鬱蒼とした森を抜けた先には、ラグラージ達が縄張りとする沼地があった。  
生い茂る水草のせいで岸辺の境が非常に曖昧であり、子供が足を滑らせて落ちれば濁った水が視界を覆い、揺らぐ水草が容赦なくその小さな体を絡めとる。  
故にその沼は、正式名称とは別に子供たちからは「人食いお化け沼」と呼ばれ恐れられていた。  
また、此処一帯を住処とするポケモンの中でも際立って縄張り意識の強く気性が荒い彼等を恐れ、地元の者でも滅多に近付かない。  
特に、非力な女子供は、周囲の大人達から厳しく近寄ってはいけないと言い聞かされている―……、筈、なのだが。  
 
「えいっ!やっ!」  
ぽこ、ぽこん、と間の抜けた音と、場違いな程に高く明るい少女の声が、周囲に響き渡る。  
縄張りを巡回中であった若きラグラージが鋭い眼を眇め、頬に生えた棘を幾度か痙攣させた。  
尾鰭を擡げ、警戒態勢を取るも、少女と、その先にある存在を確かめて警戒を徐々に解く。  
終には、興味無さ気に鼻を鳴らし、逞しい四肢で泥地を踏みしめながら立ち去った。  
「今日こそ、ゲットしてやるんだからぁっ!」  
勇ましく言い切る彼女の手には、色とりどりのボールがあった。  
丸っこく愛嬌のある眼を輝かせ、気合を篭めるためか、長く伸びた栗毛色の髪の毛をゴムで一つに括っている。  
ゴムには、デフォルメされたウパーの飾りがついていた。  
前を閉じていないタオル生地のパーカーは彼女の華奢な体躯には若干大き過ぎる様で、  
きゅっと引き締まったヒップを覆うホットパンツすら覆い隠す程である。  
脹脛と足首の括れが美しい曲線を描く足にビーチサンダルを引っ掛け、白のビキニで胸を覆い隠すビキニのお姉さん…と言うには、  
若干その乳房は発展途上過ぎた。  
幼さが残った四肢が少年の様に細く伸びやかで、その癖括れた腰や膨らみかけた胸が、成長期の少女が持つ特有の色香を放っている。  
そんな彼女の前で、悠然と寛いでいる一匹のポケモンがいた。  
 
太陽の下でぬめる特有の肌、頑強な四肢、猫の様に細い瞳孔と裂けたかの如く大きな口が特徴の、ラグラージであった。  
先程姿を現した若いラグラージよりも、一回り、否二回り程大きい。  
緊張感の乏しい落ち着いた様子や、体の、主に前面やその拳に刻まれる無数の古傷が、彼が一帯のボスであることを示していた。  
少女が放つモンスターボールを腕で、或いは尾で払い、のらり、くらりと避け、馬鹿にした様に眼を細めて笑う。  
己を捕らえようとする相手を前にしても、このラグラージは怒ることも無く、寧ろ楽し気にしている。  
故に、先程のラグラージは少女を襲わず、縄張り巡回と言う己の仕事に戻ったのであった。  
「んもうっ!大人しく捕まりなさいってば!!」  
少女の癇癪が爆発し、全身のバネを用いてボールを投げつける。  
ラグラージは身動ぎもせず、ただ軽く口を窄め、勢いの弱まった水鉄砲でボールを弾き飛ばした。  
曲線を描いて放った水鉄砲は、当然の様に少女の顔面へと直撃する。  
「っぷ…ぁ、ふぁ、やめ、やめて、わかった、わかった!今日は私の負けっ」  
少女は仰け反り、顔前に腕を掲げ、数歩後退するも、ラグラージは水鉄砲をやめない。  
少女の端正な顔が、悔し気に歪む。  
「今日も、私の負けっ!!」  
叫ぶ様に少女が言い切ると、ようやくにラグラージは水鉄砲をやめた。  
猫の様な眼を細め、ゆったりと優雅とも言える動きで尾鰭を揺らす。  
「んもう、全身ベショベショだよう……」  
細い眉をきゅっと寄せ、少女は呟く。小麦色に焼けた少女の肌を、濡らした水滴がぱたぱたと音を立てて落ちて行く。  
濡れた衣服が少女の体に張り付き、白く薄い布地は、冷たさでぷっくりと膨らんだ微かな果実の色すら透かしている。  
ラグラージは笑う様に咽喉奥で鳴き声を転がし、悠然と少女との距離を縮める。  
僅か首を擡げさせるだけで顔を覗き込み、少女の柔らかな頬を肉厚な舌で無造作に舐め上げた。  
「うひゃぅっ!やん、…つ、捕まらない癖にぃ…かわいこぶっても、もう、知らないんだから…っ」  
 
大きく裂けた口から垂れる、舌で幾度も舐められる。  
状況を知らぬ人間から見れば凶悪なポケモンに幼気な少女が襲われているとしか見えぬ場面であるが、少女の顔は既に笑みに崩れていた。  
ラグラージの舌は水ポケモンであるが故に味蕾の隆起が乏しく、柔らかく滑々とした肉質には、粘着性のある冷たい唾液が絡まっている。  
「んん、もう、口はらめ…っ」  
笑いながら、少女はラグラージの頬袋に生えた突起を掴んだ。  
飼い慣らされたラグラージですら、触覚器官であるその場所を触れられるのを嫌がる。  
野生のポケモンに対しての行為としては、自殺行為以外の何物でも無い。  
しかし目の前のラグラージは嫌がる素振りすら見せず、軽く、そして少女を労わる様慎重に頭を振るって手から逃れる。  
お返し、とばかりに、少女の小さな口をべろりと舐め上げただけであった。  
数年前、彼女と彼が初めて出会った時も、ラグラージは彼女に特別な態度を取っていた。  
 
未だ彼女が幼く、浮き輪を手放さなかった頃、運悪く両親と逸れた彼女は、道端から飛び出した野生のポケモンに襲われた。  
必死に逃げ惑った結果道に迷い、道無き道を破れた浮き輪を引き摺りながら歩いていた彼女は、この沼地に気付かず、足を踏み外した末に溺れた。  
パニックに陥った彼女を助けたのは両親では無く、この地に住む、一匹のラグラージであった。  
両親曰く、泣きじゃくりながら頬の棘を握り締める彼女を振り払うでも無く、若干困った様に首を傾いでされるがままになっていたらしい。  
彼は、命の恩人、否、恩ポケモンであり、少女にとって何よりも大事で特別な存在となっている。  
その日から足繁くに通う彼女を彼は歓迎し、その癖決して捕まろうとはしなかった。  
 
べちゃ、と重たい音を立てて唾液の飛沫が散り、細い首筋を伝って鎖骨へと流れる。  
「ひぅ、も、…ラグラージ…ィ」  
開いた少女の唇から覗く舌を、仄かな生臭さを持つラグラージの舌が舐る。  
ぐにぃ、と無遠慮に舌が口腔へと入り込み、さも美味そうに音を立てて熱く狭い口中を音立てて弄る。  
少女の後頭部が後ろへと逸れ、息苦しさに鼻から小刻みな息を押し出す。  
口蓋の敏感な隆起を舐られ、少女の眉間へと浅い皺が寄った。  
「りゃぐ、」  
ぬとり、重たい唾液の糸が少女とラグラージの口をつなぐ。  
顔を赤らめた少女が瞳を動かし、スリット部分から顔を覗かせる長大なペニスを見た。  
興奮の余韻残して戦慄く唇を不器用に動かし、濡れて肌に張り付くパーカーの前を肌蹴る。  
「……、いいよ、ラグラージ………っ」  
冷たさばかりでは無い、幼い体躯に見合わぬ劣情に火照る肌が粟立ち、膝が小刻みに震えた。  
ラグラージは太い咽喉奥で上機嫌な鳴き声を転がし、徐に後ろ足を用いて立ち上がる。  
硬くゴツゴツとして、大きな手が少女の腰を引き寄せ、少女の体に脈動する肉茎を押し付ける。  
ずり、と撓る肉茎が肌を撫で上げる感触に、少女の体は喜悦を覚えた。  
少女の華奢な体躯に、重たくずっしりとした質量を持つ肉棒による圧迫感と、熱く脈打つ生々しい鼓動が伝わる。  
「はぁ…あ、すごい、…熱いよう、ラグラージ…」  
拉げた先端から生臭い汁を滴らせる肉茎はラグラージの巨躯に見合って逞しく、少女の腿から鳩尾までの長さを誇る。  
赤紫色の肉茎の表面には大小様々な肉突起が浮き上がり、柔らかな粘膜に覆われたそれは、  
内部に保有した瘤りの様な硬さと、圧に撓む柔軟性を持って少女の体に触れる。  
かり、ともどかし気にラグラージの爪先が下衣を引掻くのに瞬き、少女は震える指先で釦を外し、ジッパーを引き下げる。  
金属が擦れあう音が終わるか終わらぬかの内にラグラージは下着ごとホットパンツを引き下げ、未だ毛も生えていない柔らかな縦筋を露にした。  
 
毛も生えていない幼い隆起は白く柔らかく、その癖、幾度と無く彼と重ねた行為によって隠された花は淫らに綻び、しとどに蜜を滲ませてさえいた。  
「っは、ぁ、らぐらーじ…っ…や、ぁん…」  
すっかり恥じ入った少女は俯き、細い腕を彼の首筋へと回して縋り付く。  
彼女の羞恥を他所、ラグラージは少女の腿を抱き上げ、その背中を岩へと凭れさせる。  
「やぁん……っ」  
開脚を強いられた少女の秘所は綻んだ花の如く滑々とした柔らかな肉丘を広げ、ピンク色の初々しい粘膜を晒す。  
幼い膣穴は仄かにひくつき、透明な粘液をじゅわりと滲ませて内腿を汚した。  
「あ」  
少女の脆く敏感な粘膜を、ラグラージの肉瘤が浮き出たグロテスクな肉茎が擦る。  
竦む膣口をゴリリ、と硬い肉芯で抉り、開いた陰唇を巻き込み、押しつぶして摩擦すると、熱を帯びて薄桃色の粘膜が薄らと赤らむ。  
柔らかかかったクリトリスは幾度も押し潰され、捏ねられる内に硬く芯を持ち、押し返す刺激にラグラージは荒く息を吐いた。  
「ひ、う、…ぁ、はぁ、あん、あっ…らぐらーじ、らぐらーじ…っ」  
慎ましやかな陰唇が押し広げられ、鞘に入った小さな肉真珠が擦りあげられ、硬い肉棒でぐりゅんと押し潰される。  
「あ、あ」  
少女の薄い下腹部が波打つ様に震え、抱えられる腿が徐々に強張る。  
俯く項が赤く火照り、蒸し暑さも伴って汗の玉が浮いた。  
「くぅ…んっ」  
肉棒が上下する都度、ぐちぐちと粘ついた音が響いた。  
刺激され続けたクリトリスは肉鞘からぷっくりと膨らんだ頭を覗かせ、過敏な先を無遠慮に擦られる都度、少女の細い腰が跳ね上がる。  
跳ね上がって、猶更敏感な箇所をラグラージの陰茎へと押し付ける結果となった。  
「はひ、っ…ぁ、っは、ぁう、…らぐらーじっ」  
拉げた亀頭の先が、ビキニの紐を押し上げ、膨らみかけた乳房のささやかな谷間へと肉棒を捩じ込む。  
撓る先端から飛び散る雄汁が、少女の小麦色の肌や、ビキニの形に残った白い皮膚をべっとりと汚した。  
瑞々しくも肌理細やかな肌に覆われた乳房は柔らかく、内部にしこりの様なかたさを持つ。  
膨らみ始めた双丘が凶悪なラグラージの肉棒の動きに合わせて柔らかく歪み、むち、と寄せ合い生じた浅い谷間で陰茎を扱いた。  
「りゃぐ、ん…っふ」  
喘ぐ少女の口が、ラグラージの舌で満たされる。  
震える細い足が太い彼の胴体へと絡みつき、それに伴い逞しい前足が少女の臀部を掴んだ。  
きゅううう、と力加減が為された掌が尻肉を拉げさせ、食い込む指先が少女の体を甘く疼かせる。  
硬い指先が雫滴る膣口と肛門の微妙な境目を掠め、指の形に歪んだ薄い臀部を揺さぶる。  
息を乱しながら健気にも己の舌先を吸う少女の媚態に、ラグラージの鰭が大きく広がり尾先が引き攣りを繰り返した。  
「らう、らーじ、ちょうらい、…ちょうだ、いっ」  
 
