ていた。
つめたい大理石の床がリーフの背中にある。それでもリーフ何も動揺しなかった。
勿論男と二人きりなるということがどんなに危ない行為か知らないわけではなかった。
こういう行為に及ぶのはなんとなく予想できていた。
もしかしたらどこかで他人ごとだと思っているのかもしれない。ぼんやりとそう考えながらもリーフは眉一つ動かさない。
「女っ気がないなぁ君は。もうちょっと嫌がってくんないと」
「……男のひとってそういう反応が楽しみだったりしますか」
「全部が全部ってわけじゃないけどね。少なくとも俺は楽しいし……ってそういうことじゃなくてだね」
「?」
「いいの?」
「痛いのは嫌です」
「じゃあもっと嫌がればいいのに」
そう言われてふとリーフは黙りこんだ。
チャンピオンルームで性行為に及ぶのはちょっとなあ言うのとそういう行為への興味があるのとで判断を躊躇していた。
性交をしますか?
はい ▼
いいえ