おやおや、私(わたくし)達のはぐれ研究所…もとい、あばら屋を訪れる人がいるとは…物好きな人ですねぇ。  
私、此処の主人の僕(しもべ)であるヨノワールと申します。  
 
え? それは種族の名前ですって?  
確かに私には主人から授かった名前がありますが、あなた様にはその事に対する興味が無さそうなので、種族の名で名乗らせて頂きます…  
 
主人は根っからの変態で、ポケモンにしか目が無い人で、元研究者らしくある知識に対する欲求もとても高い物でした。  
では、その欲求とは?  
 
言うまでもありません。 私達ポケモンと言われている者の生殖に対する欲求です。  
私達ポケモンと言われている存在は、ある研究者によりタマゴが発見されたと言われていますが、それ以来誰も“ポケモンがタマゴを産んでいる所”を見たことが無いというのは有名な話ですね?  
 
ですが、それは一つの情報操作(子供への教育上)の結果であり、それなら野生のポケモンはどうやって増えているのか? という疑問が出ない訳がありません。  
だからと言って、おおっぴらに研究しようとすれば、圧倒的な社会的権力(教育上ry)で弾圧されて人生が終わってしまうでしょう…  
そこで、こうして裏で研究を始めたのです。  
 
主人は最初、自分の目で野生のポケモンの繁殖を見届けるなどと言っていましたが…  
所詮は人間、主人はポケモンも持たずに危険な森に侵入し、あっさり命を落とし、消え去る運命………だった筈なのですが、私達ヨノワールは生物の“死の波導”に反応し、魂を霊界へと連れ去る性質を持ちます。  
それが主人との出会いで…  
 
おっと、申し訳ありません…  
私の悪い癖がまた出てしまいましたね…  
 
では本題に入りましょう、私達が集めたレポートの一部を見せてあげましょう。  
………読みづらいのは私の表現力の無さです。 申し訳無い。  
 
基本事項として育て屋と違い、交尾から産卵までには時間が掛かる場合があったり、複数の卵を産む者がいたりします。  
 
 
「レポート ワルビアル」  
砂漠に住まう彼等はメグロコおよびワルビルの時には群れる傾向がありますが、何故かワルビアルになると群れから離れて過ごす様です。  
 
詳しい理由はわかりませんが、強くなった為、群れる必要がなくなったと考えるのが妥当でしょうか?  
私は調査の為、砂漠に潜伏しました。 すると…すぐに一匹の雌のワルビアルが現れ、しきりに辺りを見渡しています。  
 
霊界にいるとはいえ、てっきり発見されてしまったと思いましたが…違った様です。  
私はすぐにカメラを用意し、撮影を開始しました。  
 
何処からともなく、ワルビアルがもう一匹現れたのです。  
どうやらこちらは雄の個体らしく、雌の視線は釘付けになっています。  
 
しばらく見つめ合った後、突然雌の個体が俯せになり、尻尾を上げたのです!  
それに合わせる様に、雄の個体が雌に被さり…  
私は確信しました、これが交尾の合図なのだと。 そして奇跡を起こしてくれた冥王ギラティナに感謝しました。  
 
 
雄を受け入れる為に開いた雌の性器は濡れていて、乾いた砂に性器より溢れた液体が滴り落ち、一方雄の方は股間の割れ目から赤黒い肉棒をはみ出させ、はみ出した肉棒は見る見るうちに大きくなっていきました。  
 
そして…雄が大きくなった自らの肉棒を雌に突き入れたのです!  
突き入れられた雌は「ギャウッ!」と短く鳴き声を上げました…どうやら勢い良く入れられた為、痛かった様です。  
ですが雄の方は一度突いたらもう止められないとばかりに、雌の声を無視して激しく腰を前後させ、荒々しい行為を続けています。  
パンッパンッと大きな音が聞こえる程激しい交尾ですが、途中で雌にも変化が現れ始め、なんと痛みによる鳴き声から甘える様な鳴き声を上げ始めたのです。  
この鳴き声は快楽を感じての事なのでしょうか? 雄も似たような声を上げている辺り、私にはそう感じます。  
見ている私もつい発情しそうになりますが、とにかく我慢…  
 
そして…ついに…  
 
二匹がぴったりと合わさったタイミングで、同時に「グルォーッ!」と大きな鳴き声を上げ、接合部の僅かな隙間から白いのと無色のが混ざった液体をブシャッと音がするほどに勢い良く溢れさせました。 どうやら激しい交尾が終わった様です。  
 
しばらく繋がったままでしたが、先に雄が動き出し、肉棒を抜いてすぐに去って行きました。  
取り残された雌の方はと言うと、力が入らないのか俯せのままぽっかりと開いたままの穴から、シューッと音を立てて失禁してしまいました。  
 
しばらくして放尿を終えると、彼女はフラフラながらも立ち上がって移動を開始しましたが、私はその後も彼女を追い続けました、そして追い続けてから約3日…  
受精した卵でお腹が目に見えて大きくなり、動くのも億劫な様ですが、彼女が動きだしたのです。  
 
突然住処の柔らかい砂場に穴を掘り始め、掘った穴に跨がると…閉じられた性器を押し広げ、粘液に包まれた卵を産み落とし始めました…!  
苦しそうな唸り声を上げていますが、一つ、また一つと産み落としていきます…  
 
結果として、彼女は10個近くの卵を産み落としたのです。  
卵を産み終え、穴を砂で埋めた彼女がどこかに行ってしまった所で、主人の満足しそうな映像とデータが取れた事を改めて確認し、私は今回の調査を終えてあばら屋へと帰還しました。  
 
ちょっと待った! 卵は普通一個だろ!  
という人もいると思いますが…  
彼等は、野生のポケモンであり、人間にはその“野生ポケモンの生態の全て”が解き明かせていますか?  
いませんよね?  
 
とりあえず私の考えでは、野生と人に育てられたポケモンでは生殖の概念も変わってしまうのではないか、と考えています。  
野生では数で子孫を分散させて生き残らせる為に、沢山卵を産む種族でも、人間に育てられるなら野生よりも遥かに安全=数は余り重要ではない事から、内部も進化…というより変質していると考えられます。  
普通に考えたら、あんな爆速で卵は産まれませんしね。  
 
信じる信じないはアナタ達次第です。  
とりあえず、つまらない屁理屈かつ読みづらい文ばかりになってしまいましたが、次があれば…また会いましょう。  
 
 
尚、撮影は霊界から行っているので余程の事が無い限り、バレる事は無いのでご安心を…と言いたい所なのですが。  
田代とか言った人には、今から片道の限りの霊界便でお迎えにあがらせて頂きますのでお待ちください。  
 
では…いい夜を。  
 

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