Interval:雌ぬこと遊ぼう  
 
 
 シロナがダイゴの家に来て一ヶ月が経とうとしている。  
 夏の時間が半分程消費された辺りだが、今日に至る迄でダイゴが企画していた遊びの殆どは終了している。  
 キンセツのゲームセンターで遊び、煙突山に登ってフエン温泉に浸かり、ヒワマキの近くでヒンバス釣りをやってみたり、送り火山で神話の調査を行ってサファリでポケモンを追い回し、サイユウの近くで泳いだりもした。  
 行っていないのは古代塚や小島の横穴、おふれの石室位だが、それらの場所も近い裡に連れて行く事がダイゴの中では既に決定済みだった。  
 そんな二人が何をやっているかと言うと……  
 
――ダイゴ宅 居間  
「ちょ、ちょっと! こっち来るんじゃないわよ!」  
「落ち着きなって。十分狩れる相手だよ?」  
 仲良く狩りの真っ最中。クエストは火竜夫婦の同時狩猟。  
ターゲットのレイアに追い回されてCynthia(シロナのプレイヤーネーム)はきりきり舞いしている。  
 対して、Steven(ダイゴのプレイヤーネーム)は余裕の貫禄でレウスを太刀で鱠にしていた。  
「無茶言わんでよ! あたしゃ、アンタみたいに廃人じゃないのよ!」  
「ええ〜? それって酷くない?」  
 プレイ時間が廃人と常人を分ける差だと言うのなら、シロナも着実にその域に踏み込みつつある。もう丸三日、二人は家から一歩も出ておらず狩りとファックばかりの生活に浸っている。  
「……よっしゃ。One down.One more go,and finish this」  
「May day! May day! I need your help!」  
 ダイゴが一匹を捕獲。後一匹で勝負が決まるのだが、追い込まれたシロナは遂に泣きを入れた。  
「あー、全く。下位だよ、これ? そんなちょろい機動に惑わされるんじゃないよ」  
「それは出来る奴の理屈だってのよう!」  
 隣のエリアで交戦中なので救援に向かっても良いが、助けてばっかりだとシロナの為にならないとダイゴは踏んだのだろう。休憩がてら煙草を咥えて吸い始める。シロナの涙目の視線が刺さるみたいだったが、煙草を吸い終わる迄ダイゴはそれを無視した。  
 
「ランク上げに躍起になるのは判るけど、急ぎ過ぎじゃないか? 自力が追い付いて無いよ?」  
 何とかクエストを終了させ集会所に戻って来た。此処最近の進行頻度は異常で、武器も防具も満足に揃わない状態で狩りに望むシロナは常に死と隣り合わせの状態だ。  
 しかもシロナ自身のプレイヤースキルはお世辞にも高いと言えないので、カバー役のダイゴにとっても負担が大きい。  
 些か拙速に過ぎるシロナが何を考えてるかは知らないが、もう少しゆっくりまったりと歩んで欲しいとダイゴは常々思っている。  
「判ってるわよ。でもさ、早く着てみたいじゃないの」  
「新しい装備?」  
 シロナもそれについては理解している様だ。だが、譲れない理由があるので彼女も無茶を承知でやっているのだ。その理由と言うのが実に下らない事だった。  
「エロ装備よ、エロ装備! ちゃんと聞いてたんだから!」  
 
『エロの代名詞って言やぁキリンだけど、些か見飽きた感が否めないんだよね。僕のお気に入りはレックス足にナルガ装備だね。アレの尻はエロいよ?』  
※2Gが現役の頃の話と仮定して下さい。(作者)  
 
「ああ、だからか」  
 そう言えば、酒を飲みながらやっている時にポロっと口走った記憶がある気がする。  
 シロナはそれを覚えていて、その素材を手に入れる為に急いでランクを上げているのだろう。何とも涙ぐましい努力だとダイゴは少しだけ感心した。  
「でも一人じゃキツイからさ。こうやって、半ば寄生虫に成り下がっても頑張ってるんじゃないの」  
「うーん、まあ、確かに目の保養にはなるんだろうけど、所詮ゲームの中だからねえ」  
 良く考えればそれはシロナ自身の為でなく、ダイゴの冗談めいた言葉を叶える為にやっていると言っても間違いじゃない。しかし、其処迄されてもぶっちゃけコメントに困る。  
それが女心と言うのなら、ベクトルが間違っているとダイゴは冷静に分析する。  
 
「そんなのよりは、君がリアルで直接何か着てくれた方が手っ取り早いと思うけど」  
 
「!」  
「あ」  
 リアルとゲームを混同してはいけない。それならば、ゲームの中ではなくリアルでシロナに何かを期待……と、其処迄考えてダイゴはまたしても自分が要らん事を口走った事に気付いた。  
「うふ。うふふふふふ」  
「あー、やっべ」  
 後悔してももう遅い。シロナの顔には邪悪な笑みが満たされている。何と無く悪い事が起こりそうな予感にダイゴが若干顔を引き攣らせた。  
「確かに聞いたわよ? あたしにエロい格好、して欲しいんだ。ダイゴってば」  
「まあ、否定はしない。最近、少しマンネリ気味だから新しい刺激があっても良いかなってさ」  
 ハンターの顔を覗かせるシロナにダイゴは怯む事無く答える。  
 思い返せば去年、シンオウで初めて犯った時、シロナの気合の入った格好に何か色々と酷い事を言った気がするダイゴ。  
 しかし、近頃シロナとのそれに飽きが来ているのも事実なので、ダイゴはそれが打開策になるならと正直に言った。  
「うんうん、判るよ男の子。あたしみたいな可愛い彼女がえっちぃ格好したら、それだけで嬉しいのよね? お姉さんにはちゃんと判ってるんだから☆」  
「……僕の方が年上なんだけど」  
 お姉さん振りたい年頃か否かは不明だが、何だかとても嬉しそうなシロナに一応突っ込んでやるが全然利いていない。自分で可愛いとか言うなとも言いたかったが、実際最近のシロナは可愛いのでダイゴは言葉を飲み込んだ。  
「皆まで言わない。……一寸待ってなさい。こんな事もあろうかと、向こうからちゃんと用意して来てあるんだから」  
「お、おい! ……はあ。どうせ、最後には引ん剥いちまうんだけどね」  
 シロナはゲームを切り上げると何かを取りに荷物が置いてある寝室へと引っ込む。ダイゴは声を掛けるが、彼女は行ってしまった。  
 これから起こる生臭い展開に心を躍らせる程ダイゴは若くない。  
だが、最終的にシロナを裸に剥いて組み伏せる未来だけは見えている。今まで何度も通過した儀式だが、それが無かった事は一度たりとも無かった。そして、ダイゴの予感は外れない。  
 
「お待たせにゃん♪」  
 
 あ、野生(?)の化け猫が飛び出して来た。  
 
「・・・」  
「ありゃ、どしたの? おーい、もしもしお兄さ〜ん?」  
 ダイゴは渋い顔で世にも珍しい二足歩行の食肉目を見ながら、現実を否定するみたいに煙草に手を伸ばす。絶句して何も言わないダイゴを不審に思ったシロナはダイゴの目の前でヒラヒラと手を振ってみた。反応は直ぐに返って来た。  
「君、もう少し歳を考えた方gあべし!?」  
「未だ若いわよ! 二十歳前の婦女子に何を言うのさ!」  
 ライターで火を点ける直前にシロナのフリッカージャブがダイゴの顎に入った。煙草は落ちて床に転がり、言葉も最後迄言えないままだった。  
「ぅ、ぐ……済まん。大人びてるから、どうしてもトウが立って見えてさ」  
「それ以上ほざくと顔面爪で掻き毟るわよ?」  
 殴られた箇所を摩るダイゴはシロナの顔を見て少し自分の発言に後悔した。どうやらとても怒っているらしい。配慮に欠ける台詞が気に食わなかったのか、爪と牙を剥き出しにして威嚇する視線を送っている。  
 歳相応に見られたいと言うシロナの乙女心だろう。恐らくそれは男である限りダイゴには解せないモノであるに違いない。  
「……で、それって猫? まさか、ニャルマーって奴かい?」  
 これ以上ボロが出ない裡にダイゴは話を本題に持っていく。今のシロナの格好について。  
 ダイゴの見る限り、普段アレを致す時のシロナの格好と殆ど違いは無い。敢て違いを指摘するとすれば、猫耳のカチューシャとお尻の辺りに見えている特長的な螺旋型の尻尾だろう。  
 そんな尻尾を持っている猫型のポケモンがシンオウに居る事をダイゴは思い出した。  
「そうにゃのよ? このコスで挑めばお堅い彼氏も一発で燃え上がるって雑誌で紹介してたにゃん」  
「何の雑誌だよ、そりゃあ」  
 雑誌に書かれた記事を鵜呑みにした結果がこれとはお粗末過ぎて笑いすら込み上げない。  
 語尾に『にゃん』を付けたり、猫宜しくシナを作ってみたりもしているが、端から見ていてどうしても無理してる感が否めなかった。  
 案外、シロナの持っている大人っぽさが邪魔している所為かも知れないとダイゴは考えた。……考えたが、結局現状は何も変わらなかった。  
「その……僕、猫嫌いなんだよね。どっちかと言えばポチエナの方が」  
「あ゛? 我侭抜かすな。股間の一物噛み千切られてえのか?」  
 ひょっとしたら好みの奴が居るかも知れないが、無理してるしてない以前にダイゴはコスプレに興味が無い。それでも強いて好みを挙げるとすれば、ダイゴの場合は犬だった。  
 だが、そんなダイゴの言葉は自分の努力の全否定とシロナは受け取ったのだろう。喧嘩腰で脅かすみたいな口調で言い放ちダイゴを睨み付ける。  
――ピクッ  
 その瞬間、ダイゴの眦が釣り上がり、青筋の十字路がこめかみ辺りに出現した。  
「――んだとこら?」  
「あ」  
 この瞬間、拙いと直感的にシロナは思った。今迄何度か遭遇した事のある怖い状態のダイゴが顕現してしまった。  
 頻度こそ少ないが、ダイゴは何かの拍子で普段被っている対人用の仮面を落としてしまう事がある。条件は不明だがこうなった状態のダイゴは冗談抜きで危険だとシロナは彼との付き合いの中で知っていた。  
 ……知っていた筈なのにまた自分から地雷を踏んでしまった。だが、シロナは自分を悔やむには遅過ぎる事を直ぐに理解させられる。  
「随分デカイ口叩くじゃねえかよ、雌猫が」  
「あ、あのだ、ダイゴさん?」  
 口調、表情、声色、纏う空気。普段の彼とはベクトルが180度違う様な豹変振り。正にダークサイドだ。刺激すれば命が危ないと踏んだシロナはダイゴを宥めようとするが、良い言葉が思い付かないのか、青い顔で視線を泳がせる。  
「良いぜ? 貴様の主人が誰なのか、その身体に徹底的に教え込んでやるよ」  
「きゃあっ!?」  
 そうしている裡に時間切れ。ダイゴはシロナを米俵宜しく軽々と担ぐとそのまま寝室に入っていった。  
   
