「あ…あのさ」  
ファッション兄さんの顔が赤く見えるのは気のせいかしら?  
たぶん…気のせいよね。  
きっと、ココナツさんと一緒にぶどう酒でも飲んだんだわ。  
ココナツさんは大のお酒好きだし  
今年はぶどうが豊作だってマフィン爺が言ってたもの  
「良かったらさ。その、なんだ。俺で良ければさ……」  
「良ければ???」  
「一緒に湖に行かないか?今日は天気が良いから水面も光ってとても──」  
頭が真っ白になった。  
兄さんの気持ちはとっても嬉しいの  
兄さんの言う通り今日は天気が良いから  
絶好のデート日和だと思うわ。  
あぁ…二人はデートしに行ったのね。  
そう言えば明日の天気は晴れるの?ってしきりにマフィン爺に聞いていたっけ。  
ウーラーあなたの事わたしとても好きよ。  
嘘じゃないわ。  
でも、あなたは私には眩しすぎるのよ。  
素直にポンデ君に好きって言えるあなたが…  
羨ましい。  
「その…リングマ?」  
「あっ…ごめんなさい。ちょっと、考え事してて……」  
何をやっているのリングマ。  
兄さんに失礼じゃない。  
でも、何でだろう。  
湖に行きたいけど怖い。  
この目で見るのが怖いの。  
ポンデ君とウーラーを見るのが…  
とても怖い……  
「リングマ?大丈夫?具合でも悪いの?」  
「私、行きます!!!」  
いきなり大きな声を出した私に兄さんは  
びっくりしたみたい。  
ぽかんと口を開けて固まってしまったの。  
あんまりにもそれが可笑しくて私は笑いを堪える事が出来なくなってしまったのよ。  
 
私は笑い続けたわ。  
兄さんに悪いとは思いつつも  
止めれなかった。いえ、止まらなかったのよ。  
「そんなに可笑しかったかったかなぁ……」  
兄さんの顔が朱色に染まる。  
「はい!!すっごく!!!」  
私は即答した。  
だって、すっごくマヌ…いえ、面白かったのよ。  
誰が見たって笑うと思うわ。  
「う〜ん…でも、ちょっと傷つくなぁ……」  
「えっ、あ、ご、ごめんなさい!!!」  
私は慌てて謝罪の言葉を口にした。  
いつもは三枚目キャラの彼でも傷つく事はあるのだ。  
笑いすぎちゃったかしら……兄さんに悪い事しちゃったな……  
「あっ…じょ、冗談だよ。そんな…謝らないでよ。それにさ……」  
「それに???」  
「君の笑顔が見れるんだったら……そんなの安いもんさ」  
頭の中が真っ白になった。  
私は言葉の意味を理解しようと一生懸命考えた。  
考えても考えても答えは一つしか浮かばない。  
好意と言う答えしか──  
たぶん……私の気のせいだと思うけど……  
「あっ、ほら、早く行かないと日が暮れちゃうよ!!」  
「えっ、ちょっ…フアッション兄さん?!」  
ぼーっとしていた私がもどかしかったのか  
それとも、単に兄さんが恥ずかしかったのかは分からない。  
兄さんは私の手を掴むと走り出した。  
手を掴まれた時心臓がドキドキして壊れちゃうかと思ったわ。  
「でも…こんな日も悪くはないな」  
私は兄さんに聞こえない様に呟いた。  
私、もしかして、兄さんの事が好きなのかな……  
でも、そんな事どうでもいいわ。  
今は兄さんがいてくれたら……  
私は嬉しい。  
たぶん、私にとって今日と言う日が特別な日になるんだろう。  
私はそう思った。  
 
 
──数日後──  
 
 
湖や山で中睦まじく寄り添う二人の姿が見られたとか  
見えないとか  
冷やかしにちょっかいを出したココナツや  
リングマ、ファッションに遊んでもらおうとしたD−ピピコ達が  
マフィン爺に怒られたのは言うまでもない。  
 
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル