・お説教の思い出  
 
日はすっかり傾いて外は真っ暗だった、下の階からいい匂いがして彼女は眼を覚ました。  
 
「…あ・・・もう・・・6時」  
彼女は泣き顔の眼を擦り、机に置いてある目覚まし時計を見た。  
いつもなら夕食の時間だけど今日は気が重い、あれほど泣いたのに気分はすっきりしなかった。  
「あーーもういや!」  
思わず愚痴を口走ってしまった、そして床に寝転んだ。  
 
(やっぱり怒られるよね…食べてる時に言われるのが一番いや…)  
 
食事中に説教が行われるのが嫌だった、なぜ楽しい食事なのに怒られなければいけないのか、理解できなかった。  
彼女は考えた 思えばこの13年間、説教は毎回食事中に行われていた。  
怒られた後の冷え切った食べ物の味は美味しいものではなかった。  
 
家の鍵を持ってなくて我慢できずに外でお漏らしをした事、母に内緒でゲームソフトを買って怒られたこと…  
レッドやグリーンと喧嘩した事・・・思い出せば星の数ぐらい怒られた気がする。  
時には説教中に「お腹痛い!」と言ってトイレに逃げたり、涙が喉に詰まって気分が悪くなり食べ物を戻した事もあった。  
次の日になればコロッと忘れているけれど今回はそれだけでは済まない気がしていた。  
いい歳してお漏らし…部屋で自慰をしていた事・・・  
考えると自分が情けなくて恥ずかしくて、また頬が赤くなり涙が溢れてくる。  
 
「はぁ〜・・・」  
大きくため息を吐いた、彼女は毛布を置いて何となく白い帽子をかぶった  
 
(このままどこかに行きたい…でも・・・)  
既に外は真っ暗だった、夜に外へ出ることはリーフ家で禁止されていた。  
夕食を食べない事も考えてみたが、母が部屋に様子を見に来て2倍怒られると思った。  
 
『グゥー・・・』  
食欲はほとんど無いが、お腹は正直だった。  
「ごはん食べにいこう…」  
彼女は帽子を取って机に置いて捲れていたスカートの裾を直した。  
足取りは重いが部屋を出て忍び足で階段を下り、ゆっくりとリビングへと向かった。  
 
「ふぅ〜…」  
彼女は気持ちを落ち着かせるためリビングの前で彼女は深呼吸をした。  
 
・初めての反抗  
 
リビングに着くと食卓には既に私の分と母の分が用意されていた、明るい照明に思わず目がくらんだ。  
顔を恐る恐る上げると母が椅子に座って私の方じっと見ていた、そして目線を下に落とした。  
彼女はうつむいたまま、いつも座っている席に座った、母と目を合わすことは出来なかった。  
今日の夕食は彼女が好きなカレーライス、海藻サラダ、お味噌汁だった。  
 
「いただきます」  
彼女は箸を取って海藻サラダを食べ始めた、それを見て母も食べ始めたようだ。  
さっさとこの場から立ち去りたいと思うと自然と早食いになってしまう。  
次に味噌汁を飲む、泣いて水分が出て行った身体に染み渡るような気がした。  
いつもなら今日あった出来事やテレビのニュースの特集を見ながら色々と話すが今日の食卓には会話は無い。  
お味噌汁をすする音、どんよりとした空気…不気味で味さえ感じられなかった。  
海藻サラダが食べ終わり、お味噌汁を飲み乾し、箸からスプーンに持ち替えてカレーを一口食べた瞬間だった。  
 
「あのね、リーフ」  
突然、母が話し始めた、説教が始まったようだ。  
「お母さんビックリしちゃった、リーフが部屋であんな事してるなんて…」  
「・・・」  
彼女はうつむいたまま口に入れたカレーを噛まずに話を聞いた。  
 
「最初はおしっこを漏らしただけかなと思ったけど見かけない本があって…」  
「しかも汚れたパンツを洗ってるかと思ったら…お風呂場でもしちゃうし…」  
「…………っ!?」  
お風呂場でも自慰をしていた事がバレていたなんて…彼女は一気に頬を赤くした。  
 
「しちゃいけないって言ってるわけでもないけど・・・わかるよね?」  
「あなたは女の子でしょ?だったら・・・・・・それくらいわかって欲しいな」  
 
母の説教が耳に入ってこない、自分の事であっても食事中だから聞きたくない。  
うつむいたまま何も言わず適当に コクリ、コクリと話を流すように頷いた。  
それでも母の説教は続く、彼女の怒りのボルテージが徐々に上がっていく。  
 
「まったく・・・ほんとお母さん呆れちゃうよ」  
「リーフ!?さっきからお母さんの話聞いてるの!ねぇ?」  
「聞いてないみたいだね…もう一度言うよ、女の子なんだからね・・・わかるでしょ?」  
「・・・っっっ!!」  
遂に彼女の怒りが爆発した。  
 
「聞いてるよ!!それに勝手に人の部屋に入ってこないでよっ!!」  
「部屋に入る前にノックしたわよ!」  
「なんでご飯食べてる時に怒られなくちゃいけないのよ!!」  
「食べ終わったら、あんたがすぐ部屋に戻っちゃうからでしょうが!」  
 
彼女は口を開いたが怒りは収まらない、怒りの炎はさらに勢いを増した。  
 
『バンッ!』  
彼女は持っていたスプーンを床に思いっきり投げ捨てた。  
「お母さんなんてだいっっ嫌いっ!!」  
「もうこんな娘知らない、勝手に出て行きなさいよ!!」  
 
(もういやっ!!)  
彼女はそのまま走って部屋へ戻った、頬を伝っていつの間にか涙が流れていた。  
心の中は怒り、恥、悲しみ、いろいろ混ざって心の限界を超えていた。  
 
母はしばらく床に落ちたスプーンを見つめていた。  
 
いつもより長い夜  
 
足早に部屋へと戻った、母に呼び止められると思ったが声はしなかった。  
勢いよくドアを閉めて普段掛けない部屋の鍵も回した。  
そして頭から毛布の中に勢いよく潜り込んだ。  
「一体何なのよ!勝手に怒ってさ わたしが悪いことしたの?」  
 
母と口喧嘩をしたのは人生初めてだった、あんなに反抗したのも初めてだった。  
このモヤモヤを叫びたいぐらいだったが何とか理性で抑えた、胸は恥ずかしさと怒りでいっぱいだった。  
意味もなく毛布の中をモゾモゾと動き回る、自分を落ち着かせるために。  
毛布に潜り、30分ぐらい経ってモゾモゾを止めて顔を出した。  
何となく部屋の鏡を見た、シワシワのノースリーブ、スカートが捲れてショーツが丸見えの状態だった。  
栗色の髪の毛がクシャクシャで顔は怒っているけど涙目だった。  
 
(着替えよう…)  
いつもならお風呂に入ってから着替えるのだが、1階には母が居るので部屋から出たくなかった。  
タンスからピンク色のパジャマも取り出す、あの時、母が持ってたパジャマだった。  
「あ・・・」  
母の顔が頭に浮かんだが彼女は頭を左右に振り必死に忘れようとした。  
パジャマに着替えて日記を書く、しかし書くような事が1つも浮かばない。  
「はぁ・・・今日は最悪の1日だった!…っと」  
とりあえず一言殴り書きして日記を机の中に閉まった。  
 
(疲れた…もう寝ようかな?)  
ゲームをしたりテレビを見る気は起きなかった、もう楽になりたい、忘れたい。  
部屋の電気を消して布団に潜りこむ、  
 
(こんな布団、家にあったんだ…見たことないなぁ・・・)  
青色のシーツを見て彼女はふと、自分の父親の姿を思い浮かべた。  
 
(ってことは・・・?)  
彼女は机の電気を点けて机の奥に入れた性のなやみの本を取り出した。  
 
(やっぱりそうだ、お父さんが居なければ私は生まれてこなかったよね…)  
彼女は生命の誕生のページを見ながらしばらく考えていた。  
(今もお父さんがいれば相談できるのに、どこ行っちゃったの?)  
 
