俺はいつものように、ネクタイを締め、背広に着替えていた。
いつもと同じ朝。ここしばらくは、大きな事件がなかったので、普通の会社員と同じ、朝起きて、朝食をとって、そして出勤するという日常を送っていた。
その時、急に家の電話の音が鳴り響く。
「はい。」
俺が電話を取ると、向こうの相手は息せき切って話してきた。
「ボス!大変です!消費者金融会社・ローンやまきんの社長、山川耕造の死体が発見されました!現場は花隈町にある山川の屋敷。
死体の第一発見者は、山川の秘書である沢木文江と、守衛の小宮という老人だそうです。」
電話の相手は、俺の信頼する部下である、間野康彦。通称はヤス。俺の部下でありながら、すごく優秀で、俺も全幅の信頼を置いている男。
そんなヤスの言うことだから、間違いない。おそらく彼は、この件を事件と推測しているのだろう。
ならば、急がねばならない。俺はそのまま、事件現場の花隈町へと向かった。
花隈町に到着すると、早速ヤスが待っていた。ヤスは、すぐさま俺に話しかける。
「ボス、どういう風に捜査を始めますか?」
コマンド:ばしょいどう
「ボス、どこへ行きますか?」
コマンド:そうさほんぶ
「捜査本部、取調室です。」
ここは薄暗い取調室。コンクリートの壁に囲まれた、独特の空間。ここで事件の関係者を呼び、取調べを行うのだ。
その室内に、俺とヤスがいる。
「さてボス、これからどういたしましょうか?」
ヤスが俺に命令を催促する。まずは何から調べようか。俺は思案の末に、ヤスに命令した。
コマンド:よべ。
「誰を呼びますか?」
俺はまず、死体の発見者である二人のうち、文江のほうを呼ぶことにする。
コマンド:ふみえ
すると間もなく、文江がこの部屋にやってきた。
そして取調室の椅子に座る。するとヤスは早速、俺に聞いてくる。
「ではボス、何をしますか?」
今、目の前にいるのは、若くて美人な女性。だが、俺は何となく直感でわかる。彼女は、俺よりも、ヤスのほうがお似合いかもしれない。
俺は早速、ヤスに命令する。
コマンド:なにか とれ
「何を取りますか?」
コマンド:ふく
「ボス!何てことを!職権乱用ですよっ!」
ヤスが俺にいきなり反論してきた。だが俺は怯まずに、ヤスに命令を出す。
コマンド:ヤスの ふくをとれ
「なっ・・・!ボス!どうして僕が文江さんの前で服を脱がなきゃならないんですか!?冗談はやめてください!」
コマンド:マジだ
「ま、マジって・・・これ以上やったら、訴えられますよ!」
コマンド:いいから さっさとぬげ
「ボ、ボス!」
俺の執拗な命令に、ヤスは渋々服を脱ぎだした。おや?肩に、蝶々のようなアザがあるぞ。
「これも捜査の一環だ。」
俺はヤスに冷たく言い放つ。
「どこが捜査の一環なんですかっ!」
「・・・あ、あの・・・」
ヤスの裸を見て、文江は顔を赤らめた。そんな彼女に追い討ちをかけるように、ヤスに命令を出す。
コマンド:ちんちん みせろ
「ボス!いくらなんでもそれは・・・」
コマンド:さっさとしろ
「ええっと・・・文江さん・・・」
コマンド:はやくしないと げんぽうしょぶんにするぞ
ようやくヤスは、前を隠していた両手を払いのけた。
「きゃあっ!」
途端に文江の悲鳴が上がった。
「ボス〜・・・」
ヤスが困り果てた顔で俺を見る。
コマンド:なにかとれ
「なっ・・・これ以上、何をとれと言うんですか!?」
コマンド:ふみえのふく
「ちょ、ちょっと、それだけはやめてください!」
「そうですよ刑事さん!いくらなんでもそれはセクハラです!」
コマンド:はやくとれ
「ボス!いいかげんにしてください!いくらなんでもこれはひどすぎますよ!」