 シロニャに喧嘩を売られた!  
 
 
――ダイゴ宅 寝室  
「きゃん!」  
――ボフッ  
 乱暴に放り投げられシロナはお尻からベッドに着地する。黒いオーラを纏うダイゴは上半身を肌蹴ながら、思わず背筋が凍り付く様な視線で上からシロナを見下ろしていた。  
「も、もう! そんなに、お、怒らないでよ。只の冗談……だからさ」  
「……冗談、ね。俺は女郎に嘗められる事だけは好かねえんだ。覚えとけ、小娘」  
 愛想笑いを浮かべ、冷や汗を顔に張り付かせたシロナは泣きたくなる気持ちを抑えつつ懸命にダイゴを宥める。  
 それが上手く行ったのか、少しだけダイゴの空気が和らいだ。  
「ご、ごめん。調子に乗ってたわ」  
「…………うんうん。素直な娘は好きだよ」  
 機嫌が戻りつつある事を知ってシロナは平謝りする事がベストな選択と思ったらしい。だから自分の胸中を偽り無くダイゴに告げると、彼は落ち着きを取り戻したのかシロナの知っているダイゴに徐々にだが戻っていった。  
「でも……」  
 ……しかし、それも一部を除いてだ。  
「ひっ!?」  
 そいつを見てしまったシロナは危機が去っていない事を知り、引き攣った声を上げる。  
 それはダイゴの目で、ダークサイド状態を維持している様に洒落にならない怖さだった。  
「きっちりお仕置きは受けて貰おうかねえ。ひゅっ、ひ、ひひひひひひひ……!」  
「ひいぃ〜(涙)」  
 ダイゴの声帯を通過する不気味な声色。それに身の危険を感じたシロナは泣きを入れて這って逃げようとするが、腕を捕まれてしまって逃げる事が出来なかった。  
 
「成る程。この尻尾はクリップでくっ付いてるのか。と、すると……」  
「だ、ダイ、ゴ?」  
 ダイゴが目に入ったのはニャルマーの尻尾。彼女が好んで履いているローレグTバックに括り付けられたそれを外すと、少しの間思案して箪笥の方へと近付いて何かを取り出してごそごそやり始めた。  
 厭な予感しかしないシロナは心配そうな顔でそれを見ていた。  
「えっと、針金とガムテープがありゃ良いかな。後は……こんなもんか」  
 ダイゴは工具箱を引っ張り出し、取り出した何かに細工をしている様だ。作業自体は直ぐに終了して、ダイゴは出来上がったそれをシロナの目の前にチラつかせる。  
「な、なな、何? 何なの、それ?」  
 それを見た時、何に使うのかシロナは初め判らなかった。だが、何と無く卑猥なフォルムのそれにセクシャルな用途を感じたのか、自分の身を守る様に身体を強張らせた。  
「うん? ケツ穴用のバイブ。ニャルマーの尻尾をくっ付けてみた。ちょい不恰好だけど」  
「お、お尻!? まさか……じょ、冗談よね? ね!?」  
 ダイゴはあっさりと正解を語った。長さと太さ共にかなりの容積を誇る疣付きの張り型だ。前の穴にも使えそうな大きさだったが、ダイゴが後ろ用と言い張るのだからそれは正しいのだろう。  
 だが、そんな事はシロナにとってはどうでも良い。  
 今迄散々生臭い事をして来たがそっちの純潔を捧げる覚悟は未だシロナには備わっていない。これがダイゴの悪ふざけである事を願いたい状況だったが、残念ながらダイゴは本気と書いてマジだった。  
「何を馬鹿な。猫のコスってんなら、尻尾はバイブって相場が決まってるよ。……さ、観念してマンホールを開きな」  
「や、やだ! お、お尻何てやった事が……!」  
 シロナは逃げ出そうと必死にもがくが、その機会は既に失われていた。腰を捕まれて引き倒されて履いているパンツを引っぺがされそうになる。  
「だから、開発しようって言うのさ。これ位じゃないと仕置きにはならんからね」  
「や、やめ……! 止めてえええええ!」  
 せめてもの抵抗に叫んでみるモノのその程度でダイゴの魔手から逃れる事は不可能。シロナの下半身を守っていた布切れはあっさりと取り払われた。  
 
「往生際が悪いね、ぬこさん」  
「い、いやああんん!」  
 尚も逃げるシロナの腰を引っ掴んで拘束し、尻肉を断ち割って汁を滴らせる赤貝とピンク色の菊の花を露出させる。まるで生娘の様に顔を手で覆い恥ずかしがるシロナだが、ダイゴは微塵の情けも浮かべる様子は無い。中々に鬼畜な御仁だ。  
「安心しなよ。ちゃんと解してやるからさ」  
「ああん! ダイゴのスケベえ!」  
 本来は排泄器官である窄まりに口を近付けて軽く息を吹きかけてやる。すると吃驚したようにシロナの身体は跳ねて、肛門自体もひくひく妖しく蠢いた。  
「聞き飽きた言葉だぜ。……んっ」  
「んんぅ……!」  
 男がスケベで何が悪い。前に言った事がある気がするが、今更そんな台詞を吐いても仕方が無いのでダイゴは指に力を込めてシロナの後ろの穴を押し開く。  
 ぽっかりと口を開けたブラックホールの淵の部分、肛門の皺の部分に舌を伸ばして円を描く様にゆっくりと舐めてやる。  
 些かの嫌悪感があったのだろうか、シロナは顔を顰め、唇を噛んでその感触に耐えている様だった。  
「どれどれ? 匂いの方はどうかな?」  
「なっ、なななな////// 何やってんのよ馬鹿ああああああ!!!!」  
 ダイゴの取った行動がシロナを慌てさせ混乱の極みへと導く。自分でも恥ずかしい場所に彼氏が鼻を寄せてくんくん臭いを嗅いでいるのだから当然だ。  
 シロナに羞恥心が僅かでも存在している限り平常心を保つ事は先ず無理だろう。シロナは全身を茹蛸宜しく真っ赤に染めて叫ぶ事しか出来ない。  
「ふむふむ。序に味もっと」  
「ひいっ!? あ、ああああああ〜〜!!? ちょ、う、嘘でしょ!? やや止めなさいってばあ//////」  
 ぞくり。  
 尻の内側に生暖かい感触を覚え背筋を張り詰めさせる。それがダイゴの舌によるモノだと気付いた時、もうシロナは正気では居られなかった。  
 不浄の穴を執拗に舐めるダイゴ。よもやこれ程の辱めを与えてくるとはシロナには超誤算。正直、ダイゴと言う男を甘く見過ぎていた。  
 恥かしくて死にそうなのでシロナは中断を懇願するが、イニシアチブを握っているダイゴがその旨を聞き入れる訳が無かった。  
「やっぱ君ってば良い匂いだな。味も申し分無し。こいつは珍味だよ」  
「馬鹿馬鹿あああああああ////////////」  
 とんでもない言葉を聞かされて羞恥の涙を零れさせたシロナは生まれてこの方味わった事の無い感情の処理が出来ず、結局の所ダイゴのされるままで居るしかなかった。  
「癖になるな、こりゃ」  
「ひゃんんっ! ああんんぅ……」  
 惚れた女のケツの穴を舐める事等屁とも思っていない……寧ろ、それを率先して楽しんでやっているダイゴは相当に修練を積んだ変態で間違いない。  
 どんな美人であれ、肛門がひり出す場所である以上、其処が汚れと穢れを孕んでいる事は誰だって判る。  
 そんな場所の饐えた臭いとおぞましい風味を絶品と言っている辺りダイゴはかなりの上級者だ。新しい玩具を得た様にその顔には酷薄な笑みが張り付いている。  
「もう一寸堪能しておくかね」  
「あ……ぁ、そ、そんな……あ、ああ……♪」  
 遠慮も憚りも無く、ダイゴはシロナの直腸への穴にむしゃぶり付き、舌を差し入れて頑なさを解しつつ、分泌される腸液を啜り飲み干す。  
 じゅぶじゅぶじゅるじゅる。味わった事が無い異質な刺激がシロナを襲っているが、その中で嫌悪とは違う何か妙な感覚が芽生えてきて、シロナはそれを持て余してもどかしさを体に募らせていった。  
 
