チャプター1「赤紙」
この孤島の中心部には森が広がっている。
この島の天候は曇しかない 光が届かない島なのだ。
森の南側には湖があり、あるポケモンがその湖を、
風呂変わりにして使っている。
しかしこの湖は呪われている。
ーーーーそう"あるポケモン”が使っているからだ。
霧に隠れたポケモンが湖で水浴びを嗜んでいた。
彼女の名前は「コジョンド」 普通のポケモンである。
微笑むと美しいところから周りのポケモンからは「コジョンドさん」と呼ばれていた
なぜ「さん」付けなのか分からないが彼女はその名前を気に入っていた。
「ハァ・・・」
彼女はため息をついた。
今朝彼女は最悪なモノを見つけてしまった。
そう「赤紙」である。ポストにボッシュートされていたのだ。
”選ばれた者は戦争に出撃しなければならない”
この島の掟だった。彼女は---選ばれてしまったのだ。
赤紙を貰ったものは「兵器」と呼ばれ、周りの者から遠ざけられる。
そしてこの湖も「兵器」達しか入る事も許されず、虚しい場所でもあった。
彼女は嫌っていた。私利私欲のためだけに弱い立場のポケモンが使われるこの世界を・・・・
やりたい事も沢山あった。もっともっともっと・・生きたかった。
兵器には目のしたに印が付けられる。彼女も目のしたに印を付けたばかりだった。
帰り道、ここまで育ててもらった、タイゲンキおばさんのところへ挨拶をしに行った。
タイゲンキおばさんは泣いてコジョンドにすがりついた。
「どうしてあなたなの・・・どうして・・・」
タイゲンキは何度もこういった。
手を振り切ってコジョンドは逃げた。
後ろでタイゲンキの声がする。
彼女は振り向かなかった。
悲しい顔は見せなかった。
走ってるうちに居酒屋のおじさんのビーダル店長に会った。
店長「やぁ、コジョンドさんwwwいつも美しいねぇwwどうだい?一杯やっていかないかい?げへへへwww」
彼女は振り向いた。彼女は泣いていた。
ビーダルは驚いて尻餅をついた・・
「お・・お前さん・・その目のしたの印は・・・・!!」
彼女は気にしなかった。
「まっ・・待ってくれ!行かないでくれ!コジョンドさあああああああ(ry」
ビーダルが叫ぶが彼女の耳には届かない。
彼女はこれから兵器と呼ばれる事、目を合わすだけで恐れられてしまう自分が嫌で・・
とても悲しかった・・ただ・・悲しかった・・・
そんな彼女を月明かりが照らすのだった。
チャプター2「震えた夜」
コジョンドは自宅に戻るとベッドにうつむせになった。
枕は彼女の涙で濡れていた。
戦争へは明日、執行人が来て強制的に連れていかれるだろう。
もう、残された時間にも残りわずか・・・
ピンポーン
チャイムが部屋に鳴り響く。
(し、執行人の方でしょうか・・)(ど・・どうしましょう・・)
戦争の事を考えると震えが止まらなくなった。
"開けるのが怖い"
彼女は戸惑ったが・・ゆっくりと・・ドアを・・・開けた。
「よう!コジョンド!元気か?」
蛇に似たポケモンで高貴な格好、幼馴染のジャローダである。
「ど・・どうしたんですかぁ?・・こんな遅くに・・」
コジョンドが戸惑いながら問う。
「いやぁ〜ビーダルから電話があってだなww・・・そうかお前は・・」
ジャローダは彼女を見た瞬間黙り込んだ。
「私は・・もう・・あなたたちとは・・」
コジョンドの悲しい顔に月明かりが当たった。
コジョンドは続けてこう言った。
「悲しいですね・・誰にも愛されないまま死んでいくのは・・」
すると突然彼女は笑顔になった。
「まぁ、元気でいてくださいね!風邪引いたらダメですよ☆」
彼女は深呼吸し、
「私との・・・ウッ・・・約束ヒック・・・で・・す」
堪えきれなかった涙が溢れた。
何分間立って泣いていたであろうか。
コジョンドはドアを締めようとした・・が、
「では・・そろそろさような・・「好きだ、コジョンド」
コジョンドの言葉をジャローダが打ち消した
