目の前にいるアチャモは泣いている・・・  
なぜ、泣いているのか、それはどうやらトレーナーに捨てられたらしい。  
こんな可愛い姿をしたポケモンに強さを求めた屑なトレーナーは彼を捨てたらしい。  
そう、可愛い姿だが雄なのだ。  
そんなのはわかっているが、可愛いものを可愛いと言って何が悪い。  
現にこのアチャモも可愛いと言われて喜んでいる。  
「ルカリオさん、ありがとう・・・」  
「なに、きにすることはない。」  
アチャモがお礼を言ったのはきっと目の前の木の実だろう。  
私が波動弾で落してやったものだ。  
この辺の木の実は全て高いところになる。  
か弱いポケモン一匹ではここは生活しにくい土地なのに、本当にアチャモを捨てたトレーナーは最低だ。  
「ルカリオさん、怖い顔してる・・・」  
「ん、あぁ、すまない。」  
「ううん、でも僕のためにそんな顔しないでいいからね?」  
なんだ、気が付いていたのか。  
意外と感がいいんだな。  
「ねぇ、僕、強くなりたい。」  
「いきなりどうした?」  
「だって、僕が強くなったら、きっとルカリオさんにそんな顔させないで済むもん。」  
まったく、私のことばかり気にしてくれるのだな。  
「別に強くならなくとも、もう怖い顔はしないようにするさ。」  
「それだけじゃないの、僕、ルカリオさんに頼ってばっかは、嫌なの・・・」  
「そう、か・・・なら少しだけ戦い方も教えよう。」  
「ほんと!?ありがとう!大好きだよ!ルカリオさん!」  
大好きとは大げさだな・・・  
まぁ、嬉しいからいいとするか。  
 
「ほら、もっとしっかり攻撃しろ!」  
「はい、師匠!」  
アチャモはワカシャモに進化していた。  
炎、格闘を覚える彼はみるみる強くなっていったが、まだ私の敵ではない。  
現に今も火炎放射の直撃を受けているが、火傷しない限りは痛くはない。  
「どうした!威力不足じゃないのか!?もっと威力を込めろ!もう一回!」  
「はい!師匠!」  
師匠と呼ばれるのも、嬉しく感じるな。  
だが、アチャモの時の可愛さが少し薄れたのは残念だ。  
それで思い出したが、アチャモの時に使っていた火の粉も威力が低かったな。  
炎を受けながらそんなことを感じ、苦手なのかと思った。  
「くぅ、やっぱり特殊攻撃は苦手だ・・・物理攻撃にしましょう!」  
「いいや、特殊攻撃も大事な力だ。それが出来なくては駄目だ。」  
「できないわけじゃないじゃないですか!」  
「だが、まだ威力不足だ。」  
「だからこそ、物理技でカバーしたいんです!」  
まったく、意地っ張りなやつだ・・・  
「・・・ならば、二度蹴りの練習をするか。」  
「はい!師匠!」  
ふぅ、やはり私は甘いな。  
まぁ、喜んでいる姿は可愛らしさもあるし、仕方ないか。  
 
「くらえ!火炎放射!」  
「ふん!この程度か!?」  
目の前のバシャーモになった彼を見て、成長がわかる。  
火炎放射も重みが増した、だがこの程度では私は倒せない。  
「こちらから行くぞ!波動弾!」  
「読んでたぜ!まもる!」  
彼がいつの間にか覚えていた、まもる。  
絶対防御の技だが、失敗することも多いその技を使ってくるとは、本気で勝ちに来ている。  
だが、こちらも負けはしない。  
「こっちからいくぞ!炎のパンチ!」  
「ふん、読み返しだ、カウンター!」  
物理攻撃を得意とする彼に、一番効く戦法だ。  
攻撃を受けつつも、倍返しのカウンターをくらわせる。  
多少、ダメージがあるが、彼へのダメージのほうが高いのは一目瞭然だ。  
「くぅ、さすが師匠だ・・・でも次で終わりさ。」  
「それはどうかな?波動弾!」  
目を閉じて作戦を練る。  
また、守るで守りを固めた後に、物理攻撃が来るだろう。  
そこが狙い目だ、カウンターで沈める。  
「ぐぁっ!まだまだ!」  
「なに!?」  
目を開ければ、波動弾に直撃しながらも突っ込んでくるバシャーモの姿。  
これでは彼の攻撃が直撃する・・・  
「ブレイズキック!」  
彼が必死に練習していた技だ、完成していたのか・・・  
私はそれをよけれずに、直撃。  
「まだだ!炎のパンチ!」  
よろけた私に彼のパンチが容赦なく襲いかかる。  
それが鳩尾に深く入る、急所に当たったようだ・・・  
ダメ、だ・・・  
意識が遠のく・・・  
 