 
――凡そ十分経過  
「あんっ! あんっ! ああはぁ……」  
 生まれた感触に蝕まれてシロナは体をピクピクさせて口元から涎を伝わせて甘い喘ぎを漏らしている。その様子を見る限り、最初の方にあった嫌悪感は最早存在せず、寧ろそれに心地良さを感じている様だった。  
「ふむ」  
 滾々と湧き出す生臭い腸汁を啜り、口元をベトベトンにしたダイゴは舌が疲れたので塩梅を確認する為にシロナの尻穴から口を離した。粘着く唾液と汁の混合物が穴の淵とダイゴの口元の間に糸を引いていた。  
「んくっ! ……うんんん」  
――ずぶっ  
 解れたぽっかりアナルにダイゴは人差し指を入れてみた。シロナは少しだけ顔を顰めただけでそれを苦も無く根元迄飲み込んだ。  
「んで」  
「ひぐっ!? ぃ、痛……痛いよ、ダイゴ……!」  
 侵入した異物を押し出そうと腸壁がダイゴの指を締め付ける。容量には未だ余裕がありそうなので今度はその状態から更に中指を捻じ込んでみる。  
 ぶっすり突き立てられた指に多少の痛みを感じたシロナは涙目で振り返り、その旨をダイゴに訴える。今の段階ではこれが拡張の限界らしかった。  
「まあ、何とか入るか。じゃあ、ローション使って、と」  
 此処で漸く小道具の出番がやって来る。シロナの拡張具合と張り型の太さを相談すると挿入するのは難しい所だが、それも他の道具のアシストあれば可能となる。準備が良いダイゴはその辺りも抜かりが無い。  
 一番太い部分が入り口さえ通過すれば問題無いので、何処からか取り出した乳液をバイブとシロナの尻に入念に塗り込んで滑りを増してやる。準備完了だ。  
「お待たせした。きっちり咥え込むんだよ」  
「あ、ああ……ま、待って! ちょっと待っ……ひぃううぅううう!!」  
 挿入に際し、一度シロナの鼻先に突っ込む張り型を突き付けてその大きさを認識させるダイゴ。視界に飛び込むグロテスクな形状に恐怖を覚えたシロナは怯えた声で猶予申請する。咥え込む覚悟なんぞは全く決まっていなかった。  
 しかし、ダイゴはそれを無視した。そんな戯言を一々聞いていられないと、張り型の先端をシロナの後ろの穴に宛がうと力を込める。  
 ぬるっとした感触と僅かな引っ掛かりを手に感じ、ダイゴがバイブを更に奥へと突き出すと、シロナは切ない悲鳴を上げてそれを飲み込んだ。  
「んで、スイッチオンってな」  
「ぁ、がっ!? かっ、はっ、ぁひいんん!!」  
 間髪居れずにダイゴがバイブの電源を入れる。強さはシロナの事をお構い無しに最初から強。MAXで無い辺りがダイゴなりの慈悲だろうが、それでも尻穴調教が初めてのシロナにとってその強度は過酷だった。  
 腰に響く振動にシロナはシーツを掻き毟り、体を左右にくねらせる。  
「今迄に無い反応。気に入ったのかい?」  
「違っ! くっ……し、振動が……! く、くすぐったくって凄い変な感じが……!」  
 そんなシロナの反応をダイゴは顔色一つ変えずに只管冷静に眺め、抑揚の無い落ち着いた口調で問うた。  
 黙っていても脂汗が浮かび、歯の根が噛み合わずにガチガチと音を立てる。シロナにはそう答えるのが精一杯だった。  
「上手い言葉は浮かばんけどまあ、慣れろ」  
「ひゃうっ!!」  
 冷たくそう言ってダイゴはシロナの腹下に腕を入れて腰を浮かせた。そうして、鈍く唸りを上げる電動コケシの根元を引っ掴んで穴から抜ける寸前迄引張る。  
 排便と似た感覚がシロナを襲って甲高い声が喉を通過する。  
「んじゃま、往くかね」  
「んひっ!? ぉっ! おほおおおおおおおおおおっ!!」  
 仕置きの本番はこれからだ。ダイゴはバイブを強く握り、腕でシロナの腰が逃げないように固定すると凄まじい速度でそれを出し入れし始めた。  
 疣付きの張り型が穴の淵を通過する度、体に電気が奔る様だった。ダイゴの超速ピストンに我を忘れた様にシロナは仰け反り、天井に向かって顔を上げて吼えた。  
「それそれ♪」  
「おっ! んおっ! おおおんんんん!!」  
 ダイゴは嗜虐的な笑みを浮かべ、残像が見える速度で只管ピストンする。シロナが感じている事は明らかで、回数を増やす度に彼女の割れ目からは透明な飛沫が噴出してシーツに染みを作っていく。  
 腰をホールドされて逃げられないシロナはダイゴの仕置きを甘受する事しか出来ない。目を見開いて涙を零れさせ、だらしなく舌と涎を垂らして獣の如くよがり狂う。形振り構わない感じ方だった。  
 
「おーい? お前さん、猫なんだろ? もっと可愛く鳴いて欲しいね。それじゃ只のケダモノだよ」  
「ふ、ふっ、ふう……ふうう……そんにゃ、ころ、言っらっへぇ……」  
 取り合えず百回程シェイクして、ダイゴはシロナの腰から腕を放すと、シロナは支えを失った様にベッドに倒れ込む。その体は不随意的に痙攣していた。  
 冷徹なダイゴの言葉に回らない呂律で答えるシロナの顔は完全に蕩けていて、何ともそそる女の表情だった。  
「難しいって? ……そうだなあ。猫らしく可愛く鳴けたらもっと気持ち良くしてあげるけど?」  
「も、もっと?」  
 ダイゴとしてはもっとシロナの身体で遊びたい所。だが、喘ぎに品の無い女は好かないダイゴは譲歩してやる事にした。そもそも最初はそう言うプレイだった筈なのでシロナにも華を持たせてやろうと思ったのかも知れない。  
 その言葉にシロナは明確に反応し、肉欲と期待の入り混じる濁った瞳をダイゴに向ける。  
「ああ。未知の領域に連れて行ってあげるよ」  
「お、お尻……もう、苛めない? それなら……」  
 ダイゴはシロナに対しやりたい事が山程ある。挿入前にこれだけ出来上がっているのなら、今回は難易度の高い目交いに挑戦しても良いと考えている。だが、それを成すにはシロナ自身が心を開いてくれないと無理だった。  
 ダイゴの言葉に対するシロナの考えはこれ以上の尻穴調教は勘弁して欲しいと言う事。それ以外だったら何だってやってやると思っている辺り、本当に恥かしかったらしい。  
 しかし、彼女にとって頭に涌いたその考えこそが更なる肉欲の地獄への切符だと言う事が本人には気付けない。  
「ああ。ちゃんと雌マ○コの奥を開発してやるさ」  
「(ごくり)」  
――にやり  
 意図した訳では無いが、結果的に誘導に成功したダイゴは雄の優位性を示威する様にジッパーを下げてエレクトした自分の一物をシロナの目の前に晒した。  
 生唾を飲み込むと同時にトロンとした顔になったシロナは雌としての自分の今の立場を示す様に四つん這いのままダイゴに尻を向けた。  
「わ、判ったにゃん……ご、ご主人様のぶっといチ○ポでシロニャのスケベマ○コをズボズボお仕置きして欲しいにゃん……♪」  
 そうして既に洪水状態になっている自分の女に指を這わす。ビラビラを開いて恥かしい部分を丸出しにすると溜まっていた粘度の高い果汁がベッドへボタボタと滴り落ちる。  
 シロナは本当に畜生に堕した様に、ダイゴを明確に誘う言葉を口にして尻をふりふりと振った。  
「……媚びろとは言ってないが、まあ上出来か」  
 それを見聞きしてダイゴは若干萎えた。其処迄やれと言った覚えはない。  
って言うかご主人様って何だ。シロナに飼われたい欲望があるかどうかは知りたくも無いが、少なくともダイゴに女を飼う趣味は無い。  
 だがしかし。シロナ自身にそれを言わせたという事はこれ以上先延ばしにしても何も変わらない事の証でもある。ダイゴはとっとと先に進む事にする。  
 一応、尻穴弄りは今回は仕舞いなので、バイブのスイッチだけはオフにしてやった。  
 
「貴様には並のお触りでは生温い。お触り王の力、その身にしかと刻み付けるが良い!」  
 気合を入れる様に両腕をグルグル回し、首をゴキゴキ鳴らす。  
 準備が整ったダイゴはシロナの下腹部に手を伸ばす。  
「にゃあっ!? や、やあん! いやんん……♪」  
「ふふ。相変わらず立派なクリチ○ポだね。よーく育ってるみたいだ」  
 ダイゴの指が触れたのはシロナの弱点である肉豆。  
 去年の別れの後の電話でダイゴがシロナに告げた要件。次に逢う時迄毎日欠かさずクリトリスでオナニーする事。  
 最初は戸惑ったシロナだったが彼女は律義にその言い付けを守り、結果としてそれがシロナのクリトリスを立派に成長させた。  
 ダイゴ好みに育ったクリ豆は此処一ヶ月で彼自身の手によって好き放題弄られて親指の爪程の大きさになってしまい、勃起状態ではフードの役割を果たす胞皮から完全に捲りあがっている始末だった。  
 そんな大きな弱点に指の腹でも触れようものなら、それはシロナにとって甚大な被害を齎す。自然と媚びる様な甘い声が喉を通過して、もっともっとと体が快感を強請るのだ。  
腰が勝手に動いてダイゴの指と其処が触れ合う摩擦を大きくする。  
「だけど、こいつの出番は来ない。今は……」  
 当然、ダイゴはそれ位承知だ。弄り倒したい気分に駆られるが今はそれよりも優先する事がある。ダイゴは狙い澄まし自慢のハガネールをシロナのパルシェンに宛がって……  
――じゅぷん!  
「こいつのターンってな」  
 根元付近が埋まる程一気に撃ち貫いた。  
「ふみゃああああああああっ♪」  
 大質量の肉の楔がシロナの陰道を埋めた。その圧迫と最奥に到達した際の内臓に響く衝撃にシロナは玉の涙を零し、実に嬉しそうな猫っぽい喘ぎを漏らした。  
「ご、ご主人しゃまの、は、挿入っれきらにゃあ……♪」  
「相当、欲しがってたみたいだ。膣内の様子で判るよ」  
 此処最近はシロナが頻繁にお世話になっているダイゴの御神木。膣自体がその太さや大きさを憶えてしまっている様に熱烈な歓迎を行う。  
 奥へ奥へと誘うシロナの媚肉の感触はダイゴにとっても馴染み深い物だが、その程度でダイゴの鉄壁の装甲は揺るがない。  
「はいっ! はいぃ……! オチ○ポ様素敵ですにゃぁんんぅ……♪」  
「? ……そいつが演技じゃない事を願うよ」  
 突っ込まれてシロナが歓喜しているのは明白だが、些か過剰に演技している気がしてダイゴが訝しむ。猫っぽく振舞うのも良いが、気持ち良い振りをされているとしたら堪らない。深い詮索はしなかったが、ダイゴは何か違和感を覚えた。  
 
「さて、今回はこの先を目指さないとなあ」  
「ふにゅ?」  
 今回の目的は何時もの様にズッコンバッコンする事とは趣が異なる。  
 ダイゴ自身、やり方は知っているが自力でそれに至った事が無いので先行きが些か不透明だ。思案するダイゴに幾許かの不安を感じたシロナはダイゴのハガネールを咀嚼しながらその顔を覗き見た。  
「ちょいと無茶する事になるから先に謝っておくよ。ゴメンね、シロナ」  
「んっ……っ……? ……♪」  
 決心した様に頷き、ダイゴがシロナの唇に軽くキスを見舞う。  
 無茶をすると言っているが、ダイゴが何をしたいのか判らないのでシロナの中の不安は増幅される。でもまあ、さっきの様に尻を苛められない限りは大丈夫だろうと勝手に納得してダイゴの薄い唇を強く吸った。  
「動ける? 机迄移動するよ」  
「ご主じ……ダイゴ? 何、する気?」  
「今に判るよ」  
 キスを終えたダイゴは一物をシロナの中に埋めたままそう言う。益々訳が判らないシロナは正気に戻ってダイゴに聞き返すが、結局彼はそれだけ言ってニヤリと笑うだけだった。  
 
「そう。其処に手を付いて……もう少し腰を上げてね」  
「もう少し……んっ! こ、こう、かなっ?」  
 寝室の入り口脇に置かれている粗末な作業机。シロナはその角に両手を付き、立ちバックの状態でダイゴを咥え込んでいる。ダイゴは挿入の角度を気にしている様に何度かシロナに腰の位置の修正を求める。  
「待て待て……おっけ! どんぴしゃ! 後は……こっちで……っ」  
「へっ? へっ!? 何? 何なの!?」  
 そうして、それを繰り返す裡、ベストな角度を見つけてシロナにその位置の固定を促して一物をシロナの中で動かし始める。  
 後は任せろと言われても何をやっているか判らない状態で落ち着ける筈もない。シロナは再び大きくなる不安を振り払う様に後ろのダイゴに声を掛ける。  
「焦らずに……ゆっくり……っ! せーの、西・日・暮里♂!」  
「ぅあ――」  
 シロナが不安なのも判るが、ダイゴも集中力を切らす訳にはいかなかった。だから、それには答えずに代わりにフェアリーエクスプレスをシロナの奥の奥へと埋没させる。  
 そうして、シロナは自分で最奥だと思っていた場所よりも更に深い所に侵入ってくるモノの存在を感じ、少し呻いた。  
「よっしゃ! 抜けた!」  
 細くて狭いゴムの輪っかを抜けた感触が亀頭部分に伝わって来た。  
 それがウイニングラン到達の証の様に感じられ、ダイゴは柄にも無く嬉しそうな声を上げた。  
「――あ、あ……? こ、れ……ひょっとして……?」  
「ご明察」  
 対して、シロナは不思議な感覚の中に居た。ダイゴの一物から感じられる圧迫感や熱はそのままなのに、何と言うか心にあった隙間が暖かく満たされている様な妙な充足感や安心感が沸々と胸の中に湧いている。  
 その正体について何と無くシロナは察しが付いていたが、どうにも怖くてそれを確かめられない。現状を確認しようとしないシロナに現実を見せてやる為にダイゴはシロナの掌を下腹部へ導いてやった。  
「う、そ」  
「信じられないって? まあ、普通はそうだよね」  
 掌に触れたのがダイゴの先端である事がシロナには直ぐに判った。恐る恐る視線を下げると、臍の下がぽっこりとダイゴの形に膨らんでいた。  
 ダイゴはシロナの項にキスを落としながら穏やかにそう零していた。  
「え、と……あの」  
「こいつが今の処、僕が君に示せる最大の誠意だ。上手く行くか不安だったけど、実際上手く行って良かったよ」  
 何か目の前の事態が現実離れしていてどうにも頭が働かない。これで痛みの一つでもあれば状況認識が容易いのだが、それすらない。唯、胸一杯の安らぎがあるだけだ。  
 ダイゴの言葉に偽りは無い。彼が習得している技術の中で最大級の難度を誇るのがこの子宮姦だ。角度調整以前の問題にメンタルの面でお互いが深く噛み合っていなければ到達が不可能な性行の一種の極地。  
 今迄、ダイゴにはそう言った相手が居なかったのでずっと試す事すら出来なかったが、シロナと言うパートナーを得てやっと今宵成功を収めた。  
相手がエクスタシーを得ている状態では子宮が硬くなって逆に到達が難しくなるのだが、それすら撥ね退けられたのは二人の相性が抜群に良いからなのかも知れなかった。  
※現実に実行可能かは問題じゃありません。(作者)  
 