「今夜だけでいい、一緒に居てくれないだろうか?」
ジャローダは前進する。
コジョンドは後ずさりするも、ベッドにつまづき仰向けになった。
「え・・?フゥエ?」
コジョンドは考えられなかった。思考が追いつかない。
ジャローダはコジョンドにそっと・・・巻き付き、深いキスをした。
「んっ・・ぷぅぁ・・・///」
彼女の声が響きわたる。
「お前が居なくなると、寂しくなるな・・」
辛い、悲しい、そんな感情がジャローダの言葉にはこもっていた。
「少しの間だけ・・何も考えないでくれ」
そう言うとジャローダの巻き付きが強くなる。
汗も出ている。走って来たのだろう。
兵器の・・・私に・・会いに・・・。
「・・・・してもいいですよ」
コジョンドが小声で答える。
「ん?どうした?」
「もうっ聞こえてる癖に//」
彼女は顔を赤面しながら応答した。
「分かってるよ。コジョンド・・いくよ・・!」
ジャローダはツルを使うと彼女の足を広げ、秘所を晒した。
処女だった。
「少し痛いけど・・我慢してくれるかい?」
ジャローダは問う。
「別に・・大丈夫」
コジョンドは笑顔で答えた。
激痛だった。しかし慣れれば快感へと変わった。
彼女は激しく喘いだ。悲しみを吹き飛ばすかのように。
ジャローダは踏ん張った。彼女が一秒でも悲しい思いを考えさせないように。
好きという文字が「愛」に変わるように・・快楽に酔いしれた。
彼女の秘所からは白い液体が出ている。終わったのだ・・愛すべき時間が・・
彼はそっとコジョンドにキスをして、寝かしつけた。
朝日がのぼる、もう朝だ。
ドンドンドン!!ドンドンドン!!
コジョンドが目を覚ました。
「い・・嫌だ!!私はまだ・・・!」
「落ち着けコジョンド、いい考えがある」
「?」
彼女は泣きながら顔をかしげる。
チャプター3「野原は歌う」
--一方。外にて---
「コノシマカラモ、74ニンメノヘイキダナww」
ジバコイルが笑いながらそう言った。
「気は抜くなよ、兵器が暴れる事だってあるんだからな」
ゾロアークが言う。
「マアww2体1デハカチメガナイハナナイワナwww」
--誰が2体1だって?--
野太い声が野原に響く。
すると横から波動弾が飛んできて、ジバコイルに直撃した。
「グハァ^p^ナンジャコリャー!」
ジバコイルが吹っ飛ぶ。
「誰だ」
ゾロアークが問う。
「ハードプラントォ!」
樹木の波がゾロアークを襲った。
しかし彼はすんなりとかわす。
そしてゾロアークは地面に向かってナイトバーストを打ち込んだ。
野原に生えていた雑草・・その他の草ポケモンが吹き飛ぶ。
その瞬間、ゾロアークは猛スピードでジャローダの胴体を・足で踏んだ。
「甘いな。そんな事で俺を倒せるとでも?・・・・・・兵器はどこだ・・言え」
ゾロアークが問う。
「へへっ・・悪いなぁ、そう安安と言えねえべ・・ww」
するとコジョンドの飛膝蹴りがゾロアークに命中・・しなかった。かわされた。
コジョンドは反動で動けなかった。ジバコイルの放電を喰らってしまった。
ジバコイルはコジョンドの首に鎖を付けた。
「は・・放してっ!」
コジョンドがもがく。が、鎖の効果のせいか、力は出なかった。
「ジバコイル連れてゆけ」「ハッ、ゾロアークサマ」
ゾロアークがジバコイルに指示を出す。
「ジャ・・・ジャローダさあああああん!!」
彼女は泣き叫んだ。
ひたすら・・・泣き叫んだ。
コジョンドの姿は遠く彼方に・・・消えた。
「あの兵器はメンタルが弱いな。帰ったらちゃんと鍛えなきゃな〜w」
ゾロアークが寝っ転がったジャローダの上を座りながら物欲しそうに言う。
「ふ・・・ふざけるな!彼女をなんだと思っている!ポケモンをなんだと思っているんだ!」
ジャローダは怒りをぶちまけた。
「道具」
ゾロアークからはその一言だった・・・・
風が吹いた。ポケモンの鳴き声が遠くから聞こえた。
そうこれは・・・
---------悲しい、愛の、物語-------------