ある熱帯夜のこと。  
その暑苦しさに起き、ふらふらと冷蔵庫へ歩く。  
500ミリリットルの清涼飲料水を半分飲み、脇腹をボリボリと掻いた。  
タイマーで電源が落ちていた扇風機を入れ直し、天井を見上げた、この股間に残る違和感。  
あれは夢だったのか。  
 
 
 
―――6時間前、午後21時  
 
 
俺の名前は、ノクト、種族はザングース、上京して4ヵ月、都会の暮らしも徐々に慣れ、自炊生活も飽きてきた。  
たまには自分の作った不味い料理以外を口にしないと舌が鈍る、そう感じ、今日は奮発して、それなりに高い弁当宅配サービスを利用することにした。  
俺好みの和風、山菜や煮付け、そして小さな梅干しが真ん中に乗った白ご飯。旨い、今まで質素で残念だった食事の時間がこんなにも至福な時間になるとは、まだ俺の舌は腐っていないようだ。  
食べ終わり、満腹の俺に眠気が襲った。まだやらなきゃいけない家事はあるがこれは強烈。  
残された力を振り絞り扇風機の電源、そして4時間タイマーをセットし、そのままベッドへ、意識はそこから途切れている。  
 
 
何時間たっただろうか。  
なんだか気持ちいい感覚がして、目が覚めた。  
なんだこれ、精通以来の夢精か、なんかぬるぬるするし……現在進行系で……。  
「うおっ、なんだなんだ!?」  
明らかに夢精とは違う刺激に飛び起き、布団を捲る。  
「ぷは、あ、やば、起きちゃった?」  
見覚えの無いピンクのポケモンが俺の逸物にしゃぶりついていた。  
「ど、ど、ど、童貞ちゃう……じゃなくて、どこから入って来たんだこの痴女!!」  
ちゃんと扉のドアの鍵は閉めたはずだし、窓だってクーラーガンガンに効いた部屋だ、ここ最近開けた覚えは無い。  
「みゅ?普通にテレポートで入ったよ。」  
このアパートはテレポート等での空間移動は禁じられている。  
「け、警察を……。」  
「わわ、ちょっと待ってよ、話だけでも聞いてっ。」  
どうやら訳ありらしい。  
少しイライラしながらも俺は話を大人しく聞いた。  
 
 
話しによると種族はミュウ、名前もミュウ、天界に住み、その天界のある偉い方からの命で、全てのポケモンの遺伝子を集めているらしい。  
「そんでもって俺がその……。」  
「第1号様ってワケ、おめでとーございます!」  
「信じられるかよ、そんなエロゲみたいな展開!!」  
不可解な説明に怒鳴り倒しているのにも関わらず、ミュウはそれを気にも止めず笑顔のまま説明を続けた。  
「じゃあね、夢だと思えばいいんだよ、ちょっとワタシがアナタにのし掛かって、子種を貰うだから。」  
ん、ちょっと待て。  
言い様からして遺伝子を貰うって上の口で貰われるんじゃ無くて、まさか、下の口に挿入して頂かれるのでは?  
 
またとない童貞卒業チャンスに、股間に血が集まるのを感じた。  
気が付けば俺はもうこの痴女に犯されてもいいと思ってしまっていた。誠に情けない。  
「で、なんで俺が選ばれたんだ?  
というかなんで寝込みを襲ったんだ。」  
ふと気になったことを聞いてみた。  
「単に天界から降りて一番近くの独り暮らしがザングースさんだっただけで、偶然だよ偶然。  
寝てる間に全部済ませちゃおうとしたけど失敗しちゃった、えへへ。」  
ますます怪しい、金品目的か体目的か、貧乏で汚い体の俺にはどちらにしろデメリットは少ない。  
そうか、夢か、眠気も凄いしダルいし、なんか視界もぼんやりしているし、さっき気持ちよかったのは気のせいで、全てはドリーム。  
割り切ろう。  
俺は夢風俗に体を委ねることにした。  
 
「みゅ、んちゅ、ちゅぷ。」  
「うおっ、おぉ……。」  
ヤバい、気持ちよすぎる。  
卵から孵って初めて受ける口での愛撫。  
時折来る大きな快感に情けない声が漏れる。  
「ちょ、ちょっとタンマ、そんなに激しくしたらもう、あぁ!!」  
明らかに気のせいではない激しい快楽の波、温かで潤いのあるミュウの口の中。  
そして、肉棒にくっつくようにぶら下がっている大事な袋から押し寄せる覚えのある感覚。  
「みゅ?もう出そうなの、ウブで可愛いねぇ……出していいよ。」  
ミュウは口を離しクスクスとイヤらしくと笑いながら手コキを始める。  
本来ならイラっとくる場面だが俺に反論する余裕は無い。  
「く、くそ、出る……うぅっ!!」  
迸る熱い液体が尿道を通過し、勢いよく発射され、物凄い快感が俺の頭の中を走り抜ける。  
その白濁はミュウの顔、体、そして俺自身の股間回りの毛をも汚していく。  
息を切らしたまま、余韻に浸る。  
ミュウは、生クリームでも舐めているかのように自分に付着した液体を美味しそうにペロペロと舐めている。  
「ザングースさんのおちんぽみるく、臭いし濃いね、んう、美味しい。」  
可愛らしい姿とは裏腹に、白濁にまみれ微笑む姿は言葉にするから淫魔、ピンクは淫乱というのは案外出任せじゃ無さそうだ。  
少し小馬鹿にされたように感じたが、これから始まる更なる行為を考えると、怒りも込み上げては来なかった。  
「お前エロいな、天界ってのはこんなやつばっかなのか?」  
「ううん、ミュウはどっちかと言うと、天界ではエッチな方かな……。」  
ピンクの小悪魔は少し恥ずかしそうに顔を赤らめた。  
 
