ジムリーダーを8人倒した。ポケモンリーグでレシラムを捕まえ、激しい戦いの末、Nを倒した。  
Nとの戦いは公表されていないが、四天王を倒したことは広くイッシュ全土に広まり、知名度を上げた。  
 
それでも世の中とはなかなか広いもので。  
前回のリベンジからか、四天王は手持ちを増やした挙句、レベルも段違いに上げており、ボロ負け。  
バトルサブウェイではハルカやヒカリと言った、幼馴染みが譲ってくれたポケモンで挑むも、30連勝すらできない。  
世界中のトレーナーとのランダムバトルでも、最初こそ調子がよかったものの、今となっては負け越し状態。  
 
今となっては踏んだり蹴ったりで、うまくいかないことばかり。  
それでも周囲は四天王を倒したチャンピオンと囃し立てるので、プレッシャーが増すばかり。  
 
 
その苦しさに耐えかねて、一度バトルから離れ、もう1度観光気分でイッシュ中を旅することにした。  
そらをとぶ要員のハトーボー、フィールドワークには欠かせない秘伝要員のキングラー。  
少々の強い敵なら一撃で粉砕できるダゲキの3体だけをつれての、修行とは程遠い、ポケモンとの旅。  
そして旅の途中で立ち寄った街では、以前お世話になった人たちへの挨拶も欠かさない。  
 
「あ、久しぶりブラック君!ポケモンもあなたも、元気にしてるかな?」  
「まあ、それなりに」  
 
今日訪れたのは、8つのジムの中で一番苦しめられた、飛行タイプの総本山、フキヨセジム。  
それまで順風満帆だった俺のポケモン人生で、最初の壁にぶち当たった場所。  
 
「ふぅん、スランプねぇ」  
「はい、壁に当たってるっていうか。  
 このジムは、ポケモンリーグに行くまでの旅の中で唯一の壁だったので、ここでなら何かをつかめるか、って思って」  
「いや、壁ってねぇ。  
 少なくとも、あのときのあなたは自分で壁を作ってなかった?」  
 
フウロが指摘しているのは、他でもないブラックのパーティー編成。  
当時の彼の手持ちは、エンブオー、ローブシン、ズルズキン、ナゲキ、ダゲキ。  
全員格闘タイプである以上、オール飛行パーティーのフウロとの相性は最悪に決まっている。  
 
彼自身が、ポケモン格闘大会のP1グランプリの大ファンで、旅に出たら格闘パーティーを極め、  
いつか格闘ポケモンジムを作りたい、と考えるほどの格闘マニア。  
 
旅に出る前にいろんなポケモンを調べ、最初のポケモンにポカブを選ぶと決め、  
野生ポケモンの生息地を割り出し、誰をどこで捕まえるかを事前に決める徹底ぶり。  
 
「よくそれで四天王にも勝てたと思うよ・・・今はきちっとしたパーティー組んでるんでしょ?」  
「ええ、まぁ。ごめんなさい、こういうこと聞かれても、困りますよね・・・」  
 
何かをつかめると期待を寄せた自分が甘かった、彼が今感じたのは、人生の厳しさだった。  
 
ブラックがフキヨセを訪れた理由は、前述の事以外にもう1つある。  
それは、フウロそのものにあった。  
 
「でも、さすがにオール格闘パーティーと戦って負けたのは、すごく悔しかったかな。  
 あれから、アナタとのポケモン勝負を思い出して、アタシもポケモンを鍛えなおしたりしてるんだよ。」  
 
初めてフキヨセを訪れたときに、アララギ博士の父親と一緒にいた女性に、目を奪われた。  
可愛く端整のとれたフェイス、健康的にほどよく肉のついた、ふっくら且つ引き締まったボディ。  
 
「あのときのバトルで感じた、相性をひっくり返すほどのアナタとポケモンの熱意。  
 ああいうの、あたし大好き。」  
 
そして、女性の胸が大好きなブラックの欲求を上回るほどの、形も大きさも申し分ない爆乳。  
そんな彼女がジムリーダーだと知って、彼女に近づくためにタワーオブヘブンの用事を速攻で済ませ、早速ジム戦を挑んだ。  
 
「だから、アタシの貨物機に人は乗せないんだけど、」  
 
ジム戦終了後にお茶にでも誘う予定だったが、セッカシティでプラズマ団の動きがあると聞き、急行せざるを得なかった。  
そんな事もあり、もし次に機会があれば、必ずフウロをどこかへ誘おう、と心に決めていた。  
 
「アナタとなら、どこかに修行に行ってもいいかも」  
 
だから、このチャンスを逃さなかった。  
 
「じゃ、じゃあ、今から一緒に行きませんか!?」  
 
「気持ちいー!」  
「はい! ・・・でも、一緒にケンホロウに乗ってよかったんですか?」  
「初心に帰って修行するのが一番いいと思ってね! あなたの生え抜きパーティーに、飛行タイプはいないんでしょ?」  
 
フウロとブラックは、ケンホロウに乗って上空を移動中。  
ブラックがケンホロウに乗っているのは、共に旅をした、先ほどの5体+コジョンドをつれているので、移動手段がない為。  
『初心』がテーマらしく、その6体以外を連れ歩くのは、フウロがNGを出した。  
 
野菜の出荷シーズンまではまだ時間があるので、それまではジムと空輸の仕事は休ませてもらえることになったとか。  
そのおかげで、ブラックにとっては幸せな時間を作ることができた。  
 
「へぇ、バトルによって使うポケモンを変えてるの?」  
「バトルサブウェイやランダムバトルでは、ハルカやヒカリからもらったポケモンと、俺が育てなおしたポケモンが中心ですね。  
 四天王には、・・・やっぱり、こいつらで勝ちたいです」  
「そっか。じゃあ、アタシもがんばって君を応援・・・あれ」  
「?」  
 
フウロの様子がちょっとおかしい。ケンホロウも身震いしているようだ。  
どうしたんですか、と聞くと、どうやら一雨くるらしい。  
 
・・・と思ったら、さっそく大粒の雨が頬を叩いた。  
 
「もうちょっとで、豊穣の社に着くのに・・・  
 しょうがない、あのあたりに下りて、森の中で洞窟を探しましょ。今日はそこで寝泊り♪」  
「ね、ねとま・・・」  
「ん?」  
「は、はい!降りましょう!」  
 
