「・・・ムゥ・・・」  
とある山の洞窟の中、何かに悩むかのような低い唸りが聞こえる。  
薄暗い空間で見えるのは緑色の甲殻の巨躯。  
そして、如何にもあくタイプらしい目つきのポケモン、バンギラスである。  
彼は今現在、非常に悩んでいた。つい最近、発情期が来てしまったのだ。  
それならば相手を見つけるなり自分で慰めるなりすれば良いのだが、そう簡単には行かなかった。  
彼は固物で硬派だったのだ。それも筋金入りの。  
そんな性格の彼が相手を見つけるなど出来る訳もなく、自分を慰めるのも羞恥心が邪魔をする有様だ。  
発情期の性欲と自分の性格に板挟みになり、苦しい日々を過ごしていた。  
だが、ついに限界が来てしまった。  
「・・・だ、駄目だ。この様な破廉恥なことなど・・・んぁッ」  
爪がスリットに触れた途端、びくりとその巨躯を揺らす。  
その顔は熟れたマトマのように真っ赤で、その鋭い目つきは潤んでいた・・・  
 
 

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