彼女は自分の父親を知らない、物心ついたときには既に家に居なかった。  
父親の墓参りに行ったり家の仏壇が有るわけでもない。オーキド博士に聞いても知らん、と言われた。  
父の行方を母親に聞いても無視されたり、他の話題に強制的に変わったりと今も父親の姿が分からない。  
アルバムに彼女と父親が一緒に写っている写真は1枚も無い。  
 
(この布団、お父さんの匂いがする…お父さん、私のお父さん・・・・・・……)  
彼女は父親の事を考えながら眠り落ちた。  
 
・真夜中のお食事  
 
深夜1時、  
真っ暗なマサラタウンに一軒だけ部屋の明かりが点いた、彼女は空腹で眠りから覚めたのであった。  
「あぁ…おなか減ったよ・・・」  
思わず口から言葉が出た、大好きなカレーライスも満足に食べられなかったためお腹が減って仕方ない。  
1階に降りて食べ物を探せば良かったが母に見つかって母の怒りのグレン火山が噴火したら大変だ。  
 
(そうだ!バックの中に何か食べられそうなものがあるかも…)  
旅の時にいつも使っている黄色いショルダーバックを手に取った。  
食べられそうな物を探った、几帳面な彼女の性格はバックの中に現れており、目的の物がすぐに見つかった。  
 
「サイコソーダみっけ!」  
彼女はサイコソーダを見つけるや否やに蓋をあけて一気に飲み干した、冷えていなかったが炭酸が喉の渇きを潤す。  
水分だけでは物足りない、まだお腹が減っている、さらにバックの底を探った。  
 
(これは?)  
彼女はふしぎなアメを見つけた、レベルアップのために集めていた物であった。  
青い包み紙で包まれたアメはポケモン用の物だったが彼女は躊躇せず口の中に入れた。  
 
「・・・へんなあじ〜…」  
ちょっと甘くて酸っぱくて薄味だった、あまり美味しくなかったが吐き出しもせず舐め続けた。  
舐め終わると飲み終わった缶と包み紙をゴミ箱に入れ電気を消して布団に入った。  
 
10分ぐらい経って彼女の身体に異変が起きた。  
(…何かからだが熱い?ムズムズする・・・)  
身体が熱くなり次第に汗が出てくる、彼女は毛布を取って隅に置いた。  
(うぅん・・・風邪かな?もしかして…?)  
彼女はふしぎなアメを舐めた事を思い出した、まさか人間にも効果があるとは思わなかった。  
 
「はぁ・・・はぁ・・・」  
彼女の手は無意識にパジャマのズボンからショーツへ入って、毛を掻き分けながら大事な部分にたどり着いた。  
そして指で周りをゆっくりとなぞりながら弄くり始めた。  
「ん・・・あ……あっ!」  
(やっぱり、ふしぎなアメのせいなの・・・?)  
寝転がりながらパジャマを捲り胸の先端を弄り始めた。頭がぼんやりしてお風呂に入っているような感覚だった。  
 
「あっんあっあっ!!」  
パジャマを全部脱いでショーツ1枚になってしまっていたが彼女は気にも留めなかった。  
自慰行為を続けながらベットから転げ落ちそうになり反対側に転がる、また落ちそうになり反対側に転がる。  
頭がクラクラして落ちそうなスリルが加わり更に興奮してしまう。  
 
「あっっ!!あっ んぐっ!」  
彼女は昼間に余りの気持ちよさに甘い声を出してお風呂場で自慰行為をしていたことを思い出した。  
体勢を変えてうつ伏せになり枕に顔を付けた、これなら声が出ても幾らか枕のおかげで聞こえなくなるはず。  
 
「くっ!うっん!くっうん!ふっ!」  
胸の先端がシーツに擦れて気持ちい、左手を伸ばしながら秘裂ギリギリのところを弄くった。  
息を殺しながら行為を続けた、ショーツは湿り気を帯び溢れてシーツにも彼女の液が付着していた。  
 
「ふっ!くっっぁ!くっうぅん!!」  
(わたしってほんと…いやらしいの)  
足と腰を動かしながら器用にショーツを脱ぎ捨てた、全裸になっても興奮は収まらず自慰行為を続けていた。  
 
その後、彼女は疲れ切ってそのまま眠ってしまった、時計は3時半を回っていた。  
 

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