「ツボ………」
ニドキングの「じしん」でアザミの最後のポケモン、ツボツボが倒れる。
「勝負、アリだな」
「……ちくしょぉぉぉーっ!!」
ここはバトルフロンティア。
もともとはレベル制限のなか勝ち抜き続けるという「バトルタワー」のみが
建てられていたが、トレーナーの要望もあり、
ポケモンに戦いの全てを任せる。
レンタルポケモンのみで戦う。
巨大なピラミッドを冒険する…などといった
七つのテーマの沿った施設が建てられた。
腕の立つトレーナーはオーナー・エニシダに招待され
そこで日々熱いバトルを繰り広げる。
そして、各施設には時折その施設の主・フロンティアブレーンが現れる。
その強さは施設のテーマに沿ったパーティの構成ながら、
各ジムリーダーに劣らぬ実力の持ち主。
そして、既に七つの銀のシンボルを刻まれたパスを持つ
17歳のトレーナー・ユウキは、金のシンボルを刻んでもらうため
再びバトルチューブに挑戦し、チューブクイーン・アザミとの勝負を二回目の勝利で終えていた。
………
「これで二勝…だな。ほら、さっさと刻んでくれよ」
「………………」
アザミはユウキのフロンティアパスに金の「ラックシンボル」を刻む。
「………あんた…一生忘れないからね……」
部屋を背にするユウキに向けて、アザミは呟いた。
夜。
バトルフロンティア内の専用ホテルでユウキはポケモン達と
ゆっくり休んでいる所だった。
「さーて、明日はバトルパレス…時間があったらバトルアリーナの方にも行ってみるか。
…さーて、今日はもうさっさと寝よっと。」
…
……
………
「寝れねぇーっ!!」
どうやら、ここまでの実力をつけるまでの徹夜の特訓と勉強のおかげで
夜更かしに慣れすぎたようである。
「仕方ねぇ…外でも散歩に行くか。
流石にどこも開いてないとは思うが誰かいるかもしんねーし」
いつもの服に着替えて、ユウキは気だるそうにホテルを出た。
「…誰もいなさ過ぎだろ」
結局、バトルフロンティア内を一回りしたものの
トレーナーどころか観光客すら見当たらなかった。
「あー…仕方ねぇ、帰るか…
つーか今日仕方ないって何回言ったんだ俺……ん?」
ふと森を見ると、何かが動く影が見えた。
「なんだありゃ…人かな?この辺にはウソッキーはいないハズだからウソッキーじゃないとして」
もしかしたら、アブナイ奴ら…マグマ団やアクア団見たいな奴らかもしれない。
ユウキは一応声をひそめ、ゆっくりと森の中に入って行った。
(あれは……アザミ……?)
森の中の影はチューブクイーンのアザミだった。
勝った後もそうだが、バトルする前のあの強気な目はどこへやら、
木にもたれかかってうつむいている。
足元にいるのはアザミのツボツボ…必死に彼女をなだめているようだが、当の本人は気づく様子もない。
(…なんか、気軽に声をかけられる雰囲気じゃないなって…!?)
その時、何かがユウキの目の前を横切った。
「どわっ!?……ってなんだ、野生のバルビートか…………あ。」
ばれた。
「…………」
「えーと……いやほら、ちょっと散歩してただけだって。あは」
とりあえず言い訳してみたけどなんかこっちをにらみつけてる。冗談とか通じなさそうだった。
「…えー………えーと………とりあえず、どうしたんだ…?バトルチューブ、もう閉まってるだろ」
「別に………さっさと失せな…」
「別にって…そのツボツボを見る限り、別にですませられるっぽくないように見えるけど」
「あんたには関係ないよ………いや、むしろあんたと……コイツの所為だ……」
その言葉を聞いたツボツボの顔は明らかにショックを受けていた。
「…コイツが何かしたのか…?」
「そうさ………コイツさえ……コイツさえ、強ければ………
あたしは最強のままだった!……なのに、コイツが雑魚だった所為で…
あたしは転落したんだ……くそっ……!」
振り絞るように続けるアザミ。 そんな彼女の話を暫く聞いて、ユウキは言った。
「それ、本気で言ってるのか?」
「そうだよ!これが冗談のわけないだろ!」
と──
静かなバトルフロンティア内の森に、バチンと言う音が響いた。
「冗談じゃねぇぞ…!このツボツボが、雑魚だって…?