「んんっ・・・」  
「気がついたか?師匠。」  
「ここは・・・ぐっ!?」  
私たちがずっと使っている洞窟のようだが、体が悲鳴をあげて起き上がれない・・・  
「悪かったな師匠、ちょっとやりすぎちまったみたいだ。勝ちたかったから、な・・・」  
「それは、お互い様だ。波動弾、よく持ちこたえたな。」  
「あぁ、来るのはわかってたから、必死に耐えたのさ。」  
「わかってたのか?」  
「なんて言うか、師匠ってワンパターンなんだよ。同じ技は連続して使わないとかな。」  
そうか、私は少しワンパターンなのかもしれないな。  
「まぁ、最後の技が急所に履いていなければ、私もまだ戦えたさ。」  
「あきらめ悪いなぁ、でも、負けは負けだろ?」  
「あぁ、そうだな。」  
「約束、覚えてるだろうな?」  
「約束、あぁ、私が負けたら言うことを聞いてやるというやつか。」  
懐かしいな、まだ覚えていたのか・・・  
「なぁ、笑わないで聞いてくれよ?」  
「あぁ、笑いはしないさ。」  
なんだ、急にあらたまって。  
「実はな、その、俺さ、師匠のこと、好きになっちまったんだ。アチャモの頃から。」  
「・・・なに?」  
好きになった?私のことを?  
雄同士なのに、か?  
「アチャモの頃とかはな、憧れとかもあってな、俺が、その、下でいいかなって思ってたんだ・・・でも、今は違うんだ。」  
 
「今は、どうなんだ?」  
「あんたを犯したくて犯したくてたまんない。俺のものに、したい。」  
こちらを真剣なまなざしで見ている、彼は本気のようだ。  
おかしい、俺を師匠と慕っていたはずなのに、あんな可愛かったアチャモはどこに行った。  
「私はものではない、第一、そんなのは無理だ。」  
「なら、無理やりにでも、する。」  
「や、やめろ!」  
私は攻撃しようとした、しようとして、できなかった。  
バシャーモはそれでも、大切な存在だ。  
それを傷つけるなんて、できなかった。  
バシャーモにそのまま押し倒され、少し傷が痛む。  
だが、そんなことより、今は私の体の心配をしたほうがいいだろう。  
目の前にいるのはまさに、獲物を目の前にした獣の目をしたバシャーモ。  
私は、このまま食われてしまうのだろうか?  
抵抗したいが、すでに力の差は僅差、そして傷ついている私のほうが今は下、抵抗は体力を失い、逃げるチャンスを失うだけ。  
いや、そもそも、本当に逃げていいのだろうか?  
彼は、きっと、深く悲しむだろう。  
今も、どこか悲しみを背負っているように見える。  
私さえ、私さえ受け入れれば、すべて丸く収まる。  
そして、可愛いと思っていたという違いはあっても、私も愛していたことに、変わりはない・・・  
「バ、バシャーモ、待てくれ。」  
「今更、何も聞かない。」  
「違う、そうじゃない。」  
「じゃあなんだよ。」  
言ってしまおう、後戻りはできない。  
「お前を、受け入れたい・・・」  
「・・・本気か?」  
「あぁ、本気だ。」  
「後悔するなよ?」  
「出来ないように、すればいいじゃないか。」  
「・・・あぁ、言われなくてもそうしてやる。」  
悲しさの気配が消えた、だが代わりに、獣らしい目つきがより一層増した。  
そう、それでいい。  
私だって、おまえが好きなんだ、受け入れてやる。  
初めにされたのはキス、口と口が重なり、舌を入れられ、バシャーモの熱い痰が私の口の中に広がる。  
熱さに充てられたように、私は次第に興奮してくる。  
口が離れていくのが、名残惜しくなってしまうくらいに。  
「どうだ?なかなかうまいだろ?練習したんだ、木の実で。」  
「そんなの、練習しなくていい・・・」  
いや、私のためか、それは、嬉しいかもしれない・・・  
「じゃあ、次な。」  
「そ、そこは!」  
私の言葉に耳も貸さず、尻の穴に舌を這わせる。  
十分に塗らされたところで、今度は指がいりこんでくる。  
爪のあるその指に私は震えさせられた。  
気持ち良いのだ、なんでかはわからないが・・・  
まるで、裏側から性器を触れているかのよう、私の芯を触られているかのよう・・・  
このままでは、バシャーモのなすがままにされてしまいそうだ。  
でも、気持ち良くて、動けそうにはない・・・  
 