鼻血が出かけた様な気もしたが、無理やりいろんなものを沈めた。  
・・・その、刹那。  
 
「ケ、ケンホロウ、上!」  
「うわっ、雷だ!」  
 
突然の上空からの落雷。  
旋回してかろうじてよけたが、その瞬間バランスを崩した。  
今、体にある感触は、ケンホロウのふさふさの羽毛などではない。・・・空気、そのもの。  
 
「うわあああっ!」  
「ブラック、手!」  
「あ、はい!」  
 
声がした方を振り向くと、すぐそばに自分と同様、スカイダイビング中のフウロがいた。  
なんとか手を握り、お互い抱き合って、バラバラにならずに済んだ。  
 
「ケンホロウ!早く来て!」  
 
ケンホロウも急降下してこっちに来る。もう少しで届くかと言う、その時。  
 
「ケ、ケンホロウ!」  
「しまった、落雷が!」  
 
ケンホロウに落雷がピンポイントで命中。飛行タイプに電気技は効果抜群。  
これでは飛べるはずもないので、ボールに戻した。  
 
「くそっ、フウロさん、スワンナとかは?」  
「無理よ、スワンナはあたしを乗せて飛んだことはないし、  
 この落下速度であたしたちを背中に乗せることすら至難の業、スワンナにも危険よ!」  
「やばい、落ちる・・・そうだ!  
 フウロ、捕まって!」  
「え!?」  
 
何を思ったか、フウロを自分の体に抱きつかせ、真下にエンブオーを繰り出した。  
エンブオーの背中に張り付くが、エンブオーは飛べない豚である。  
 
「ど、どうするの?そのエンブオーって飛べるの!?」  
「いえ、飛べませんよ。飛べない豚ですが、ただの豚じゃありません!  
 エンブオー、地表に向かって火炎放射!」  
 
飛べない豚は、炎を吐く豚。  
火炎放射を逆噴射に利用し、エンブオーのパワーで軟着陸すると言う算段。  
 
だが、なかなか速度は下がらない、そして大雨が火炎放射の威力を半減し、エンブオー自身の体力も削る。  
 
「ダメ、落ちちゃう!」  
「頑張れエンブオー、オーバーヒート!」  
 
地上の形がはっきり見えてきた、もう時間がない。  
ブラックは最後の賭けとばかりに、技をパワーアップさせて勝負に出た。  
 
大粒の雨に叩き起こされる形で、目を覚ました。  
大技を叩き込んだ甲斐あって落下速度を抑えることに成功し、地面に草木のクッションがあったこともあり致命傷だけは避けられた。  
 
どれくらい気を失っていたのだろうか。服と身体が完全に水浸し状態。  
そしてまだまだ、この雨は降り止みそうにない。  
 
「・・・そうだ、フウロさん、エンブオー!」  
 
まず目視確認できたのは、ガタイの大きなエンブオー。  
ブラックが声をかけ、軽く揺さぶると、目を覚ました。  
 
「大丈夫か?・・・酷い疲労とダメージだ、落下の衝撃に加え、大技を出して、ずっと雨に打たれたからな・・・」  
 
ひとまずエンブオーには致命傷はなさそうである。  
ダメージは酷いが、しっかり休めば大丈夫そうだと判断し、ボールに戻した。  
 
素早くないのがいつも足を引っ張っているので今ではパーティーの6番手だが、この体力の高さに今回は助けられた。  
 
 
「そうだ、フウロさん・・・フウロさん!」  
「・・・。」  
「しっかり、しっかりして!」  
 
意識がない。エンブオー同様、落下の衝撃に加え雨に打たれ続けた。  
おまけに無駄な脂肪の一切ないナイスバディに、それを引き立てる露出の多い服装が、今回は裏目に出た。  
 
「・・・ん、だれ、この声、ブラック君?」  
「よかった、気がついた。フウロさん?」  
「ブラック、君、だよね。ごめん、目の前が、よく、見えない・・・ゴホッ!」  
「だ、大丈夫!?」  
 
これだけ体力を消耗する環境では、風邪どころではすまない可能性もある。  
とりあえず周りを見渡すと、洞穴がある。  
 
「あそこでとりあえず・・・ナゲキ、出てこい!」  
 
ナゲキとブラックでフウロの両肩を支え、何とかたどり着いた。  
フウロの意識は、再び無くなっていた。  
 
 
 
早速毛布をかけようとするが、服が水浸しではあまり効果がない。  
 
「フウロさん・・・。・・・ごめんなさい!」  
 
1枚1枚、服を脱がしていく。  
濡れているので擦れたり、そもそも服の仕組みがわからなかったりと大苦戦したが、  
 
・・・なんとか全部を脱がしきった瞬間、自分が改めてとんでもないことをしていることに気づいた。  
 
常日頃から太陽の光を浴びているせいか、若干褐色がかった健康的な肌。  
艶のあるまつげに、筋の通った小さめの鼻、わずかな光を捉えて反射させている唇。  
 
そして何よりも、フウロに惚れた最大の要員とも言える、ただひたすらに大きくて柔らかそうな胸。  
・・・いや、服を脱がせている途中で、そのやわらかさは十分伝わってきた。  
 
それを見ていると、自然と思い出した。下着を・・・ショーツを脱がせたときの、肉厚だったもう1つの唇。  
自分より年上のはずだが、毛はまったく生えていなかった。  
さらにその奥にある赤みのある部分までは見ていないが、自然と想像してしまった。  
 
 
・・・干渉なんかしている場合じゃないと気づいたのは、脱がし終わってから30秒近くたった後だった。  
 
「冷えてるな、まずい・・・」  
 
とりあえず、性的欲求を強引に押さえつけながら、乾いたタオルでフウロの肌についた雫をふき取ってゆく。  
あらかたふき取った後、今度こそ毛布でフウロをくるんでやるが、当然毛布程度では温まるはずもない。  
 