熱っぽい懇願に彼は眼を細め、身震いの後しゃくる砲身の先から、爆ぜる様に濁った精液を吐き出し少女を汚す。  
ヨーグルトを思わせる程濃くねっとりとした精液は特有の生臭さを放ち、少女の体と言わず、顔や髪へと飛散した。  
たっぷりと重たく盛り上がった精液をラグラージは自らの肉茎で押し潰し、ぶぢゅぶぢゅと音を立てながら少女の体へと塗りたくる。  
「っ…ふ、ぁ、ああ、あっ」  
陰茎が上下に、そして左右に動く都度、熱を持った肉唇も擦られ、押し潰されるが故少女は背筋を撓らせて震える。  
絡みつかせた足に感じる後ろ足の痙攣に瞬き、少女は仄かに微笑みながら口元へと唇を押し付けた。  
「ラグラージ…おろして、大丈夫、だよ」  
ラグラージは鼻から息を抜き、顔へと頬摺りした後、丁寧な仕種で背中を丸め、少女を草地へと下ろす。  
草地に沈む指先と、前足にある浮き袋に似た柔らかい蛇腹を手遊びめいた手つきでもにもにと揉みながら、少女は未だ萎えぬ陰茎を見上げた。  
撓る肉棒へと、軽く唇を尖らせて口付けると、ラグラージの鰭が緩やかに撓り、小刻みに痙攣する。  
「…ひもちい?らぐらーじ」  
身を乗り出し、両腕を掲げて肉棒を抱き竦める。  
腕の中でドクドクと脈動するペニスがひどくいやらしく、同時に愛しい物に感じて少女は恍惚と眼を細めた。  
「いいこ、…、ラグラージ、好き」  
白魚の様な細い指先が敏感な先端を撫ぜ、指腹が精液の雫を滴らせる先端を擽る。  
劣情に潤む双眸で彼の反応を窺いながら、小首を傾ぎ、裏筋へ柔らかく口付けた。  
両手ですら持て余す肉棒へと指を食い込ませるも、にゅく、と柔らかく撓み滑る表面と、内包された硬く太い肉芯に、知らず鼓動が早鐘を打つ。  
にゅく、にゅく、と両手で竿を揉みこみ、擦りあげる都度、ラグラージの下半身が震え、鼻息が荒く弾む。  
そんな反応に気を良くして、少女は顔を火照らせながら微笑んだ。  
「んふ…っ…ん、…ん。えへ。きれいに、してあげる、ね」  
赤紫に絡む白く濁った精液をねっとりと舐めとり、皮膜ごと唇を窄めて吸い上げる。  
ゴツゴツとした肉隆起の窪に絡まった白濁を舌平全体をを押し付けて掬い上げ、肉棒を手で擦りながらはむ、はむ、と甘い咀嚼を繰り返した。  
力を篭めても痛がる素振りは見せず、硬い肉芯が鈍くしゃくる様に脈動して快楽を少女に知らせる。  
喉に引っ掛かる様なえぐみや、生々しい味に、少女の息が弾み、散々擦られた肉唇が切なく疼いた。  
 
