こんばんは、私ヨノワール…という説明はもう必要ありませんよね。
今回も早速レポートを紹介していきましょう!
「レポート、白と黒の矛盾」
白と黒の矛盾…言われただけではピンと来ない人が多いと思いますが…
まず、これを見て頂きたいのです。
「白の図鑑のクルミル」
葉っぱを噛み切り、口から出す粘着糸で縫い合わせる。
自分で服を作るポケモン。
「黒の図鑑のクルミル」
卵から孵ると、ハハコモリに服を作ってもらい、着せられる。
フードで頭を隠して、寝る。
白では自分で、黒ではハハコモリに…
完全に矛盾しています。
長くなるので省略しますが、ハハコモリの説明では白も黒も両方に服を作るという記述があります。
何故こんな矛盾が出来てしまうのか、これは思わぬ生態が明らかになるのではと思い、私は早速調査を始めました。
場所は勿論ヤグルマの森です。
ヤグルマの森は深いものの、人間が通れる場所とそうでない場所が奇跡的なバランスでハッキリとしており、普通はどんなトレーナーであれそんな奥までは行かないでしょう。
私はあえて、人の目に付かない奥へと進みました。
そうでなければ、見れない物も沢山あるからです。
霊体の私には鬱蒼とした障害物もなんのその、ドンドン先へと進んでいきます。
その途中…私は怒気を感じ、その気を辿ってその方向へと導かれる様に移動すると…
怒気の正体は、この森に生息している通称“三猿”と呼ばれている者達が発している物でした。
森の中では食糧や縄張りで争いが起こる事は珍しくは無いですが、本来のターゲットを忘れてカメラを回しました。
すると…緊張状態のまま他の群れへと近付いていく猿達、これは一触即発か?! と思った私を様々な意味で裏切ったのです。
血を血で洗う乱闘? いえ、違います…
“乱交”が始まったのです!
種族も性別も関係なく行われる行為、雄同士なら兜合わせ、アナルセックス…
雌同士なら貝合わせといった具合に、まるで欲望丸出しな頭の中で描くような状況で性交を突然始めた事が、私の頭を混乱させます…
何故彼等はこんな事を行うのか、理性という概念が私の思考を鈍らせ、理解をするのに随分と時間が掛かってしまいましたが…
彼等の行動を良く見ると、確かに性交を行っていますが、誰一人として本番に及んでおらず、繁殖の為に行っている訳ではなかったのです。
あくまで私の判断ですが、群れと群れの間で彼等は極度の緊張状態となった時に、性的行為によってストレスを解消し、外交の手段としているのでは? と。
彼等の動向も気になる所ですが、ふと辺りを見渡すと、猿達の群れと共生関係にあると見られるタブンネとハハコモリの姿が見受けられました。
あくまで今回のターゲットはハハコモリなので、ハハコモリ主眼でカメラを向けます。
ハハコモリは森の中に住むポケモンで、温厚かつ高い母性を持つ事で知られています。
この母性からなる行動…生まれたばかりの小さなポケモンにおくるみを作る事により、森の中のポケモンと共生関係を築く事が出来るのでしょう。
私が猿達の群れで見つけたハハコモリにカメラを向けて、しばらくその様子を見る事にしました。
今回は前回の撮影と違い、目当ての部分の撮影には時間が掛かりましたが、進展があるまでの撮影分はバッサリカットしています。
私がハハコモリにカメラを向けてからしばらく経ち、突然猿達の群れから離れて行きました。
どうやら彼等にも恋の季節が訪れた様です。
移動を始めたハハコモリ(後に雌と判明)を追いカメラを回して数日、遂に転機が訪れました!
異性との邂逅です。
異性との邂逅に激しく緊張している様子が可愛らしく見えますが、彼等にとって、とても重要な事であるのは言うまでもありません。
しかし、何もしない訳にはいきません、出会った雄を得る為に、彼女は果敢にアタックを始めました。
“ははぁ〜ん”と、特徴的な鳴き声を上げながら、雄の前で踊る様な動きで、投げキッスを仕掛けたのです。
どうやら彼等の種族では求愛を行うのは雌の様で、雄がそれに応える事により、番となる様です。
彼女を見たまま微動だにしない雄、緊張の中で初めての求愛した雌…望みは薄いかと思われます…
動かない雄を見た雌の表情がしゅんとし、触角も垂れ下がっています…
彼女が浮かない表情のまま、その場を去ろうとしたその時…全く動かなかった雄が彼女へと近付き…彼女を優しく抱きしめたのです!