コマンド:おまえがいやなら おれがぬがすぞ
「だ、ダメですそんなの!・・・・・・わかりました。文江さん・・・ごめん。」
「いやああああああっ!!!」
程なく、二人は全裸になる。しかし・・・文江の身体は、本当に美しい。まさしく、女の身体である。
そんな二人に、俺はさらに命令する。
コマンド:あいしあえ
「えっ・・・?」
「ボ、ボス・・・?」
二人はきょとんとしている。
コマンド:あいしあえ
「ボ、ボス・・・愛し合えって・・・?」
「言葉の通りだ、ヤス。」
「そ、そんな、私たち・・・・・・兄妹・・・・・・」
「何だって!?」
「あっ、い、いや、その・・・何でもないです・・・」
コマンド:あいしあえ
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
コマンド:あいしあえ
俺の執拗な命令に、二人は観念したようだ。文江とヤスは今、抱きしめあっている。もちろん、全裸で。
「(文江・・・ごめん・・・)」
「(お兄ちゃん・・・)」
コマンド:キスをしろ
「ん・・・んふ・・・」
ヤスと文江の唇が重なる・・・時折、文江の切なそうなため息が漏れた。
俺は今、感動している。今、目の前で、男と女が愛し合っている。
何て芸術的なんだろう!二人には是非、更なる高みへと駆け上って欲しい。
コマンド:なにか しらべろ
「・・・・・・何を調べろと言うのですか!?」
コマンド:ちち
「えーっと、白い柔肌の膨らみが、とても手に心地よいですよボス!」
ヤスは半ばやけくそになっているようだ。ある種の開き直りが感じて取れる。
コマンド:なにか しらべろ
「何を調べますか?」
コマンド:おま○こ
「そ、そんなボス!それだけは勘弁してください!」
コマンド:いいえ
「ボ、ボス!」
「お兄ちゃん・・・もう・・・嫌・・・」
コマンド:たたけ
「な、何を叩くというのですか?」
コマンド:ふみえ
「ボ、ボス!それだけはダメです!」
「くすん・・・」
コマンド:なにか しらべろ
「ボス・・・これ以上・・・何をしろと・・・」
「うう・・・もう嫌・・・」
コマンド:ふみえのぬれぐあい
「・・・・・・。」
「う・・・ぐすん・・・」
「大分、濡れてきています・・・」
コマンド:そうにゅうしろ
「な・・・何を挿入しろと・・・ボスはまさか・・・」
「・・・・・・。」
コマンド:ちんちん
「ダ、ダメですボス!それだけは!倫理に反します!」
ヤスの反論。だが、俺は疑問に思った。若い男女が愛し合うのに、どうして倫理に反するのだろうか?まあ、ここが捜査本部の取調室で、今は勤務中であるということは置いといて。
コマンド:おれがそうにゅうしようか
「ボス!それもダメですっ!」
「どうしてだ?」
「そ・・・それは・・・その・・・」
俺はすぐにわかった。姓は違うが、こいつらはおそらく・・・近親なのだろう。だとすると、先ほどの文江のつぶやきの意味も理解できる。
そう、二人は『兄妹』なのだ。
だから、挿入の命令にここまで頑なに抵抗するのだ。そんな二人に、俺は更なる命令を下す。
コマンド:しょうじきにはなせ
「な、何を・・・・・・ですか?」
「お前たちは・・・・・・兄妹だな?」
「・・・・・・。」
ヤスはしばらく黙ったままだった。文江も、同じく黙ったまま。
そして・・・・・・
「ボス。見事な捜査でした。僕が、生き別れになった、文江の兄です。」
「お兄ちゃん・・・」
「山川耕造を殺したのも、確かにこの僕です。」
あらら、自供しちゃったよ。俺はまだ、そこまで調べていないのに・・・まあいいか。
「両親を自殺に追いやった奴を許せなかったのです。」
「お兄ちゃん!」
「文江!」
おしまい