「どうしよう・・・どうすれば、どうすれば・・・」  
 
暖めてやる方法として、真っ先に思いついたのはそばに火をくべる方法。  
だが、さっきの雨でマッチはすべてシケってしまい、エンブオーは体力の消耗が激しく、  
彼のことを考えるとこれ以上頼ることはできない。  
他に炎タイプも、炎技を使えるポケモンもいない。  
 
2つ目は、誰かの体温。よーするに添い寝。  
まず、ブラックは論外。そして彼のポケモンは格闘タイプをそろえていることもあり、全員♂。  
フウロのスワンナ、ココロモリは、低温動物なので効果がない。  
 
だが、このまま黙って手をこまねいているわけには行かない。  
必死に頭を捻る、考える。そうだ、旅の途中でも、必死で考えて、何かを閃いて、壁を乗り越えてきたじゃないか。  
 
 
あのときだって、フキヨセジムで2回負けた時だって・・・  
 
 
「お、今日もやってきたの?」  
「はい、3度目の正直、今度こそ絶対に勝ちます!・・・ていうか、大砲でぶっ飛ばされて壁に叩きつけられるのはもう・・・」  
「あはは、でも、すごく自信あるみたいだね。秘策に新しいポケモンでも仲間にしたのかな?」  
「いいえ、前回と同じポケモンですよ。でも、秘策ならありますよ!」  
 
そりゃあ楽しみ!そんな笑顔でブラックと相対する。  
 
「ココロモリ、GO FRIGHT!」  
「ダゲキ、ROUND ON! 行け、岩石封じ!」  
「!?」  
 
壁が現れたとき、人は考え、何かを生み出す。それを英知と呼ぶ。  
 
 
 
「そうだ、あの時、リゾートデザートで拾った技マシンで、岩技の岩石封じを全員に覚えさせて、  
 ・・・技、マシン?」  
 
バッグを漁る。大文字の技マシンを覚えられるポケモンはいない。  
だが、彼の直感は、的中した。  
 
「これだ!」  
 
 
 
どれだけの時間漂流しているのだろうか。  
とてもつらい、とても心細い、何より、海水の冷たさが身を削る。  
今つかまっているこの流木も、いつ沈んでしまうか。  
 
・・・そんな時現れたのは、焔色のオーラを身にまとった、熱い闘志を持った男の子。  
見覚えのあるその男の子が、ゆっくりと手を差し伸べて、凍える寒さの海から引き上げてくれる。  
 
そして彼に抱きしめられる。不思議なことに、身体がどんどん温まってくる。  
彼はあたしにこう告げた。大好きだよ、と。  
そうだ、君の名前をあたしは知っている。君の名前は・・・  
 
 
「・・・んっ」  
「あっ、気がついた!」  
「・・・ブラッ・・・くん?」  
「よかった、よかったよぉ・・・」  
 
夢を見ていたらしい。  
けれど、夢で身体が受けた感覚はどこか生々しかった。  
 
「・・・あれ、なんか、スースーする・・・」  
「え、あ、それは、その・・・ ・・・めん・・い」  
「へっ?」  
 
毛布の中を見ると、見事に一糸纏わぬ自分の身体。  
フウロは意外にもほとんど驚いていないようだが、脱がせた本人は平謝り。  
 
「身体冷えてて、服びしょ濡れで、脱がさないと身体冷えると思って、それで、それで・・・」  
「ふふ、わかってるよ。あたしを助けて、くれたんだよね。」  
「わ、わかってもらえますか!」  
 
少しほっとした。  
けど、それも束の間。  
 
「・・・エッチ」  
「わーっ!、ごめんなさい、ごめんなさい!」  
「嘘だって・・・って、泣かないで泣かないで! ごめん、悪ふざけが過ぎた、ごめんごめん!」  
 
 
 
ようやく落ち着いて、お互いフウロの裸にも多少は慣れた。  
・・・ふと、フウロはある疑問に行き着く。  
 
「・・・それにしても、ずいぶん暖まったよ。すごく楽になった。」  
「ほんと?よかったー。」  
「でも、どうやったの? ・・・あ、エンブオーを使ったのね。」  
 
そばには、お湯の入っている鍋。  
持っていたタオルを総動員して、お湯を浸したタオルを首筋を中心に当てたり拭いたりし続けた。  
必死の介抱で身体も温まり、風邪は深刻化せずに済んだ。  
 
しかし、そうなるとこのお湯はどうやって使ったのか。  
 
「エンブオーは、オーバーヒートと雨に打たれてて、相当消耗してたから頼れなかったよ。」  
「え、・・・じゃあ、まさか縄文式の火起こし・・・」  
「いや、それも違う。以前、俺がジム戦でどうやって買ったか、覚えてる?」  
「えっと、岩石封じを・・・そうか、技マシン!  
 でも、炎技を覚えるポケモンなんて、エンブオー以外にあなたは・・・」  
「へっへー、甘いよ、フウロさん」  
 
どーだ顔でフウロを見る。  
年下にそういう態度をとられたら、フウロも黙って入られない。頬を膨らましながら意地になって考える。  
 
・・・しばらくして、膨れた頬がしぼむ。どうやらギブアップらしい。  
 
「わかんないや。そういう発想ができるのが、ブラック君の強さだね。」  
「俺の、強さ?」  
「うん、あたしはそう思うな。限られた状況の中で、最大限の力を発揮する。  
 格闘ポケモンにこだわることで、そういう強さが自然と身についたんだと思うよ。」  
「・・・それを生かせば、俺はもっと強くなれるのかな。」  
「うん!・・・そうそう、それで、答えは?」  
 
本題を思い出し、ブラックは青い技マシンを取り出した。  
 
「これ・・・技マシン?でも、この色の技マシンは・・・水技?」  
「うん、技マシン55だよ。」  
「えと、ええと、なんだっけ」  
「これはね、熱湯だよ。」  
「ねっとう・・・そうか、炎技を使わなくても、この技なら簡単にお湯が作れるのね!  
 でも、あなたのポケモンに熱湯は・・・」  
「うん、ごめん。勝手にスワンナに覚えさせちゃってさ。」  
 
