「N、私は、あなたのこと知りたいの!友達になりたいの!!」  
そういって彼に挑んだのはいったいいつのことだろう?  
そう、あの時私は負けたんだ。  
ポケモンと人の世界を守れなかった。  
「みんな…。」  
いったい誰に助けを求めればいいのだろう。  
わたしのトモダチはすべて「プラズマ団の王」が解放してしまった。  
私には何も残っていない。  
ポケモンを失った私はポケモントレーナーからただの女になった。  
何がどうなったのかわからないが、あれからずっとこのプラズマ団の城にとらわれている。  
「気分はどう?トウコ。」  
私をここに閉じ込めた「王」がやってきた。  
いや。ここには彼しか来ないのだ。  
「なんで、こんなことするの?N?」  
窓もない閉鎖的な部屋。  
あるのはかたいベッドと、小さい椅子だけ。  
ずっとここにいたら、きっと気がくるってしまう。  
目の前の『王』は無邪気に笑った。  
「トウコは、僕の気持ちわかってくれないんだね。ボクはこんなに君のことがスキなのに。  
君は、わかっていない。ライモンで、ボクの考えがわかるって言ったのはうそだったの?」  
そういって少しずつ距離を詰めていく。  
「ボク、すごくうれしかったんだよ。今までボクのまわりにはボクを理解しようとする人すらいなかったからね。  
君ならもしかしたらと思った。『トモダチ』になれるかもって。」  
彼は笑っている。  
ただ眼だけが笑っていない。  
それが、すごく怖くて、動けなかった。  
「君が、ボクとトモダチになりたいって言った時、体が震えたよ。でも、君はうそつきだ。」  
Nの冷たい手がトウコを抱き寄せた。  
「っN!?や、やめて!はなして!!」  
Nが悲しい目で見つめていた。  
「ほら、うそつきだ。君は君のトモダチのことを抱きしめていた。  
 君の人間のトモダチ…ベルって言ったけ?彼女が後ろから抱きついても怒らなかった。  
 ボクがすると、そうやって拒絶する。君は、ボクのこと『トモダチ』だなんて思っていないんだ!」  
「違う、違うのN!」  
「何が違うんだ!!ボクは、君のことはもうトモダチだとは思わない!きみは、君は…ボクの…オモチャだ!」  
それ以上、何も言うこともできずにやけにかたいベッドに押し倒された。  
反論しようとすると唇をふさがれる。  
「君は少し自分の立場を考えたまえ。団員達が、君に何もしないのは、ボクがいるからなんだよ?  
 ボクの機嫌を損ねたらいったいどうなるのかわかっているよね?」  
「こんなの…あなたが言っていた『トモダチ』をとらえ、無理やり服従させる、傷つけることじゃないの。  
あなたが、一番、嫌がっていたことじゃないの!?なんで、こんなこと…っ!」  
「わかってないなぁ。ボクは「トモダチを傷つけること」が許せないんだ。君はトモダチなんかじゃない。  
ボクのトモダチを傷つけた、憎い相手だからね。  
はっきり言わせてもらうよ。トウコ。ボクは、今の君は嫌いだ。君を傷つけることに、ボクは何もためらわない。だから、覚悟して。」  
 
