「ねぇねぇマスター、ちょっと止まって話を聞いて!」  
僕は一生懸命マスターの服を引っ張って歩きを止めようとする。  
『なんだい、また僕の服引っ張って、さっきからなぁに?』  
僕が引っ張るたびにマスターは歩みを止めてくれるけど、僕の言葉はわかってくれない。  
「僕は育て屋なんかに行きたくないの、マスターとずっと一緒にいたい!」  
『んー、ポケモンの言葉はやっぱりわからないなぁ、ごはんじゃないんでしょ?』  
ごはんの話題を振られて僕は首を横に振る。  
『んー、トイレでもないんでしょ?』  
僕は激しく首を横に振った。  
『育て屋さんに、行きたくないの?』  
その言葉がようやく出て、僕は強くうなずいた。  
「そう、行きたくないの!」  
『そっかー、でもメスのドラゴンポケモンと一緒にいられるんだよ?』  
僕は首を横に振る、そんなのいらないもん。  
『あってないからそんな風に思うだけだよ、きっと楽しいよ。』  
「そうじゃない、僕はマスターといたいんだ!」  
僕はマスターの服を引っ張りながら首を左右に振り続ける。  
『んー、オノノクスはもっと聞き分けのいい子だったんだけど、なんでかなぁ・・・』  
そういわれて、僕の動きが止まる。  
マスターに迷惑かけてる、それは・・・いや。  
「ぅぅ・・・行くよ、僕。」  
『ん、離したってことは、いいのかな?』  
僕は小さくうなずいた。  
『よしよし、えらいぞ。』  
マスターの温かい手が僕のおなかを撫でてくれる、とっても気持ちいい・・・  
「マスター・・・離れたくない・・・」  
『そんなさみしそうな眼をしないでよ、ほら、行くよ。』  
僕は再びとぼとぼとマスターの後ろを歩き始めた。  
 
大きな建物、看板には僕たちポケモンの卵の絵と育て屋の文字。  
そこにマスターと一緒に入っていく。  
カウンターには人間のおじいさんが一人座っていた。  
『いらっしゃい、どんな要件だい?』  
『オノノクスのオスを一匹お願いします、卵も検討に入れて。』  
いよいよ、預けられちゃうのか・・・  
『どのくらいの期間にするかね?』  
『3日です、いいですか?』  
「え、3日も!?」  
聞いてなかった、そんなこと・・・  
でも今更マスターの前で逃げるなんてできない。  
『あいよ、任せなさい、ポケモンフーズは食べる子かい?』  
『あんまり食べないよね、大丈夫?』  
ポケモンフーズ、あれより木の実のほうが好きなんだけど、大丈夫と僕はうなずいた。  
マスターに弱いところ見せるのは、やっぱりいやだから。  
『それじゃあ預かるよ、また3日といわずいつでも来なさい。』  
『いえ、すいません、どうしてもやらなきゃいけないことがあるんで、来れないと思うんです、それじゃあおねがいします、オノノクス、わがままあんまり言っちゃだめだよ?』  
僕は小さくうなずいて、マスターが手を振って育て屋を出ていくのを見ていた。  
『さてと、オノノクス君、物分りのいいポケモンのようだね、主人の愛を感じるよ。』  
そ、そんなこと言われると照れちゃうな。  
『だからこそ、離れたくなかっただろう、つらいかもしれないけどこれも主人のためだよ。』  
それはわかってる、わかってるんだけど・・・  
『さ、ついてきておくれ、君はクリムガンさんと相部屋になるよ。』  
クリムガン、同じドラゴンタイプだ、卵を作るためなんだ・・・  
『さ、ここだ、入ってあいさつするんだよ、あとは2匹でゆっくりとするんじゃ。』  
簡素なドア、ポケモンでも押すだけでどちらからでも入れる仕組みみたいだ。  
「あらいらっしゃい、かわいい子ね、預けられたの?」  
「あ、はい、そうです、オノノクスって言います、よろしくです。」  
「んふ、見ての通りクリムガンよ、ごついかもしれないけど、私立派なメスだから。」  
確かに、嗅いだことのないポケモンのにおいがする。  
なぜか雄としかバトルしたことないんだ。  
「うん、いい香りがします。」  
「あら、うれしいこと言ってくれるわね、歓迎するわよ。」  
「あ、はい。」  
「んふふ、緊張してるのかしら、じゃあさっそくだけど緊張をといてあげるついでにやっちゃいましょうか?」  
やっちゃう?  
「やっちゃうってなんですか?」  
「あら、もしかして育て屋初めてかしら?」  
「はい、そうなんです。」  
「あらら、もしかして好きな子でもいるの?」  
「え?」  
どうしてそんな風になるんだろう?  
「だってそうじゃない、ふつう私たちポケモンは種の保存と本能の塊よ、雄は雌と雌は雄と交尾したくてたまんないはずなのに。」  
「こ、交尾って、なんですか?」  
「あらま、うぶな子だったのね、失礼。」  
初心って言葉はあんまり物事知らないってことだっけ、馬鹿にされてるのかな?  
 
「えっと、なんでしょう、交尾って。」  
「んー、体験したほうが早いわね、ちょっと横になりなさい。」  
いわれるがままに干し草ベットにあおむけに寝転がる。  
「いい、じっとしててね。」  
「え、ちょっと、んっ!?」  
いきなり股の間を舌でなめるされた、でもクリムガンってそんな技覚えるっけ?  
いやそれよりも、交尾ってバトルのこと?  
でもじっとしてろって言ったしやっぱ違うのかな、でもなんか、興奮してきた・・・  
「ん、なんか、でるっ。」  
「んほ、結構大きいじゃない、気に入ったわ。」  
「こ、これって、精器・・・?」  
「あら、それは知ってるのね?」  
「う、うん、でも大事なものだから大切な時以外は人前ではしまっておきなさいって言われたし・・・」  
トイレするときに隠れて出してただけなのに、なんで出てきちゃったんだろう、いつもより大きいし・・・  
「大切な時っていうのが交尾のことよ、交尾をすることで卵ができるのよ。」  
「そ、そうなんだ、知らなかった・・・」  
「雄はこういう性器だけど、雌のはこんな風になってるのよ?」  
「うわぁ・・・」  
クリムガンが自らの股間部に手を添えるとそこには僕と同じように割れ目があるが、中に僕と同じような肉の槍は入ってないみたいだ。  
「どう、初めて見た感想は?」  
「なんか、入れてみたい・・・」  
「それが本能よ。」  
 