「じゃ、そろそろ貰うね。」  
「えっ、ちょ、待った。」  
射精からまだ1分程、まだその余韻が残っている最中、ミュウは切り出した。  
挿入への心の準備中だった俺は止めに入る。  
が、答えは勿論……。  
「問答無用、ミュウ早く欲しいもん。」  
言葉通りミュウは俺に無理矢理跨がりくちゅっと音を立て、俺の肉棒に生暖かい部分が触れさせる。  
先端の方に当たっているのはクリトリスだろうか。  
そして、側面には、ドロドロした感触が伝わってくる、滅茶苦茶濡れていて、ミュウが少し体を揺らす度になんとも言えない刺激が俺を襲った。  
俺はあっという間に再度興奮し、その分身を大きく太くしていった。  
「ま、待て、俺の童貞卒業くらいゆっくり……うぁ。」  
時既に遅し、俺の分身はあっという間にぐちゅりと彼女の中に飲み込まれていった。  
 
初めて味わう雌の体、ミュウの膣内は熱く、まるで肉襞一つ一つが生き物のように絡み付いて来ている、今まで体験したことの無い、初めての性的快感であった。  
「ん、んんっ、意外と入れてみるとおっきぃね、動くよ。」  
ミュウは慣れた腰つきで俺の肉棒を出し入れする。  
狭い部屋にはなんとも淫靡な水音が響き更に興奮を加速させる。  
「うっ、くぁ、すご……。」  
俺は経験不足からかどうしていいかわからず、情けなく喘ぐ事しかできない。  
「みゅ、みゅあっ、キモチイイ!!」  
ミュウも相当具合がいいらしく、腰を動かしながらも俺のお腹ついている手や垂れている尻尾は  
悪戯に動かそうとはしなかった。  
「あっ、ひゃんっ、やっぱり若い雄のちんぽ最高!!」  
ミュウは大股を広げている為、俺からは繋ぎ目などは丸見えで、その光景は俺の眠るS心を呼び覚まそうとしていた。  
やがて、じゅぽじゅぽという互の性器が擦れる音は大きくなり、繋ぎ目に泡がたってきた頃、それ爆発した。  
「ミュウ、俺がずっと大人しくしてると思ったら大間違いだぞ!!」  
「……え?きゃっ!?」  
ミュウはトロンとした目で快感を貪っていて油断していた、俺は一度射精している分余裕があった、起き上がりミュウを逆に押し倒すと腰をしっかり掴み所謂正常位でミュウを突いた。  
「あっ、あっ、ぁっ!!」  
ミュウの表情に余裕は微塵も無く、俺が奥を突く度、甲高い声をあげて涙を浮かべながら喘いだ。  
そしてそれから一分も立つかたたないかで、再び射精感が襲ってきた。  
「イク、イクぅ、イっちゃ……ひゃああぁ!?」  
ミュウが遂にオーガズムに達した、体が跳ね、締まりも良くなって俺の射精感を後押しする形となった。  
「く、くはぁ、出る。」  
逸物を奥まで納め、大量に白濁を注いでいく。  
行き場を無くした液体は逆流し、繋ぎ目から流れ落ちる。  
とてつもない快感とともに俺は気を失った。  
最後に見たのは呆けた顔のミュウが少し膨らんだお腹を嬉しそうに撫でているところであった。  
 
 
 
――――数時間後、現在。  
あれは現実そう思いたかった。  
しかし、ベッドは微塵も汚れておらず、部屋には情事を行った臭いも残ってはいなかった。  
「くそ、いい夢だったな……。」  
 
二度寝しようと布団に戻ると、何やら枕元に手紙らしきものが落ちているのを見つけた。  
俺のテンションは急上昇。  
手紙の内容はこうだ。  
 
『せーしありがたう、名前も聞けなかったけど君のDNA大事にすゑね♪  
byミュウ』  
 
字は間違っているが間違い無くあのミュウである。  
俺は満足して眠りに着いた。  
朝、その手紙が見つからなくなり絶望するとは知らずに。  
 
 
「地上の文字って難しー……色々、恥ずかしいから回収回収っと。」  
 
おしまい。  
 

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