すっかり選ばれなかったと思い込んでいた彼女は、とても驚いた様子で固まっていましたが、雄が“ははぁ〜り”と優しい鳴き声を上げ、彼女に自分の意思を伝えたのでした。
晴れて結ばれた彼等は、次の行動に移っていきました。
雄が雌をリードし、雌を優しく地面に寝かせてから、そこに雄が覆い被さり、彼女にキスを行いました。
雌もそれに応じて、雄を抱きしめてから二人は甘く、深いキスを行います。
そして深いキスを続けたまま二人は、お互いの腹部の先端部(総排出腔)を擦り合い、交尾の準備を進めていき…
高まった雄の排出腔から細長い生殖器が飛び出し、それをすかさず雌の生殖器へと差し込みました。
見た目以上に腹部(人によっては尻に見える部分)は柔らかいらしく、お互いを受け入れやすくする為に緩やかに曲がり、ぶつかり合うかの様に動いています。
おそらくこの機能は、哺乳類に近い二足歩行するタイプのポケモンとは身体の作りが違い、股間ではなく腹部に生殖器が存在する昆虫グループには必須なのでしょう。
甘い声を上げて、至上の愛と快楽に包まれていた彼等にも、遂に絶頂が訪れた様です。
雄も雌も満足した様で、結合を解くと抱きしめ合ったまま眠ってしまいました。
それから暫くして、彼女の腹部は最初に見た時に比べると、一目でわかる程に膨らんでいました。
どうやら、腹中に抱えた卵が育ち、腹部を圧迫している様です…
雌は孕んだ時からあまり動かなくなり、番の雄が集めた木の実を食べて過ごして、卵の為にひたすら栄養を蓄える様ですね。
木の実を持ち帰って来た彼を見て、彼女も安心した様子でしたが…彼が戻ってきたタイミングで、膨らんだ腹部の先から粘液を滴らせ、産卵を始めました。
彼は周囲を警戒しつつも、彼女をしっかりと見守っています。
苦しそうな声を上げて、卵を産み落とそうとする雌、いつ見ても私を興ふ…いえ! 感動させてくれます!
卵はかなりのサイズとなっていて、産み落とそうとする彼女の排出腔が割けてしまうんじゃないかと心配になってしまいましたが、無事一つ目の卵が産み落とされました。
一つ産み落とした後は卵管が慣らされたのか、スムーズに残りの卵が出てきました。
体力を消耗し、荒い呼吸の彼女を祝福するかの様に雄が優しく抱き締める…その姿はとても愛に満ちていると言えます。
彼女が卵を産んでから時が経ち、卵が孵化しました。
…生まれたてのクルミルはやはり身体に葉っぱが無く、黄色い素肌が見えています。
そこですかさず親のハハコモリが葉っぱで服を作り、私達の良く知るクルミルの姿となりました。
………此処まではやはり図鑑通りと言えます。 ですがまだ矛盾が解き明かせないままとなってしまいました。
当然私は諦めず、調査を続けます。
今までお世話になった番に(聞こえてはいませんが)別れを告げ、私は森を移動し続けました。
しかし、何処の番を当たっても矛盾を解明する事は出来ませんでした…
このまま収穫無しで帰る訳には行かない、しかし調査期間が長すぎても主人の生活及び、活動費用が赤字となってしまう危険性が出てきた所で…冥王ギラティナ様が“また”奇跡を起こしてくれました。
彼等の恋の季節も終わりを告げる頃、一匹の雌のハハコモリを見付けました。
どうやら…今期は番となるべき雄を見付ける事が出来ないまま、恋の季節を逃してしまい、失意のまま森を彷徨っていた様です…
また次の季節があるでしょう。 と、彼女を(心の中で)応援して、去ろうとした時…この時私は彼女に悲劇が起こるとは思っていませんでした…
“ドラァァァァァッ!”
突如聞こえた甲高い鳴き声、そうです…森の暴れん坊、ペンドラーがやってきたんです!
