「ねぇ、ハルカは…その、セックスしたことあるの?」
ベッドの上で湯上がりの炭酸を堪能中、いきなりユウキは切り出した。突然のことにハルカも言葉を失う。そしてしばらくして失礼な発言に怒りが沸いた。
「あるわけないでしょ!どうなのよ、そういうことをストレートに聞くのは!」
近くにあった枕がユウキの顔面目掛けて飛ぶ。ボールを受けるようにそれを受け止めた。
「い、いや、その…せっかく二人だけだし、俺はハルカとやりたいんだ」
温泉地として有名なフエンタウンに、火山帯のポケモン調査をオダマキ博士から頼まれたのが発端だった。父親から言われ、下心ついでにハルカを誘う。二つ返事でハルカは行くと答えた。
その時からユウキはいつ言おうか、踏ん切りがつかない。やっとの思いは、枕に散らされた。ハルカの目は明らかに怒っている。
「私だって、ユウキとやりたくないわけじゃ…」
「本当!?すげえ嬉しい!」
子犬のようにハルカに抱きついた。その勢いでハルカはユウキに押し倒される。
「ちょっと待って、私はまだいいなんて…」
「…ダメ?」
目の前のご馳走を取られた犬のようだ。ユウキの顔を見ていたら、ハルカも自分が悪いような気もして来る。そもそも断る理由も見当たらない。
「いいよ、私もユウキとしたい」
「やったー!」
主人からゴーサインを貰えた犬。まさに今のユウキはそれだった。ハルカの豊かな胸に顔をうずめ、感触を楽しんでいるよう。手でも確かめるようにじっくりと触れる。
「ハルカおっきい。脱がしていい?」
「えっ!?それはちょっと嫌だな」
ふとユウキが企むような顔をした。とても楽しそうで。
「じゃあ、一枚ずつ、俺の前で脱いでよ」
「な、そんなの恥ずかしいよ!」
「じゃあ俺が脱がそうかな、ここにハルカを縛れるタオルもあるし」
ユウキが持っているのは、温泉に入る時のフェイスタオル。目の前でちらつかせたのには、ハルカもいつものユウキではないことを確信した。
「わかった、脱ぐからどいて」
ユウキを上から退かすと、ハルカは立ち上がる。そして着ているものに手をかけた。
「ハルカ、こんなところで恥ずかしがるなよ」
ユウキの方を向いて脱げと命令する。黙ってハルカは向き直った。ユウキは一つ脱ぐ度に露わになっていく肌に釘付けになった。いつも見ていたハルカの素肌。ユウキの鼓動が速くなる。
ついにハルカは下着姿になった。かわいらしいブラジャーが外されて下に落ちる。パンツをおろし、完全な裸体になった。
「これでいい?」
「いい、すごくいい。ハルカの裸が…」
それ以上は言葉にならなかった。ハルカがユウキの隣に座る。即座にユウキも脱いだ。いつもより手が滑るような感覚。時間がかかったような気もした。
その間にもハルカはユウキの唇を奪う。いつものキスより濃く感じた。肌が触れ合い、体温が伝わる。そのことがいっそう焦らせた。
ユウキが全て衣服を脱ぐ。ユウキの今の思いが伝わってくるかのようだった。思わずハルカは触れる。驚いたようにユウキの顔を見た。
「これ、入れるの?」
ハルカの想像以上のようだ。太く、そして硬い。触られてさらに硬さを増したようにも見える。
「そうだよ、ハルカの中に入れるんだ」
ユウキは再びハルカを押し倒す。唇を柔らかく押し当て、舌を絡ませた。しっとりとした肌が触れ合った。唇を味わいつくしたかのようにユウキが離れる。見つめあうと、可愛らしく見えて仕方なかった。
自分のものだと印をつけるがのごとく、ハルカの体のあちこちに唇をつける。首、胸、腹、太もも。その度にハルカの小さな悲鳴がユウキを刺激した。
「感じるんだろ?」
ハルカは小さく頷いた。目を閉じて心地よさを感じている様子。
「でも一番はここだったよね」
首すじに食らいつくように唇をつける。荒い息遣い、舌の湿り気が更なる快楽となっていく。
「ほらここだ。ハルカ、素直でかわいい。さっきよりたくさん喘いでる」
一度ハルカの目を見る。うるんだ目は、早くしてと誘っているように思えた。さらに唇を味わう。
試しにユウキはハルカの秘部を触る。ぬるっとしたものが触れる。少し指で押す。暖かく、そして柔らかい。
「入れるよハルカ」
さらに硬直していた。これ以上抑えられず、ユウキは中心へと滑り込ませる。
「痛い!痛いユウキ!」
ハルカが叫ぶ。ユウキを拒否するかのように。それでもユウキは奥へと侵入していく。
「ハルカ、ハルカの中、とっても気持ちいいんだ、想像以上だよ。もう半分入ってる」
ユウキはハルカの足を抑える。そのまま蹴られそうだ。痛がるハルカの訴えは棄却され、ユウキは全て入れていく。
全て入り込むと、初めての気持ち良さを堪能するようにハルカを見た。痛みで泣いてるのか、目が赤い。
「ユウキ…」
「ハルカ、こんなに入るんだ…」
腰を引く。ハルカは抜いてくれるのかと期待する目で見ていた。けど、初めての快楽に夢中のユウキには入らない。再び奥へと突き入れる。ハルカが小さくうめいた。
獣のよう。いつもより短い息も、快楽に浸る顔も。それなのにハルカには苦痛にしかならなかった。ユウキが入れるごとに、体の中が引き裂かれそうになる。最初よりはマシになって行くが、消えることは無かった。
「ハルカぁ、もうだめ、いきそうだ」
ハルカの体をつかむ。
「出るっ…」
ひときわ深く入れる。その奥でユウキは快楽を吐き出した。それはハルカにとって熱いものが弾ける感覚。終わったんだとユウキはしばらく絶頂の余韻に浸った後、ハルカから引き抜く。同時に少し白い液体が流れ、下に落ちる。
「ハルカ、終わったよ」
快楽の終わりより苦痛の終わりを感じ、ハルカは安心したような表情を見せた。
「気持ち良かった、またハルカとやりたい」
「痛いからやだ」
即答。ユウキは飼い主に構ってもらえない子犬のような表情をする。それでもハルカは良しとは言わない。ハルカの横に寝ながら目線を合わせても、すぐ背けられる。
「ごめん、その…怒ってる?俺ばかりだったこと?それとも中に出したこと?」
ハルカは吹き出す。そして向き直り、首 に腕を絡め、抱き寄せた。
「片方。ユウキの子供なら、私も欲しいかもしれない」
ユウキの返事を待たず、ハルカは唇を重ねた。終わったばかりというのに、する前のような口づけ。
「次で痛くしなければ、また次回もあるかもね」
ハルカはユウキの股に手を入れる。右手で掴むと、力を入れて動かした。刺激に合わせてみるみるうちに復活する。
「ハルカ!?いいの?」
「次は、もう許さないから」
熱い口づけの後、もう一度始まる快楽。二人は身を委ねた。