スワンナは水ポケモン。彼女なら熱湯を覚えることができる。  
自分のみならず、フウロのポケモンまで広く視野に入れて考えられるのは、紛れもなくブラックの強みだろう。  
 
ようやく落ち着いて、お互いフウロの裸にも多少は慣れた。  
・・・ふと、フウロはある疑問に行き着く。  
 
「・・・それにしても、ずいぶん暖まったよ。すごく楽になった。」  
「ほんと?よかったー。」  
「でも、どうやったの? ・・・あ、エンブオーを使ったのね。」  
 
そばには、お湯の入っている鍋。  
持っていたタオルを総動員して、お湯を浸したタオルを首筋を中心に当てたり拭いたりし続けた。  
必死の介抱で身体も温まり、風邪は深刻化せずに済んだ。  
 
しかし、そうなるとこのお湯はどうやって使ったのか。  
 
「エンブオーは、オーバーヒートと雨に打たれてて、相当消耗してたから頼れなかったよ。」  
「え、・・・じゃあ、まさか縄文式の火起こし・・・」  
「いや、それも違う。以前、俺がジム戦でどうやって買ったか、覚えてる?」  
「えっと、岩石封じを・・・そうか、技マシン!  
 でも、炎技を覚えるポケモンなんて、エンブオー以外にあなたは・・・」  
「へっへー、甘いよ、フウロさん」  
 
どーだ顔でフウロを見る。  
年下にそういう態度をとられたら、フウロも黙って入られない。頬を膨らましながら意地になって考える。  
 
・・・しばらくして、膨れた頬がしぼむ。どうやらギブアップらしい。  
 
「わかんないや。そういう発想ができるのが、ブラック君の強さだね。」  
「俺の、強さ?」  
「うん、あたしはそう思うな。限られた状況の中で、最大限の力を発揮する。  
 格闘ポケモンにこだわることで、そういう強さが自然と身についたんだと思うよ。」  
「・・・それを生かせば、俺はもっと強くなれるのかな。」  
「うん!・・・そうそう、それで、答えは?」  
 
本題を思い出し、ブラックは青い技マシンを取り出した。  
 
「これ・・・技マシン?でも、この色の技マシンは・・・水技?」  
「うん、技マシン55だよ。」  
「えと、ええと、なんだっけ」  
「これはね、熱湯だよ。」  
「ねっとう・・・そうか、炎技を使わなくても、この技なら簡単にお湯が作れるのね!  
 でも、あなたのポケモンに熱湯は・・・」  
「うん、ごめん。勝手にスワンナに覚えさせちゃってさ。」  
 
スワンナは水ポケモン。彼女なら熱湯を覚えることができる。  
自分のみならず、フウロのポケモンまで広く視野に入れて考えられるのは、紛れもなくブラックの強みだろう。  
 
 
・・・それよりも、フウロはまったく別のことを考えていたみたいである。  
 
「あとでハートのウロコを渡すよ。これでフキヨセのわざ家族の人に頼んで、また思い出させて・・・んむう!」  
「ありがとー!覚えさせたかったのよっ!」  
「・・・へっ?」  
「最近、強力な物理技を使う挑戦者が増えてね、その対策を考えてたんだけど。熱湯でやけどにさせれば・・・」  
「・・・あ、えーと、それならよかったんだけど、胸が・・・」  
 
フウロは思わず、胸の谷間にブラックの顔を抱き寄せていた。  
両胸をあわせると肩幅ほどもある、異常なほどまでに大きい胸。  
おまけにほとんどたれずに、弾力と球形を保っているので、ブラックも口を出してしゃべるのに一苦労。  
 
 
「へへへ、いいのいいの♪男の子はこういうの好きでしょ?」  
「えっと、だ、大好k・・・あ、いや、その!」  
「ふふ、聞き逃さないよー。大好きなんでしょ?」  
「うー、は、はい」  
 
からかいつつも、素直でよろしい、といわんばかりのフウロの笑顔。  
・・・その笑顔が、どことなくシリアスな表情になっていった。  
 
「よかった、おっぱいが大好きで。」  
「フウロさん?」  
「あたしも、大好き。ブラック君があたしのおっぱいに顔をうずめてくれるのが。」  
「え、・・・えっ!?」  
 
何を言っているのか、すぐには理解できなかった。  
・・・ただ、もしかしたら、ブラックが期待している状況かもしれない。  
 
・・・思い切って言ってみた。  
 
「俺も、ずっとこうしていたいです。」  
「えっ、・・・本当、に?」  
「はい。」  
 
はっきりと、そう答え、そして続けた。  
 
「そして、頼りないけど、年下だけど、こんな俺でいいのなら、恋人になってください!」  
 
 
 
決意の告白。  
しかし、われに返ってよく見ると、フウロに抱きしめられて、両胸に顔が挟まれた状態。  
これだけ情けない告白というのも、なかなか無いだろう。  
 
もしかしたら、逆に嫌われるかもしれない。若干そんな冷や汗を書いた気もしたが、杞憂に終わった。  
 
「・・・もう、アタシの台詞、取っちゃって。」  
「え、じゃ、じゃあ!」  
 
ニコリと微笑んだ。そして、また顔をうずめさせるように抱きしめた。  
うれしさが爆発しそうになったが、フウロはさらに話を続け始めた。  
 
「アタシが起きる直前、夢を見てたの。とても冷たい海にいて、寒くて、怖くて、寂しくて。  
 そこに男の子が手を差し伸べてくれて、あたしを助けてくれた。彼の手を取ると、冷えた身体が、温まったの。」  
「・・・?」  
「すごくやさしくて、暖かかった。その男の子が誰かはよく見えなかったけど、今はわかるの。  
 ブラック君のぬくもりだった。」  
「モゴゴ?(俺の?)」  
「彼の暖かさに身体が溶け込んでいったと思ったら、夢から覚めた。夢から覚めると、ブラック君がいた。  
 それでわかったの。・・・あなたのことが、好きになった、って。」  
 