 
「だから、覚悟して。」  
そういってNは私の服に手をかけた。  
Nの眼に射抜かれてしまった私には抵抗するすべもなかった。  
悲しい、怖い。  
なんで、彼はこんなに冷たい目をしているのだろう。  
彼の部屋を思い出して、胸が痛くなった。  
今、私は、あの閉じられた彼の世界を脅かす敵として見られているのだ。  
そう思うと無性に悲しくなった。  
彼のことが気になっていた。  
何を思い、プラズマ団の王をしているのか、彼のことを知りたかっただけなのに。  
こんなことになるなんて、思ってもいなかった。  
泣き叫びたい気持ちを必死に抑えているうちに私は一糸まとわぬ姿にされた。  
「…思ってたより子どもっぽい下着だね。チラーミィ柄だとは思わなかった。」  
ついさっきまで自分が身に着けていたものをまじまじと見つめられるのは言い様もなく恥ずかしかった。  
「でも、ブラジャーとお揃いなのは評価できる…かな?」  
そういって胸を覆っていた布を拾い上げる。  
「N、おねがい。もうやめて…。」  
恥ずかしくて、彼の顔を直視できない。  
「いやだね。君は『トモダチ』じゃないから、優しくなんかしてあげない。」  
Nはたった今脱がせたばかりの服で彼女の腕を縛り上げる。  
これではどうあがいても抵抗することすらできない。  
もともと、彼女の置かれた状況から言えば、抵抗なんてできるわけもないのだが。  
 
「さあ、はじめようか」  
Nはいきなりトウコの秘部に指を潜り込ませた。  
「ひっ!!?い、痛い!」  
「…やはり、まだ濡れてないか…。それにしても、まだ指2本だよ?それなのに、こんなにぎゅうぎゅうに締め付けてくるなんて…。」  
クスリと笑って、Nは彼女の中から取り出した指を舐めた。  
「少しほぐさないと、ボクのが喰いちぎられてしまいそうだね。」  
チュウっと音を立てて指を吸うNの動作が艶めかしく、そして、なぜか、赤ん坊のようだった。  
再び、Nの指がトウコの中心部へとよせられていく。  
 
「サザンダー!!」  
廊下のほうからサザンドラの鳴き声がきこえてきて、Nは手を止めた。  
プラズマ団の七賢人ゲーチスの手持ちらしい。  
「……ああそうか。わかった。ありがとうサザンドラ。」  
ポケモンと会話ができるNにはわかっても、私にはさっぱりわからなかった。  
「サザンドラ、なんて言ってるの?」  
Nは、はっとしたようにこちらを見て、にやりと笑った。  
「なんだと思う?」  
私としては、Nに何か用事があって呼びに来たとかだとうれしい。  
少なくとも、これ以上変なことされなくて済むから。  
でも、それを口に出せば、きっともっとひどいことになる。  
だから…。  
「知らないわ。」  
そういって顔をそむけることしかできなかった。  
「そう?じゃあ、特別に教えてあげるよ。『今日予定されていたポケモン解放のための演説は延期だ』ってね。  
つまり今日一日オフってこと。さあ、時間はたっぷりあるから楽しもうか?」  
 
それは、私にとってまさに死刑の宣告と同じようなものだった。  
 
もう逃げられない。  
Nの眼差しはくろいまなざしよりもずっと強力だ。  
王である彼が忙しいことが幸いして、今まで何とか乗り切ってきたが、今回ばかりはそうはいかない。  
Nがにやりと笑って私の顔を覗き込む。  
「『覚悟』はできた?いい加減あきらめたら?」  
その表情には、つい先ほどまでサザンドラに向けていたいたわりや愛情を全く感じられなかった。  
「…まずは、ほぐすんだったな…。」  
そう言って、Nはトウコの中心をそっと撫でた。  
「ひあっ!!?」  
「……おいで、サザンドラ。君に協力してもらおうかな。」  
「サザ?」  
「ボクの新しいオモチャ、君に貸してあげるよ。ただ、壊さないでくれよ。」  
Nの言っていることが半分以上理解できずにトウコは声を上げた。  
「ストップストップストップ!!N、あんた何する気なのよ!!」  
「何って?実際やってみたほうが早いかな?ね、サザンドラ。」  
三つ首の龍は嬉しそうに咆哮を上げ、トウコの上にのしかかった。  
「お、重いっ!!」  
サザンドラ160.0s。トレーナーとして、あちこちまわったから体力や力はそこらの女の子よりは鍛えられているが、とても耐えられる重さじゃなかった。  
唯一の救いは、彼がかなり頭のいいサザンドラだったってことだろうか。  
私に体重をかけないように、6枚の羽根を動かし、空に浮かんだり、小さな足で、ベッドの上に踏ん張って私をつぶさないようにしてくれた。  
Nは、そんな様子を見ながらにこにこと笑っていた。  
「そう、壊さないでね。せっかくのオモチャなんだから。」  
部屋にあった小さな椅子に腰を下ろし、ふところから一冊の本を取り出した。  
「トウコ、ボクと賭けをしないか?」  
 
