※アーボックの場合  
 
「……本当コレばっかりは慣れないってやつですぜぇ」  
「いいからさっさと出しな」  
背を屈め、既にスリットを割って姿を見せかけている一物を鉤爪の先端で軽く引っ掻いてやる。  
途端にぐぐっと大きくなる赤黒い雄に息を吹きかければアーボックの軽い呻きが耳に心地良い。  
「あれだけ綺麗にしておけって言ったのに……まったく」  
「でもボス、アイツのよりオレさまの汚いチンポの方が興奮するんであ痛い痛いそれは反則ですぜボス!」  
「馬鹿言ってんじゃないよ。それにほら、お前だって痛いのは好きだろう」  
ふざけた事をぬかしたのでちょっと強めにつまんでやったら臨戦態勢に入りやがった。  
若干赤みが増したような気がするし、ちょっと血も滲んでいるが気にしない。  
勃起したアーボックの陰茎は二股で、肉質の短い棘がいくつも並んでいるというとても凶悪な代物だ。  
おまけにその棘の部分には黄ばんだ恥垢がびっしりとこびりついているのだから堪らない。  
喉が勝手にごくりと鳴る。強烈な雄の淫臭が腹の下に響いて、倒錯した気分が一層強まる。  
アーボックの言うとおり臭いに対する不快感はとっくの昔に無くなっていた。  
未だに処女なので怖くて言い出せないが、心の底では下の方だって許していい、と思っているくらいなのだから。  
あいつらにも性欲処理は必要だろう、と最初の頃は理由をつけていたが、今では一匹の雌として行為を楽しみにしている自分が居る。  
「それじゃあ、んんっ、む……」  
アーボックの鈴口へと舌先を這わせれば、濃厚な苦みとえぐさがすぐさま口の中一杯に広がる。  
恥垢は濃厚なクリームのように舌と牙に絡みついて、鼻先へと抜ける饐えた雄の臭いと合わさって、とても……そうだ、とても興奮する。  
唾液をたっぷりとまぶして、肉槍にこびりついている恥垢をこそぎ落し、二本を交互に咥えてはじゅるじゅると啜る。  
チームを率いる上で半ば捨ててきた、自分が"雌"であるということ。それをこれ程強く感じる時はない。  
「うー、ボス、そろそろ…」  
「ん…ふ、ふ…そんなに、気持ちいいのか……?」  
「そりゃあもう気持ち良すぎですぜ?」  
こぷっ、こぷっと口内に流し込まれる先走りは生温い。なのにそれが喉を下っていく度に、頭の奥がぼうっと熱くなる。  
目頭から勝手に涙が零れて、腹の底も熱くなって、股間が濡れている事を自覚する。これでは本当にタダのメスだ。  
そしてそれが心地良いのだからまったくもって救えない。  
「……毒されたのかも、な……んっぐ!?」  
「たっぷり出しますぜ、ボスっ!」  
身体に巻きつかれ、身動きが取れなくなった状態で、喉奥に叩きつけられた陰茎。  
思わず吐きそうになった瞬間に、狙いすましたかのような射精が始まった。  
ひたすら温く、胃に溜まる程ずっしりと重く、口と喉が腫れるぐらいに苦いアーボックの精液がどんどん流れ込んでくる。  
口を塞がれ、鼻も逆流した精液が満たして息が出来ないのに、気持ちいい。  
「ん゛ん゛っ…………ぷは、はぁ、はぁ……ったく、さっさとほどきな」  
「ほんとにボスは精液好きですねぇ」  
 
※ボスは精液中毒です  
 

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