ごめん、無駄に長い話だったね。そう謝って頭を撫でた。  
しかし、彼が見せたのは、意外な反応。  
 
 
「・・・すん、・・・ぐす・・・」  
「え、も、もしかして泣いてる?」  
「俺、そんなによくできた人間じゃないよ。夢の中で手を差し伸べてくれた男の子は、俺じゃないさ。  
 ごめん、やっぱり俺、付き合う自信が無いよ。」  
「へっ?どうして、どうして!?」  
 
いったん胸から離れる。  
ひとつ深呼吸をおいて、やっぱり話さなきゃいけないと覚悟を決めて。  
 
「俺、初めて会ったときから、フウロさんの胸にばかり目が行ってた。」  
 
顔も可愛かった、スタイルも抜群、話してみるとすごく優しい人。  
けれど何よりも、性欲旺盛なブラックにとっては、その爆乳のインパクトはあまりにも強烈だった。  
 
「それから、ずっとずっと、フウロさんのおっぱいばかり触りたいって・・・」  
 
ジム戦を終えてフキヨセを去った後も、ずっとそのことばかり考えていた。  
フキヨセに来たのも、またあのおっぱいを拝みたかったから。  
旅に誘ったのも、もしイイカンジになれたら、ちょっとくらい触れるかもという下心から。  
一緒にいれば、毎日爆乳を拝めるから。  
 
「そんな考えで、俺・・・」  
 
言わなきゃよかった、とも思った。言わなければ、さっきの様に爆乳を好きなようにできたから。  
けど、そんな自分とかけ離れた虚像を好きになったフウロを、騙す様な事はしたくなかった。  
 
 
 
「ごめん、よくわかんないや♪」  
「・・・えっ」  
「だってさ、男の人みんな私の胸を見てるよ。普通じゃない、それくらい。  
 おかげで視線に敏感になったから、ブラック君がであったときから胸を見ていることくらい、気付いてたよ。  
 何をいまさら。」  
 
あっけらかん、まさにその言葉が似合うほどに、あっさりと言い切る。  
ブラックも唖然とするしかなかった。  
 
「あ、あの、そんなにあっさり言われると・・・俺の涙を返して」  
「ふふ、泣いてる顔も可愛かったよ。  
 バトルのときはあれだけカッコいいのに、そのギャップがたまらないよ♪」  
 
そう言って、頬にキス。  
首に両腕を回し、軽く抱きしめる。  
 
「それに、たとえおっぱいだけが大好きだとしても、アタシを助けてくれたことには変わりないでしょ?  
 アタシは、あなたが助けてくれたから、あなたが好きなの。」  
「フウロさん・・・」  
「だから、アタシのおっぱいを好きにしていいから、おっぱいだけを見てもかまわないから。  
 あたしのそばにいてほしいの、恋人になってほしいの。・・・ダメ?」  
 
フルフル、と首を横に振る。  
 
「よかった。あたしのおっぱい、好きになってくれて、・・・よかった」  
「フウロさんのことも、好きですよ。すごくやさしいです。  
 ・・・今はそれ以外のいいところがわからないけど、これからどんどん見つけて、どんどん好きになりたい!」  
 
ぎゅっと背中に手を回した。  
爆乳が押しつぶされ、ちょっと苦しい。  
 
 
「うん、どんどん好きになってね・・・って、身体冷たいよ?」  
「あ、・・・そういや、寒いや。」  
 
雨にぬれたので、当然ブラックの服も水浸しになっている。  
その状態でずっとフウロの看病に当たっていたが、着実にぬれた服は体力を奪っていた。  
 
「服を脱いで。一緒にあったまろ。」  
「えっ!」  
「恥ずかしがる必要なんて、ないよ。恋人同士、でしょ?」  
 
そういって、ズボンに手をかけた。  
チャックを開け、パンツごと一気に脱がせると、やはりというべきか大きな肉棒が出現。  
 
 
「あ、えーと・・・」  
「おっぱいが大好きなんでしょ?これくらいわかってたよ。・・・エッチなブラック君、大好きだな。」  
「そ、そうですか?」  
 
はしたないと思われると思ったが、少し気が楽になった。  
上半身のシャツなどは抵抗なくすべて脱いで、裸になる。  
 
「おいで。拭いてあげる。」  
 
フウロが正座になって座りなおし、ぽんぽんと太腿を叩く。  
促されるまま太腿に座ると、今度はフウロが、先ほどブラックがやったように、お湯を浸したタオルで身体を拭き始めた。  
 
「あ、気持ちいいや」  
「でしょ?」  
 
肩、腕、胸、腹、背中、脚の順番で、拭いていく。  
頭を乾いたタオルで拭いて、はい、終わり。  
 
「・・・あれ?」  
「ん、どーしたの?」  
「あ、いえ、なんでも・・・」  
「そう?なにかあるんじゃないのかなー。」  
 
明らかにその「なにか」がわかっているといわんばかりの、フウロの顔。  
だから、あえて自分から聞いてみた。  
 
「はい、あります。俺の・・・おちんちんも、拭いてください。」  
「!・・・ふふ、ずいぶん素直になったね。感心感心。でも、拭くだけじゃ暖まらないよー。」  
「拭くだけじゃって・・・わっ!」  
 
拭いてもらえるとは思っていた。  
だけど、口にくわえてフェラまでしてもらえるとは、まったく予想できていなかった。  
 
「んー、ちべたーい♪」  
「あの、えっと、おいしい、ですか?」  
「もっひろん!」  
 
あれだけ裸を見せられ、お互いに告白した。ブラックのモノは、はちきれんばかりに大きくなっていた。  
口を大きく開けて、フェラのし甲斐があるといわんばかりに激しく舐めている。  
 
性欲旺盛なので、性の知識は十分すぎるほど持っているし、ブラックは今まで何度も自分で慰めたりもした。  
それを比較対象としたとき、フウロのフェラへの感想は、  
 
(・・・気持ちいいなぁ)  
 