細めた眼を閉ざし、平べったくした軟体を精一杯に押し付け、頭を動かす事で肉茎を半ばから先端迄一気に舐め上げる。  
撓る先端から滴る汁が少女の秀麗な顔を汚すのにも頓着せず、精一杯の愛撫を繰り返した。  
ラグラージの鼻息が荒くなり、白く盛り上がった腹部が荒い起伏を繰り返す。  
「にゃ、…いきそ?…ラグラージ、…、…。いいよ、いって…たくさん、はぁ、出して、ね」  
本能的な腰の動きと、後ろ足が土を引掻く動きに少女は絶頂を察し、手の動きを早めた。  
両手で逞しい肉棒を扱く都度、掌で押しつぶれた粘液が、にちにちと粘つく音を立てる。  
「っ…はぁ、…ぁ、すごっ…んふっ…、ふ…ぁ、んぷっ」  
少女は意を決した様、脈動するペニスの先を唾液でぬめる熱い口腔へと含む。  
柔らかな曲線を描く頬が陰茎の形にぼこりと歪み、口蓋隆起や頬肉、収縮する咽喉一杯に満ちる肉棒の感触に、曲げた膝を小刻みに震わせる。  
大量に分泌される唾液に溶けた先走りの汁を音立てて啜り、不器用ながら懸命に粘膜肉壺での口腔奉仕を繰り返す。  
どびゅ、と音立てる程大量に粘濃い精液が溢れ、泡立ち溢れた精液がぷにぷにの唇から溢れて滴り落ちた。  
「んむっ…は、…ふ、ぅん…っ」  
少女は苦し気に片目を細め、口中から溢れ出る飲み込みきれなかったザーメンを、両手で受け止める。  
ぼた、ぼたり、指間から零れ重たい糸を引く粘液を、少女は啜り、じっと見詰めた後、両手を下腹部へと添わせ、精液塗れの指先で己の体を撫で上げた。  
むわり、少女の体から、濃密なラグラージの匂いが漂う。  
乳房の淡い頂で指が留まり、乱れたビキニの布地へと染込ませるかの様に掌で胸を覆い、ぐじゅりと音を響かせた。  
「ん、んっ…ん…き、きもち、よかった?よかったなら、……嬉しい。だいすき、ラグラージ…」  
口を噤み、喉を鳴らす少女の顔をラグラージは覗き込み、一歩後退した。  
開いた腿へと頭を摺り寄せ、更なる開脚を促す。  
「ん…っ……ラグラージ……」  
薄ら開いた少女の眼は熱っぽく潤み、長い睫を瞬かせる都度、興奮で滲んだ涙が頬を伝う。  
艶含んだ少女の顔を見詰めながら、ラグラージは戦慄く膝へと舌を這わせる。  
柔らかく敏感な内腿の肉をその儘舐めあげながら、しとどに濡れた秘所へと顔を寄せ、鼻息が掛かる程露骨に匂いを嗅ぐ。  
「やっ…ば、かぁ…エッチ…」  
恥じらいに少女が震え、もぞ、と草地の上で白い臀部を捩らせる。  
きゅん、と収縮する膣口から、白く濁りの混じった粘液が溢れた。  
彼女の発情を確認したラグラージは、徐に口を開く。  
期待に戦慄く彼女の恥部を、躊躇い無くばくりと銜え込んでしまった。  
 