「賭け?」  
「そう、もし、君が勝ったら、君を解放してあげるよ。ボクが勝ったら…どうしようかな…。一生ゲーチスの格好…じゃなくて、うーん、そうだね、君が死ぬまで、ボクの、ボクだけのオモチャでいてもらおうかな。」  
それは、悪魔のささやきだった。  
ポケモンもいないトレーナーが自力でこの城から脱出することなど不可能だ。  
だが、このままでは、まさに「死ぬまで」ここにつなぎとめられることになる。  
勝てば解放されるし、もし、負けたとしても現状維持にすぎない。  
こんな甘い誘惑、断れるわけがなかった。  
「いいわ。その賭けのってあげようじゃないの!」  
「ふうん、ルールは簡単。ボクが、この本を読み終わるまでの間、サザンドラが、君を攻める。ボクが読み終わるまでイカなければ君の勝ち。耐えれなかったら、ボクの勝ち。単純でしょ?」  
トウコは一瞬耳を疑った。  
「ちょ、ちょっと待ってよ!あんな6Vのチートドラゴンと…その、こ、交尾しろっていうの!?こ、壊れちゃ…」  
「大丈夫、挿入はするなって言ってあるから。それじゃ、はじめようか、サザンドラ。」  
三つ首の龍は嬉しそうに喉を鳴らし、それぞれの口でトウコの乳房と秘部を愛撫し始めた。  
「にゃぁっ!?ヤ、舌、ザラザラしてるっ!!」  
「まあ、どっちかっていえば肉食だからね。チョロネコの舌もそんな感じだし。」  
のんびりとNはページをめくる。  
「チョロネコのはまだ可愛げがあるでしょ!これ、やすりみたいだよ!い、痛い痛い、そこ、舐めないで!」  
「そうお?ま、そのうちよくなるんじゃない?」  
きゃあきゃあ悲鳴を上げるトウコなど気にせずNはひたすら文字を追う。  
 
いったいどれだけの時間が流れたのだろうか。  
叫び疲れぐったりとしているトウコにはわからなかった。  
ただ、わかるのは、もう自分が引き返せないところにまで来ていることだけだった。  
いつ終わるともなく繰り返される愛撫。  
時間とともにやすりのような舌にも慣れてしまった自分の適応力が恨めしい。  
痛みが気にならなくなると、今度は別の感覚が頭を支配し始める。  
そのことを意識してしまうともうどうにも止まらなくなった。  
 
彼の体重にギシリとなる椅子の音、ページをめくる音、サザンドラの舐める音、そして、こらえ切れずに口から零れ落ちる嬌声。  
そのすべてを無視してNは本を読みふける。  
残りのページもだいぶ少なくなっていたが、トウコの限界も近い。  
そんな時だった。  
サザンドラの牙が彼女の一番敏感な肉芽にあたった。  
身体中を駆け巡る衝撃、快感。  
もう耐えきれなかった。  
「ふふ、残念だったね、トウコ。あと5ページだったのに。」  
そういってNは本を閉じ、快感に体を震わせる彼女の髪を撫でた。  
「君はボクのものだ。」  
Nは欲しいおもちゃを手に入れた子どものような表情をしていた。  
もっとも、その嬉しそうな顔を見たのはサザンドラのみだったが。  
いまだに、快楽の世界を漂うトウコにはそんな余裕はなかった。  
 
「……もう一人の英雄、ボクの半身…。なんでボクは男で、君は女だったんだろうね。」  
 
 
Nはそっとトウコのほほにキスをした。  
 
 
 

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