その程度の気持ちよさ。出そうになってたまらない、といった様子ではない。  
 
「フウロさん、もしかして、舐めるの初めて?」  
「・・・悪かったわね、へたくそで。だって、彼氏なんて生まれてこの方1人もいないもん」  
「えっ」  
 
意外だった。しかし、考えてみれば当然。  
幼いころから空輸の仕事を手伝い、貨物機を乗り回し、ジムリーダーの仕事もして。  
早い話、大空が恋人。  
 
「おっぱいで誰かを誘えるかな、とは思ったんだけどさぁ。  
 ジムリーダーっていう立場ってだけで、お高いイメージ持たれて、気軽に近づきにくい印象をもたれてるみたい。  
 普通の女の子っていう風に見てもらいたいんだけど、挑戦者はあたしやおっぱいに憧れや興奮は抱いても、」  
「俺のように、自分のものにしたいって言うやつはいなかった、って事?」  
「うん。だから、アナタが最初に普通に話しかけてきたとき、すごくうれしかったかな。」  
 
ジムリーダーになるということは、一般人とは違う生き方をする、ということ。  
自分と違い、自由が制限されてしまう中で、たくましく生きている彼女に、ブラックもまた憧れを持っていた。  
 
「俺は、最初からフウロさんを狙ってたからさ。  
 フウロさんのおっぱいで、いろんな事をするのを、いつも想像してた。どうやって自分のものにするかってのも想像した。」  
「でも、こんな形になるとはおもわなかったでしょ?」  
「だね。」  
 
外では、二人の関係を導いてくれた雨が、勢いを失うことなく降り続けている。  
 
「そだ、口が気持ちよくないなら、アナタの大好きなおっぱいで・・・」  
「え、ぜ、ぜひお願いします!」  
「ふふふ、エッチだなあ♪」  
 
 
早速胸で挟み込み、上下にこすりだす。  
・・・しかし、視覚的観点では十分に気持ちいいものの、どこか物足りない。  
 
「・・・どうかな?」  
「気持ちいいですよ。」  
「正直に言って、いいんだよ。」  
「えっと、その・・・フウロさんのおっぱいならもっと気持ちよくなれると思ったんだけど・・・」  
 
二人とも、恋人としては駆け出し。  
初々しさのあるエッチもいいが、フウロの抜群のボディを考えれば、2人にとってはやはり物足りないらしい。  
 
「・・・そだ、仰向けになってくれません?」  
「えっ?」  
「パイズリセックス、させてもらえませんか?」  
 
ブラックの意図を汲むと、にこっと笑ってうなずいた。  
寝袋をそのまま枕代わりにしてフウロが仰向けになると、ブラックは膝立ちでフウロの身体にまたがる。  
 
「・・・///」  
「どうしたの?」  
「いや、フウロさんの可愛い顔があって、フウロさんのおっぱいに挟んでいるのがはっきり見えて・・・  
 俺、フウロさんにこんなことしてるんだなって、なんか実感がわいて恥ずかしくなって・・・」  
「あたしも・・・  
 男の子に上に乗っかられて、こんなに恥ずかしいカッコさせられて・・・だからさ」  
 
フウロが、とろんとした目で、こう懇願した。  
 
「アタシを、思いっきりメチャメチャにしてね♪」  
「は、はい!」  
 
次の瞬間には、もう腰を動かし始めていた。  
先ほどのフェラによって付着したフウロの唾液が潤滑剤となり、猛スピードでペニスと双乳が擦れ合う。  
 
「あ、熱くて、変な、気分だよ・・・ブラック君は?」  
「き、気持ちい、です!止まらなくて、激しくて、おっぱい気持ちいいですっ!」  
 
さっきと反応がまったく違う。  
本当に気持ちよくなっている証拠である。  
 
「や、やばい、出そうです!」  
「え、もう!?」  
「ごめん、おっぱいの中に、出しますね、うあっ!」  
「ひゃっ!」  
 
 
おっぱいの中で、ペニスがピクンと跳ねたのと、直後にドロリとした暖かい液体が出てきたのを感じた。  
フウロの胸はあまりにも大きく、その様子を目視することはできなかったが。  
 
「・・・気持ち、よかった?」  
「はい、とても、気持ちよk・・・あ、あれ」  
 
途端に、ブラックは背中から倒れる。  
 
「ど、どうしたの?」  
「なんか、力が抜けて・・・すごく、ダルいです・・・  
 いままで、自分でやったときはこんなことなかったのに・・・」  
 
やっぱりブラックは相当疲れていたらしい。  
もしくは、フウロの爆乳、恐るべしといったところか。  
 
エッチな気分にはなったし、胸も変な感覚に襲われたとはいえ、フウロはさすがにこれでは物足りない。  
しかし、この状態では本番に挑ませるのは、酷というものだろう。  
 
「疲れてるのよ。そろそろ寝ようか。」  
「ご、ごめんなさい、精液、俺がふき取らないといけないのに・・・」  
「いいのよ、あたしがやっておくから。タオルタオル、っと。」  
 
すっかりぬるま湯になったお湯の入った鍋からタオルを取り出し、ぎゅっと絞って掬い取るように胸にへばりついた精液をぬぐう。  
それなりに溜まっていた様だが、所詮1回の射精量などたかが知れているので、タオル1枚できれいにふき取れた。  
 