「来てる、のね? ダイゴが……あたしの赤ちゃんの部屋に」  
「ああ」  
 本来入ってはいけない場所。だが、それすらも動員し文字通り全身を使ってダイゴを受け入れられた事がシロナには何よりも嬉しい。受け入れるのが女の悦びと言うのであれば、確かにこれ以上の到達点は無かった。  
「……じゃあ、始めようか」  
「うん………………は?」  
 シロナに残された最後の布地を取り払う為にダイゴはブラのホックを外しながらシロナに戦闘開始を告げる。ブラジャーは直ぐに外れ、猫耳と尻尾以外、完全にシロナは全裸になった。  
 シロナはその言葉に反射的に頷いてしまった。そうして二秒程の沈黙を経て慌てて聞き返した。  
「いや、嵌めて終りじゃないっしょ? 僕は未だ一発たりとも発射してない。だから付き合ってよ」  
「あ、や、いやいやそうだけど! こ、この状態で!?」  
 当然の成り行きとして、ダイゴはシロナの子宮を用いて射精を行う腹積もりだ。無論、シロナだってそれが判っているが、未知の経験が連続し過ぎてどうにも気後れしてしまっている様だ。  
「何の為に此処迄来たのさ。大丈夫。丁重に扱うから安心して未知のエリアに旅立ってくれ」  
「大丈夫って何が……っ、ふひゃああああああああああああ!?!?」  
 そして、此処で中断されては生殺しなのでダイゴは適当に言葉を紡いで腰をゆっくりと慎重に動かし始める。  
 其処から生み出された言葉に出来ない強烈な快楽に言葉の途中でシロナは涙交じりの悲鳴を上げた。  
「おうっ!? こいつは激しい……!」  
 幹を扱き上げるマン肉と雁首を締め上げる子宮口の相乗効果はダイゴを以ってしても抗い難いものであるらしい。露骨に左右に振られた着地皿が連続する様で、ケツプリするなって方が無理って言える程の身体が嫌がる厭らし過ぎる配置。  
 だからダイゴは動きを止めざるを得なかった。  
「な、にっ……にゃにこれ凄ぉいいいいっっ!! ふごいっ!! ふごいぃぃ!!!」  
 それ以上に悲惨なのがシロナの有様で、ダイゴが軽く動かすたびに脳裏にバチバチと火花が散って見える様な有り得ない気持ち良さに、まるで一鍵ビームを喰らった様にゲージの殆どが吹っ飛んだ。  
「何って……ウテルスだろ? ポルチオ超えてるって話だけど、与太話じゃなかったみたいだね」  
「知らない……こんらの知らにゃい……! こ、怖い……ダイゴ怖いよぅ……!」  
 男である以上女の快楽を理解出来ないダイゴだが、一般的な見識については理解がある。腹膜で得られる快楽が女性では最上と言われているが、子宮で得られるモノはシロナの様子を見る限り超えているのは間違い無い。  
 舌は回らず、思考は曖昧。蝕む快楽に意識は徐々に刈り取られ、最終的には呼吸も満足にすら出来ない。……そう言う劇薬にも似た快楽だ。体験している本人にとっては確実に地獄だろうが。  
 そのほんの入り口に立ってシロナは本能的な恐怖に怯える。処女喪失の時もこうやって怯えを見せたシロナだが、今回のこれは前回のそれとは微妙に異なる。  
 受け入れる事そのものへの恐怖と受け入れた後に生まれた物に対する恐怖の違い。歯を食いしばって耐えれば良いと言うモノでは無い。何故なら、生まれた物は確実にシロナ自身の一部だからだ。  
「恐れるな」  
「っ」  
 だから、ダイゴに言える言葉はたったそれだけ。励ます訳でも叱る訳でもない。自分の一部なら自分でどうにかするしかない。  
「唯、喰らい付け。そして、飲み干せ。それだけの事さ」  
「ダイゴ……」  
 どっち道、ダイゴが射精を果たす迄、シロナはそれに晒される事になる。避けられないなら、楽な道を行く方が良い。  
 そいつに流されず、逆に牙突き立てて、食い尽くしてやれば良い。今はこの状態を楽しめとダイゴは言いたいのかも知れない。シロナは何だかそれがダイゴからの挑戦状の様に感じられた。  
 
「よっこいせっと」  
「きひぃんんぅっ!! は、はっ……ぁ」  
 ダイゴはシロナの膝裏に手をやって刺さった一物を中心にシロナを持ち上げる。深かった挿入が尚深みを増してシロナの脳味噌にピンク色の霞を掛けた。  
 ダイゴが駅弁状態に移行したのはベッドに戻りたいからだろう。腰に結構負担が行くこの体位を苦も無くやってのけるとはダイゴは中々足腰が丈夫らしい。長年野山駆け回って石収集を続けて来た賜物なのかも知れない。  
「今回はコイツも動員するか。……シロナ」  
 その途中でダイゴはふと思い付いた。箪笥の横の姿見。折角だから今回は色々試してみようと行き当たりばったりに決めてみる。  
 シロナの身体を支えているので手が使えないダイゴはシロナに指示を出して姿見を引っ張り出させ、その角度を調節させる。  
「っ……っ……これで、良いの?」  
「ああ。ご苦労さん」  
 深い挿入状態で今は体を少しでも動かす度に絶頂しそうになるシロナにとってそれは中々の重労働だった。  
 手が震えて上手く掴む事すら難しかったが、何とかそれでもダイゴの注文を捌く事が出来た。そんなシロナの労苦を知ってか、ダイゴはシロナを言葉で労ってやった。  
 
「良く見えるな。繋がってる箇所がさ。君はどう思う?」  
「……最低よ。でも……でも、気持ち良い……!」  
 ベッド脇に腰掛けて、繋がっている自分達の姿を鏡に映す。  
 汗の膜に覆われ、全身を真っ赤に染めて、自分の一番深い場所で男の竿を食い占め、顔に歓喜の涙を伝わせる浅ましい牝が一匹。  
 そんな女を穿ち、喘がせ、泣かせて鳴かせて玩んで、一番深い場所に到達出来て、安っぽい征服感に酔っている馬鹿な牡が一匹。計二匹の獣が互いの肝を抉り合い、悦に浸っていた。  
 鏡でも使わない限り、情事の最中の全身像を正しく把握するのは難しい。だが、それを見てしまえば羞恥心が湧くのも自然な事だろう。実際、男であるダイゴだって実は恥かしい。シロナもまたそれは同じだった。  
 だが、最後にシロナは実に悔しげに涙の筋を張り付かせながらそう呟いた。もっともひくい気分に関わらず、其処に快楽を見てしまっているシロナはもうダイゴと言う男から離れられない運命なのかも知れない。  
「なら良い。……動くのは君に任せよう。僕は弄りに徹するからさ」  
「きゃあ……! っ、まさか……あたしを試してるの?」  
 自分の状態を正しく認識しているならば、ダイゴに言う事は無い。漸くお触りの時間がやってきた事を喜びつつ、後はシロナに任せる事にした。  
 乳に食い込む指の感触に甘い痺れを感じながら、シロナは此処に至って攻め手を放棄するダイゴの真意を測りかねているみたいだった。  
「さあ? 君なら判るんじゃないの? 僕の考え位は」  
「! ……嘗めないで! あたしは……!」  
 何時もの如くダイゴは正解を杳として語らない。案外、疲れたから休憩しているだけなのかも知れないが、そんな無駄に意味深に言われれば、大抵の人間は深く考えてしまう。  
 少なくともシロナには、さっき快楽に恐怖した自分に対し、それに自分の意思で挑んでみろとダイゴが嘲笑っている様に感じられた様だった。  
 だからシロナは決意した様にキッとダイゴを一度睨むと、目をギュッと閉じて子宮で竿の先端を扱く様にゆっくりとだが着実に腰を上下させた。  
「ぐうっ! ぐっ……」  
「ふっ……きひいぃ……! ァ、アンタをっ、気持ち良くする位! 訳無いんだからあ!!」  
 ずっと受身だったシロナが初めて見せた積極攻勢。高密度の虹色の滝が絶え間なく降ってくる様でそれにゲージを喰われ掛けたダイゴだったが、ジェットスティックを恐れない乱打打ちで何とかそれを凌いだ。  
「フッ、ならやってみな。……俺の本気を引き出して見ろ!」  
「上、等っ……! 絶対溺れさせてやるんだから……!」  
 何時も好きにされっぱなしと言うのは嫌だ。だから今回はあたしがダイゴを気持ち良くしてやる。  
 それが今のシロナの行動原理であるが、何と無くそれが果し合いの様に映ったダイゴはシロナを挑発するみたいに言うとシロナもそれをその通りに受け取ったのだろう。  
 絶えず浅い絶頂が襲う様で、気を抜けば腰が勝手に動く状況ではあるがそれでもシロナは理性をすり減らしながら今夜得た女の最終兵器を使い、ダイゴの装甲を削っていった。  
 