「ひうっ!ぁ、あ、あんっ」  
軽く皮膚を窪ませる程度の弱い力しか篭めぬ顎に反し、舌先はそれが単独の生き物の様に蠢き、汁気が滴り蒸れた尻肉の狭間を、ねっとりと舐る。  
にゅる、にる、と左右に蛇行し、上下する舌に尻間を舐られ、少女の後口が切な気に窄まった。  
にゅるる、と精一杯伸ばした舌を引き、返し翻る軟体は、膣と肛門の境目へと触れ、その儘一気に縦筋を割って舐め上げる。  
ひくつく膣口を、充血しふっくらとした花弁を、そして膨らんだクリトリスをべちょべちょと音立てて幾度も行き来し、  
溢れ出る粘液を膣穴へと舌先を捩じ込み、舐め上げる事で内へと取り込む。  
「っ!は、や、ぁ、ああ、…っあ、あんっ」  
少女の下半身がぴんと突っ張り、撓る足指の先が小刻みに震える。  
熱を持った手が伸びてラグラージの鼻先を押し遣るも、ラグラージは決して離そうとはせず、愉快気に眼を細めるばかりであった。  
ヌルヌルとした柔らかな舌が、緩やかな動きで剥き出しとなった少女の肉芽を上下に舐り、転がす。  
小刻みに触れ擽っていたかと思えば、肉厚な全身を押し付けて圧を掛ける事で押し潰し、根を削ぐ様ににゅるん、と一気に舐め上げた。  
「あ、あっ…やだ、…らぐらーじ、やん、も、いっ…ひっ」  
少女は腰を跳ね上げ、身を捩って強すぎる快楽から逃れようとするも、彼はそれを許さず、寧ろ一層粘着質に秘所を舐る。  
クリトリスを舌先で柔らかく抑え付け、離し、また抑え付け、尖る舌先で包皮と肉芽の境を舐る。  
小さな肉粒を肉厚な舌が意外な程の器用さで舐り、ぷりゅ、と剥けたクリトリスを淡く押し潰しながら舌が蠢き、  
硬くてコリコリとした肉芯の弾力を楽しむかの様、押し付けた舌が揺れ動く。  
汗ばむ彼女の下腹部が痙攣し、開閉する膣から透明な粘液が溢れ流れても、彼は少女のクリトリスを犯し続ける。  
「ひゃめっ…ラグラージ、やめ、もっ…とけりゅ、…とけちゃうよぉ…っ」  
意思とは関係なく少女の上体が揺らぎ、汗ばんだ腿がラグラージの顔を締め付ける。  
緩やかに彼は顔を引き、安堵の息を零す彼女の柔らかな肉丘を、きゅう、と硬質で締め付ける。  
「ああんっ!!」  
柔らかく粘着質な愛撫に蕩けた肌はその感覚を過敏な程敏感に受け止め、堪らず腰が痙攣を繰り返した。  
ぷしゅ、ぴしゅ、と音立てて飛沫く透明な潮を、ラグラージはさも美味そうに舐め取った。  
弛緩する下肢を、再び口の中へと銜え込む。  
「ラグラージ、…ぁ、あっ」  
開閉を繰り返す膣口へと、尖らせた舌先を押し当てると、少女の体がビクリと強張った。  
「ーーっっ!!」  
入り口を捏ねる様ににちにちと音を立てて舐め回し、収縮する肉輪を押し退け、  
滲み出る粘液を押し潰しながら舌を捩じ込んだ刹那、少女が声無き悲鳴を上げた。  
絶頂の余韻残す肉輪は息衝きの様な伸縮を繰り返しながら痙攣し、甘酸っぱい汁を滴らせつつラグラージの舌を締め付ける。  
ラグラージは狭く熱く潤んだ粘膜を舐りながら、溢れる汁を音立てて啜った。  
己が舌を締め付ける肉壁を舐り、ぐりゅん、と大きな動きで舌を動かし、無理やりに窄まろうとする肉筒を押し広げる。  
 
「ぁ、ひ、…やだぁ…お腹の中、で、動いてるうう、らぐらーじ、やん、あ、舐めちゃ、やらああっ」  
ラグラージの舌が撓り、膨らんだ上壁の襞を押し潰しながら、ずろー…と絡みつく肉壁を引っ掛け軟体を抜け落ちるぎりぎりの間際まで引く。  
クリトリスの根元を圧迫される快楽に、少女の腿が小刻みに痙攣した。  
ぐにぐにと上下しのたうつ舌は少女の膣壁を圧迫し、押し広げながらぷっくりと盛り上がった子宮口へと触れる。  
硬く弾力を持つ入り口を優しく舌先で擽り、転がし、揉み解す動作を幾度も繰り返す。  
「はぁ、ひ、はひっ…、らぐらーじ、らぐらーじ、も、許して、…らぐ、う、あ、あ、ああ、ああんっ」  
幾度目とも知れぬ絶頂に少女が震え、強張っていた体が不意に弛緩する。  
強すぎる快楽に意識がついて行かず、失神した彼女の体を、ラグラージはようやくに開放した。  
舌を粘着質に蛇行させ引き抜くと、ねっとりと濁り泡立った愛液が絡みつく。  
微かに開いてひくつく肉穴に、ラグラージの雄が思わず反応を示すも、彼は小さく尾鰭を振るうのみで耐えた。  
「……」  
ラグラージは、重たい溜息を零す。  
日に日に美しく成長する少女と、己の無駄に巨大な男根を代わる代わる眺め、また息を吐き出した。  
彼女が通う今でこそ、どうにか最後の一線を保っていられているが、  
ゲットされて四六時中傍にいる様になってしまえば、己の忍耐力が何処迄持つかは定かでは無い。  
未だ幼さの残る、微かに笑みで緩んだ少女の表情を見て、ラグラージはそれでも眼を細める。  
「らぐらぁ―…じ、」  
何処か舌足らずな、甘えた口調で、少女が彼を呼ぶ。  
ぐるる、と機嫌よく喉を鳴らす彼に、少女の笑みが一層深まった。  
「……、だいしゅき……、」  
ラグラージは尾鰭を擡げ、小刻みに震わせる。  
気を紛らわせるために前足で草地を引掻き、身を伏せて少女の体へと寄り添った。  
 