「さ、寝よ?」  
「はい、ええっと、じゃあ寝袋を・・・」  
「何言ってるの。この毛布、2人くらい余裕で入れるくらい、大きいのよ。」  
 
そう言って、ブラックの隣に寝そべると、毛布を身体にかぶせる。  
すると、ブラックのほうから、胸の谷間に甘えてきた。  
 
「・・・いいです、よね?」  
「もちろん、アタシのおっぱい、もっと大好きになって♪」  
「はい、じゃあ・・・」  
 
乳房の先端に、ざらついた感触と、ぬめりのある感触が集まる。  
アタシのは出ないよ、と言っても、本人はかまわないと言わんばかりにそれを続けた。  
 
「抱きついて寝ると、あったかいね。」  
「・・・。」  
 
しゃべる労力も惜しむくらいに、口に神経を集中させていた。  
 
外のけたたましい音で、ブラック目を覚ます。  
弾力に包まれているのを確認すると、昨日のことは夢じゃなかったんだ、そう思えてうれしかった。  
 
ブラックが何事かと外を見ると、朝だと言うのに外は夜のように暗く、昨日からの雨は勢いを増すばかり。  
 
「・・・2人の愛が芽生えたのを、快晴で祝福するのが道理ってもんじゃねーのか。」  
 
KYなお天道様に文句を言いつつも、フウロの寝顔を見るとすぐに表情が和らいだ。  
 
「可愛いな・・・そっか、恋人になったんだから、好きなようにしていいんだ。」  
 
今まで想像の中でしか出来なかった、あんなことやこんなこと、これからは思う存分出来る。  
まずは、『脳内やりたかったことベスト30』の第21位、寝顔にキス。  
 
「チュ・・・や、やっちゃった、フウロさんのほっぺた、柔らかい・・・」  
 
キス1つでこのテンパリ様。よっぽど純粋なのか。  
そして、『脳内やりたかったことベスト30』の第18位、目覚めのキスも同時に叶えてしまった様である。  
 
「んう・・・」  
「あ、フウロ、起こしちゃった?」  
「ん、おはよ。朝一の絞りたてのおっぱいでも飲んだら?」  
「いいの!?」  
 
このシチュエーションは予想外だったが、朝のフウロの絞りたてのおっぱいなんて贅沢にもほどがある。  
喜んですわせてもらうと、昨日とはまた違った感触を舌と唇で味わえた。ような気がした。  
 
「外の雨、すごいね。まだ止みそうにないや。」  
「ほんとだよ。せっかく俺たち恋人になれたのに、それを神様は祝福してくれないみたいだ。」  
「・・・アタシに、だいぶ慣れてきた?」  
「え?」  
「だって、敬語とか一切ないじゃない。さっきも呼び捨てされて、なんか照れるなって。」  
 
そういえば、自然と敬語やさん付けが消えている。  
これは距離が近づいたと前向きに捕らえたほうがいいのだろうか。  
 
「ご、ごめん、どうすればいいかな・・・いいですかね?」  
「ふふ、好きなように話して。話しやすいほうで話してくれればいいから。」  
「はい、わかりました。・・・それにしても。」  
 
 
もう1度洞穴の入り口を見る。雨はまだまだ止みそうにない。  
以前フキヨセの近くで伝説のポケモンが雨を降らせる、なんて事を聞いたが、やつの仕業なのだろうか。  
 
「2人の門出を祝して、晴天で、ってならないのは、世の中に神様なんていないからですかね?」  
「ううん、あたしたちを祝福する雨よ、これは。」  
「どうしてですか?  
 今日は2人で思いっきり修行に励もうと思ったのに。」  
「だからよ。この天気だと、外には出られない。修行にぴったりじゃない。」  
 
洞穴の中で岩を砕く特訓でもするのか?と聞いたが、修行するのはあたしたち自身だ、との返答が帰ってきた。  
 
「昨日、最後までやってなかったでしょ?」  
「えっ・・・」  
「一緒に、Hの修行、しよ♪」  
 
フウロからのお誘いは、ブラックの変色しやすい頬を、限界まで紅くした。  
 
「もう、よっぽどこれが好きなの?」  
「フウロさんのおっぱい、大好きなんです!」  
「うふふ、ね、もっと激しくして♪」  
「む、無理です、これでもフルスピードなんですよっ!」  
 
すっかりクせになった、馬乗りパイズリセックス。  
フウロが2つの爆乳を両手で押さえて、擬似的に作られた膣内が、ブラックの太いペニスを締め付ける。  
 
「あ、や、こっちもシビれてきた・・・」  
「フウロさん、も、もう、出ちゃいそうです!」  
「・・・あ、それはダメ。」  
 
フウロが、キツく締め付けていた両手を胸から離した。  
途端に、ペニスの快感が途切れる。  
 
「ど、どうしたんですか!」  
「ん?お預け。」  
「お、お預けなんて・・・酷いですよっ!」  
「もう、せっかく可愛い顔してるんだから、半泣きでも泣いちゃダメ♪  
 泣いてる顔も可愛いけど。」  
「うう、フウロさん、なんでもしますから、気持ちよくさせてくださいっ!」  
 
フウロの耳が、ピクリと動く。  
 
「・・・しょうがないなぁ、少し下がって。」  
 
言われたとおりに下がる。ちょうど膝のところまでブラックを下がらせると、太腿を上に曲げた。  
M字開脚だが、足は宙に浮いている。  
 
そして、両腕を横に広げ、手のひらを広げて、  
 
「・・・おいで。」  
「え、これって・・・」  
「Hの、勉強だよ。セックスしよ♪」  
 
ずっと、このときを想像してた。フウロの膣に、自分のモノを入れる。  
でも、現実になるとは思っていなかった。無理やり襲う度胸もなかった。  
 
だから、迷わず両腕を広げる彼女に、飛び込んだ。  
 
「きゃっ!・・・もう、甘えん坊。  
 でも、ぜんぜん入ってないよ。」  
「あ。」  
 
抱きついたはいいが、肝心のペニスは入っていない。  
仕切りなおしと言うことで、ペニスをフウロの裂け目にあてがう。  
先ほどのパイズリセックスのおかげで、前戯をせずとも濡れそぼっていた。  
 
「・・・でも、大丈夫なの?」  
「ああ、初めてが痛いって事?たぶん大丈夫だと思うよ。  
 普段から空を飛びまくって、物を運びまくって、たっぷり運動しているよーなもんだからさ」  
 
激しい運動をこなしていると、破瓜の痛みはたいしたことはないと言う。  
それなら、フウロに甘えて思いっきり飛び込むことにした。  
 
しっかりとあてがい、先っぽを少しだけ挿入し、一気に貫いた。  
 
「ああああああっ!」  
「だ、大丈夫?ブチって破れるのがおちんちんで感じ取れたけど・・・」  
「・・・へへ、思ったとおり。確かに痛いけど、大した事なかったよ」  
 