「その意気や良しってね。でも、君にはデリケートな場所だ。乱暴にはするなよ?」  
「知った、こっちゃ……ないっ! ……わよぉ♪」  
 子供を孕む宮だから子宮。本来、性行で使う様な場所では無いが、使ってしまったのなら出来るだけ其処に負担を与えない様に使ってやるのが吉だろう。乳を鷲掴み、捏ね回しながら言う言葉では無いがそれでもだ。  
 何かあってからでは責任取るのが難しいからこそのダイゴの言葉だが、シロナ本人はそんな事情はブッチ無視だ。何が何でもダイゴに勝ちたいシロナの女の執念と言う奴かも知れなかった。  
「ううっ!? や、やるねえシロナ……っ」  
「んふっ……ふふっ♪ そう、でしょ? 偶には勝たせなさいよ……んっ♪」  
 普段から最中はダイゴ任せである事が多いシロナが積極的に腰を振って攻め立てると言うのはダイゴにとっては馴染みのない光景である。  
 必死になって快楽を共有して、気持ち良くしようとするシロナの熱意には思わず絆されそうになるダイゴ。装甲には自信がある彼であっても心に訴える様な真摯な攻撃には強いとは言えない。実際、彼の耐久ゲージは絶賛低下中だった。  
 自分を褒める様な呻き混じりのダイゴの言葉にシロナは途端に嬉しくなった。今迄はダイゴ主体だったので自分が彼に快楽を与えていると言う実感は得難かったが、今回はそれを明確に感じている。  
 シロナは快楽で思考を馬鹿に染めつつも頑張って腰を振った。このままダイゴを絶頂に導き、もっともっと褒めて欲しい。……そんな甘い夢を見ている様だった。  
「え? だーめ♪」  
「にゃっ!? ふみゃあああああああああああ――っ!!!」  
 しかしながら、現実は常に非情だ。ダイゴがにっこり笑うと同時、突然意図しないタイミングで強い突き上げを喰らったシロナは再び猫っぽい声を上げて悶絶する。今しがた頭に描いた妄想も一瞬で掻き消えた。  
「そう……ぅ、簡単に……っっ、譲りたくないんだなあ。……男としてさ」  
「やあああぁああぁ!! 意地悪! イジワルぅ!! なんれ動くのようっ!!」  
 弄りに徹すると言って置きながら、その言葉を守らないダイゴを非難する様に鳴きながら劈く声で喚くシロナ。イジワル過ぎるダイゴの腰の動きに強制的に絶頂させられた。  
「おっと、失敬。つい、ね。もっと気張るから許してよ。……ね?」  
「いやあああんんん!! ぐちゅんこぐちゅんこらめええええええっ!!!」  
 男の安いプライドがそうさせた。そんな事言っても女であるシロナがそれを理解出来ると思わないダイゴは言葉の代わりに行動で示す事にした。  
 天辺に昇ってこれ以上行き場がないのに更にダイゴが腰を打ち付けるものだから、シロナは天井に頭にぶつけている状態なっている。  
 今の絶頂が下から迫る新たな絶頂に上塗りされる。幾らシロナでもこんな発狂譜面に身体と脳味噌が付いて行ける筈もなかった。  
「くううう……っ! こりゃ長くないなあ……!」  
「壊れ……あらひ壊れひゃうううんんん!! ゆるひて……もっ、ゆるひ……!」  
 発狂状態に身を置いているのはダイゴも一緒。ゲージが輝きを失い、代わりに下腹部に溜まっているマグマが開放先を求めて暴れ出した。  
 速度を徐々に増す串刺しストロークにとうとうシロナは許しを懇願する。涙と鼻水と涎を垂れ流し、嗄れそうな声で必死に訴える。それでもシロナの女はダイゴの一物に尚も牙を突き立てて、一番深い部分で精を飲もうと咀嚼する事を止めない。  
「おいおい、違うだろ。終わらせたいなら……んつっ! 僕を搾り取ってからだね」  
「ひくっ!? っ――」  
 思考と体がバラバラの非常にヤバイ状態にシロナは居るが、ダイゴだって止まる事は出来ない。男の絶頂が吐き出すモノである以上、それが成される迄止める気持ちはこれっぽちもない。許す許さないの問題でも無い。  
 そうしていると、突然シロナの頭がカクンと落ちた。電源が落ちたみたいに一切の動作が無くなり、体をダイゴに預けて動かなくなった。  
 
「え? なっ――」  
 そいつが異常事態に感じられたダイゴも中断を余儀無くされた。  
まさか、落ちた? そんな馬鹿な。異常興奮による脳貧血だろうか。現状が不明瞭なのでダイゴは下を向いて動かないシロナに呼び掛ける。  
「シロナ?」  
 声を掛けても反応は無い。仕方無しに頬をぺしぺしと張ってやるが、それでもシロナは沈黙したままだった。  
 おいおい、本当に大丈夫なのか? 自分がそうした癖に反省している素振りは微塵も見せず、緊張感が感じられない言葉を脳内で呟く。  
「――ハア」  
 そうして一分程待っていると、シロナは突然顔を上げて辺りを見回す様に眺めてゆっくりと息を吐いた。  
「あ、気付いた?」  
「――」  
 シロナに何が起きたのかダイゴには想像も付かないが、失神を通り越して本当に未知のエリアに渡っていたとしたら大変だ。後背座位では顔が見えないのでダイゴは無理矢理シロナの顔を後ろに向かせる。  
 忘とした表情で瞳にも生気が無かったが、それも一瞬の事だった。ダイゴの顔を瞳に収めた途端、シロナは破顔し、嬉しそうにダイゴの裸の上半身に体を擦り付ける。  
 
「ご、ごしゅりんしゃまあ……♪」  
 
 ……こんな言葉を吐きながら。  
「――あ?」  
 今度はダイゴが混乱する番だった。その表情を見た時、最初別人だと思った。声色も纏う空気もダイゴの知っているシロナのそれではなかった。普通じゃない輝きを放っている彼女の金の瞳を見ているとそれに吸い寄せられる気分になってくる。  
 男を誘う魔性が憑いている様な淫靡で扇情的な空気がダイゴの肌に不快感と共に纏わり付く。それでも、嬉しそうに笑うシロナの顔は本当に綺麗で、魅了されそうになっている自分に気付いてその誘惑を振り払う。  
 ……やべ。本当に壊しちまったか? ……否、違う。きっと変なスイッチが入っただけだろう。ダイゴはそう思う事にした。思わなければ頭が変になりそうだった。  
「ん〜♪」  
「んぬっ!?」  
 彼是考えているとシロナに先制攻撃を許してしまった。ぶちゅっと言う擬音と共に深く深くキスされた。  
「んふぅ……っちゅ、ちゅう、くちゅ、ぷちゅ……あふうう……♪」  
「〜〜っ!! ……っ! ぶはっ! はあ、はあ〜……な、何ぃ?」  
 こんなに激しい奴も出来たのかとダイゴが驚く様なキスだった。ぐっちゃぐっちゃと舌で口腔を掻き回されて、生気や魂やらを吸い取る様に口を犯して来る。  
 鼻で息をした所で酸素は全く足りず、視界が霞み始めて拙いと気付いたダイゴは何とかシロナから逃れる事が出来た。涎だらけの口元を拭う気すら起こらない。  
 一体全体どうなってる? まさか欲動(イド)の発露と言う奴なのだろうか。ダイゴには判らない。  
「ご主人様☆」  
「ううっ」  
 ダイゴの混乱は他所に、変な方向に覚醒したシロニャさんは本来の仕事を思い出した様に激しく腰を振り始める。先端の敏感な場所が子宮口のリングに引っ掛かり、痛みにも似た刺激を与えて来て、ダイゴが呻きを漏らした。  
「シロニャのスケベ子宮……ひもちいいれふかぁ……?」  
「えっ……ぁ、ああ。も、勿論。実はもう逝っちまいそうだよ」  
 艶の乗った媚びた台詞を垂れ流し、シロナは実に活き活きとした顔でダイゴの竿を扱き立てた。  
 これが普段のダイゴなら『媚びた女は好かん』(`・ω・´)キリッ……とか言う台詞を吐いてシロナを跳ね飛ばすんだろうが、今のダイゴはシロナの発する空気に飲まれているのか、自分の思っている事を素直に喋ってしまう。  
「やあん……やぁん♪ 特濃チ○ポザーメンごっくんしたらシロニャ、赤ちゃん出来ちゃいましゅにゃんん……♪」  
「えと、げふん! ……どうだろう? でも、君は飲みたいんだろう? 腰が動いてるぞ?」  
 自分が妊娠した姿を想像して興奮しているのだろうか。顔を手で覆って恥かしそうにいやいやするシロナはどうみてもそれに嫌悪感を持っている風には見えない。それ所か目ににハートマークを浮かべている。  
 少し落ち着いたダイゴは咳払いすると冷静に突っ込みを入れる。今迄生で何度と無く種付けを行ってきたが、妊娠の兆候すら確認されていない。  
 そりゃあ、子宮に直に種付けを行えばそうなる確率が上がるのだろうが、少なくともダイゴはそう簡単にいかない事を理解している様だった。  
 それよりも重要なのは上下左右複雑にグラインドしているシロナの腰の方で、もう子宮で咥え込んでいるにも関わらずそんな動きをするものだから幹の部分が痛みを訴えていた。  
 