『だいしゅき、ラグラージ、私の王子様』  
瞼を伏せると、あの日満面の笑みで己に抱きついた少女の姿が蘇る。  
少女を助けたのは、本当に偶然だった。  
縄張りを巡回中に不自然な泡を見つけ、縄張りを荒らす侵入者かと思い込み沼地に飛び込んだところ、少女が居た。  
その侭見捨てても、よかった。人間の子供の一匹や二匹、溺れ死のうが、ラグラージの知った事では無い。  
しかし、若し目の前の子供が死ねば、たくさんの人間がラグラージの縄張りに出入りする様になるだろう。  
それは、許し難かった。  
適当に助けて、脅しつけ追い出すのが一番いい。  
そう考えたラグラージは、細い腕を精一杯伸ばししがみつく彼女を振り払う事もせず、その侭岸辺へと上がった。  
無造作に転がし、威嚇した途端、彼女の大きな眼から涙が溢れた。ふえ、としゃくる嗚咽が上がる。  
今迄の経験からして、少女はそのまま泣いて寝床に帰る筈だった。そして、ラグラージの縄張りには二度と近づかない筈だ。  
それなのに、目の前の少女は泣いて、――泣きながら、無防備に彼へと縋り付き、こわかった、ありがとう、と幾度も聞きなれぬ言葉を紡いだ。  
ラグラージは、未だかつて無い程に動揺し、敏感な頬袋の棘を握られても、無碍に振り払えず固まってしまった。  
どうしたらいいのか、解らなかったのだ。  
彼女の両親が現れた時には、心底安堵したものだ。  
両親に手を引かれ、名残惜し気に振り返る子供を、ほっとした様な、残念な様な、微妙な気持ちで見送った。  
もう二度と、会う事も無いかと思うと、不思議と寂しい様な気がした。  
次ぐ日、綺麗な花輪とこの地では滅多にお目にかかれない木の実をバスケット一杯に詰め込んで少女はこの地へと訪れた。  
ラグラージは正直驚いた。  
あんな恐ろしい経験をした彼女が、再度訪れるとは思っていなかったのだ。  
ましてや、自分に会いに来るためだけに、なんて。  
その時ラグラージが感じた感情は、確かに喜びであった様に思う。  
次の日も、その次の日も、ずっと。彼女は彼に、会いに来た。  
『ラグラージ、私がおっきくなったら、私をラグラージのお嫁さんにしてね』  
『すぐに大きくなるから、待っててね、きっとよ』  
 
言われた通り、ラグラージはずっと彼女が「大きく」なるのを待っていた。  
彼の予想に反し、人間が「大きく」なるペースは遅く、「すぐ」の時間はもどかしい程ゆっくりとしていたが、それでも待っている。  
彼女が「大きく」なって、約束の時が来たら、ラグラージは彼女を「お嫁さん」にして、その時こそ少女にゲットされようと思っていた。  
ラグラージは瞼を押し開き、少女の顔を見て喉を鳴らす。  
穏やかな表情から一転して、スケベったらしく眼を細め、口周りを舐った。  
全てを挿入するのは無理だとしても、今日の様少しずつでも慣らしていけば、先端が入り込む程度にはなるだろう。  
己の「お嫁さん」には、何が何でも己の子を産んでもらわねばならない。  
四六時中一緒にいても問題の無い、我慢が不必要な大人の体に少女がなった、その時には……。  
不穏かつ不埒なことを彼が考えているとは露知らず、少女は幸せそうに顔を緩め、暫しの休息を貪っていた。  
 
終  
 

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