………本当に強いポケモンなんでいないんだよ……
………トレーナーが勝てるのは、ポケモンの強さだけじゃない、トレーナーの腕と、
ポケモンを信じる心があるからだ……
勝ちに拘り、自分のためだけにポケモンを戦わせたって勝てるわけないだろ!!
自分の手持ちを信用しない奴なんかが最強のトレーナーになれるわけねぇんだよ!!」
「…………」
「……こんなんなら、ウコンのじーさんの方がよっぽと強かったぜ」
───暫くして、アザミが崩れ落ち…
「……………」
ツボツボを抱き、静かにうつむいた。
…もしかすると、泣いていたのかもしれない。
「…アンタがまだそのツボツボを信じることができるなら、アンタはまだ強くなれる」
そして、ユウキはそのまま森を後にした。
それから一週間後。
「おっしゃぁ!七つ目の金のシンボルゲットォォォォ!!」
ユウキはとうとう、全ての金のシンボルを手に入れていた。
「さーて、明日エニシダさんのとこを尋ねるとして…今日はもう寝よっと!」
─数時間後。
「ヤバい、眠れんっ…!(あ、でももう少ししたら眠れるような気がしてきたっ!)」
ノックの音がした。
「(ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!!)」
でも、ちゃんと起きてドアを開ける律儀なユウキだった。
「へーい、どなたでs…何っ!?」
「…邪魔するよ…」
「な、なんでお前が此処に…」
「何だっていいだろ…」
「…とりあえず、座れよ…」
というわけで二人はベッドに腰かけた。(この部屋にはテーブルとイスがない)
「で、何の用だよ」
「…礼…言いにきた………ありがとう……」
「え………いや、どういたしまして」
「…一週間、色々考えて見た……そして、あたし…ツボツボ達とまた一から特訓しなおすことに
したよ………」
「へぇ……いいんじゃない?」
「あんたには本当に感謝してる」
その時、アザミの顔がユウキの目の前に近づいた。
いつものあの強気な顔とは違う……
そして…どちらからともなく、唇を重ねあった。
静かな室内に水音が響く。
二人が─いや、むしろアザミの方から積極的に舌を絡めてくるのだ。
ここまできてなんだがと自分では思ったものの、ユウキにとって
前まであんなにプライドに拘っていた彼女がここまでするとは。
何かを求める様な舌の動きに押され、アザミの布を纏っていない腰を掴む力が強くなる。
実際、彼女の姿を始めて見たときはかなりビックリした。
他のブレーンを見た時もビックリしたが(特にヒース)
アザミの時は他より一段と驚いたような気がする。
それは恐らく、彼女が最初に出会ったフロンティアブレーンだからではないだろう。
そういや、その美しい姿に見とれていたら、物凄い怖い顔で睨み付けられたっけ。
長い口付けを終え、ユウキはそのまま、ゆっくりとアザミをベッドに押し倒し服を脱がす。
直に白く大きめの、形の良い乳房が露になる。─つまり、ノーブラってことらしい。
そのまま彼女の上にまたがり、胸に手を伸ばす。
「ん…っ……あっ……あんっ………」
(やば…すごい、可愛い……)
ユウキが、胸だけでなくそのうつくしい上半身を撫でたり、揉んだりする度に艶かしい声が響く。
「声、別に我慢しなくてもいいぞ」
「ば…っ…か……あっ…そんなっ…こと…」
そして一旦体を起こし、下も全て脱がす。
流石にここまで下着をつけていない…ということはなかった。
そして、アザミが抵抗しない─むしろ、これ以上のことをするのに期待してるかのような目つきを
見て、遠慮なく最後の下着も剥ぎ取った。
既に明かりは消されている。
そんな中、ベッドのあたりの照明に照らされたアザミの裸体はこの上なく美しい。
すると、暫く顔を赤らめてもじもじしていたアザミが口を開いた。
「あ、あのさ………お前も…脱げよ……」