「でも、クリムガンさんよりも、もっと入れてみたい人がいる・・・」  
「え?」  
僕もなんでそんな風に思ったかわからない、でもクリムガンさんのを見たときなぜが僕の頭の中にマスターの顔が浮かんだ。  
「マスター・・・僕の主人。」  
「あら、飼い主は女の人なの?」  
「ううん、男の人だけど・・・」  
「あらら、重症ね。」  
「けがしてないよ?」  
「そういう意味じゃないわ。」  
なんだかよくわからなかった。  
「まぁいいわ、そういう気持ちもあるかもだけど、今は私で我慢しなさい。」  
「うん、クリムガンさんにも入れてみたい。」  
「でも、オノノクス君は動いちゃだめよ、私が乗ってあげる。」  
そういうと僕の性器である肉の槍にクリムガンさんの性器の肉の穴が迫ってきて、僕の肉の槍が包み込まれていく。  
「んはぁぅ、きもちぃ・・・」  
「まだ入れ始めたばかりよ?」  
「もっと、気持ちよくなるの?」  
「あたりまえじゃない、ほら、全部はいっちゃったわよ。」  
「ほんとだ、すごい・・・」  
僕の肉の槍がすっぽりとクリムガンさんの中に入ってしまっている。  
でも先端に感じる壁のようなものは何だろう?  
「さぁ、動くわよ?」  
「えっ、んぁぅ、あぅ!?」  
クチュっという音とともに僕の肉の槍が肉の穴から引き抜かれていき、クリムガンさんが一気に体重をかけてまた僕の肉の槍をすっぽりとおさめる。  
その行為が繰り返され、次第に音が激しく早くなっていく。  
クチュクチュというおとが、グチュグチュ、パンパンという音に変わっていく。  
「んぁぅ、んぁぁぅ!」  
「ほら、あえいで、ないで、オノノクス君も、動かして!」  
「んあっ、んっ!」  
本能のままに、腰を上にと突き上げ始める、気持ちいいがもっともっと強くなっていく。  
「んはぅ、けっこういいじゃない、んくぅ!」  
「はっはっ、んぁっ、はっ!」  
息が切れるほど早く腰を動かしていき、何かがこみ上げてくる、何か、出ちゃう、でもおしっこではない、なにか・・・  
「んっ、限界かしら、私もよ、ほら、出していいはよ、中に!」  
「んっ、ぐぅぁぁぁぁぅ!!」  
「んくゅぅぅぅぅぅ!!」  
僕の肉の槍から、何かどろっとしたものが出されてクリムガンさんの中にと、注ぎ込まれていく。  
「んふっ、今出したのは精液、雌の体内に入ると卵になるのよ、確実じゃないけど。」  
「はぁ・・・はぁ・・・そう、なんだ・・・」  
すごくきもちよかったけど、すごくつかれた・・・  
なんだかとっても眠たい気分・・・  
「はぁ・・・もう一回いけるわね、ってあら?」  
「んんぅ・・・」  
「寝ちゃってるわ、しょうがない子ね。」  
 
それから起きた僕はまたクリムガンさんに精液を中に出すように言われて、今度は僕が上になって思いっきり腰を振った、すごく気持ちよくてあっという間にまた出してしまった。  
でもクリムガンさんじゃなくて、マスターにだったらもっと気持ちよかったんじゃないかって思いながらまた眠ってしまった。  
そんなこんなで2日過ぎて3日目になった時、クリムガンさんがまた声をかけてきた。  
「んふっ、ほら、卵できたわよ。」  
「うわぁ、すごい、これ僕たちの卵だね。」  
「そうよ、中からはクリムガンが出てくると思うわ。」  
「そっか、子供ができちゃった。」  
「そうね、これで私たちは終わりよ。」  
え、終わり?  
「おわりって?」  
「だって卵ができるまでよ、これ以上ほかの人を浮かばせられながらは私もきついわ。」  
「あ・・・ごめんなさい。」  
「いいのよ、恋には素直になりなさい。」  
「・・・ありがとう。」  
クリムガンさんはとっても優しい人だ。  
『おぉい、オノノクス君や、ごじゅ人が迎えに来ておるぞ、お、卵、どこから持ってきたんじゃ?』  
「まったく、持ってきたんじゃないのに、人間ってわかってないわね。」  
「まぁいいんじゃない?」  
「そうね、じゃあまた会えたら会いましょ、その時またお相手してあげるわ。」  
「うん、またね、クリムガンさん。」  
クリムガンさんに別れを言うと、僕は足早にマスターのもとへ向かう。  
『お、オノノクス、元気だったか!』  
「マスター、やっとあえた!」  
『ごめんよ、本当に、またこれからは一緒だからな。』  
『それより、ほれ、オノノクス君が卵を持っておるじゃろ、どこから持ってきたかわからんが、もちろん受け取るじゃろ?』  
『はい、受け取ります。』  
「クリムガンさんとの子供だからね、大切にあっためてよ、マスター。」  
『なぁオノノクス、この生まれてくることお前とで旅をしたいんだ、いいだろ?』  
僕はもちろん大きくうなずいた。  
でも、生まれてくる子にもマスターは渡さないけどね。  
 
終  
 

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