「嘘なんかつくんじゃなっかった・・・・」
そんな事を呟きながらブロッサムはもう泣くしかなっかた。
彼女は今日とんでもない嘘をついたのだ。
それは口を開くほどに簡単に大きくなり仕舞には地球はおろか宇宙中を騒がせるほどにまでなった・・・・・
皆に叱られるのを恐れた彼女は今、宇宙に浮かんでいる隕石に膝を抱えて座っていた
「はあぁ・・・・・・・・ん?」ブロッサムは後ろに何かの気配を感じ取った。まさか仲間二人がもう自分を見つけたのかと思いブロッサムは
顔についた涙を急いでぬぐった。だが後ろにいたのはまったく予想外の人物である事はその第一声でわかってしまった。
「よおぉ・・・バカ女!」その品のない生意気な声、今・・・自分が一番会いたくない人物だった。
「ラウディラフ・・・ボーイズ・・・!」ブロッサムの後ろにはラウディラフボーイズ・・・・のブリックが立っていた(宇宙なので正確には浮いていた)
「何しに・・・・来たのよ・・・・」ブロッサムは振り返らずにそのままの体制で話しかける。
「はあぁ!?何しに来ただ!!?」ブリックはなにやら腹を立てているようだ。
「何よ・・・どうせ私の事笑いにでも来たんでしょ?!」
自然と声が大きくなる、あたりまえだコイツは私達をバカにすることしか
考えてないんだから。
「お前に文句言いに来たんだよ!!」「ほら、やっぱり・・・・・へ?!」
自分の予想とは違う答えが帰ってきてブロッサムは驚き、後ろを振り返ってしまった。
ブリックがいっきに喋り出す。
「いいか!オレはだな!お前があんなバカな嘘ついたせいでで!
俺達が暴れるの我慢して前々から考えてた
『大嘘で世界をハチャメチャ大作戦』が出来なくなっちまったじゃねーか!!
どうしてくれるんだよ!!」
・・・・・・・・・・・どうやらブリックは他の人達とは違う意味でブロッサム腹を立ててるらしい。
「な・・・・なによ!!その理由!!私だって好きで嘘ついたわけじゃないわよ!!」
相手がブリックだからなのか・・・謝る気にはならなっかった(まぁ理由も理由だが・・・)
「うるせーよ!いいか!!もうあんな嘘つくんじゃねーぞ!!嘘は俺達の専売特許だからな!!」
全く訳がわからないなんでそんな事をコイツに言われなければならないのか・・・・・やっぱり腹が立つ。
「うるさいわね!!アンタなんかに言われなくたって二度と嘘なんかつかないわよ!!」
ブロッサムはつい大声で叫んでしまった。
「ほ!本当だな?本当にもうつかねーんだな!?」念を押して聞いて来る。
「もう!・・・頼まれたってつかないわよ!そのせいで帰れないんだから!!」
「ん!!・・・・へーそうなのか・・・」「な・・・なによ・・・」
目の前の少年がニヤリと笑う・・・いやな予感がする・・・・。
「じゃあ今は地球は暴れ放題なわけか・・・・」そういいながらブリックは怪しげな笑みを浮かべる。
「なっ・・・そんなことさせないわよ!!」突然の発言にブロッサムはつい立ち上がった。
「へへーん!じゃあ追いかけて止めてみろよ!お前は男の事なんかじゃなくて
オレみたいな悪者を追いかけてりゃーいいんだからな!!」そう言ってブリックは地球に向かって飛び立った。
「あ!!ま・・・・・待ちなさい!!!」ブロッサムもその場を飛び立った。
それから数時間で今日とんでもない嘘をついた少女は地球に帰ってきた。
途中敵を見失った彼女は今回の件で自分を探していた仲間達に捕まり
たっぷりお灸を喰らったのだと言う。
数日後
「はあぁ・・・」
ここは東京シティーの外れの林の中。その中でも一番大きな木の上に
何やら見張り台のようなものがある、そこに帽子を逆に被り
赤が目立つ服を着た少年が座ってため息をついていた。
「ブリックーー!!」後ろから別の少年の声がする、こちらは青と緑が目立つ服を着ている。
「ねーねー!ついに暴れるのを我慢して作った
ぼくちゃん達の秘密基地が完成したんだからさー仕上げに
旗を作ろうと思うんだけどーブリックはどんなのがいいー?
ぼくちゃんはやっぱり海賊旗みたいなのがいいもんねー!・・・・
・・ねぇきてる?」頭は金髪で服は青が目立つ少年がべらべらと喋る。
「うるせーな・・・今それどころじゃ無いんだよ!」赤い少年・・・ブリックが怒鳴った。
「えーなんだよその言い方!旗があったほうがかっこいいはずだもん!ブッチもなんか言ってやってよう!!」
金髪の少年は隣の前髪が長い緑の目立つ服の少年に話をふった。
「・・・・・わかったオイラが説得すからブーマーは旗の材料をあつめてこい」
そう言われ金髪少年・・・ブーマーはにっこりと笑う「わかった!じゃあ行ってくるもん!」
ブーマーは急いで大木に固定されているハシゴを降りていった。
仲間が離れたのを確認した緑の少年・・・ブッチはブリックの横に近付き座った。
「良かったのかよ・・・本当のこと言ってないんだろう?」
ブリックの方は見ずに前を見ながらブッチは話しかける。
「な!・・・何のことだよ・・・!!」突然の問い掛けにブックは驚く。
「誤魔化すなよ・・・他の奴らは騙せてもオイラは騙されないぜ?・・・・好きなんだろあいつの事が」
突然の発言にブリックは顔がいっきに赤くなり相手のほうを向いた。
「な!!何言ってんだ!!オレがあんな菓子食ってばっかで発情しまくってるバカ女好きなわけねだろーが!!!」
「何だ?オイラはブーマーの事言ってんだぜ?」「なぁ!!?」カマをかけられた・・・恥ずかしくて溜まらない
トレードマークの帽子を深く被り下を向いてしまう。「・・・・・・・もんく・・・・・あんのかよ・・・・・」
普段とは違う小さい声でブリックが喋った。
その問いにブッチは上を見上げながら答えた
「別に文句なんか無いぜ、ただオイラたちの間で隠し事は無しにして欲しいだけだ
、オイラ達は兄弟・・・いや、家族みたいなもんだからよ」
ブッチが喋り終わって少し時間がたった頃ブリックは帽子を直し顔を上げて話し出した。
「いいんだよ・・・本当のこと言ったってあのバカ女は信じるわけねーし。それに・・・」
「それに?」
「今はよ・・・オレが悪でアイツが正義って関係がけっこう気に入ってんだ!」
そう言うとブリックは普段とは少し違う明るい笑顔を見せた。
「そうか・・・まあ別にいいけどよ、先に彼氏できっちまったらどうすんだよ」
「へん!そん時は徹底的に邪魔してやるまでだよ!」さっきとは違う企んだ笑みを浮かべてブリックは言った。
「フン」あまりにも彼らしいからなのかブッチはつい笑ってしまった「な!バカ何笑ってんだよ!お前!!」
「おーーい!ブッチーブリック−!降りてきてよー!」下からさっき降りていった少年の声がする。
「おう!なんだブーマー!」「あ!!オイ!!待て!!」
呼び出しを聞きブッチは秘密基地から降りていく、ブリックもそれを追いかけていった・・・・。
終わり