血はほとんど流れていない。  
フウロの言っていることは本当のようで、これなら好きなだけ突くことが出来る。  
 
 
「あっ、あっ、あっ・・・」  
「フウロさん、気持ちいいよ、フウロさんの!」  
 
お預けを食らっていたので、快感も倍増。  
腰をフルスピードも倍増し、すぐにでも絶頂に達しそうだった。  
 
「そ、そろそろ、出そうです、そろそろ抜きますn」  
「だーめっ!」  
 
そう言うが早いか、脚が腰に回された。続いて手も首に回される。  
いわゆる、だいしゅきホールド。  
 
「な、何してるんですか!こ、これじゃなかにでちゃいます・・・よっ!」  
「うん、いいの」  
「だめだよ!俺はまだ、子供、だってのに・・・」  
「・・・さっき、言ってくれたよね。何でも言うこと聞くって。」  
「え、ま、まさか・・・」  
 
フウロの脚と腕の力が、さらに増した。もう逃げられそうもない。  
彼女は本気だった。  
 
「うん、アタシ、あなたと、一生・・・」  
「俺、と・・・?」  
 
こんなことを言われるなんて、想像もしていなかった。いや、想像できるわけがなかった。  
・・・でも、自分は子供だからとか、そういうことは棚に上げて、自分はフウロのことをどう思っているのか、もう1度考えた。  
 
「ダメって言われるかもしれない。でも、例えどんな手を使っても、ブラックをアタシの物にしたいの!」  
「お、俺は・・・俺は・・・」  
 
フウロは本気だ。選択肢は1つしかない。それはわかってた。  
それでもブラックは、自分の本当の気持ちを、探していた。  
 
自分を可愛がってくれ、挑戦者として全力で戦ってくれ。  
非の打ち所のない身体を遠慮なく自分にささげてくれた。そして、性欲しか頭にない自分を受け入れてくれた。  
 
もう1度、真剣な眼差しのフウロを見つめる。  
その瞳は、空のように純粋で、透き通った、まっすぐな瞳。  
 
そして、気付いた。理性で、自分の本当の気持ちを押さえつけていた自分に。  
もう、そんなもの必要ない。  
 
「俺も、・・・俺も、フウロと、一生、一緒にいたいっ!」  
「ほ、・・・ほんとに?」  
 
涙を一粒こぼすフウロをよそに、強引に両足を仰向けの彼女の背中にもぐりこませ、脚でフウロを抱きしめ返す。  
ペニスへの圧迫が、一段と増した。  
 
「くっ!」  
「ああっ!」  
 
そして、ブラックもまたフウロの首に腕を回す。  
もうどんなことがあっても、2人は離れることはない。  
 
ブラックのほうがだいぶ背が低いので、ちょうど肩のあたりに顔がある状態である。  
乳首が視界に入るや否や、顔を下に向け、無理矢理口に運んで吸い付いた。  
 
「ああっ、乳首も、乳首もいいよお!」  
「ん、んんんんっ!」  
 
口で強く吸いながら、腰の動きも止めることはない。  
そして、ついに、2人の想いがペニスから放たれた。  
 
背中を弓なりにしながら、それでもお互いの身体は、一部分でも離れることはなかった。  
 
 
 
終わった後も、2人は離れようともしない。むしろさらに強く抱きしめている。  
お互いに何も語らない。ただ、乳首を含んだブラックの口内が、ぬるぬると動いている。  
 
先に口を開いたのは、フウロのほうだった。  
 
「・・・ごめん」  
「え?」  
「こんなこと、させちゃって。あたし、何やってんだろ。」  
 
ジムリーダーと貨物輸送の仕事。それに充実感を感じながら、恋が出来ないことにずっとむなしさを覚えていたのは確か。  
けど、それを手に入れるために自分がやったことは、愛する人を無理やり縛り付ける事。  
 
「今日は、安全な日じゃないのはわかってた、だからこそ本気だった。  
 本気で想いを伝えれば、ブラック君も折れると思ったんだけど、だからってアタシ、こんなこと・・・」  
 
涙が止まらなかった。  
彼を無理やりその気にさせた、その責任の大きさに押しつぶされる形で。  
 
「例え子供が出来ても、責任はあたしが取るから。お金は稼いでるから、堕ろす事だって育てる事だって・・・  
 だから、ブラック君は今までどおり旅を・・・」  
「・・・子供の名前、何にしようか?」  
「えっ・・・」  
 
そんなフウロを救ったのは、混じり気のない彼の一言。  
 
「フウロが本気だって分かって、本当によかった。  
 僕のことを気遣って、ああいうことをしたんじゃないかとも想ったけど、本気で僕のことを・・・」  
「で、でもアタシは無理矢理・・・」  
「確かに無理矢理だったかもね。  
 でも、俺のような頼りなくて情けなくて鈍感な奴は、それくらいされないと気付けなかった。  
 俺の気持ちに、フウロと、ずっと一緒になりたいって気持ちにさ。」  
 
ブラックも同じ事を考えていた。自分のことを受け入れてくれた。  
フウロの涙は、止まらなかった。  
 
「あ、あたし、・・・あたし・・・」  
「ずっとこうしていよ?腰、動かすね。」  
 
 
2人はもう止まらなかった。  
抱き合ったまま、腰を動かし続け、その度に精液を膣内にに放出する、その繰り返し。  
 
雨は、いつの間にか上がっていた。  
2人が満足いくまで、セックスをしたのを見届けたかのように。  
 
 
「もう夕方だねぇ、フウロさん」  
「うーん・・・ヤりすぎたかな?おなかが重いよ。」  
「とりあえず、夜に飛ぶのは危ないけど、ブラックシティなら何とか着くんじゃないかな。」  
 
落雷のダメージから回復したケンホロウが2人を乗せ飛び上がる。  
上空に到達すると、ブラックシティ特有の摩天楼のような町並みが遠くに見えた。  
 
「よーし、いっちょくせーん!」  
 
空気を切り裂き、快調に飛ばす。  
昨日のようなアクシデントもなく、ブラックシティのポケモンセンターに降り立った。  
 
「さて、ポケモンセンターに・・・フウロさん?」  
「ポケモンセンター?何言ってるの、あそこに決まってるでしょ♪」  
 
ブラックシティは大都会。  
当然、その手の建物もずらりと並ぶ。  
 
「え、いや、ちょっと、あの」  
「さあ、レッツゴー!」  
 
 
・・・昼にあれだけ搾り取られたブラックが、完全に力尽きるのは時間の問題だった。  
 
 
 
 

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