「はい♪ はいぃ♪ ご主人様の高貴なザーメンっ、シロニャの下賎なケダモノマ○コにお恵みくらひゃい……♪」  
「そんな事言うなよ。君は僕の今のパートナーなんだからさ」  
 シロナは自分を貶す言葉を吐いて、体を熱くしている様だ。『残念な美人』……今のシロナを表現するにはこれ以上ピッタリな言葉はダイゴの頭に思い浮かばない。  
(……こいつ、Mか?)  
 少しだけシロナの本性を見た気がしたダイゴだったが、別に詰ってやる気は起こらない。  
 寧ろ、そんな風に自分を卑下して欲しくないダイゴは逆に優しい言葉を送ってやった。  
 そんなのはSに成り切れない屁垂れの言い訳だと考える奴も居るかもだが、シロナ相手に酷い言葉を掛けたくないと言うダイゴのなりの優しさでもある。甘さ、と言っても良いかも知れない。  
「ありっ、ありがとうっ、ごらいまふっ! シロニャ感激してまた逝っぢゃいまっず!!」  
「うおおっと!? ……くっあ」  
 だが実際、その言葉が嬉しかったのか、シロナは絶頂を誘発され、涙を零しながら仰け反ってダイゴのジュニアを再起不能にする様な強さで抱き締める。  
 もうこの時点でダイゴのゲージは空っぽになり、閉店迄の秒読みが開始された。  
「もっ、無理だ。注ぐからな? で、でもその前に……」  
「ふえぇ? ……あは♪」  
 このまま果てるのは勿体無い。今回はやりたい事を最後迄やると誓ったダイゴは尻の穴に力を込め、唇を噛んで僅かの延命を図る。  
 絶頂後の脱力状態で半分放心していたシロナはダイゴがまた何処かから引張ってきた最後の小道具を見て愉快そうに笑った。  
「一回、やってみたかったんだよな。今日の記念って事で、記録しておこう」  
「写真……ご主人様とあたしの愛の証を残すんですね♪」  
 ダイゴが手にしているのはデジカメだった。  
 ダイゴのポケナビ、シロナのポケッチに写真機能は付いていない。まあ、若し付いていたとしても、どうせならちゃんとしたカメラで思い出は残したいモノだろう。例えそれがハメ撮りと言う生臭いモノだとしても。  
 こう言う場面に於いて、彼の物持ちの良さと周到さは本当に侮れないモノだった。  
「簡単に言えば。んじゃ、往くぜっ!」  
「あっ! ああっ♪ ご主人さまああああんんんっ!!」  
 もう話している時間すら惜しかった。蟠る欲望を解放する為にシロナに悪いとは思いつつも乱暴に腰を叩き付けて、射精へのボルテージを高める。その激しい腰使いにダイゴの雄々しさを垣間見させられたシロナは歓喜の表情で咽び泣いた。  
「シロナ……っ! 良いかい?」  
「はいっ! 来てぇ!! シロニャにいっぱいびゅーびゅーしれぇ!!!」  
 顔と口には出さないがダイゴも結構な苦境に立っている。もう自分とシロナの境が曖昧で、一物の先端部はシロナに食まれて感覚が殆ど無かった。  
 だが、その苦労も此処迄だとシロナに種付け宣言すると、シロナもとっくに準備完了と言った具合に叫び返した。  
「それじゃあ遠慮無くっ!」  
「シロニャを腹ボテのブニャットにしてええええっっ!!!!」  
 これだけ頑張ったのだから子宮を直接耕すのも吝かじゃない。若し、本当に妊娠したのなら覚悟を決めれば良い。  
 ダイゴはシロナに射精したかったし、シロナだってダイゴに射精して欲しかった。二人は自分の欲望に素直に従う事にした。  
「つお! ……ぅ、く……ぐっ」  
「はにゃあああああああああんんんんんんんっっっ――――!!!!!!」  
――ぶびゅっ! びちゃびちゃ……  
 
ダイゴのアイアンヘッド! 急所に当たった! シロナは小便漏らして倒れた!  
 
「は、あっ、っ! し、シロナ! さあ!」  
「あー……あはあ……ぁ、あへえ……☆」  
 尿道を伝うダイゴの白い血液がシロナの最奥へ灼熱感と共に溜まっていく。子種を撒き散らしながらデジカメを構えて、姿見に映る自分達をフレームイン。  
 絶頂の快楽に意識を半分落としながらも、シロナは何とか自分の姿を綺麗に残したいと思ったのだろう。黄金水を迸らせながら、両手でピースし、だらしなく弛緩した表情を何とか笑顔に変える。そうして、ダイゴはシャッターを切った。  
 
「ふーっ、ふうー……ふっ……っ、どうかな」  
「ひれいに、撮れてまふかあ?」  
 蟠っていた相当量の溶岩を放出し切ったダイゴは荒い息を吐き、疲労を顔に滲ませる。シロナの子宮内膜に亀頭を使って直接精液を塗り込みながら、たった今撮った写真を確認する。シロナも出来が気になるのかフラフラしながらデジカメに顔を寄せる。  
「……ひゅう。ちょっと表情硬いけど、これはこれで……(ごくり)」  
 映し出された写真を見て生唾を飲む。  
 意図せずに撮れてしまった決定的瞬間。俗に言うアヘ顔ダブルピース+放尿シーン。  
 しかもそれをやってるのがシロナ程の美人だと言うのだから、胸も下半身も熱くなって当然だ。アヘ顔と言うより、寧ろトロ顔と言っても良いそのシロナの表情にはダイゴも思わず目が眩みそうだった。  
「あ、ぁ……もう、らめぇ……」  
「あ、また!?」  
 ダイゴはその写真をシロナに見せようとしたが、その直前で彼女は力尽きた。先程と同様に力を無くして、ダイゴの一物を腹に収めたままベッドに倒れそうになるが、ダイゴが体を支えてやったのでそれは回避された。  
「馬鹿に……あらひのオマ○ゴ……馬鹿にらっちゃっらあ……♪」  
「お、おい!? しっかり!」  
 うわ言の様に呟いてシロナが落ちた。再び向こう側に渡ってしまったのだろう。今度こそ正気に戻って欲しいダイゴは反応を返さないシロナの肩を揺さ振り続けた。  
 
「――」  
「シロナ? 生きてるか?」  
 今度は二分位掛かったろうか。戻って来たシロナはむっくりと顔を上げて、今度は自分で顔をダイゴの方へ向ける。心配そうに覗き込むダイゴの顔を見た瞬間、シロナの目が見開かれる。  
「…………っ! くぬううううう〜〜っ!!!」  
 悔しげな唸り声を上げた次の瞬間。  
――ガブッ  
 シロナは支えるダイゴの二の腕に噛み付いた。  
「あ痛ててててっ!!? 噛むな! 噛むなってば!!」  
 血が出る様な事は無かったが、かなりの強さで噛み付かれた。そいつが痛かったダイゴはシロナを遠ざけようとするが、未だに下半身で繋がっているのでそれは無理だった。  
「アンタ……あたしに何したのよ……? あたしがあんな事口走る訳が……!」  
 噛み付き攻撃の後に待っていたのは恨み言だった。睨み付ける金色の視線が矢の様に刺さって来るが、そんな事を言われてもダイゴにはどうしようも無かった。  
「ええぇ〜〜!? それって僕の所為!? いや、どう考えても台本の所為だろ! 作者に文句を言ってくれよ!」  
「うっさい!! こんな辱めをよくも……アンタ、殺すわ! 殺してあたしも……!」  
 メタ臭い発言をして難を逃れようと試みるも火が点いた怒りを鎮火するには至らない。心中をほのめかす発言をしている辺り、今のシロナは本気なのかも知れない。  
 
「……出来るのかい? 唯の小娘に過ぎない君に」  
「そっ! ……そんなのはやってみなくちゃさ」  
 だが、生きるか死ぬかの瀬戸際に追いやられてダイゴだって黙っている訳にはいかない。頭から冷水を被った様に思考を冷静に研ぎ澄ますと、凍て付く視線を投げ付けながらシロナに問い掛ける。  
 急にクールダウンしたダイゴに怖気付いた様にシロナの言葉の後半は尻すぼみだった。  
「無理だな。って言うか、本当に心中して良いの? 君の好きなえっちな事が出来なくなっちゃうよ?」  
「!! そ、それは、困るわね//////」  
 その言葉を聞いて、シロナには絶対無理だとダイゴは確信した。もう脅威に感じる必要は無いので今のシロナにとって切実な部分を問い質すとシロナは顔を赤くして小さく呟いた。  
「はいはい。これでも見て機嫌直してよ。結構綺麗に撮れてるよ?」  
「〜〜////// さっさと消せ馬鹿ああああああっ//////」  
 ご機嫌取りにならないと知りながら、さっきの写真をシロナに見せるダイゴはかなり性格が悪い。  
 自分の恥かしい姿を目の当たりにしたシロナは両目に涙を溜めて大声で叫ぶ。しかし、ダイゴにそんなものが通じる筈も無かった。  
「厭だ。こいつは僕の家宝にするって今決めたよ」  
「ふ、ふええええええんんっ!! もうお嫁に行けない〜〜!! 全部アンタの所為よおう〜〜!! ダイゴの阿呆〜〜っ!!!」  
 写真に保護を掛けながら口走った台詞にシロナは憚らずにわんわんと泣き始める。  
 尻を採掘され、子宮に竿を突っ込まれて、アヘっている自分の姿を写真に撮られた。嫁に行けないと言うシロナの台詞も納得の鬼畜的所業。それを全部やったダイゴは極悪人の鑑だった。  
「煩いよ。元はと言えば君が誘って来た癖にさ」  
「うっさいうっさい!! アンタ責任取ってあたしと結婚しなさいよね!?」  
 耳にやかましいシロナの泣き声に流石のダイゴも付き合い切れなくなって来た。全てを自分の所為にして欲しくないダイゴは眼輪筋をヒクヒクさせて努めて落ち着いた口調で話すが、シロナには全く効果が無い。  
 仕舞いにはとんでもない台詞が飛び出すが、それを受け取る余裕は残念ながらダイゴには無い。  
――ピキッ  
「〜〜〜〜っだあああああ!! これ以上駄々捏ねんじゃねよ雌猫ぉっ!!!」  
「はううううんんん!!?」  
 困った時のダークサイド解放。シロナを無理矢理黙らせる為に刺さっていた一物を突き上げて子宮底をぶっ叩いてやった。それには流石のシロナも堪らず、喘ぎ声で言葉を中断するしかなかった。  
「今日の俺は絶好調だぜ? 黙らねえってんなら、台本無視してハメ倒してやる」  
「ちょっ! ……マヂで?」  
 シロナの顎を掴んで、鼻と鼻がぶつかる至近距離で恐ろしげな表情と声色でダイゴが囁いた。台本云々には突っ込まないが、未だ続きがあるのかと若干の期待を込めてシロナは聞き返した。  
「……フッ」  
「・・・」  
 ダイゴは答えず、鼻で笑っただけだった。  
『やだ……きゅんと来ちゃったわ』  
 その仕草がどうしてか、やたら男前に映ってシロナは胸と子宮をときめかせた。  
「…………優しく、してくれるなら//////」  
「はあ?」   
 我慢しても良い事は無いと気付いたシロナは条件を提示する。これ以上泣き言は言わないから、優しく抱いてくれと懇願する様な視線でダイゴを見た。  
 その思っても見ないシロナの言葉にダイゴは阿呆みたいに口を開けてポカンとしていた。  
「だから……続き……」  
「…………何だかんだで君も楽しんでるんだな。……良いよ。おいで」  
 もじもじとしたいじらしいシロナの態度にダイゴはダークサイドモードを強制終了させられた。流石にこんなシロナを組み伏して無理矢理犯すみたいな抱き方をするのはダイゴ自身も嫌だったからだ  
 今度は出来るだけ、普通の恋人同士の様に紳士的に頑張ろうとダイゴは決めた様だった。  
 