なすがままにされるのも、悪くないと思ってしまっているのかもしれない。  
中をいじる指が増えてさらに気持ち良さが増す。  
「くゎぅ!?」  
「おぉ?ここだな。一番気持ち良いところは。」  
体の本当に芯を貫かれたように鋭い快楽が私を襲う。  
今のはなんだ、と思う快楽が断続的に襲う。  
私は、ただただ声を上げることしか出来ず、バシャーモを余計に楽しませているようだ。  
顔がにやついているのがわかる。  
だが、すぐに激しい快楽に目をつむることになる。  
指がさらに追加されたのだ。  
私の中にバシャーモの片手の指が全て入っているのだ・・・  
それを中で少しかき回されると、指が引き抜かれる・・・  
「ぁっ・・・」  
私は思わず、求めるような声を出してしまう、それほど気持ち良かったのだ・・・  
「心配するな、もっといいものくれてやる。」  
バシャーモはそういうと自らの性器を私の尻に宛がった。  
「良いだろ?」  
「好きに、しろ・・・」  
「そうさせてもらうぜ、ルカリオ。」  
名前を呼ばれたことに、嬉しさを感じてしまった。  
そういえば、そう呼ばれたのは久しぶりだった・・・  
バシャーモの熱くて太い性器が私の中を抉りながら入りこんでくる。  
その大きさに、少なからず不安を覚える、全部入るのだろうかと・・・  
余計な心配だったようで、全部私の中に埋め込まれたようだ、中がすごく熱い・・・  
「じゃあ、動かすぞ?」  
「あ、あぁ・・・」  
バシャーモはそう確認するとゆっくりと腰を引き、また私の中にと突き刺してくる。  
ゆったりとした前後運動に、私の中が押しひろ得られるのがわかり、気持ち良い・・・  
だんだんとそのスピードも上がり、私も喘ぐように泣き叫んだ。  
「あっ!ぐっ!がぅっ!」  
「ルカリオ!ルカリオ!」  
その間バシャーモはずっと私の名前を呼んでいた、呼ばれるごとに、私の中の欲求も限界にと達しようとしていた。  
バシャーモが人気は深く私に突き入れた瞬間、私は果ててしまった・・・  
だが、どうやらバシャーモも同時に果てたらしい。  
熱い液体が、私の中に注ぎ込まれるのがわかる、なんというか、充実感がある・・・  
だが、幸福に包まれながらも視界が暗転していく。  
先ほどの戦闘の疲労と、今の疲労の、蓄積だろうか・・・  
もう、わからなくなって、意識をそのまどろみに投げ捨てた・・・  
 
終わり  
 

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