ハハコモリにとって、最早天敵とも取れる相手の出現に、彼女は完全に怯えてしまってます。
ペンドラーは気性が荒く、鈍重そうな見た目の割に動きが速い上に器用なポケモンとして、バトルをする人には有名でしょう。
黙って喰われる訳にもいかず、彼女は戦闘態勢をとりますが、戦いを挑んだ所で余程彼女が強く、相手のペンドラーが弱くない限りは勝ち目は無いに等しいです。
まず素早い動きから繰り出される攻撃に耐える必要があり、ペンドラーの攻撃は総じて彼女に大きなダメージを与えるタイプな上、耐えた所で彼女が得意とする攻撃はペンドラーに効きづらいという有り様です。
戦闘態勢を取った彼女が気に障らなかったのか、ペンドラーは激昂し、一気に彼女を巨体で押し倒し、更に身体の毒針を用いて、彼女の力を奪います。
こうなっては最早彼女が助かる手段は無く、完全に詰みと言えます。
弱った獲物を捕食しようとするペンドラー、その姿は森の暴君と呼ぶに相応しい…とか思っていた私は更なる暴君っぷりに戦慄してしまいました。
彼女を押し倒したペンドラーから聞こえてきたのは、捕食する音にしては妙に湿っぽい音で、何かと思い、側面に移動してみたら…
後脚の間から体格相応の肉の棒が飛び出しており、このペンドラーが彼女に発情している事が分かりました。
仮にもタマゴグループと呼ばれる物はありますが、異種の雌を犯そうとするのは、生殖としてはあまりにも非効率と言わざるを得ないのに、犯る気満々です。
そして彼女の身体を気にする様子も無く、ペンドラーは猛る雄を彼女の排出腔へとぶち込みました。 …一方的な交尾の始まりです。
以前見たハハコモリ同士の交尾とは打って変わって、愛なんて物は全く感じられない無慈悲な物でした…
何せ体格に大きな差がある上に、彼女は一切の身動きも取れない状態の為、生きた“ホール”程度にしか見られていないのでしょう。
激しい動きで彼女の腹を無茶苦茶に犯すペンドラー、その一方で彼女は虚ろな目をしたまま、涙を流していました…
………犯される彼女から流れる怨磋の念…私は彼女をマークせざるを得なくなりました。
彼女にとって苦痛でしか無いこの交尾は、ハハコモリ同士の交尾よりも長く続いています…
おそらく、ペンドラーは捕食される対象から脱却したため、交尾の時間を短くする必要が無くなり、森の生き物としては交尾の時間が相対的に見て、長くなったのでしょう。
心は壊れ、身体も壊れそうな彼女に対し、トドメと言わんばかりに、ペンドラーは気持ちよさそうな鳴き声を上げ、盛大に射精しました。
彼女の腹が限界容量を超えてしまった為、結合部から大量の粘性の白濁液が噴き出し、辺りを汚します。
少しの間賢者モードとなっていたペンドラーですが、溜まった欲望を吐き出せて満足したらしく、彼女を気にする様子も無く去って行きました…
残されたのは、傷物にされてしまい虚ろな目をした彼女だけでした。
腹部は広がり、排出腔は開いたままとなってしまった彼女…
ようやく毒の作用が薄れて動ける様になったらしく、フラフラとした足取りで動き始めました。
木の実を集めながら独りで生きようとする彼女でしたが、目は暗いままで、私から言わせて貰えば、今の彼女は生ける屍同然です。
開いたままの排出腔が戻らず、汚物を垂れ流しながら気にする事無く移動したりと、見ていてとても気分の良い物ではありませんでした…
しばらくするとやはり、というべきか…
彼女はペンドラーに孕まされていたらしく、木の根元に卵を産み落とします。
ですが、産み落とされた卵の内3つは未熟で産み落とされた時に割れてしまいました…
唯一、一つだけ無事な卵がありましたが、彼女はその卵を守る事もせず、移動を始めたのです。
しかし…
遂に彼女の身体に限界が訪れた様です。
突然口元に手を宛てうずくまり、背中を震わせながら、激しく嘔吐してしまいました。
そして胃の中身を全て地面にぶちまけた後、彼女はその上に倒れてしまいます…
今まで彼女が食べてきた木の実には、毒に有効なモモンの実が一つも無かった事が、彼女の運の尽きでした。
結果としてペンドラーに打ち込まれた遅効性の毒の解除が出来ず、知らずの内に身体を蝕まれ、力尽きる事となった彼女…
倒れたまま、弱々しく痙攣する事が出来なくなった彼女の周りに、これを好機と見て群がる者達が現れました。
…そう、森の中における分解者、フシデです。
空腹を満たす為に彼女に群がるフシデ達、端から見れば惨い光景に見えますが、森そのものの命はこうして繋がっている事を忘れないで下さい。
フシデによって完全に分解されてしまった彼女、しかし魂は消えず、怨磋に飲まれた彼女を放置しては、必ず自然の流れから外れた良くない存在となってしまいます。
そこで私は、それを阻止する為に腹にある大きな口を開け…
(この先はプライベートなのでカットしました、すみません!)
プライベートの用事を済ませた私は、すぐさま残された卵の元へ戻り、孵化するのを待ちました。
天敵の出現も無く、卵が孵化しました。
やはり出て来たのは葉っぱの無いクルミルです。
孵化したばかりのクルミルは自分の力で木に登り始め、葉っぱの元まで辿り着くと、なんと自分で葉っぱを噛み切り、おくるみを自分で作り上げていきます。
どうやら親がいない場合は、本能でおくるみを作る事が出来る様で、図鑑の矛盾もこれなら納得です。
とりあえず、これで今回の調査が完了しました。
今回の調査で分かった事は、ハハコモリは愛情を大切にしているポケモンという事でしょうか。
もしこれから、種族を越えてハハコモリと交尾しようとしている人がいるなら、まず彼女の事を観察してみて下さい。
そういった売春施設で道具程度にしか見ていないなら、私からは何も言えませんが…
もし手持ちのパートナーと“愛”を持って性交するならば、その愛が貴方からの一方的な物で無い事を確認してからにしましょう。
それからでも、遅くはないと思います。
では…今回のレポートは此処で終わります。
尚、私は“紳士”ではありませんよ?
紳士だと思っていたなら悪しからず…
では、今日も良い夜を…