「うん。優しく、可愛がってね……?」  
 
 シロナによる涙を溜めた上目遣いでの可愛らしいおねだりの構図。  
「っ! ……そう、だね」  
 ダイゴは不覚にもドキッとさせられた。それが下火なっていた性欲に油を注ぐみたいで、ダイゴの下半身に血が一気に巡り痛みを感じる程だった。  
『堪らねえZE!!』  
 心の中でそう叫びつつ、血涙流しながらガッツポーズ。石と戯れるのも悪くは無いが、所詮は無機物。今はそれよりも恋人であるシロナと遊びたい気分で一杯のダイゴだった。  
 
 
――数時間後  
「ふう〜〜! 良く働いたなあ、今日は」  
 額に浮かぶ汗を拭い、実にさわやかな笑顔を湛えるダイゴ。その白い歯が室内灯に照らされてキラリと光る。  
「で、未だするかい? もう一寸なら余裕あるけど」  
「・・・」  
 情事のパートナーであるシロナに呼び掛ける。彼女は割れ目から注がれた精液(凡そ四発分)を溢れさせ、ベッドに沈んだまま一言も答えない。  
「シロナ〜? ……ありゃ?」  
「・・・」  
 異常事態が頻発していたが流石にダイゴもおかしいと思った。急いで確認するとシロナは目を瞑った状態で完全に意識を失っていた。一応、息はしていて胸が上下に動いてはいるがそれだけだ。  
 返事が無い。只の屍の様だ。  
 両方の頬に刻まれた乾かない涙の痕が彼女の味わった快楽地獄を象徴するみたいでとても痛々しかった。  
「…………(汗)」  
 子宮を苛め過ぎた結果がこれだよ!   
 別に壊れる程激しく責め立てた訳じゃない。努めて冷静、且つ丁寧慎重に扱った積もりだ。でも、犯っている最中、何度か腕をタップされた記憶があるような無い様な……?  
 ダイゴは顔に冷や汗を張り付かせてどうする冪か考える。だが、現状をどうにかする妙案は浮かばなかった。  
「ま、いっか」  
 ダイゴはそれ以上考えない事に決めると後始末を開始する。シーツを引っぺがして、シロナの小便で汚れた床を拭き、使用した小道具を綺麗にして元の場所に戻した。  
 そして、疲れた体へのカンフル剤の様に冷蔵庫のビール缶を取り出し、それを飲むとさっさと寝てしまう事にした。その間、シロナは目覚めなかった。  
 
――翌日 ダイゴ宅 居間  
「「・・・」」  
 無言で二人が向き合っている。ダイゴは床に正座。シロナは椅子に座って冷ややかな目でダイゴの頭を見下ろしている。  
「で、さ」  
「ハイ。ナンデショウ」  
 ダイゴは恐ろしくてシロナの顔が見れなかった。ロボット宜しく機械的な受け答えでシロナの言葉をやり過ごそうとした。  
「凄くさ、腰が痛いのよね」  
「それは……僕の所為、かな。……あはは」  
 身に覚えが有り過ぎる! 愛想笑いでシロナの追求を逃れようとするも、次の瞬間には逆に追い詰められる。  
「何笑ってんのよ」  
「……スイマセン」  
 ほら、やっぱり来たよ。逃亡を許さないシロナの絶対零度の視線で全ての動きは停止する。事の渦中に居るダイゴは甘んじてそれを受けるしか無かった。  
「あたしにはアンタ以外に原因思い付かないけど? ……って言うか、途中でこれは拙いって思わなかった訳? 何度もタップした筈だけど」  
「それは知ってたけど、続ける冪かなって」  
 で、シロナ様のお小言。要約すれば、もうちょっと気を配れなかったのかって事らしい。それに対するダイゴさんの受け答えは以上。相手が悦んでいたので中断は出来なかった。  
「「・・・」」  
 金色と銀色の視線が交差する。どちらが悪いのか、正しいのか。シロナもダイゴも睨み合いを続けている裡に馬鹿らしくなって来た。  
 
「ま、良いわ」  
「え」  
 先に折れたのはシロナの方だった。意外な展開にダイゴも母音の一つを喉に通過させる。  
「だって、あたしの為に頑張ってくれたんでしょ? 愛そうとしての空回りなら、それは許せるかなって、さ//////」  
「……ほっ」  
 あれだけセクシャルに生臭い展開を経験しながら随分と寛大な処置だ。惚れた女の弱み? ……否、違う。ダイゴの性格や癖をある程度理解した上での選択だろう。  
 それに安心した様に溜め息を吐くダイゴ。……しかし。  
「でも!」  
「う」  
 ビシッと鼻先に人差し指を突き付けられて再びダイゴは迷妄に突き落とされた。  
 ……じゃあどないせえちゅうねん。  
「無茶した事に変わり無いんだから、今日は一日あたしの言う事聞きなさいよね」  
「そりゃあ仕方無いけど……腹を切れとか首を括れとかは流石に」  
 それを言われちゃあ何も言えない。ダイゴは素直にシロナの言葉に従う事にするが、限度はある。これ以外に誰かを始末しろとか、財布の限度を大きく超えた何かを寄越せとか言われても困る。今迄の恨み辛みが積み重なれば、それは在り得る事だった。  
「馬鹿! あたしがそんな酷い事ダイゴに言う訳無いでしょうに!」  
「まあ、そうだね。……じゃあ、僕は何をすれば?」  
 が、シロナは些か優し過ぎた。そんな無茶な要求は最初からする気すらない。シロナからのダイゴへの要求は実に簡単な事だった。  
「そんなの簡単よ。……デートに行こっ! ダーリン☆」  
「ええ〜? 腰、痛いんじゃなかったの?」  
 がばちょ。正座状態のダイゴの顔にシロナが自分の重たいおっぱいを密着させ、その呼吸を阻害するみたいに抱き付く。  
 こう言う展開には慣れっこなので、ダイゴは隙間を見つけて気道を確保すると冷静にそう言った。  
「気合で耐える。駄目ならダーリンに姫抱っこして貰うから平気」  
「……恥かしくない? それ」  
 腰が痛い事を承知でそれを強請るのはどう言う神経なんだろうか。その皺寄せが自分に回る事は容易に想像出来る。だが、シロナが自分の道を譲るとは到底思えなかった。  
「あたしは平気。ホウエンの人間じゃないから」  
「僕には羞恥プレイな内容だな、そいつは」  
 ……まあ、そうなったらなったで一興だ。やってやろうじゃねえか、糞っ垂れ。  
「ほらほら。喋ってないで連れて行く。勿論、ダイゴがリードするんだからね?」  
「判ったよ。はあ、判った。仰せの侭に、お嬢さん」  
「宜しい♪」  
 ダイゴは抗う事を諦めた。自分の腰の強度を信じてダイゴはシロナの申し出に頷く。すると、シロナは勝ち誇る様に顔に満面の笑みを浮かべた。  
 
――で、家から出て数歩の所  
「――たわばっ!?」  
「!」  
――ピキーン!  
 秘孔を突かれた様な声を上げてシロナが直立不動のまま固まる。何が起こったのか、ダイゴは知りたくなかった。  
「こ、腰が……ぁ」  
 ああ、やっぱり。随分と我侭なボディをお持ちでらっしゃる。ダイゴはさっさと帰りたい気分に駆られた。  
「早速、僕の出番な訳?」  
「いや未だま……くっ、痛くて、動けないわ……うう」  
 逢引を強請ったのはシロナの筈なのにこれでは先行きが思いやられる。  
幸いにして主導権はダイゴにあるので、彼は彼女を注文通りに抱き上げながら、遠慮無くそいつに肖らせて貰う事にする。  
「はあ〜。……近場で良いよね、今日は」  
 面倒臭い女だと心で悪態を吐きつつ、それでもやっぱりシロナを可愛いと思っている辺り、ダイゴは微妙に素直じゃない。そうじゃなかったら、例え金を詰まれてもダイゴはこんな真似はしない。  
「くううぅ……あたしの腰を撃沈した暴れん棒将軍が憎いぃ……!」  
「悪うござんした、へいへい」  
そして、シロナもダイゴのそんな部分が好きなのだろう。  
 せめてもの仕返しにダイゴへの恨み言を口走ってみるが、お姫様抱っこされている状態では唯の惚気にしか聞こえなかった。  
 
 
 

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