と、思い出した。そういえば、さっきっから俺だけが服を着てる…
まぁ、服といっても帽子はとってるし上着は前がはだけてるんだけど。
そして俺も服を全て脱ぎさり、お互いが一糸纏わぬ姿になる。
そのまま、お互いを抱きしめる。素肌が触れ合う感覚がとても心地良い。
そして、十数分程経ち──
ゆっくりと体を起こし、既に天を仰いでいる俺のモノをアザミの秘所にあてがう。
「力、抜けよ…」
「……ああ…」
そして、先がソコに包まれたのを見届けると、そのまま一気にアザミを貫いた。
「やぁぁ……っ…!!」
アザミが嬌声をあげ、そして肉棒が最奥に到達する。
「大丈夫か……?」
すると、アザミはさも全然平気だと言うかのような表情で答えを返す。
「大丈夫……それより、お前の方が大丈夫かよ……」
そして、改めて手を背中に回してきた。
そのまま二度目の沈黙。
今度は数十分と長かった気がする。
「動くぞ。辛かったら、爪立てていいからな」
「……ああ……」
ゆっくりと、腰を前後に動かし始める。
「んっ……あっ……んぁっ…」
段々と、スピードを上げて行く。
アザミの膣はそれに答えるかのように、一層と強く締め付けてくる。
「やぁっ…あっ…あんっ…!」
体と体がぶつかり合う音、愛液が掻き回される音、そして艶かしい喘ぎ声と息遣いが室内に響く。
…だんだんと、絶頂が近づいてくる。
アザミも最初は受け入れるだけだったが、その内に自分から腰を動かすようになった。
「あっ…やぁっ、んっ…ユウキ…っ…んぁっ…あたし…っ、…もうっ…あんっ…いっちゃ…」
「…っ……俺も…どうやら、そろそろヤバいらしい………一緒に、イこうな…ッ…!」
「…ぁっ、…ふぁ…っ…あ、たりまえ…だっ…んぅっ…一人で…っ、イッたら…
…あぁんっ……ぶっとばすぞっ……!」
───そして─
「ユウキっ…!あたしっ…もうっ…やっ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「くっ……アザミっ……好きだッ…!!」
アザミは弓状にのけぞり、しっかりと俺を抱き締めながら。
俺はアザミの膣に白濁を放出しながら。
二人一緒に絶頂を迎えた。
─朝。
目を覚ました俺は、ゆっくりと体を起こす。
テーブルにはフロンティアについて色々と研究したレポート用紙がおいてあり、
その下には俺の相棒が入ったボールが入っているバッグ。
…いつもの朝の光景だ。
ただ、ちょっと違うのがいつもより一時間早く起きたこと。
俺が裸だっていうこと。
隣につい前まで、誰かがいたように毛布がはだけられていること。
…帰っちまったのかな…。
だるそうに下だけはいてキッチンにむかう(このホテル、何気に広くてちょっと豪華だ)。
すると、誰もいないハズのそこにエプロンを着た後姿が…
「ア、アザミ!?」
「あ…起きたのか……」
「いや、起きたけど…お前何をっ!?」
「見ればわかるだろ…一応、泊めて貰ったんだからこれぐらいしなくてはと思ってな…
………あとさ…」
「あと?」
「……このまま終わるつもりはないからな…昨日ユウキが言ったこと、あたし忘れてないからね…」
あ。
昨日のあの行為。そして絶頂を迎える時に言っちゃった言葉。
全てが脳裏に蘇ってきた。
…っていうかそれって、俺とつきあ…
「あ!!!!」
重大な事に気づいた。
「な、なんだよっ…!?」
「お前、エプロンしか着てないじゃねーか!」
「あ…コレ…めんどくさくてさ…。
シャワーはもう浴びたから、また汚れて洗うのはめんどうだし……っておい!?」
俺は……とりあえず理性が全てふっとんで、俺はアザミを押し倒していた。
「そんなカッコーで誘惑されちゃ、我慢できねーよ〜」
「誘惑って…そんなつもりじゃ…!」
「あーきこえないなーっ☆」
その後色々あって、あっちから求めたりで
今日フロンティアに挑戦することはかなわなかったとかなんとか。